薔薇乙女幻想録 -Legend of the dolls-【休載中】   作:豊之丞

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ようやく書けました。

しかしながら、若干急展開かも…。

その割には、難産でした。


第40話 最高峰弾幕ごっこ

白玉楼の上空で、幽々子と文が対峙している状況。

 

「さあ文、準備は万端よ、何時でも来なさい」

 

「フフフ…、何時もの私と思ったら大間違いよ、今からそれを見せてあげるわ」

 

文が懐からスペルカードを手に取る。

 

「妖夢…」

 

「どうしたの、蒼星石?」

 

「あの二人は強いの?」

 

「強いも何も、二人とも幻想郷では最高クラスの実力の持ち主よ」

 

「そうなの!? いきなりそんな闘いが見れるんだ…」

 

蒼星石は驚愕しながらも、文と幽々子の方を見ていた。

 

「では…、私から先攻するわよ」

 

「お祭りの時間ね! たっぷり楽しみましょうか!」

 

「その余裕が何時まで続くか、見物ね!」

 

お互いに構えに入る。

最初に動いたのは文。

 

「幻想風靡!」

 

スペルを宣言すると、文の姿が消え大量の弾幕が幽々子へと向かってきた。

 

「いきなり来るのね…」

 

幽々子は、慌てる事無く大量の弾幕の合間を縫うように回避をする。

 

「…射命丸さんの姿が見えない!?」

 

文の恐ろしい程の高速移動に、蒼星石は全く視界に捉える事が出来ない。

 

「文さんの速さは凄いのよ、何せ幻想郷最速って言われてる位だからね」

 

「す、凄すぎる…」

 

開いた口が閉まらない蒼星石。

 

「それと同じ位、綺麗だ…」

 

同時にそれに見取れていた。

 

その間にも、弾幕の数を増やして来る文。

 

「幽々子さん、まだかわせますか?」

 

「確かに凄いわね、貴女が何処から話し掛けて来てるか分からないし……でも……」

 

幽々子が、扇子の内側(懐)からスペルカードを出す。

 

「死蝶『華胥の永眠』」

 

突如として、蝶のような弾を放ち出す。

 

「ぐわっ!? それは…!」

 

それにより、高速移動をしていた文の動きが止まる。

 

その蝶を間一髪で避けるも、僅かにダメージを受ける。

 

「やってくれるわね…」

 

まだ、幽々子からの攻撃は続いているが、文はそれを確実に回避している。

 

「妖夢、あの蝶みたいなのって…」

 

「あれには触っちゃダメよ、死ぬわよ」

 

「えっ!? 死ぬって…」

 

「幽々子様の能力は『死を操る程度の能力』よ、あれに触れたら誰であろうと生きてはいれない、恐らく貴女も…」

 

「……っ」

 

妖夢の言葉に、蒼星石は声が出ない。

 

 

「フフフ…、さあ新聞屋さん、まだ終わっては無いんでしょ?」

 

蝶を出現させながら、幽々子は挑発じみた言葉を放つ。

 

「当然よ! 写真『激撮テングスクープ』!」

 

鱗のような弾幕を展開しながら、カメラを構える。

 

「来たわね、貴女のお得意のそれ…」

 

幽々子はすかさず、回避モードに入る。

 

「逃がさないわ! そこよ!!」

 

文が、シャッターを切った瞬間、その部分が切り取られた。

 

「ざんねーん! 外れちゃったわよぉ?」

 

「くぅぅぅ! まだまだぁ!」

 

歯噛みしながらフィルム装填を始める文。

 

「それじゃダメよ? 隙だらけじゃない」

 

幽々子はその隙を見逃さない。

 

「蝶符『花蝶風月』」

 

スペルを宣言した幽々子から、紫の蝶弾が文目掛けてばら撒かれる。

 

「か、回避するのみ…!」

 

フィルムを装填しながら、弾幕を回避する。

しかし、装填するのに気を取られてしまい、文の動きが鈍る。

 

「さっきの動きはどうしたの? カメラに気を取られ過ぎじゃなくて?」

 

怒涛の弾が押し寄せてくる中で、文は回避を続ける。

 

「もう少し……がぁぁぁっ!!」

 

遂に、数発の弾に文が被弾した。

 

「あっ! 射命丸さん!?」

 

「あの文さんが押されてる…、やっぱり幽々子様は強すぎるわ」

 

二人は、その戦況を見守る事しか出来なかった。

 

「お、おのれぇ…!」

 

被弾した箇所から出血するも、文はフィルム装填を止めない。

 

「まだまだ、もっと踊りなさいな?」

 

それでも、攻撃の手を緩めない幽々子。

 

今の文には、ただそれをかわすしか無かった。

 

だが、チャンスが訪れる。

 

「フィルム装填率……100%! 貰ったぁぁ!」

 

瞬間、文がカメラのシャッターを切った。

 

「……っ!? きゃぁっ!?」

 

幽々子が、僅かに悲鳴を上げて、ギリギリで回避した。

 

「今のは危なかったわ…」

 

そう言って、自身の着物の袖が切り落とされているのを確認した。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

何とか踏みとどまったが、文は肩で息をしている状態であった。

既に、服はボロボロになり至る所から血が流れていた。

 

対する幽々子は、多少ボロけてはいるが、まだまだ余裕を感じさせる。

 

「でも…、まだ10分は経ってないわよ?」

 

「そうですね…、お互いにスペルカードはあと一枚。次で決着を付けるわ!」

 

「良いわよ、貴女が本気で来るなら、私もラストワードで相手をしてあげるわ」

 

 

「「終わりよ!!」」

 

 

 

「…幽々子様が、本気に…?」

 

「これが…、弾幕ごっこ……僕の想像以上だ…」

 

只々驚愕する蒼星石。

アリスゲームでは有り得ない様な美しく、それでいて激しい闘いに魅入っていた。

 

そして、闘いは最終局面へ。

 

 

「瞬撮ジャーナリスト!」

 

「西行寺無余涅槃」

 

 

二人から弾幕が放たれた。

 

互いに回避をしながら、弾幕を打ち合う。

 

その光景は、正に圧巻である。

 

「さあ、最後まで逃げれるかしら?」

 

「誰が逃げるというの? 貴女こそ覚悟なさい!」

 

濃密な弾幕の間を掠めながらも、チャンスを伺う。

 

(まだ…、あれを使うにはタイミングが肝…)

 

(まだ仕掛けて来ないわね…、準備良いわよ)

 

「よし、今よ! はぁぁ!」

 

文が、葉団扇を力一杯扇いだ。

 

「うわっ…!」

 

その風圧で、幽々子が怯む。

 

すると、それまで展開されていた弾幕が、その風で一層された。

 

「私の弾幕が…?」

 

これには、流石の幽々子も驚く。

 

「でも……って、あらっ!?」

 

それに気を取られていた幽々子は、文の姿を見失う。

 

「ここですよ!」

 

「……っ!?」

 

斜め後ろから文の声が聞こえる。

 

幽々子がその方向を向いた時に気が付いた。

 

「ま、拙い…!」

 

文の攻撃の射程圏内であったのだ。

 

「頂きましたよ、幽々子さん!」

 

「あっ…!?」

 

そして、文がカメラのシャッターを切った瞬間、

 

その場の弾幕をも切り取った。

 

『ドォ――ン!』

 

そして、突然爆音が鳴り響き、煙が立ち込めた。

 

「やったわ!私の勝ちね!」

 

勝ちを確信し、笑みを浮かべる文。

 

 

「えっ!? 何が起こったの?」

 

「ゆ、幽々子様!?……あああっ!?」

 

 

妖夢の視線の先

 

 

「射命丸文…」

 

 

「なっ!?」

 

 

声のした方向を振り向くと

 

 

「まだ終わって無いのよ…」

 

 

扇子で口元を隠した幽々子が居た。

 

 

「な、何故!? さっき確かに…!」

 

 

信じられないという顔で、文は叫んだ。

 

 

「あれは、私の身代わり」

 

 

「身代わり!?」

 

 

「カメラを向ける相手を間違えたわね」

 

 

幽々子が、スウッと扇子を翻すと、無数の蝶が出現した。

 

 

「ま、まさか…、それが…」

 

 

「そう、これが私の身代わり…」

 

 

「そんな…」

 

 

「もう貴女は抵抗出来ないわよ」

 

 

まるで降参を促している様であったが、文はまだ諦めていない。

 

「…まだよ! 私はまだ…」

 

 

だが、幽々子の表情はとても冷めていた。

 

 

「貴女は、周りが見えてないのかしら?」

 

 

「周りって……あぁぁっ!?」

 

 

其処には、文を囲む様にして幽々子の蝶が舞っていたのだ。

 

 

「大丈夫よ、その子達には殺傷能力は無いから、ただし…」

 

 

「うぅぅ…」

 

 

「…痛いわよ?」

 

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 

文が絶叫しながら弾幕を放つ。

 

『バチンッ!』

 

 

開いていた扇子を閉め

 

 

「これで、終わりよ…」

 

 

幽々子が文に扇子を向けた瞬間、

 

 

「……っ!?」

 

 

展開していた蝶達が、文目掛けて一斉に襲い掛かった。

 

 

「がはぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

それは、ほぼ一瞬の出来事。

 

無数の蝶が文を襲い爆発していく。

 

為す術無く、文はそれに被弾した。

 

 

「射命丸さーん!」

 

それを見ていた蒼星石が、思わず叫び

 

「文さん…、ご愁傷様です…」

 

妖夢は手を合わせた。

 

 

 

「うわぁ……かぁ……」

 

 

全ての蝶弾に被弾した文は力無く、落ちてきた。

 

 

「あっ、文さん!?」

 

妖夢が慌てて文の方へ飛び上がろうとする。

 

「レンピカ! 射命丸さんを!」

 

蒼星石の呼び掛けに、人口精霊レンピカが直ぐに文の元へと飛んだ。

 

「えっ…!?」

 

妖夢が驚きながら、その様子を見ていた。

 

文は、蒼い光に包まれながら、ゆっくりと降りてきた。

 

「…文さん!」

 

それを受け止めた妖夢が、文に呼び掛ける。

 

「うぅぅ…、負けちゃいました…」

 

すっかりボロボロになり、全身傷だらけになった文は、弱々しく笑いながら言った。

 

「もう…、無茶し過ぎですよ!」

 

「ハハハ…、面目無いです…」

 

「…でも、無事で良かったよ」

 

その様子を見て、蒼星石も安堵した。

 

「ちょっと…、私の心配もしなさいよ?」

 

そこへ、とても不機嫌そうな幽々子が降りてきた。

 

「幽々子様! 少しやり過ぎですよ!?」

 

「そう?」

 

「そうって…」

 

「彼女、とても強かったのよ? ついつい本気を出しちゃったわ」

 

「そんな風には見えないけど…」

 

蒼星石が小声で呟く。

 

「それが証拠に…」

 

幽々子が、切られた袖の腕を前に出す。

そこから、夥しい血が流れ出ており、着物も血で赤く滲んでいた。

 

「ゆ、幽々子様!?血が出てるじゃありませんか!」

 

「これは、酷い怪我だよ…」

 

「ええ、私も結構やられちゃった…」

 

笑顔を絶やさない幽々子であったが、何処となく苦痛を感じさせるものがあった。

 

「とにかく、手当てしなきゃ! 妖夢は射命丸さんをお願い!」

 

「分かったわ」

 

4人は、一旦屋敷内へと入って行った。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「ふう…、まさか蒼星石さんにこの様な能力があるとは…」

 

「本当よねぇ〜、おかげで傷の治りが早そうね」

 

文と幽々子が、驚きながらもその様子を見ていた。

 

蒼星石とレンピカの力によって、大体の傷が癒えていたのだ。

ただ、傷の度合いが酷かった為、二人とも一応絆創膏と包帯を巻いている。

 

「これで、後は二人の自然治癒に任せますよ」

 

「ありがとう、蒼星石」

 

「私からもお礼を言います」

 

二人は、蒼星石に頭を下げた。

 

「私…、疲れました…」

 

その横で、妖夢がぐったりしていた。

 

蒼星石が治療中、ずっと妖夢から力を供給しており、その影響が出ていたのだ。

 

「大丈夫なの、妖夢?」

 

「そんなに我慢しなくても良かったのに…」

 

「だって…、貴女の能力で幽々子様と文さんの治療をしてくれてるんだもの…、私はそのサポートをしなきゃ…」

 

「僕にそこまで気を使わないで良いよ…」

 

「大丈夫…、大丈夫だから…」

 

そうは言うものの、妖夢が無理をしているのは、誰が見ても明らかであった。

 

「駄目よ妖夢、無理は禁物なのよ」

 

幽々子が少し厳しい口調で、妖夢を諭した。

 

「貴女は蒼星石のマスターなんだから、彼女に無用な心配はさせたら駄目」

 

「幽々子様…、ごめんなさい…」

 

それを見て、妖夢は素直に謝った。

 

「それでいいわ」

 

幽々子の表情に笑顔が戻る。

 

「さてと…、新聞屋さん」

 

「は、はい!」

 

幽々子が文の方を向き話す。

 

「忘れてはいないでしょうけど、さっきの約束なんだけど…」

 

「うっ…」

 

「言ったわよね? 私が勝ったら蒼星石の事は記事にさせないって…」

 

「は、はい……確かに聞きましが……それでですね、幽々子さん…」

 

「…駄目よ、したら殺しに行くって言ったわよね?」

 

幽々子の目つきが鋭くなる。

 

「わ…、分かりました…」

 

抵抗しても無駄だと感じた文は、うなだれてそれを受け入れた。

 

「待って、幽々子さん!」

 

「…蒼星石?」

 

そこに、蒼星石がストップをかけた。

 

「お願い! 射命丸さんに記事を書かせてあげてよ」

 

「「えっ!?」」

 

蒼星石から告げられた言葉に、二人は同時に驚きの声を上げた。

 




蒼星石はどうするのか?


お知らせです。

これから夏に掛けて、更新頻度が落ちます。
当方、暑いのは苦手で、仕事から帰るとグッタリして、小説を書くテンションでは無いです。

ついでに、思考回路も低下して、小説の質も下がりそうなんで、書ける時だけ書きます。

申し訳ないです…。
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