TS転生美少女が男友達ムーブして幼馴染の情緒を破壊する話   作:寿司鮓

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第2話

 案の定、私の姿を見るジュンタの瞳は驚きに見開かれていた。

 サプライズ成功だぜと内心ガッツポーズしつつ、私は「あはは」とジュンタに笑いかける。

 

「どう? 私も結構垢抜けたなーって思うんだけど」

「いや、おま……いやっ、おまっ」

「なんか壊れたレコードみたいになってるな」

「おまっ、女の子だったのかよっ!?」

「別に自分が男だとは一言も言ってなかったと思うけどー?」

 

 俺の言葉にジュンタは目を白黒させ、それからどうやら記憶を必死に思い返しているらしい。

 そして「言われて、みれば……っ」と愕然とした表情になる。

 

「た、確かに言われてみれば男だって自己紹介された記憶が、ない……!」

「まあ、そもそも自分は男ですとか自己紹介する奴の方が珍しいと思うけどね」

「いやでも――いや、ほら!」

「なんだ?」

「な、なんていうかその……垢抜けたな」

 

 どうやら最初のドッキリから徐々に抜け出せてきたらしい。

 まじまじとこちらの事を見つめてくる。

 顔を見、それから制服――ちなみに高校の制服はブレザーだ――を見た。

 顔が青くなったり赤くなったりしているし、更に言うと視線でどこを見ているのかが分かりやすい。

 

「どこ見てんの?」

「……制服」

「別にもっと素直に見ても良いけど、減るものでもないし。ああでもお触りは厳禁だかんな?」

「さ、触る訳ないだろ!」

「それで、改めてどう?」

 

 俺の問いに彼はごくりと生唾を呑む。

 それから、意味なんてそこまでないだろうに周囲を見渡し、そこに誰もいない事を確認したらしい彼はそこから数秒の硬直の後、答えた。

 

「か、可愛くなったと思う。信じられないくらい」

「……わーお。私的には「制服どうかな」って質問だったんだけど」

「あ、あー! い、いや。素直に可愛いと思うぜ!? 清楚系だ!」

「まあでも、ジュンタが素直に女の子に対して感想を言えるようになってて嬉しいよ」

 

 と、とりあえずジュンタをからかうのはこれくらいにしようと思い、一つ「こほん」と咳ばらいをする。

 それからスマホを取り出して「んじゃ、早速だけど」と彼にもスマホを取り出すよう催促した。

 

「私とジュンタ、まだチャットグループ作ってなかったっていうかまだ友達登録してなかったよね」

「あー、まあ子供の頃はチャットグループみたいなのがあるなんて知らなかったし」

「そもそもスマホで連絡を取り合うという事自体、私的には考えられなかったんだよな」

「それに関しては、確かに俺もスマホよりサッカーボールを手に持っている歩夢の姿の方が想像しやすい」

「今は?」

「……なんか箸より重たいもの持てなさそう」

「それは流石に言い過ぎじゃない?」

 

 そうこう言いながらさっさと友達登録してグループもちゃっちゃと作ってしまう。

 それからそそくさとスマホを懐にしまおうとするジュンタに「あ、待って」と声をかけた。

 

「せっかくなんだし、写真撮ってあげる。入学式なんだしさ」

「あーっと、そうだな。お願い出来るか?」

「オッケー。イケメンに撮ってあげる」

「……普通で良いからな?」

 

 既に「入学式」の立て板は用意されていたので、とりあえずジュンタにはその隣に立ってもらう事にする。

 スマホを構えながらジュンタに「もっと背筋を伸ばしてー」とか「もっと笑顔で、にっーっと!」とか言って支持を出す。

 そうこうしているうちに、個人的にかなりイケメンになってくれたのでぱしゃりぱしゃりと数枚写真を撮った。

 

「撮れたー」

「ありがとうな……じゃあ、次は俺が撮ってやるよ」

「うん、お願い」

 

 スマホを渡し、それから手鏡を取り出して前髪をちょいちょい整えたり髪が跳ねてないかをチェックする。

 

「とりあえずオッケー……って、どうしたの惚けて」

「いや、なんか歩夢がそういう女の子らしい仕草をしているという事を頭が拒絶していて」

「失礼な奴だなー」

 

 ぶつぶつ言いつつ、私もまた立て板の前に立って背筋を伸ばした。

 ポーズは取らない。

 まずは自然に立ち、数枚撮った後にピースでもしよう。

 自然に立ち、自然に笑顔を浮かべる。

 そうやって写真を撮られるのを待っていたが、しかし何故か一向にジュンタが撮影を開始してくれない。

 

「どうかしたー?」

「い、いや。何でもない」

「……?」

 

 なんか呆然としてたけど、何だろうか?

 

「と、撮るなー」

「はーい」

 

 ぱしゃり、ぱしゃりと。

 それからジュンタから「次はピースなー」とと言われたので、控えめに顔の近くでピースサインをする。

 ぱしゃりぱしゃり。

 

「ちゃんと撮れたと思う」

「ありがと。うん、ちゃんと撮れてるよ」

「……」

「じゃあ、次は一緒に写真、撮ろっか」

「え!? い、いや。どうやって?」

「自撮り。セルフィー」

「なんか急に現代女子っぽい事を言いだしたな……」

「現代女子ですから」

 

 スマホをインカメラにしてぐっと腕を伸ばして構える。

 だが、残念かな私の肉体の成長は結構前に一旦止まっているのでジュンタとかなり身長差がある。

 こればかりは男女間での差だろう。

 仕方がないのでジュンタに言う。

 

「ちょっと屈んでー」

「お、おー」

「んー……まだ入らないな。ほっ」

「!!?!!?!?!?」

 

 ぎゅっと腕を抱いて強引に引っ張り、近づいてもらう。

 

「はいっ、撮るねー」

「ど、どぅえ!」

「ちーず、いえい」

 

 ぱしゃり。

 ……撮影された写真を確認したが、顔が面白い事になっているジュンタとのツーショット写真が出来上がっていた。

 思わず笑う。

 

「あははっ、変な顔ー」

「おまっ、……おまっ」

「なあに? 何か言いたい事があるなら素直に言えよー」

「な、なんでもないっ」

 

 ぷいっと「知らない!」と言わんばかりにそっぽを向くジュンタ。

 なんかこいつ、動きにいちいち可愛げがあるな。

 まさかこんな感じに成長しているとは思わなかったな。

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