わたし、華亥ムラクモ! 華よぉ~、嵐ぃ~。ビュンビュン巻いてドンドカ大惨事! 私人逮捕にバイトテロ! さらには私有地占領からのムラクモタワー建設まで!
なんてこったい! 憧れの救世主の正体は、迷惑系配信者“暴君”だったのだ! 憧憬巻き込み事故系女の子♡
カクカクのシカジカ~ってことでね。
帝都の真ん中ら辺に来てるよ。そこにはねえ、遠目からもけっこうクッキリ見えちゃうくらいにでっかいロボットが佇んどる。宇宙戦争ロボってより、ファンタジー仕様騎士ロボって感じ。必殺剣とか放ってきそう。……くらえ!
ちなみにゲボヘドロ人外達はねぇ、根絶やしにできたよ。魔力感知まで使って念入りにプチプチやったから、間違いないと思うのん。
これねえ、帝都民さんたくさん生きてたら、そっちが目くらましになっちゃってたから正確にはなんなかったと思うケド、幸か不幸か……や、不幸以外のなにもんでもないけどね。おかげさまで訪ね人すんのには困らなかったよぉ。
ただ、ロボットくんがね。まだ生き残りいるかもしんないからね。
……もしもーし。からくり探して三千里! 片栗もって唐入りじゃーっ! つってねえ。 もしもーし、お返事くださーい。どこにいるのん? やっほー! ここだーい! あ! 死ねぇい! ってな感じぃ。
騎士ロボくんの話。
行ってみたんだよ、そっちの方。
そしたらね、足元のところにチグ子いたんだよ。……相も変わらず気持ち悪い気配してるなぁ。チグハグ過ぎてムラクモちゃん、思わずぶっ殺したくなっちゃう。
ただ……。なんか興奮してんのかしら?
前に会った時よりも露骨に感情が漏れてる感じする。その分だけチグハグ感が薄れて、キモさレベル上昇中ですわよ。
具体的にどんなっていうとねえ……んー。わかんにゃい。じょーちゃんやれっちんから向けられるのに近い気するケド、なんかもっと重たくってねっとりしとる感じする。なんだろうね。経験ないけど、厄介ファンに一方通行激重ラブコールされちゃっとる感じ? 違うかな?
まあいいか、どうでも。
ところでそなた……。そんなところに突っ立ってて大丈夫なのん? デカロボくんに踏み潰されちゃったりしない? 危ないよぉ。
しょうもないことを考えつつ考えつつ。接近するとねえ。ムラクモちゃんのご来訪を感知したチグ子が話しかけてきたよ。
「──ようこそ、ムラクモちゃん」
「ん。……だいたい全部やっつけたと思うケド、残ってるかもしんない。止めて」
「ふふっ、やっぱそう来るよね。……やーだよ♡」
……イラァ。
やっぱこいつ殺しちゃおうかな。……いやいや、相手いちおうヒトだし。我慢我慢。ムラクモちゃんってば模範的人格者なんだし、ちょろっちメスガキ煽りされたくらいで最強げなくキレ散らかしたりなんか……ゆるせぬ!
チクショウ! こやつめ! ムラクモちゃんを煽った報いをわからせてやろうか! 具体的にはそのなんか、特徴がない感じのお顔破裂させちゃったりして! ……なんてね。やんないよ、やんない。
……ホントに。
……まあ、やめたくないってんならしょうがない。別に無理やりに止めてくれーっ! なんて言わないよ。うん。
……言わないだけだけどねえ。
だからね、ムラクモちゃんこれからあなた絞め落とすことにするよ。そんで、お隣のでっかいお友達もぶっ潰して……ちょろっち大変だケド、生き残ったのをチマチマ潰してくことにするね。……つーことで。
プリティ・ハンドでその細っこい首、引っ掴んじゃうね。……無理に抵抗しないでくれると嬉しいかも。変に暴れられるとへし折っちゃうかもしんないし。
はいどーんっ。つってねぇ。チグ子へダッシュダッシュしたのよ。……すげぇ! なんてスピードだぁ! 超高性能ムラクモ型エンジンの出力は一千垓馬力だぜ! ぶぉんぶぉーん! し、しかし……燃費が致命的だぁ。三秒以上駆動すると、ガス欠になっちまう……。全然走れへんやんけ! つって。
チグ子の首引っ掴もうと思ったの。
……そしたらさぁ、変な力場に邪魔されて指が押し戻されちゃったの。……んー?
ちょっと力強めてみよ。……あ。これ、ムラクモちゃんの力反射してる。
ほえー。考えたね。
……まあでも別にどうってことないかなって。
反射するっつっても無限にやり続けられるわけじゃないと思うし。例えばさぁ、ムラクモちゃんが思いっきし殴りに行くでしょ。……や、マジでやったら被害がシャレになんないからやんないケド。……脳内ではしょうもないシャレばっかり言ってるのに? ……現実世界ではシャレにならないなんて! この“暴君”! 脳内お花畑怪獣! ムラクモ!
うん。
それなりパワーでね。反射しきれないくらいに連打して、引っぺがしちゃえばいいよねって。
……その場合、ムラクモちゃんが痛い思いすることになっちゃいそう。
でも、わたし挫けません! 何故なら最強だから! 最強……それはやせ我慢選手権王者。
まだあるよ。
魔力圧縮しちゃうの。これね、要するに出力勝負だよ。魔力の。なら、ムラクモちゃん負けるワケないよねって。
……や、でもこれ良くないな。このバリア無理くり圧し潰しちゃうってなると、けっこう本気出しちゃわないと無理っぽいもん。チグ子もろともバキバキにしちゃうよ。それはいくない。
もいっこ。ムラクモちゃんの固有魔法を使うこと。
次元べりべりにする要領でバリア引っぺがしちゃえばいいから、実は一番簡単。……でもねえ。見た目よくないんだよね。だからナシ。うん。
……じゃあやっぱり一個目かなって。
案が決まったなら、さっそく行動、行動! 殴ってる最中にバリア壊れてチグ子に当たったらやだから、ロボットくんの方殴るよ。そーれ、どかどかー。
ぺっちんぺっちん叩いてみるとねえ、めっちゃ跳ね返ってくるよ。衝撃。……ふっ、だがその攻撃は見切った! ミラーフォースバリヤー! キュイーン! ムラクモの攻撃が自分へと返ってくる! ぎゃーす!
……ん。ちょっと今骨にひび入っちゃったかも。あいてー。治しとこ。キュイーン! ……んっ。折れた時より遥かにいてぇ。
「……そうですよね。あなたなら、そういうやり方、しますよね」
「ん?」
「気が付いてますか? 皇蟲と戦った時も、ムラクモちゃん……自分を顧みなかったでしょ。そういう姿、怖いって思われてますよ。色んな人に」
「……知らない。どうでもいいよ、そんなの」
「本当に? 本当にそうなの? ムラクモちゃんには嫌われたくない大切な人って……いないんですか?」
「……ッ」
……。
いないってことは、ないかな。
……聞かれたからにはね。ちょろっち自分語りしちゃうよ。
くしくもムラクモちゃん、今回の帝国旅行でねえ、色んなこと考えたの。友達のこと。魔法少女であるってこと。自分勝手選手権王者・“暴君”の二つ名。……他にもいろいろ。
本当のほんとうに、たくさん考えたんだよ。
それで、思ったの。
……きっとね。わたしって弱くなったんだ。地球にいた時より、ずっとずっと。どうしようもなく。
昔は迷わなかった。誰がなんと言おうと、どう感じようと関係なかった。痛くても辛くても、そんなの知らない顔できた。
……わたし、魔法少女でだけいれば良かったの。
……でも今は。
この世界に来てからは。
捨てたくないものが増えちゃったんだって。
「……ふふ。そんなにかわいい顔、しないでください。持って帰りたくなっちゃうでしょ。
ね。ムラクモちゃん……あなた、神様に選ばれた子なんですよ。そのすごい力って、神様があなたに与えた、救世の印なんです」
「……。ん。そんな風に考えたこと……ある。……でも」
「本当はね、こんなこと言うつもりなかったけど……。我慢できなくなっちゃったので言っちゃいます。あたしのところに来て? ムラクモちゃん。あたしなら、あなたに意味をあげられる。あたしなら、あなたに愛をあげられる。
あたしだけが、あなたを理解できるんですよ」
……。
……ん?
……えぇ(困惑)?
急になあに?
ちょっと待ってよ。バリア破る破らないの話から、じょーちゃん達に嫌われる嫌われないの話になって、今度は怪しげな勧誘ですか? ちょっと話がワープしまくリングでムラクモちゃん付いてけないんですケド。
思わず冷静になっちゃったよ。やめてよね!
……っていうか、そっちが「ムラクモちゃんプリティに目を焼かれたファンをどう思ってる?」っつって聞いてきたんだから、ちゃんとムラクモちゃんのお答え聞いてよ。けっこう真面目に考えてんだからね! ガラにもなく!
じゃあ気になるお答えだよ。続きは──CMのあと! なんつって。
NOだよ。理解なんて別にほしくないもの。つか、上から目線で上げますよって言われて受け取った意味に、どんだけの価値があんですかってワケ。
なので。
「いらない。……たしかに、この力に意味があるかもって思ったこと、ある。
……でもね。自分に意味を求めるの、もうやめたの。──だから。好き嫌いで振るうの、この力」
「~~~~~っ!!!!!♡」
「???」
なんだろうね。
チグ子ったら急に悶え始めたよ。……えぇ?
……うーん。……あ! よもや、プリティ・アイドルムラクモちゃんのあまりにラブリーなキメ台詞がクリティカルヒットしてしまったのん? そのあまりの名台詞っぷりと、凛々しくも愛らしい人間国宝フェイスに屈服したんだぁ! ……ふぅ。こんなところでまたしてもファンを一人増やしてしまった……。
魅力にあふれすぎてるってのも、悩み事でおじゃるわね。麻呂ってば……イケない女♡
さておきさておき。
こいつ大丈夫なの? っつって見守っとるとね、咳払いしたよチグ子。……仕切り直したいんかな。
「……そ、そうですか。嫌ならしょうがないね。……でもあたし、ますますほしくなってきちゃった……。ムラクモちゃん……♡」
「ん。……とりあえず、あなたすっごいムカつくからワシャクチャにしちゃうことにするね。……安心していいよ、わたしヒトは殴んないから」
「な、なにをするつもりなんです……?♡」
「……ね。あなた、パンチでバリア壊されたくないんでしょ」
「え? あ、はい」
「いいよ」
お邪魔バリアー……別にチグ子なんか無視して、殴り壊したっていいんだケド。
ちょっと今さっきのやりとりで、ムラクモちゃんの非友好ゲージがさらに溜まっちゃったからね。特にガラにもないこと考えさせたところ。
ちょっと力入り過ぎちゃうかもしんない。一方的な私怨でね。
んだもんで、しょうがないからねえ。『魔獣の手』使ってあげるよぉ。とっても不本意なんだけど。見た目よくないからね。
ってことで、お久しぶりの固有魔法がお目見えしますよぉ。
そーれえろいむえっさいむぅー。ぶわわーん!
そうするとねえ、ムラクモちゃんの足元からとっても物騒なお手々が次々に生えてきちゃうよ。でっかいお化けハンド。
こいつの爪でねえ、バリアをカリカリーって引っ掻くよ。
そうすると……あーら不思議。あんなにもうっとうしかった力場がきれいさっぱり消滅しちゃってござるじゃありませんのー! やったぜ。
邪魔者なくなったら、でっかいロボットくんへパーンチ! べちこーん!
……ありゃ、ヘコんだだけだ。……ちょっと手加減しすぎちゃったかな? ……だ、だが。それはムラクモちゃんが悪いんじゃないぜ! 拙僧に手加減を求めるこの世の脆さがいけないのだ! だ、だからね! 一撃粉砕に失敗したってかっこ悪くないんだーい! ……ふっ。言い訳なんかして、いいわけ?
あ。それとね、もうひとつ。
騎士ロボくんがドッテーンつってずっこけたからねえ。仕切り直しにちょうどいいでしょ。だから、さっきのインタビューに答えたげるよ。……ムラクモちゃん、まだ答えてなかったからね。
キサマムラクモ! 大好きなお友達に「クソ! 暴力系ゲロイン自分勝手ムラクモめ! お前なんかに付き合ってられないぜ!」ってされてもいいんですかぁ(メスガキ煽り)? ってお話しね。真面目に答えたげる。
……よくない。いやだ。
「……ね。わたし、嫌われたくないよ。かわいい、えらいねって言われたい」
「もちろん、知ってますよ。……やきもち妬いちゃうくらい」
「? ……でもね、だからってやり方変えない。わたしはわたしがやりたいようにやる。……それが間違ってたら、言ってほしい。
それでも。それでも……嫌われちゃうんなら……それは止めない。嫌だけど、ごめんね、さよならってする。……だってわたし、“暴君”だもの」
「~~~~ッ♡♡♡」
シュピキラーン!
決まったぜ、ってね。ムラクモちゃんの人生をかけた大名言が炸裂しちゃいましたねえ。オーディエンスの皆さん、スタンディングオペレーションシステムしていいよ。なんか、うーん。……いきなり部屋暗くなって知らない人が踊り始めるやつ。
いいよね、あれ。ムラクモちゃんめっちゃやってもらいたい。ムラクモちゃんかわいいコールと共に、なんかグルグルダンス。……そしてその中央で光に包まれるムラクモちゃん……芸術的じゃ、ありませんか? ふつくしい……。……しかし、残念だったな! えっ? その光は爆発エネルギーだ! 臨界点までカウント3! 死ねえ! ドカーン! さらばムラクモ永遠に!
……そんなこと考えてたらさぁ、身もだえチグ子が言ってきたの。
「……うふふ。今、ムラクモちゃん爆死したでしょう?」
「ん?」
「わかりますよ。ずっと見てきたんだもん。……知ってますか? ムラクモちゃんって、脳内爆死した時、ほんのちょっぴりお目々細めるんですよ」
「えぇ……(戦慄)?」
「……あたしね、見誤ってました。それは素直に認めますね。ムラクモちゃんって、この異世界に来て弱くなっちゃったんじゃないかって。……きっと、そういう部分もあるんだと思う。……でも、あたしが思うよりずっと、ずぅーっとムラクモちゃんはムラクモちゃんだった!
おバカで、頑固で、ナルシーな振りしてる。最強の力を持った……選ばれし子」
「……ん。その選ばれしってやつやめて。好きじゃない」
「ふふ。ごめんね。……じゃあ、神様じゃなくって、あたしが選んだ、選ばれし子ってことなら……どうかな?」
いや、何やこいつ(素)。
……まあ、そう思いたいなら好きにすればいいよ。ムラクモちゃん何も言わない。……でも、一つ言っとくケド、なんかチグ子のそれすっごいキモいよ。というか、チグ子がキモいよ。
楽しい楽しいプリティ・握手会はおしまいだよ。
……ムラクモちゃんの決意を格好よく表明出来たところで、そこの騎士ロボくんには今度こそメタクソになってもらうし、チグ子も絞め落とさせてもらうねえ。
ファンサだよ。
ムラクモちゃんが伊達やらかっこつけで最強を名乗ってるわけじゃないってところ、見せたげる。……プリティでラブリー。ちょっぴりパワフルな演出で……そこなロボットくんを立派な鉄くずに転生させたるばい!
つーことで、えいやっ、とりゃってね。
お仕事終わりの異形ハンドくんに悲報です。もう一仕事お願いして、騎士ロボくんをがっしゃこーんって掴んじゃうよ。……つか、騎士ロボくん転んだまま微動だにしてないんですケド。……え? 無抵抗なの? それちょっと良心が咎めちゃうかもしんない。ぶっ壊すって予定に何一つ狂いはないけどねぇ。
んでもって、そやつをお空へぽいってしたら、ムラクモちゃんも追いかけてジャンプジャンプ! 地面にプリティ・足跡を刻みつつ刻みつつ。どがすかーん! つって。
集えや集まれ! 世界中のプリティよ、ムラクモちゃんの右こぶしへ! ……きゅいーん! 世界中のプリティ(演出用の魔力)がプリティ・ナックルを包む! ……ちなみに意味はあんまりないです。
地上では決して放てない一撃が……うーん。プリティ・デスブレイカー……はちょっといつも通りかな。
せっかくだし、ちょろっちお名前も派手にしたいケド……うーん。……あ! プリティ・インパクトエクスカリバー・デスボンバーとかいいかも!
よしくらえ! ばこどかーん! ってねえ。
理不尽な怒りと悲しみによる暴力が、罪なき騎士ロボくんを襲う!
かたーく握ったプリティ・ナックルがロボットくんのお腹へインパクト! 衝撃は彼を砂みたく消滅させちゃって。帝都の曇り空を消し飛ばして、晴れにしちゃったよ。今日はハレの日、はれはれハレルーヤ! ……さすがにハレの日は不謹慎ですねえ。取り消しとこ。
……ふっ。今だけは帝都にも灰は降らない……。灰よりも素晴らしいプリティがあそこに見えるだろう? なんつって。
意味なくクルクルしながら、スタイリッシュに着地をキメ!
……そしたらば、お次は貴公の番でござるよっつってチグ子見たの。……飛んどるやんけ! まるで「残念でごわったわね! キサマの残念な頭では気が付かなかっただろうが、騎士ロボくんは囮だ! その隙に拙僧逃げるぜ!」って計略があったかのごとく、しかも完成間近の転移陣張っとるやないのよ。
……クッ! やられた!
「~~!♡
……こんなのずるい。ずるいですよ、ムラクモちゃん。どれだけあたしを骨抜きにしたら気が済むの。
……ね、あたし。よかったって思いましたよ。今日、ここに残って。ムラクモちゃんと対峙して。だってこんなにもかっこいいムラクモちゃんを生で見れたんだもの。……悪い子だって思いますか?」
「知らない。……降りてきて。そこにいられると捕まえらんない」
「あはは。……あたしのこと心配してくれてるんですね。この高さまでジャンプすると余波であたし死んじゃうから」
…………。
か、勘違いも甚だしいですねえ。勘違いしないでよね!
単にムラクモちゃんは飛行魔法を使えないってだけですよぉ。もちろんその位置まで行くのは可能だけどね。最強だから。
……問題はムラクモちゃん自身の感情かもしんない。
わりと切実なんだケド、わたし未だにあいつ殺したいの。……我慢はちゃんとするよぉ。するケド。いつもよりも手加減むずいかもしんないの。だから、無抵抗で絞め落とされてほしいんだよねえ。
……ん? これつまり図星では? 知らない知らない! 都合の悪いことは聞きたくないんだい! つーん(ぶりっ子)!
「……あたしの負けです。完敗です。
帝都は焼けましたし、きっと皇帝陛下も戻ってきてくださるでしょう。でも、余計な事言っちゃいましたし……何より、胸のドキドキがおさまりそうにないです。
ムラクモちゃん。あたしね、一つ決めたことがあります。……傍観者でもいいやって思ってたんです。あなたが幸せでさえいてくれるなら。……でも」
「……?」
「今日ね、本当に素敵な時間だって思ったの。──だから。
いつか、あなたから。あたしの名前、聞いてもらいたいなって思いました」
……!
……。危なかったぜ。
「またお会いしましょうね♡」なんつって、あいついきなり背中なんか向けるから、思わず追撃にデコピン弾食らわせちゃいそうになっちゃったのん。あぶにゃい。
チグ子ね、ワチャクチャ~って言いたいだけ言ってなんか貴族のお嬢様みたいなポーズして転移しちゃったよ。……何だったんだいったい。あやつは……(困惑)?
……。
帝都、シラミ潰ししなくっちゃ。……ムラクモちゃんのお仕事はまだまだ続く。
社畜はつらいぜ。なんつって。