無個性でヒーロー!? できらぁ! 作:にょわ
「私、無個性だよ?」
「「「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
私が秘密.......っていう訳でもないけど秘密を暴露すると、皆はそれはもうビックリしてくれた。
んー! この瞬間! さいっこう!!
「は、いや、おま、は!?」
「無個性!? 今無個性っつったかおい!?」
「いえーす」
そして渾身のドヤ顔を決めてやる。
どーでいどーでい、すごいやろー?
「だからあんなにアイテムをたくさん使っていたんですのね」
「そそ、全部私の自信作なんだから!」
「「「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
本日二度目の絶叫。
「あれ全部自分で作ったのかよ!?」
「バイクも!?」
「あ、いや、バイクはさすがに」
まぁやろーと思えば出来ると思うけど.......あのバイクカッコイイし。
「お前サポート科いけよ!」
「え、やだよ」
いやまぁ滑り止めに受けてはいたけどね?
「お前サポート科でも十分トップ狙えるだろこれ」
そうだそうだと口を揃えて言うクラスメイトたち。
いやぁそんな褒めないでよ照れるなぁ。
でもまぁやっぱり、サポート科よりヒーロー科だよ。
「だって私、オールマイトみたいなヒーローになるもん」
ニカッと満面の笑みを浮かべながらそう宣言する。
ふふ、デクとは違うのだよデクとは!
あとあんまサポート科を舐めないで欲しいな!
サポート科にはかしこいかわいい発目明っていうマジモンの天才がいるんだから。
あの子多分世が世なら世界を変えてたよ間違いなく。
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「ハーイ明ちゃん!!」
「お、来ましたね未来さん!」
放課後、芦戸ちゃんからの寄り道のお誘いを断りやってきましたサポート棟!
「いやぁありがとね、私の分まで許可とってくれて」
「いえいえ! あなたと一緒に研究ができるのならこの程度屁でもないですよ!」
この雄英高校、たしかに設備はエゲツないほど揃っているのだが、どこを使うにせよ先生からの許可証が必要になる。
まぁそりゃそーだよね、こんだけ広いと安全管理とか死ぬほど大変だろうし、万が一が絶対にあっちゃいけない場所だから。
そしてその例に漏れずここサポートアイテム実験室にも許可が必要なのだけど、それを明ちゃんに取ってもらったのだ。あれまじめんどくさいからホントにありがたい。今度ご飯奢ってあげよ。
「そんなことより!」
「ん?」
「お昼に聞かせていただいた個性を消す個性、私なりに模索してみたんですけど.......どうですか!?」
「もうできたの!? さっすが明ちゃん!!」
あの個性把握テストの時に見た相澤先生の個性『抹消』を発動条件なんかをまとめた資料をお昼に送ってこれ出来たら凄くない!? 的なことを話してたんだけど.......まさかここまで早く取り組めるとは思わなかった。
まぁ私もちゃんと考えを纏めて来てるんだけどね!
制服から作業服に着替えつつ、明ちゃんが書いた資料を手繰り寄せる。
「では早速.......」
ふむふむ.......あーなるほど。
個性の発動条件を『目から特殊な光線をだして、それに触れると個性が消える』と解釈したのか.......ここまでは私と一緒だね。
んでそれの再現方法は.......あ、懐中電灯型か.......たしかにありかも。
「ん、ありがと」
「どうでしたか!?」
「大体は私と一緒かな? あとついさっき先生に聞いたんだけど、どうやら異形系は消せないみたいなんだよね」
「ほうほう! ということは『抹消』の効果は個性を消すというより個性を発動できなくするの方が表現的にはよさそうですね!」
「だね、あと明ちゃんがあげた懐中電灯型以外にも、ベタだけど弾丸型とかいいと思うんだよね、これなら使い切りにできるおかげで持久性とか考えなくていいし」
「でもそれだと効果が出過ぎちゃうなんてことが.......」
「そこなんだよねー、でも.......」
「あーはいはい.......」
「あ、それいいかも.......」
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「よっし! これでどうだ!」
「おー! 今までで一番いけそうです!」
現在17回目の臨床実験。ちなみに安全性を考慮してまずは懐中電灯型をつくっている。まぁまだ持久性を考える段階には入ってないから数回やっただけで壊れちゃうけど。
「じゃあいくよー!」
「えぇ! ばっちこいです!」
ちなみに実験体は明ちゃん。まぁ私には消す個性がなからこうなるのは必然だった。
もしこれで個性が永遠に消えちゃったら責任取って私が明ちゃんをお嫁に貰います。あれ? 事故に見せかけて消しちゃった方がいい?
とまぁ冗談はこれくらいにして、いざ発射!
ぴろぴろぴろぴろぴろ
「どう? 個性使える?」
「あー.......バッチリ使えますね」
「んあー! これでもダメかぁ.......」
「むむむ、何がいけないんでしょうか.......」
やっぱ懐中電灯型は無理があったのかなー.......でも相澤先生はたしかに見ただけで消せてたしなぁ。
「なら次はここをこうしてーっと.......およ?」
「? どうしました?」
「先生から貰った個性因子、培養するためにとっとく分除いて使い切っちゃった」
だーくっそー! 後先考えず使いすぎた.......。
「むー、悔しいですけどこれに関しては今日はこれで終わりですね」
「かー! 悔しい! ぜってーあと半年以内に仕上げてみせるからなー!」
「それじゃ、今度は私の番ですね!」
「お! どんなのどんなのー?」
この研究は来週にとっておくとして、散々付き合ってもらったし今度は私が明ちゃんの研究に協力する番!
「実は今日、他の皆さんのベイビー達を見ていたらビビビっと降ってきたんですよアイデアが!」
「おー! 聞かせて聞かせて!」
「それがこちらです!」
「えもう作ってあるの!? てすごい! カワイイ! なにこれ、黄色い……プロペラ?」
「ですよねですよね! これはなんと.......」
「なんと.......?」
「タケコプもごっ!」
「おっとそれ以上はダメだよ明ちゃん!」
たしかに便利だしすごいし大発明だけども!
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「あ、0時回った」
「ほぇ? もうそんな時間ですか」
いやーやっぱり楽しい時間ってあっという間に過ぎるものだなー、うん。
10時回ったあたりからパワーローダー先生が早く帰れ! と突撃してきたがまぁまぁと誤魔化しなんなら質問攻めにして早二時間、気付けば先生は夢の世界へ旅立っていた。
まったくもー、生徒がまだ学校にいるのに先生が寝ていーのー?
.......ホントは先生に差し入れたコーヒーに眠剤盛ったとかあるわけない。ないったらない。
「あ、そういえば未来さん」
「ん?」
「他になにか面白い個性の方とかいませんでしたか!? ヒーロー科の良個性、ぜひとも研究してみたいのですがっ!」
「ふっふっふ、そう言うと思って.......全員分の個性因子、譲り受けておきましたー!!!!」
「な、なんと!? ナイス、ナイスプレーですよ未来さん!!!!」
ふっはっは、そうだろうそうだろう。この状況すら見越してるとかさすが私ってば天才ちゃん。
「ふむふむ.......はいはいはいやはりヒーロー科、ものすごい個性が.......あれ?」
「ん?」
「未来さん未来さん、この『不明(超パワー?)』ってなんです?」
「あー」
デクの個性、本人に聞いてもわかんないの一点張りだし、想像するしかなかったんだよ。
まぁめっちゃ慌ててたし、なんかしら秘密はあるんだろーけど.......
「それの持ち主、個性がまだ発現したばっかであんまり把握できてないんだよ。なんなら個性の反動で腕が壊れるくらいでさー」
「おー! いいですねいいですね、研究のしがいがあります」
「だよね! 私としてもこれは絶対解明したかったから、他の人の倍貰ってきましたー」
「ないすです!」
ふっはっは、もっと褒めるが良い。
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というわけでデクの個性を研究してるなう。
今は顕微鏡で遺伝子の構成を確認するザ・研究な見た目のやつをやってる。
「なんかこの配列、ゴチャゴチャしてますね」
「あ、明ちゃんも気付いた?」
そーなんよ、なんか全然違う個性を共存させてるみたいな感じがするんよねー.......
まぁこんな風にゴチャゴチャしてる個性もあるっちゃある。
でもそういうのは大体めちゃくちゃいろんなことができる万能な個性だし.......。
「これだけたくさんの要素が絡んでて超パワーだけなのは.......」
「ぜっっっっっったいおかしいよね」
だよなー。まったく、調べれば調べるほどわけわかんなくなってくる。
「あ.......ね、ねぇ明ちゃん」
「はい?」
「この個性、たぶんオールマイトと同レベルの力が出せるわけじゃん。持ち主の体がそれこそオールマイト並みならだけど」
「えぇ、おそらく出せると思います」
「これがもしさ.......ただの
「っ!?」
あのレベルの破壊力で、それがらただのおまけとかどれだけなんだって話だけど。
「たしかに.......それならあの複雑な遺伝子情報にも納得がいきますし、というかそうじゃないとあの構成は無駄が多すぎる」
はは.......おいデク、アンタの個性.......デクが思ってる以上にエグいやつかもよ。
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きんこんかんこんとチャイムが聞こえる。
「「はっ!?」」
2人でピタリと動きを止め、ギギギっていう音が聞こえそうな動きで時計を見ると.......
『8時30分』
と書いてあった。
「やっばぁぁぁぁぁぁ!!! 始業時間まであと10分!?!?」
「許可証は9時までっていって取ってあるのに!」
この9時はもちろん午後9時のことだよなーやっぱり!
「え、どどどどうしよう明ちゃん!!!」
「パワーローダー先生は.......よしまだ寝てますね! 先生が起きる前に片付けて撤収しましょう!!!!」
あぁぁぁぁあやばいやばいやばい.......2日目から遅刻とかしたら相澤先生に殺される!
えまってお風呂入ってないんだけどやばいってちょっと!!
あぁぁぁせめて着替えを.......ダメだ時間がなさすぎる!!!
「いそいでいそいでいそいでいそいで!!!!」
「あぁぁぁわかってますってば!!!」
大慌てで後片付けをし、とりあえず今まさに実験をやってた証拠はなんとか消し去った。
「今何時!?」
「37分です!!」
よっしこれなら少なくとも明ちゃんは間に合う! 教室近くだからね!
そして問題は私.......ここと教室はほぼ反対の場所に.......!
「それじゃ明ちゃんばいばい!!!」
「えぇ!! めっちゃ面白かったです!」
全力でばいばいをし、頭の中でルートを描く。
残りはあと2分半。大丈夫、いける。
いままでなんのために体を鍛えてきた.......そう、この瞬間のため.......!!!
「だぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
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ガラッと扉を開ける。そしてその瞬間に鳴り響くチャイム。
「「「!?」」」
教室中の注目を一身に浴びながら床に倒れ込む。
「っはぁ、はぁ、はぁ.......間に合った.......間に合ったぞぉぉぉぉ!!!!」
「よし、遅刻はいないな。それじゃあホームルームを始める」
(((え、誰もツッコまないの.......?)))
これは、1-Aの心がひとつになった最初の瞬間だった。
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「はい、今日も一日頑張りましょう、号令」
「起立、礼」
「「「ありがとうございましたー」」」
挨拶をし、先生がいなくなった瞬間机にぐだーっとなっている私に女子が殺到した。
ふっ、モテる女は辛いぜ.......。
「ちょちょちょ、未来ちゃんどげんしたと!?」
「てかなんでタンクトップと作業着の工業女子スタイル!? かわいい!!」
「なんかもうツッコミどころが多すぎてどこからツッコんだらいいかわかんないんだけど!」
「ちょっとみんな落ち着いてって.......え、かわいい? このかわいさわかってくれるの!? っはー好き!」
ということでみんなに事情を説明しましょう。
「実はかくかくしかじかで.......」
「「「はぁぁぁぁぁぁ!?」」」
本日三度目.......じゃないか今日初の絶叫。
「学校終わった直後から!? 今の今まで!? サポート科の女子と一緒に!? ずっっっっっっと研究してたっつうのかおい!?」
あれ切島いつの間にこの女子の園に.......と思ったら結構な数の男子がこっちに来てた。
まぁそりゃ登校2日目にしてタンクトップいっちょの超絶美少女が汗だっらだらで教室に駆け込んできたら気になるよね、男の子だもん。
「そそ、めっちゃ楽しくて30分にチャイムがなるまで時間忘れてました♪ てへ☆」
「いやてへって.......しかしよくそんな集中力続くな」
「ゆーて好きなことだからねー、上鳴もゲームしてて気付いたら朝だった! 的なことあるでしょ?」
「あ、そう言われるとわかる気がする」
「でっしょー?」
さすが男子、理解力高い。
「あ、なるほどー」
「ん? どしたのお茶子」
「だから未来ちゃん、工場みたいな匂いがするとね!」
「ゴファッ!!」
な、なんてえげつないことを言うんだお茶子.......!
あぁぁぁでもめっっっちゃ笑顔! 絶対悪意ゼロじゃんこれ!
「や、やっぱり臭いかな.......」
「.......あ! いやいやいい匂いって意味ばい! ホントやよ!」
「かふっ.......」
(((うわぁ.......)))
お茶子さん.......ここでそのフォローは、完全に逆効果なのです.......。
「.............シャワー浴びてきます.......」
「「「あ、うん」」」
とぼとぼと扉に向かい、開けようと手をかけた瞬間.......
『きーんこーんかーんこーん、こーんかーんきーんこーん』
「「「あ.......」」」
「...................ぐすっ」
あと50分この格好でいろとか.......もうやだ.......。
□■□■□■□
「作業服とタンクトップってさ.......そそるよな」
「「わかる」」