わたし、華亥ムラクモ♡ おらおら~! おぬしら拙僧に貢ぎ物渡さんかい! ムラクモちゃんは自由自在! プリティ・ソロライブ強制公演にご飯おかわりし放題! きわめつけは……野宿自由! これがわたしのマニフェストだーっ! いやんっ、ダメよ! それは暴君の治世だわ! うっせぇ! 俺はもう決めたんだ! 暴君系女の子♡
長い闘いの日々だったが、ついに決着の時だ……ってことでね。
れっちん退場しようとしたんだよ。バトルリングから。
……そん時にねえ、どこからともなく声したんだよ。野太いおじさんボイス。
『グハハァー。まさかそやつをやっつけてしまうとは思いもしなかったゾイ! しかし、終わったと思うなよ! 本当の勝負はこっからだ!
──そう! 勝負は、諦めないやつが勝つんだーっ!』みたいな?
コレ盛ってるケドね。
……本当はもっとお下品な感じだったケド……。
んで、バコバコーって音したと思ったら、地面突き破って人外生えてきたのよ。
にょっきりにょっきり。
見た目はねえ、なんかごちゃ混ぜ。ライオン頭と鳥頭(ムラクモちゃんの記憶力のことじゃないよ)がくっついてるやつとか、そんなん。
いちおうね、いちおう。
人間っぽい魔力混じってないかなって確かめて見たケド、素敵でおしゃれなファッション通りに純粋な人外みたい。そんなのが、たっくさんれっちんを囲っとる。
んー。……このこと自体はもうどうってことないかなって。
だって今のれっちんってば、ムラクモちゃんの魔力使ってるし。だからもう、怪我する心配ってないと思うの。
……ないと思うケド。
……ふぅー。ムラクモちゃんってばなんだか火照ってきちゃったぁ。こりゃ気分を鎮めるために、ちょろっちアイドルステージ・オンライブしなくちゃいけないかも。
だって、こんなにもプリティな女の子が囚コロに来場してるのに、お客さんのままで終わっちゃうなんて、もったいないもんね!
ってことでねえ、これからあそこに乱入しようかなって思うの。
……え!? それってルール違反では? ぷいー(ぶりっ子)。知らない知らない知らないもーん!
このムラクモちゃんに規則を当てはめようなんて無駄なことだぜ。……何故なら、“暴君”だから! 暴君……。それは迷惑千万まき散らし系マイウェイを征く者……。
んだもんでねえ……そっちが先にルール違反したでしょ! なぁんて言うつもりないから、黒幕放送おじさんは安心して被害者面していいよ。
……あ! それとこれね、断じてストレス発散じゃないよ! ムラクモちゃんが目立ちたいだけ! それは明確にしておきます。勘違いしないでよね!
うんぬんかんぬん、うんたらどっこいよっこいしょ。
ハデポさんの困惑を華麗にスルーしつつ、しつつ。観客席からアイキャンフライ! 憧れのステージへ!
……へっ。やるじゃあねえか、れっちん! だが、ムラクモちゃんも最強と呼ばれた女だ! てめえにばかりいい格好はさせねえぜ! うおおっ、ここからは──小生の時間だーっ! つってねえ。
飛び上がって空中。
とりあえず意味もなく発光しとこっかなって。そーれピカー! うおっ、まぶし! さらにさらに、無意味な回転を惜しげもなく披露しつつ、しつつ。プリティ・レッグにちょろっち力入れちゃうよ。あんまりやるとこの辺更地になっちゃうから手加減してねえ。
はいどーん! 軽やかな着地に、地面くんってば盛り上がって演出なんかしてくれちゃってぇ。いやんっ、照れちゃう♡ 盛り上がる、だけにね。なんつって。
はい。
みなさんこんにちはー♡ 絶対ヒロインのお目見えですよー♡ クソダサ仮面のせいでこのプリティ・フェイスをお見せできないのは残念だけどねえ。
ムラクモちゃんのラブリーなご登場に会場はヒートアップ!
誰だ! 何だ! あの美少女は!? 仮面越しにも発生しまくるアイドルオーラ……。ま、まさか彼女は……! はいそうです。わたしが華亥ムラクモ♡ この笑顔、胸に焼き付けて一生モノのお宝にしてね♡
冗談はおいといて、モンスターくんをさっさと千切っちゃお。
気配を手繰った感じ、この子達がニョキニョキしてきてるのってリングの中だけみたい。……ほっ。つ、詰めが甘かったな、黒おじ! 客席の方までこやつら現れてたら、いかにムラクモちゃんでも対処が難しかったところだぁ。
お礼に、この人外くん達皆殺しにしてあげるね♡
とりあえず、近くにいたライオン頭くんの顔面にぱんちぱんち! ずばばばばー! 見よ! これが秘奥義、プリティ・デスダイナマイトだ! やり方は……力いっぱい殴るだけ! まー! すごい! すぐにでも習得できちゃいそう!
溜まりに溜まった鬱憤と、人外くんへの無慈悲な殺意を乗せた拳が罪なきライオンくんを襲う! ばーん。圧力かけた胡桃みたく破裂して死んじゃった。
南無南無~。成仏してねえ。
「……あ、アンタ! 自分がどういう立場かわかってやってんの?!」
「知らない。……交代だよ。こっからわたしやる」
「馬鹿言ってんじゃないのよ。これ、あたしの戦いだわ。……魔力の支援までは百歩譲るにしても……交代だなんて冗談じゃない。アンタ引っ込んでなさいよ」
「やだ」
れっちんだよ。
周りの人外を槍でプスプスやりながら(槍だけに(ドッ)話しかけてきたの。
でもごめんねえ。ムラクモちゃん、下がる気ないよ。
鬱憤晴らしだけが目的なら、もう下がったっていいんだケド、ここって街だよ。治安悪くっても街。で、街にモンスターが現れて暴れてる。
なら、魔法少女が見てるだけってのも変な話になっちゃうでしょ? ってことで、ムラクモちゃんは我が道を行かせていただきますぅ。
鳥頭くんの腕を千切ったり、羊頭くんの内臓引きずり出したりしてたらねえ、けっこうすぐに人外くん達全滅しちゃったよ。
お、これでお仕事終わりかな? って思ったの。でもねえ、黒おじったらぜんぜん焦ってないみたいなの。
『ふっ。あんなザコ戦闘員を滅ぼした程度で勝ったつもりか? フフフのフ。真の絶望というのを、そのムシケラ知能に刻み込んでやろう。愚かなる人間どもよ!』的な。
そんなようなことを自信満々に言ったんだよぉ。んで、次の瞬間、あの魔法未満の魔力がグングン注ぎ込まれたの、先生(仮)に。
……魔力逆流はしなかったよ。代わりに、裏返った。
先生(仮)の中にある魔力をはじき出すように、別の魔力が生えてきて……。
映画なんかでさ、倒れてた死体がいきなり起き上がるやつあるでしょ。上半身がさぁ、グイってなるやつ。あんな感じに立ち上がったんだよね、先生(仮)。
そんで、人間の皮を取っ払うみたいに引きはがしたの。その下から出てきたのはねえ……ウサギ。
すんごい憎たらしいお顔した、グラディエーターうさぎおじさんだよ。……うん。いや、うん。うさぎおじさん。うん。
……ムラクモちゃんってば、こんなのに見覚えあるんですケド。
細かいところはなんか違う感じだけど……すんごく見たことある変身なんですケド。……はっきり言っちゃうね。これ、改造人間だよ。
……地球の、悪の組織が使ってた侵略計画の尖兵。
なんでこんなところにおりますのん? ってのは置いとくよ。考えて答えが出るもんじゃないし。
今考えるのは、あいつをどう片付けるかってことだよ。……さすがにぶん殴ってやっつけるわけにもいかないしね。ムラクモちゃん、ヒトは殴んないので。
ちょっぴり考えて……結論。
しょうがないから今回も締め落としたらいいかなって。そうと決まったらさっさとやっちゃお。変に暴れられたら厄介だしぃ。力加減間違っちゃうかもしんないから。
「待ちなさいよ」
「……?」
「言ったでしょ。これはあいつ……の舎弟があたしに売って、あたしが買った喧嘩よ。アンタが出る幕じゃない。
アンタは大人しくあのうっとうしい黒幕気取りをとっ捕まえてきなさいよ。……わかるんでしょ? 居場所」
「……ん。わかるケド」
「もう一度言うわ。……アレは、あたしの獲物よ。わかったら、さっさと行っちゃいなさい」
……いや、知ったこっちゃないですケド。
ムラクモちゃんってば、もうウサおじのこと昏睡させたろうって決めちゃったもの。だから、ムラクモちゃんがやるよぉ。誰がなんと言おうとね。
だかられっちんの事情とか考えてあげたりなんか……。でも、れっちんって友達だし。
……。
「ん。……いいよ」
「意外ね。もっとゴネると思ったわ」
失敬だな!
とはいえ、今日のところは許してあげるよ。何故ならムラクモちゃんは“暴君”。謀反人・れっちんごときの失敬など、この広すぎる器をもってすればすぐに見えなくなっちゃうものゆるせぬ! クッ! チクショウ! さっきはムラクモちゃんのコトあんなにヤキモキさせやがってこやつ! 謀反人めが!
……ムラクモちゃん行くけど無事でいろよな!
通りがかりにウサおじの剣をへし折りつつ、へし折りつつ。見たか! これがムラクモちゃんにたてついた末路なんだぞ! つってね。
ダッシュで立ち去っちゃう。
───
ててんがてんてこ、ててんてこー。
お宿の近くまで行くとねえ、どういうわけかオーディエンスがたっくさんいるよぉ。ガラの悪そうなお兄さんとか、でっかい岩人形とか。
そんでその一番奥のところに宿屋のオヤジさんいるよ。……すんごいダサい格好しとる。なんか囚人服の上にエプロン付けて、さらにマントまで羽織るというクソダサ・ファッション。……れっちん仮面に匹敵するダサさだぁ。
オヤジさんってば「“暴君”! やはり誤魔化せんか! しかし!」とかって大声出すんだけど、そしたら周りのガラ悪さん達……「え? “暴君”?」「嘘だろ? 聞いてねえぞ!」ってテンションダダ下がりしとる。
……ムラクモちゃんに言われちゃおしまいだと思うケド、よもやおぬしら情報共有ちゃんとしなかったのん?
「大丈夫だ! やつは人間を攻撃しない! 有名だろ!」
「馬鹿野郎! テメエ、あいつの配信見たことねえのか! スゲェ短気なんだぞ! 遊び気分でモンスター爆散させるんだぞ! チクショウ! やってられるかよ!」
んで、なんかすっごいもめ始めてねえ。
オヤジさん、ガラ悪お兄さんの一人にぶん殴られちゃった。で、殴ったガラ悪お兄さんったら見向きもせずに走ってっちゃったよ。
……あの、ムラクモちゃんを差し置いて話進めるのやめてもらっていい?
何やねんこれって思ってたらね、殴られおじさんほっぺ抑えながらクスクス笑いだしたよ。……声震えてる。痛いのかしら?
「わ、私がここで捕らえられようと、安心は出来んぞ! ゼルヴィナは常にキサマを見張って──」
ドガシャーン!
でっかい岩人形くんをね、引き千切ったげたの。んで、破片ポイ捨てしてたら、殴られおじさん「ヒィッ!」って。あ、ごめんねえ。今なんか話してなかった? 遮っちゃった。でも別に興味ないから、もう一度聞いたりしないけどね。
部下悪さん達、めっちゃガヤガヤしてるよ。「ギガタイタンだぞ? バケモンか……?」とか「ぼ、“暴君”……! ありがちな都市伝説じゃなかったのか……!」とか、「あんな頭悪そうなダサい仮面付けてるのに……!」とか。
全部ムラクモちゃんに聞こえちゃってますからね。……仮面はムラクモちゃんの趣味じゃないって言っとるでしょ! もうっ!
……まあいいや。
殴られ黒幕宿屋おじさんに大人しくしてねって言ったらね、ビクビクしながら従ってくれたよ。いい子いい子~。変に暴れられたら、ムラクモちゃんも厄介だったからとっても大助かりなの。
……あ。ロープも手錠も持ってないや。じゃあどうやって捕まえたらいいの? って困ってたらね、宿おじ部下さん達が変な輪っか貸してくれたよ。犯罪者捕まえるためのやつなんだって。……そち、なんでそんなの都合よく持っとるん? ありがと。
───
れっちん、ハデポさんと合流したよ。
囚コロのねえ、エントランス・ホール。
ここに来るまで……どんな些細な悪口も聞き逃さないムラクモちゃん・イヤーがね、コソコソ話を拾いまくったよぉ。「あ……あいつ……。ま、間違いない……! “暴君”だ……!」「し、知ってんのか? あの化け物を……!?」「馬鹿野郎! 声がでけぇ! 聞かれたら殺されるぞ!!」って感じ。……いや殺さないよぉ。何度だって言うけど、ムラクモちゃんは人間の味方ですからね。ほんのちょろっちイラついたくらいじゃあ、暴れたりしませんって。……ホントぉ?
めっちゃバレまくっとるやんけ! なして!? バトルリングであんなにも暴れまくったからでは? なるほど明快! ムラクモちゃんはその場に存在するだけで輝きを放つ存在だからね……。隠すことなどできないのだ……。
し、しかし……。
……もう意味ないみたいだし、この仮面とっていい? ムラクモちゃんのかわいいお顔を隠してるなんて、人類の損失だよ。一秒でも早く開放すべきだと思うんですケド。
そんなようなことをれっちんに提案してたらね、すごいことあったの。
なんだか人々がワラワラ集まってきてねえ、平伏し始めたのよ、ムラクモちゃんに。一緒になってついてきた宿おじ部下さん達も平伏してるよ。
なんだかねえ、警察官みたいな恰好した人グルグル巻きにしてさぁ、そんで僕ちゃん達には敵意ありませんって言ってきたの。……や、だからムラクモちゃんは君達の味方だって言ってるでしょ! 最初から敵味方別れてないんだってば!
これにはさすがのムラクモちゃんも困っちゃったよぉ。きゃんっ、やめてください……。近づかないで。ムラクモちゃんに伝えたいことがあるなら、事務所を通すか、ファンレターを送ってくださいっ。
かしこみかしこみされるいわれなんてないんだからねっ。
……でも自分、不器用っスから。
頭の中にある想い……一滴くらいしか君に伝えられないよ、ふぉーえばー。
マジで困ってたの。
で、そんなところにハデポさんがカットイン! してきたよ。
ハデポさんまずね、平伏さん達にお話し聞くことにしたみたい。……みんなけっこうチグハグでツギハギなこと言うんだけど……。
だいたい全部聞いたやつ、要約してみるねえ。
「俺達犯罪者! めっちゃ犯罪者! でも中には冤罪でぶち込まれたやつもいるよ! 俺達を統制するために潜り込んでる帝国軍人もいる! わかるかい!? ここは夢のディストピア! だけど最近なんか変! よくわからんけどなんか変! クッソ弱い奴がいきなりパワーアップしたり、街内の派閥争いが過激化したり……。なな、なんと! それには黒幕がいたのだ! むむ! 何やつ!? それは怪しいカルト宗教です。実は彼ら、夜な夜な人体実験を繰り返し……人間を魔人にしてしまうのだーっ!」って、コトみたい。うーん、長い。
囚人さん達のお話聞いたら、ハデポさんってば何か伝えたいみたい。
で、みんなからよく見える位置に陣取ってね、演説なんか始めちゃった。……今日ってもうだいぶ長話聞いてるから、ムラクモちゃんもう限界なんですケド。
……つってお船をこいでたらね、「アンタ真面目に聞いときなさいよね」ってれっちんが起こしてきおる。……クッ! こやつめ!
しょうがないから、ペちゃらこお話聞いたよ。つまりねえ、
「あちし、迷ってます! 正しさとかこの国の先とか政治の展望とかなんもありません! でもこのままではいけないと思ってる! だからこそ何とかしないといけないと思ってる!」って感じ。
……うーん。
フワフワだぁ。ムラクモちゃんの自己認識くらいフワフワしてるぅ。
でも、なんか伝えたいよ、何とかしたいよって雰囲気と熱意は伝わったみたい。ムラクモちゃんに対してビビクゥってしとった人達がね、なんとなく熱くなってきてるのがわかるよ。
……ムラクモちゃん、政治とかわかんないよ。わかんないからなんも言わないケド……うん。ハデポさんのこと、ちょろっち見直しちゃったかも。
……敬意を表するね。ハデポさんの強さに。その、カタチに。
───
お話が終わったらもう一晩お休みもらって、帝都に向かうよ。
ムラクモちゃんはね、ここでもちゃんと忘れずにおやつとお弁当とお土産を買っとくの。
んでね、街の代表者さんなのかな? いかにもチャンピオンって感じのマッチョさんとお話しとるハデポさんに声掛けしちゃう。
「ん。れっちん出発するよって」
「ああ、すぐに行く。……ウィザー殿、あとは頼む」
「へえ。……後のことはつつがなく。お嬢も、どうかお気をつけて」
「ああ。……ありがとう」
てんてこ、てんてこ~。
のんびり歩いとるとね、ハデポさん話しかけてきたよ。
「……“暴君”殿はすごいな」
「ん?」
「正しいのかと聞いた時に、どちらも選ぶと言っただろ。……そして、本当にしてしまった。……あなたは自分の正しさに答えが出せたということだろう?」
……や、出せてませんけど。
開き直っただけだよぉ。開き直って好き勝手やっただけ。……あ、でもすごいよってのはもっと言ってくれていいよ。ムラクモちゃん褒められるの大好き!
わーわー、きゃーきゃー! 超絶プリティ! 世紀の大天才! なんだかすごくて、めっちゃ最強! あと……そこはかとなくえらい! ……照れるぜ。
おっといけない、脳みそをトロトロに溶かされてしまうところだった。……ハデポさん、恐ろしい軍略を使いおる。これが美女連環の計か……。ムラクモちゃんという美女を使って、ムラクモちゃんという美少女を篭絡する……。まさに連環! なんつって。
「……急ぐことないよ。……あと」
「あと?」
「わたし、華亥ムラクモ♡ ゴーイングがマイウェイ! 砕いて潰して歩いた場所が道! インフラ整備系女の子♡」
「い、いきなりなんだい!?」
「ん。わたしのこと、名前で呼んでもいいよ。……お名前教えて?」
「いや……もう名乗ったが……」
ごめんケド、覚えてないのん。
あん時ってそんなに興味なかったから聞き流しちゃった。ゆるちて。
付きましては、誠に心苦しいんですケド……これから覚えるから教えてちょー!
「ん。おしえて」
「……はぁ。フィリシアだよ。……フィリシア・ドゥ・シルヴェリオン。……つくづく、わからない人だ。
……初めてだよ。そんな風に言ってきた人は」
お手数をおかけしましたぁ。
……ひりしあ。ふぃりしあ。呼びにくいなあ。……でも覚えたよ。最初の一回くらいはちゃんと呼んだげるね。
でも二回目以降は呼びにくいから、君はひりしあだよ。
「れっちん待ってる。……行こ、ふぃりしあ」
「……ああ!」