無個性でヒーロー!? できらぁ!   作:にょわ

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とりあえず書き貯めてる分は毎日投稿で流します。それ以降も毎日は……ちょっとキツそうだけど、できるだけ頑張ります。


個性把握テスト!(無個性)

 第一種目、50m走!

 まずはちゃちゃっと準備しよっか!

 まずスタートラインの後ろに厚さ10cmくらいの鉄板を配置し、地面に固定する。

 んでポップジャンプを履いて準備完了!

 

「位置について、よーい……スタート!」

 

 合図と共に軽くジャンプし、身体を地面の平行に。そして鉄板を全力で蹴る!

 瞬間、私は物凄い速度で射出された。

 ヤバイヤバイ地面近いめちゃんここわいでももし止まってまだゴールしてなかったらって考えると止まりにくいまぁ3秒もすればゴールするはずだからもう少しだけ待って……今!

 もふもふクッションを大量に出し、試験の時と同じように衝撃を殺す。

 

「2秒87!」

「うぉぉぉ! すげぇ!」

「なんだ今の⁉︎」

「なにやったか全然わかんなかった!」

 

 ふっふっふ、まぁ私にかかればこんなもんだよね!

 

「てかすっごいモフモフそう!」

「私も飛び込みたい!」

 

 …………ほう、このモフモフに目を付けるとは……。

 

「おいで!」

「「「キャーー!」」」

 

 女子が数人ダイブ! みんなでもふもふを堪能した第一種目でした。

 なお一位。さっすが私。

 

□■□■□■□

 

 第二種目、握力!

 うーんこれは正直小細工のしようがない。

 素直に行こう!

 

「ふぬぬぬぬ!」

 

 右! 52! 左! 52! いやー我ながら完璧。

 女子としては中々の記録を出しつつ左右のバランスがピッタリとか私流石すぎるよね! うん。

 次行こう次!!

 は? なんかでっかい子が万力使ってらんだけど?? それあり?? 先言ってよーー!

 

□■□■□■□

 

 第三種目! 立ち幅跳び!

 一回で飛ばなきゃいけないからいつものポップジャンプは使えないし……。

 あ、普通にジェットパック使えばいっか。それで進みつつバッテリーいっぱい高所に上がってそっからグライダーで落ちる感じにしよっか。

 てことでレッツゴー!

 ゴーっと空へ上昇していく。

 

「いやそれはズルくねぇかぁ⁉︎」

 

 などなど聞こえてくるが知ったこっちゃない。だってそうしないと除籍になっちゃうし。

 てことでしばらく上がり続けると、相澤先生に呼び止められた。

 

「おい架沙音」

「あ、はーい! なんですかー⁉︎」

「それ、バッテリーはどれだけ持つんだ?」

「えーっと、だいたい後2時間くらいですかね。そこからグライダーで降ります」

「……お前はこの授業を一人で使い切る気か。もういい、記録は約500mでいいか?」

「いや、もっと行けますね。1km」

「流石に無理だろ、700」

「いやいや、舐めてもらっちゃあ困ります。850」

「……はぁ、800だ。それ以上は上げん」

「ふふ、は〜い」

 

 下からなんで記録を値切ったんだとか聞こえてくるけど私には聞こえない。ないったらない。

 てことで! この種目は余裕で1位獲得だね♪

 って思ってたらふつーにかっちゃんが爆破で空飛んで無限だした。

 むきーーーーー!!

 

□■□■□■□

 

 第四種目! 反復横跳び!

 

「ひゅううう!!!」

 

 うっわ、なにあのちっちゃいの。うっわ。

 なんかよこにぷにぷにしたものを置いて、その反発でやってるみたい。うっわ。

 やってることはそこまでじゃないのになにさ記録189回って。バケモノかな?

 なんかペース持ってかれた気がしないでもないけど、私も出来る限りのことはしよう。

 やることはあの子の丸パクリでいいかな。

『とらんぽりぃん(中)』のカプセルを開け、横に設置する。

 あとはそこを跳び回れば……。

 ……87回。うーんパッとしない……やっぱりチビはお化け、異論は認める。

 

□■□■□■□

 

 第五種目! ソフトボール投げ!

 お茶子が♾を出した。すごい。

 私はじゃあ……あれ使うか。いつものポップジャンプ、その拳版。

 これにも当然欠点があって、気を抜くと肩がもげる。

 インパクトの時にアホみたいな反発がくるんだけど、それに負けると肩が逝く。だから全力で振り抜かないといけないのです。

 まず上にボールを軽く放り、ボール目掛けて……渾身のぉ……。

 

「っらぁぁぁ!」

 

 右ストレートぉぉぉぉぉぉ!!!!

 うん、今のは我ながら腰の入った見事なパンチだったと思う。

 アニメや漫画だったら1カメ! 2カメ!! 3カメ!!!と入るようなシーンだったね。

 数十秒後、ついにボールが着地したようで、記録を見てみると726mと表示されていた。

 っし! かっちゃんに勝った!

 まぁ握力と立ち幅跳び以外は全部勝ってるんですけどねぇわらわらみたいな視線でかっちゃんを見てみる。

 

「なに見たんだオラァ!」

「あは、いやー無個性野郎にも勝てないとかかっちゃんかわいそーだなーってねー」

「んだとコラ! 見とけやボケ!」

 

 手をぽんぽん爆破しながら円に向かい歩いていく。

 まぁいくらかっちゃんでも20mも記録伸ばすのは無理でしょー、天才とはい……

 

「死に晒せやボケェ!!!」

『734m』

 

 ヒュッと、喉から変な音がなった。

 うわ、やば、はず。

 ヤバイ、目の前をコメントが流れていくのが見える。

 

『フラグ乙』

『回収早いな』

『流石は一級(フラグ)建築士』

 

「……ハッ」

「むきゃーーー!」

 

 悔しい! 次の持久走では完璧に負かせちゃる!

 そんな風に決意を新たにしていると、デクの番がやってきた。

 ちなみにこの時点でデクは最下位。

 まぁ試験で見た感じだとデメリットが大分厳しいみたいだしあんまお手軽には使えないか。

 たぶんあれ強すぎる個性に体が合ってないからだよね、うん。

 だからちっちゃいときから体は鍛えておけよーって言ってたのに。

 テストもあと3つだし種目はマラソンと上体起こし、あと長座体前屈だから使うとしたら今かなー? って思いながらデクを見てみると、随分思い詰めてるようだった。

 そりゃそうだ。このままだと除籍処分になっちゃうもんね。

 んー、でも温存しすぎた気が……これだともしここでいい記録出してもちょっと……いやだいぶ厳しくない?

 まぁここで終わるようならその程度だったってことか。

 デクは覚悟を決めたような顔をすると腕を大きく振りかぶり、個性を使って大記録をだ……さなかった。

 ボールはいたって平凡な軌道を描き、46mという記録が告げられた。

 あれ? 今明らかに使おうとしてたよね……不発?

 

「な……今確かに使おうって……」

 

 ほら。

 ん〜? どないなこっちゃ?

「個性を消した」

「⁉︎」

 

 なにそれ⁉︎ そんなんできんの⁉︎ うっわー羨ましいどういう原理なんだろう……なんとか再現できるかなやるとしたらやっぱり普通に個性因子を溶かした液体でも作って武器に塗るとか? いや、でもあの感じだと"見る"ことが発動条件っぽいよね。だとしたらそれだと効果が現れないかな……ならカメラかなんかを作って写した対象の個性を消す感じなら、いや、流石に難しすぎるか……でもなんとか作れたら一気に戦力アップに繋がるよねうわやっぱりなんとか作りたい……とりあえず今日の授業終わったら明ちゃんのところに行って話してみようそうしよう。ここまで一息。

 なーんて先生の個性をどうやったら再現できるかを考えていたら、丁度お説教も終わったみたいでデクがぶつぶつモードになっていた。

 先生のお説教をかいつまんで説明すると個性の制御が出来なくて一発使って動けなくなるようなやついらねぇ! ってことらしい。

 ……なんとなーくだけど、なにかとっても面白いものを見せてくれるような、そんな気がする。

 ちょっとワクワクしながら見ていると、ただ全力で! って感じに投げようとしてるのが目に入った。

 あれ? それじゃさっきと変わんなくない? 予想外れた?

 

「まだ……まだだ!」

「およ?」

 

 これは、やっぱり……思い違いじゃなかったみたいだね。

 ニヤリとしてデクをみていると、指先にボールが来た瞬間に個性を発動して壊れるのを指一本に抑えたようだった。

 

「まだ……動けます!」

 

 流石デク……やればできるじゃん。

 てか最近デクが私の期待を良い意味で裏切ってきてなんとなくハラタツ。

 

□■□■□■□

 

 第五種目! 持久走!

 おっきい子がバイクを出した。すごい(小並感)。

 こんなんもうカーチェイスするしかないじゃん。

 てことで私もバイクを出した。すごい(小並感)。

 

「あなた……先程から見ていましたけど個性は使いませんの?」

「あはは、使わないってか使えないの方が正しいかなー」

「? それは緑谷さんのような?」

「いやいやあんなのと一緒にしないでよ。てかもう始まるよ? いいの? エンジンかけなくて」

「あ、そうでしたわね。ありがとうございます」

「いえいえー」

 

 てきとーに駄弁りながら準備を進める。え? バイクの免許? 持ってないけど?

 でも安心して。グラウンドは公道じゃないから免許なくても一応走れる。法律上は。

 

「位置について……用意……スタート!」

 

 一気に加速し、スタートダッシュを切る。

 やっぱ持久走はコースが短すぎるな。もうカーブだ。しかも結構急。

 これはもう、あれをするしかないよね。

 カーブの手前で後輪にブレーキをかけ、滑らせる。

 そして90度くらい回ったところでハンドルを逆に切り、向きを保持したまま横に滑らせる。

 そう! これこそは誰もが一度は夢に見る"ドリフト"! めっちゃ練習した。めっっっっちゃ練習した!

 でも習得してからドラフトしない方が早いことに気づいた時は絶望した。

 やっぱりかっこいいよね! ドリフト! 見栄え重視の私としてはやっぱりこうしてお披露目できてとっても嬉しいです。

 チラリと後ろを見ると、おっきい子がピッタリと後ろにつけていた。

 

「へー! やるじゃん!」

「あなたこそ! ドリフトなんてどこで覚えたんですの⁉︎」

「仮面ライダー!」

「ふふ、冗談がうまいですわね」

 

 いや、冗談じゃないんですけど。ガチなんですけど。

 

「私に追いつけるかな⁉︎」

「追いついてみせますわ!」

 

 そして私たちは、風になった。

 結果は私の勝利。当然だよね。

 でも結構ギリギリでさー、最終コーナーでほぼ横並びだったから一旦抜かせてスピンターンで一気に曲がって急加速。そのまま抜き去りゴールを果たした。

 やっぱり勝敗を分けたのはドライビングテクニックだね!

 大・勝・利☆

 え? メガネくん? なんかめっちゃ頑張って私たちに追いすがってたからスピンターンの時に巻き込んで後輪で弾き飛ばしたよ?

 

「なぁ爆豪……なんであいつら持久走でカーチェイスしてんだ?」

「あ"? 俺に聞くなやボケが」

 

□■□■□■□

 

 第六種目! 上体起こし!

 

「ひゅううううう!!!」

 

 おいチビ、またお前か。

 やってることは反復横跳びと同じ。体の下になんかよくわかんないのを敷いて、その反発力で上がってる。

 なら私も同じでいっか。

 下に『とらんぽりぃん(小)』を敷いてやる。

 まぁチビには負けたよ、うん。

 ……チクショー!

 

□■□■□■□

 

 最後! 長座体前屈!

 にゅ〜ん。

 

「75.8!」

 

 ドヤ! 柔軟性は命だから。一番しっかりやってるし、この記録も当然だよね!

 長座はそこまで個性が関係しないだろうし、勝ったな! ガハハ!

 

「136.5!」

「⁉︎」

 

 なんかタコの人が腕から腕生やして記録めっちゃ伸ばしてた。

 卑怯者! こっちは真面目にやってんのに個性とか使いやがってぇ! ずるいぞー!

 

□■□■□■□

 

 結果発表!

 

「んじゃ、ぱぱっとやるぞ」

 

 さーて、除籍はだれかなー。

 

「口頭で説明すんのは時間の無駄だだから一括開示する」

 

 一位でありますように……!

 

「あ、ちなみに」

 

 ん? まだなんかあるのかな?

 

「除籍は嘘な」

「「「⁉︎」」」

 

 ウソ⁉︎ マジで⁉︎ だったらアイテム使わないで単純に自分の限界測ってもよかったじゃん!

 はぁ……やらかした。

 ちなみにおっきい子はわかってたらしい。すごい。

 あ、おっきい子はヤオモモちゃんというらしいです。

 まぁとりあえず、除籍が嘘なんなら安心して順位が見れるね、うん。

 さぁて一位は……架沙音未来!! っしゃあ!

 いっちいいっちい、わったしっがいっちい。と歌いながらかっちゃんに駆け寄る。

 

「あれ? あれれ? どーしちゃったんですテンサイクン? さいきょーなんじゃなかったのん? ヤオモモと轟くん? に負けただけじゃなく無個性のわたしにも負けるとか……ねぇねぇ……いま、どんな気持ち?」

「っせえなクソ女ぁ!! 見とけやオラ! すぐ抜いてやっからな!!!」

「あはは、頑張りたまえよ。かっちゃんクン」

「んだとオラァ!」

 

 いやーかっちゃんは相変わらず面白いなー。負けず嫌いすぎでしょ、かわよ。

 なーんてかっちゃんを愛でていると、たしか上鳴くんだっけ? から声が上がった。

 

「てかよー、お前アイテムばっか使ってたけどちょっとズルくね?」

「あは、そう?」

 

 ぐぅ正論。でもこれだけは勘違いしないで欲しいな! 私の発明したアイテム、基本使い方間違うと大怪我じゃすまないくらい暴れ馬なやつばっかだからね! あんなの使わなくていいなら使いたくないわ!

 

「アイテム使わないで個性つかえばよくね? ここ入るくらいなんだしなんかすげえ個性持ってんだろ?」

「あれ? 言ってなかったっけ?」

 

 主にかっちゃんが。

 

「私、無個性だよ?」

「「「………………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」

 

 グラウンド中にA組の絶叫が響きわたった。

 んー、やっぱこの瞬間……めっちゃ気持ちいい。みんな私の掌の上って感じで。

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