【悲報】ラーネ・アウロラ、逮捕される⋯⋯
1:名無しの王立学園生
“モシモシ花”の噂、事実だった模様
なお、逮捕したのはクモっち
2:名無しの王立学園生
マジかよ
俺、ラーネのこと狙ってたんだが⋯⋯
思春期のピュアピュア・ハート⋯⋯粉砕されちゃったわ
4:名無しの王立学園生
>>2
お前のハートは欲望に塗れてるだろ
7:名無しの王立学園生
ただでさえ多い“暴君”伝説に
また新たな1ページが追加されたな⋯⋯
11:名無しの王立学園生
>>1
“モシモシ花”がマジだったってことは
被害者もいるんだろ? 無事だったの?
13:名無しの王立学園生
>>1
クモっちに逮捕されたとか
ラーネ・アウロラ、原型とどめてなさそう
なんか破片の一部を拾って来て、逮捕したってことになってそう
15:名無しの王立学園生
>>11
衰弱はしてるが命に別状はないってよ
18:名無しの王立学園生
>>11
俺の友人が被害者だったんだが
一時期はヤバかったぞ
やれ「愛の実感」だの「幸福がもたらす救済」だの
カルト臭いこと言いまくってよ
洗脳されてんのかよって思ってたら
洗脳されてるやんけ!
何もかも元通りになったとは言わんが
少なくとも友人はカルト臭いことは言わんくなったよ
20:名無しの王立学園生
つか、貧血がどうのってなんだったの?
>>18を信じるならカルト臭い言動するようになるのが被害みたいじゃん
貧血関係なくない?
21:名無しの王立学園生
>>13
クモっち「ヒトは殴んないよ」
23:名無しの王立学園生
>>21
ヒトは殴らない(※ただし聖剣はへし折る)
25:名無しの王立学園生
>>20
知らんけど
普通にご飯だったんじゃない?
28:名無しの王立学園生
例の魔力狂いといつも一緒にいたっていう、アイリ・チャドー
すげぇ必死になって聞き込みしてたな
もっと冷めたやつってイメージだったから
意外だったわ
29:名無しの王立学園生
>>28
公にはなってないけど
クモっちの知能で“モシモシ花”の真相にたどり着けるわけないから
アイリ・チャドーと共同戦線張ってたとかありそう
32:名無しの王立学園生
>>29
さすがにそれはないだろ
36:名無しの王立学園生
>>18
カルト臭い言動をするようになるって
まるでゼルヴィナ教だな
“モシモシ花”の正体・ゼルヴィナ教の人体実験説は正しかった⋯⋯?
37:名無しの王立学園生
>>36
実際、魔法で精神制御されてたって可能性あるよな
ラーネいなくなったら、我に返って正気に戻ってそうなところとかそんな感じ
48:名無しの王立学園生
つか、クモっち帰っちゃうのかよ
もっと居てほしいんだが
講師としては落第以下だけど
エンタメとしては最高だったわ
52:名無しの王立学園生
>>48
芸人扱い草
喜べよ
クモっちは帰っちまうが
入れ替わりに“狂い咲き”が来るらしいぞ
教師が噂してたわ
55:名無しの王立学園生
>>52
こんな短期間で立て続けに外部講師が来る?
妙だな⋯⋯?
しかもどっちも“二つ名持ち”だなんて
⋯⋯これ、実は俺達の知らない裏で
何かとんでもない事態が動いてるんじゃないか?
古の魔王復活とか 政府転覆とか
57:名無しの王立学園生
>>55
陰謀論乙
60:名無しの王立学園生
“狂い咲き”かぁ
噂じゃとんでもないロリコンだっていうけど
そんなヤツ講師に招いて大丈夫なもんか?
───
わたし、華亥ムラクモ♡ らっしゃいらっしゃい! 安いよ安いよ! 出血大サービス、閉店覚悟の大セールだぁ! ……え? なんのセールかって? ときめきプリティ・オンセール! かわいいの押し売り系女の子♡
つーことで、今日はねぇ、屋台おじさんのところに来てるよ。
ムラクモちゃんとじょーちゃん、れっちんに……なな、なんとベアおば! ……んん? 誰?
……って思ったでしょ。
……思ってない? ムラクモ風情の記憶力と一緒にするなって感じ? ぐさーっ。心に棘が刺さっちまったぜ……。
ちなみに、ベアおばって結構前に遭遇した人らしいよぉ。……うん。ムラクモちゃんはぜんぜん覚えておりませなんだ。
……覚えてなかったんだケド、『なんだって!? アンタ、この迷宮都市の白百合の顔を見忘れたってのかい!? 生地に浸して焼いて食っちまうよ!』ってめっちゃ怒られちゃってぇ。
まったく思い出せてないケド、カタチだけね、カタチだけ……。知ったような顔だけしておりましゅる。
うん。
屋台おじさんからの、ただ一つ変わらない「また来たよ……一刻も早く帰ってくれ」って感じの熱烈視線をスルーしつつ、スルーしつつ。
ムラクモちゃんのご着席だぁー! どっすーん。そんで、ムラクモちゃんの隣にはじょーちゃんとれっちんが座ってぇ、れっちんの隣にはベアおば。
クールでナイス・プリティな常連客ムラクモちゃんはさりげなく注文しちゃいますよぉ。『……ふっ、マスター。あの席のお嬢さんに“いつもの”を。プリティ・ムラクモちゃんからのラブリーおごりだって言っておいてくれ』的な? ……ちなみにそのお嬢さんとは? もも、もしやベアおば!? 違いますぅ。じょーちゃんですぅ!
注文を済ませたら、お利口さんに座って待ちましょう。ムラクモちゃんは我慢強い子だからね。うん。
……。
おはやくはやく! それがし、もはや待ちきれませぬ! 時は今! 敵はお肉屋台にあり! カキーンカキーン! なんつって。
ワクワク、ソワソワ待ってたのよ。そしたらね、いかにも暇つぶしだぜって感じにれっちんが言ってきたの。
「そういやアンタ、その緑の上着いつも着てるわよね。いつものフリフリの時とか、アシュベリーに着せ替えさせられた時も」
「うん。……お気に入り」
「あ、今遠い目した。……ふむ。その服、いわくつきと見たわよ。気になるわね」
「ちょ、クリムちゃん。無理に聞くのも悪いんじゃないかい?」
まー! れっちんってばムラクモちゃんのことが気になって仕方ないお年頃ざますの? 『チッ。ムラクモごときどうでもいいぜ! ……でもあいつ、最近プリティさに磨きがかかったよな……。──クソッ! あのプリティ・フェイスが頭から離れねぇ!』ってことなのん?
謀反人れっちんは、犬馬の労をいとわぬ忠臣・れっちんにジョブチェンジしたのん?
ところで、れっちんが聞きたいことというのは、この仁義なき羽織のことでござんしょうか?
ハイパーブルードラゴンを背に負った、ムラクモちゃんの闘志と信念とちょっぴり危険なカオリを表現したこいつのことを知りたいと……。クックック……命知らずだね、お嬢さん……。
……。
「ん。……じょーちゃんも聞きたい?」
「聞きたいですわ。……わたくし、ちゃーちゃんのことなら何だって知りたいですもの」
……照れちゃう。
だ、だがしかし! ムラクモちゃんは絶世の美貌を誇る美少女なので、その魅力にじょーちゃんが骨抜きになったって仕方ないよね! ムラクモ……なぁんて罪作りな女なんだ……。宛先不明のリンゴが届いたら、決して食べないように気を付けろよ! ……うーん食べちゃうかも。
よかろう。お主らにだけ真実を話す。……ただし、条件があるぜぇ。ゲへへ。
じょーちゃんにはあとでムラクモちゃんのプリティ・ヘッドをごしごし撫でていただこうか! ……まー! なぁーんてお得な見返りなんざましょ! ムラクモちゃんエピソードを思うさま聞けて、その上ふれあい広場遊びまで出来るなんて! この果報者♡
「これ、プレゼントなの。……ヒゲモジャスキンヘッドにもらった」
「……いや誰よその、ヒゲモジャなんとかって」
「そこはかとなく人相が悪そうなニックネームじゃないかい。……おばさん、ちょいと心配になってきちまったよ。
ムラクモちゃんってば、『飴ちゃんあげるよ』って言われたらホイホイついていきそうだし」
「それでついてった先で、不審者を爆散させるわけね」
しないよぉ。失敬だな!
言っとくケドね、れっちん! ムラクモちゃんは人間を殴らない! そしてベアおば! ムラクモちゃんは一流の警戒心を持ってるので、たかが飴ごときに釣られたりは……釣られたり……。
……。
……するかも。
で、でもムラクモちゃんは最強だし、どうってことないよね! うん。
そんな感じに完全完璧な理論武装(当社比)をしてるとねぇ、おずおずっていうのかな。じょーちゃんってば、すんごく気まずそうなお顔で話しかけてきたの。
「……その、ちゃーちゃん。ヒゲモジャさんって」
「ん」
賢いムラクモちゃんは、ははーんとガッテン。
そういや、じょーちゃんは金魚人くんのとこでムラクモちゃんヒストリーを目撃してんだったなって思い出したの。……いや本当にごめんなさいね、変なの見せて気まずくしちゃってぇ。
ムラクモちゃん渾身の慈愛の笑みを浮かべつつ、浮かべつつ。気にしなくって大丈夫だよって頷いてみるとね、ホッとした顔してくれる。……よかった。
「ちゃーちゃん、そのヒゲモジャさんって方……。ひょっとして、おとーさん(仮)さんですの?」
「んぐぅっ」
「おとーさん? なんだいそりゃ。……いかがわしい意味じゃないだろうね?」
「ちがう。……その、それ。おとーさんってやつ。忘れて」
「アンタ顔真っ赤よ、“暴君”。照れてんの?」
「てれてない」
くっ。やはりれっちんは謀反人であったか……!
なんか言い返そうと思ったケド、特になんも思い浮かばなかったので、無視したる。……くっ、このムラクモちゃんともあろう者が逃げ傷を受けるとは……。しかし、勝ったと思うなよ、れっちん! いずれキサマにも同じ思いを味あわせてやるからな!
マムシのムラクモは貴様の弱みを狙って、ねっとりと見つめているぞ……。……その監視、五秒くらいで飽きそう。この無能! 飽き性ムラクモ!
ところでヒゲモジャスキンヘッド。
……今でこそ地獄で達者でやってたらいいね、なんて応援してるケド……。
ムラクモちゃんってば最初に会った時、ヒゲモジャスキンヘッドのことかなり嫌いだったの。
別になんかされたってわけじゃないよ。
……ただ、あの人“協命機関”のスカウトマンやってたから、それで一方的に嫌いになっちゃってたんだよね。
これに関しちゃ、ムラクモちゃんが理不尽だったなって思うケド、でも“協命機関”のギットリおじさんだって悪いんだよ。人のこと値踏みするし、高圧的だし、下品だし、お金があれば何してもいいって思ってる。……なんかもう、ムッカァ! って感じぃ。態度悪いよね。
……え? お前もどっこいどっこいだろって? ……ムラクモちゃんは態度がデカいのであって悪いわけじゃないからセーフ! せふせふ。自認ビッグ・フェイスわたし。……大きな顔してんじゃないってのよ! ばちーん! ぐえー!
今でこそ人畜無害、非暴力主義の権化(大嘘)と化した平和の象徴ムラクモちゃんもねぇ、当時は若く、血気にはやってたもんだから、ムカつくギットリおじさんのことをえいやっ! って感じにぶん殴ったりしてたの。……あ、もちろん手加減はちゃんとしてたよ。ムラクモちゃんは生まれついての最強。マジになって殴ったら、肉の散弾銃が発射されちゃうもんね。
んじゃあ、そんなヒゲモジャスキンヘッドとどんな風に仲良くなってったのっていったら……残念! ムラクモちゃんにもわかんにゃい。特になんかきっかけみたいなイベントがあったワケじゃないしぃ。
……ただ、怒ってくれたんだよね。それは間違ってるぞって。褒めてくれたの。よくやったなって。こっちはそんなに多くなかったケド。
優しくはなかったと思うよ。……でも、なんだかおかーさんよりもわたしのこと、見てくれてるなって。
……ま、まあ!
ゲボヘドロのムシケラ野郎を殺せる場所をもらったってだけで、ヒゲモジャスキンヘッドには感謝してもしきれないケドね! ……おっとムラクモちゃん、頭蛮族が漏れてますよ。いっけなーい☆ スマイル、スマイル!
……続き話そ。
「……人間アピールしろって、もらったの」
「いや、人間アピールって何よ。アンタどう見ても人間でしょ? 中身は化け物だけど」
「ん。ヒゲモジャもそう言ってた。『お前バケモンみてぇに強いんだから、こんなの好きですぅ、趣味ですぅって人間アピールしとけ』って」
「めっちゃディスられてんじゃない! ……はっ! ま、まさか。アンタその人のこと……殺してない、わよね?」
殺さないよぉ。
別にそこまでムカつくこと言われたわけじゃないしぃ。
そう教えてあげると、解せないことにれっちんもベアおばも疑いの目で見てきよる。うわーん! ひどいよぉ! じょーちゃん慰めてぇ!
だきーっ! ……ん。うむ。よろしい撫で加減だ。苦しゅうないよ。
「ヒゲモジャさんはちゃーちゃんのこと、心配してくれてたんですのね。……大切に思って。とはいえ、わたくしの方がずっとずっと大切に思っていますし、心配もしてますけれどね」
「張り合ってんじゃないのよ、激重飼い主気取り」
「ムラクモちゃんを撫でるレイラちゃんの手付き……よどみがない。しばらく見ない内に、ずいぶんと仲良くなったもんだねえ」
……ヒゲモジャってわたしのことどう思ってたんだろ。
わかんない。ぜんぜんわかんない。
思い出の仁義なき羽織くん。……形見なのかもしれない羽織くん。
正直に言うと、デザインが気に入ってるってワケじゃないよ。むしろこれ、着てるだけで暑っ苦しいし、防御力が上がるわけでもないし、動きづらいもん。ムラクモちゃんが最強じゃなかったら、手かせ足かせになってる系装備だよぉ、こんなの。
……ケド。
「……はじめてだったから。大事にしようって。……それだけ」
「……そう。あんたも大概重い女よね、“暴君”」