薔薇乙女幻想録 -Legend of the dolls-【休載中】   作:豊之丞

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水銀燈の紅魔館での日々の日常です。

!注意!
残酷描写はありませんが、話の一部に実に際どい描写が含まれます(主に性的な意味で)

苦手な方は、閲覧する際にはご注意下さい!


第46話 水銀燈的紅魔館の日常

「はぁ…、おはよう……」

 

誰も居ない部屋で、彼女は誰に向かって言う訳でも無く呟いた

 

「ふっ…、誰も居ないのね…」

 

1人、自虐的に笑いながら鞄から出た

 

「食堂にでも行こうかしら…」

 

水銀燈は、すうっと飛び上がり部屋を出て廊下を進んだ

 

「あらぁ、おはよう」

 

すれ違った妖精メイドに挨拶をするも

 

「うわぁぁ!?」

 

悲鳴を上げて逃げていった

 

「何よ…、逃げる事ないじゃない……まぁ、仕方ないわねぇ…フフフ……」

 

その様子を見て彼女は不敵に笑った

 

何故妖精メイドに逃げられたかと言うと、既に数体の妖精メイドを一回休みにしているからである

軽く遊んだつもりが、そういう結果になってしまったので、何時しか妖精メイド達から恐れられる様になっていた

 

 

「おはよう、咲夜」

 

「あら水銀燈、おはよう」

 

水銀燈の姿を確認した咲夜が、挨拶を交わす

 

「ねぇ、私に紅茶をちょうだぁい♪」

 

「…分かったわ、座って待ってなさい」

 

そう言うと、彼女の前から一瞬で姿を消した

 

「さぁて…」

 

水銀燈が部屋に入ると、レミリアの姿があった

 

「あらぁ、レミリア。早起きなのね…」

 

「おはよう水銀燈、悪いけど私は起きたばかりじゃないの、これから寝るのよ」

 

「…ああ、そうだったわね。吸血鬼は夜行性ですもんねぇ、フフフ…」

 

「貴女、此処に来てから一週間近く経つでしょう? 行動パターン位覚えなさい」

 

「あらっ、だってこの前は昼間起きてたじゃなぁい?」

 

「あれは…、そういう時もあるのよ、昼間に活動するヤツが多いから…」

 

「フフフ、そういう事にしておいてあげるわぁ」

 

「くっ……」

 

水銀燈とのやり取りに、少々居辛さを感じるレミリア

 

「でもね…、生活パターンはちゃんと規則正しくしなきゃダメよ? 体壊しちゃうんだから」

 

「あっ……」

 

予想外な台詞に、言葉を詰まらせる

 

「…何?どうしたのよ?」

 

「い、いえ…、何でも無いわ……」

 

「水銀燈、紅茶よ」

 

「うわっ!?」

 

二人の会話の間に、突如咲夜が現れる

 

「全く…、いきなり現れるのはどうかと思うわ」

 

「どうせ、見えてるんでしょ?」

 

「会話中まで、周りは見てないわよ」

 

「注意しないと、ナイフが刺さるかもしれないわよ?」

 

「出来るかしらね? 返り討ちにしちゃうわよ?」

 

お互いに、黒い笑みを浮かべながら軽口を叩き合う

 

「ほらほら二人とも」

 

そこで、レミリアが中に入る

 

「これは失礼をしました」

 

「まぁいいわ、血気盛んは良いけど、やり過ぎないでよ?」

 

「はい、お嬢様」

 

「それじゃ、私は寝るから後はよろしくね」

 

「はい、お休みさないませ」

 

部屋を出るレミリアを見送る咲夜

水銀燈はその様子を、黙って見ていた

 

「貴女も律儀ねぇ…」

 

「私はお嬢様に忠誠を誓った身、お嬢様に全てを捧げるのが私の役目だから…」

 

「ふぅん…、真面目と言うか、バカ正直というか…、何とも呆れるわね」

 

「貴女には分からないわ」

 

「ええ、分かりたくも無いわ」

 

まるで喧嘩をしている様な会話であるが、これが普段の会話なのである

 

「…とにかく、紅茶を淹れるわ」

 

「ありがとぉ」

 

咲夜の淹れる紅茶を、水銀燈は静かに飲んだ

 

「咲夜の淹れる紅茶は、何時だって美味しいわねぇ」

 

「それだけは、褒めてくれるのね」

 

「お世辞じゃないわよぉ? 貴女が淹れてくれる紅茶は本当に美味しくてね、此だけは此処に来て良かったと思える瞬間ねぇ」

 

「そう…」

 

優雅に紅茶を飲む水銀燈を見て、咲夜は微かに笑みを浮かべた

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「さぁて、図書館にでも行こうかしら」

 

紅茶を飲み終えた水銀燈が、館内の廊下を飛んでいると、ふと窓から外の景色が目に入った

 

「あらぁ…?」

 

彼女が目にしたのは、敷地内の庭の花壇の花に水やりをする美鈴の姿であった

 

「ちょっと、寄っていこうかしらねぇ…」

 

そう呟き玄関へと向かっていった

 

 

 

「……♪」

 

美鈴は、鼻歌混じりに水やりをしている最中であった

 

「…美鈴」

 

「……っ!?」

 

身体をビクつかせた美鈴が声の方を向くと、水銀燈が立っていた

 

「な、何だ、水銀燈か…」

 

「今まで聞かなかったけど、この花はみんな貴女が?」

 

「ええ、私が世話をしてるわ」

 

「そう…」

 

そう言って、水銀燈は辺りを見渡す

 

「…薔薇が無いわね」

 

「薔薇?」

 

「そう、薔薇はね、ローゼンメイデンの象徴なのよ? 私が紅魔館に来たからには、薔薇を植えなきゃダメじゃなぁい?」

 

「いや、そう言われても…、そんな事は今初めて聞いた訳だし…」

 

「…とにかく、薔薇を植えなさぁい」

 

「ええ、今度植えるわ」

 

「ただし…」

 

「……?」

 

「赤い薔薇は、ダメよぉ?」

 

「えっ、何で? 薔薇って赤のイメージが…」

 

その瞬間

 

『シュッ!』

 

「……っ!?」

 

水銀燈から放たれた羽が美鈴の頬を掠め、髪の毛数本を切り落とした

 

「聞こえなかったの? ダメだって言ってるでしょ…」

 

水銀燈は突如殺気立ち、威圧的に言う

美鈴は一瞬怯んだが、もう一度訊ねる

 

「だから…、どうしてなの…?」

 

「私は、赤い薔薇が特に嫌いなの。反吐が出る位にね…!」

 

「……っ!」

 

「…あらっ、ごめんなさいね、ついカッとなっちゃっわぁ。 とにかく、赤色以外の薔薇を植えなさぁい、絶対よ?」

 

「え、ええ…、分かったわ」

 

「よろしくねぇ♪」

 

水銀燈は、また猫なで声で笑顔を振りまきながら、館へと消えて行った

 

「な、何でだろう…、何で赤い薔薇だけ……?」

 

美鈴にはその理由が分からず、しばらくその場で立ち尽くしていた

 

「あっ!薔薇の苗、どうしよう……また、あの花の妖怪の所に行かなきゃダメなのかなぁ…、トホホ……」

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「小悪魔ぁぁぁっ!」

 

「はい!水銀燈…様……、何でしょうか?」

 

大図書館に入ると、水銀燈は大声で小悪魔を呼んだ

 

「昨日読んでた本の続きが読みたいんだけどぉ、持ってきて来れるぅ?」

 

「は、はい! 喜んで!!」

 

小悪魔は慌てて飛び出して行った

 

「別に慌てなくたって良いのに、可愛いわねぇ、フフフ…」

 

彼女は笑いながら、パチュリーのいる元へ向かった

 

「おはよう、パチュリー」

 

「あら、水銀燈…、おはよう」

 

水銀燈の方をチラッと見て挨拶をするも、直ぐに本の方へ視線を戻した

 

「朝から飽きずに読んでるのね…」

 

「ただ読んでるだけじゃないわ、ちゃんと研究もしてるのよ?」

 

「ふぅん…」

 

水銀燈は、パチュリーの読み終えた魔導書を手に取り、パラパラっと読んでみるが

 

「何の事かさっぱりねぇ…」

 

直ぐに飽きてしまい、本を閉じる

 

「分からないヤツには分からないわ、私にだって分からないものはあるんだから」

 

「…まあ、私は別に魔法なんて使わないし、無くたって問題無いわぁ」

 

「そう…」

 

そう言って、水銀燈はそっぽを向いてしまう

パチュリーも特に興味無いようで、再び黙って本を読んでいた

 

「水銀燈様…、持って来ましたよ」

 

其処へ、沢山の本を抱えた小悪魔がやって来た

 

「ご苦労様」

 

テーブルに本が置かれると、水銀燈は椅子に座り本を手に取る

 

「それでは、私はこれで…」

 

「待ちなさい」

 

「……っ!?」

 

立ち去ろうとした所を、不意に声を掛けられ、小悪魔は立ち止まった

 

「何で逃げるの?」

 

「えっ!? べ、別に逃げてなど…」

 

「…嘘ね」

 

水銀燈が椅子の上に立ち、小悪魔の方を向く

 

「こっちにいらっしゃぁい、小悪魔」

 

「い、いえ……あの…、はい……」

 

水銀燈に逆らえず、小悪魔は冷や汗を掻きながら近付いた

 

「あ、あの…、それで………きゃぁ!?」

 

彼女は、いきなり小悪魔の顎を掴んだ

 

「大袈裟ねぇ、力は入れてないわよぉ?」

 

「あ…いや……そうじゃ…あぁ……」

 

不敵に笑う水銀燈、対照的に小悪魔の表情は恐怖で染まっていく

 

「怖がらなくてもいいわ、もう痛い事はしなから。 まぁ、貴女次第だけど…」

 

「ひ、ひぃぃ…!」

 

「貴女…、よく見れば綺麗な顔してるわねぇ…、その美貌と可愛さの秘訣は何かしらぁ?」

 

「べべべべ別に…、何も…」

 

「嘘仰い、貴女はその悪魔の色気で、何人の人間から精気を吸い取ったのかしらねぇ…?」

 

「そ、そんな…、私は何も…」

 

「私の目を見て喋りなさい」

 

「うっ…!」

 

「貴女は何を恐れているの? 貴女の主人? 人間? 妖怪? それとも同族?」

 

「うぅぅ…うぁぁ……」

 

恐怖の余り、小悪魔の瞳から涙が溢れていた

 

「貴女の過去がどんなものだったかは知らないけど、パチュリーの元に来る前は、人には言えない様な事を沢山してきたんでしょう?」

 

「わ、私は…」

 

「言わなくても分かるわ、嫌らしい女ね、お前は…」

 

「ひぃぇぇ…」

 

「どういうプレイだったの? こうかしら?」

 

「ひゃぁっ!?」

 

水銀燈の手が、小悪魔のスカート内に入り込んできた

 

「何? 感じちゃったのぉ? 随分と敏感なのねぇ…、ストッキングの上からで此なんだから」

 

「そ、そんな事…ありません……感じてなんか…」

 

「私は人形だから、こういう行為の何が良いのかは分からないけど、長い時間生きて来たから、どうすれば感じるとか気持ち良くなるかってのは、知ってるつもりよ?」

 

「えっ…貴女は何を………っ!?」

 

すると、水銀燈はスカート内の脚に掛けた手を、更に奥に潜り込ませる

 

「いやぁぁ…!それ以上は……!」

 

辱め同然の行為に、小悪魔は顔を真っ赤にし、ボロボロと涙を流した

 

「そんな顔して、本当に淫らな雌ねぇ…、此処はどうかしら?」

 

悪魔の様な笑みを浮かべながら、顎を掴んでいた手を離し胸元へと手が掛かろうとする

 

「だ、だめぇぇぇ…!」

 

「どうしたの? 抵抗はしないの? やっちゃうわよぉ?」

 

「うぁぁ……助けてぇ……許して下さい…!」

 

何故か許しを乞う小悪魔だが

 

「い・や・よ♪」

 

水銀燈が顔を近付け、耳元で囁く

 

「うぇぇ……ぁぁぁん……」

 

耐え難い苦痛に、気が遠のき始めた時であった

 

「其処位にしておきなさい、水銀燈」

 

本を置いたパチュリーが、水銀燈を睨んでいた

 

「あら残念、これからがお楽しみだっていうのに…」

 

そう言うと、彼女は小悪魔を解放した

 

「はひぃ……はぇぇぇ…」

 

恐怖と恥ずかしさから座り込んでしまう

 

「どう? 少しは楽しんで貰えたかしら? 何時でも相手をしてあげるわよぉ?」

 

椅子の上から小悪魔を見下ろす水銀燈は笑っていた

だが、その姿は本当の悪魔の様にも見えた

 

「うぅぅ……うわぁぁぁぁん!!」

 

小悪魔は大泣きしながら、図書館の奥へと走り去って行った

 

「…あーあ、逃げちゃった…」

 

「あんな辱めを受けたら、当たり前でしょ?」

 

「あれ位大した事じゃなわよ?」

 

「貴女は良くても彼女には良くないわ! それに私だって…」

 

「…なぁに? まさか、興奮したの?」

 

「むきゅ!? そ、そんな訳無いでしょ!?」

 

「そんなに否定しなくたって、顔に書いてあるわよぉ?」

 

「う、うるさーい! 気が散るからどっか行きなさいよ!」

 

「はぁ…、うるさい魔法使いねぇ、仕方ないからこの場は一旦退散してあげる。 でも、後で戻ってくるわよ、折角彼女が私に本を用意してくれたんだから」

 

「それは…、好きになさい…」

 

そう言うと、パチュリーはまた本を読み始めた

 

「ウッフフフフ…」

 

それを見た水銀燈は、笑いながら図書館を出た

 

 

「あの子達を苛めるのは、楽しいわねぇ♪」

 

 

愉快そうに呟きながら長い廊下を飛んでいた

しかし、ある場所に差し掛かった時、彼女は気が付いた

 

「……?こんな所に階段が…、地下に続いてるのかしら? 今まで気付かなかったわ…」

 

それは、地下へと続く階段であった

それを確認した彼女は、既にその方向に向かっていた

 

「何か、面白いものがあるかもしれないわね。 行ってみましょうか!」

 

この先で待ち受けている出来事を、彼女はまだ知らない…

 




次話予告
満を持して、ついに「彼女」が登場します!


今回は銀様的日常でした。

銀様ってサディスティックな性格ですよね、少なくとも自分はそう思います。
原作でも、そんな感じがあったしね。

銀様攻めの小悪魔受け……
夜伽サイトなら、丸々一話書けそうな題材ですw

まぁ、書かんけど。
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