薔薇乙女幻想録 -Legend of the dolls-【休載中】   作:豊之丞

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相変わらずな駄文ぶりで泣ける…。


第8話 下僕(しもべ)

再び弾幕の嵐が真紅を襲う。

 

「最後のスペルらしい濃密な弾幕ね…!」

 

迫り来る光弾と御札をかわしながら真紅も花弁の弾幕を放つ。

 

「この光弾に当たれば確実に封印されそうね・・・でも、そうは行かない…!」

 

残り少ない体力を振り絞り、真紅は弾幕をかわし攻撃を仕掛ける。

 

「(こうなったら、無理してでも強引に止めなくてはいけないわね・・・、悪く思わないで人間…)」

 

「…来たわね!」

 

徐々に間合いを詰めてくる真紅に対し霊夢はすかさず無数の御札を放つ。

 

「やぁっ!」

 

それをステッキで跳ね退ける。

 

「…掛かったわね!」

 

次の瞬間には、真紅に光の弾が炸裂した。

 

「し、しまった…!」

 

その攻撃に身体の自由が奪われる。

 

「さあ、そろそろ終わりよ。 しっかりと封印してやるわ!」

 

「くっ…!」

 

霊夢は御札を構え、真紅へ一気に畳み掛けた。

 

「はぁっ!」

 

霊夢から御札が放たれた瞬間だった。

 

「ホーリエ!」

 

真紅が叫んだ瞬間、ホーリエが眩しく瞬き御札を無効化する。

 

「お、御札が…!?」

 

全ての御札が無効化され、ひらひらと落ちていく様に霊夢は驚く。

 

「続けて、ホーリエ!」

 

すると、ホーリエは赤い光を放ちながら霊夢目掛けて突進していく。

 

「な…、何よ!?」

 

突進してくる赤い弾のような光に霊夢は身構える。

 

「はぁぁぁっ!」

 

御祓い棒で打撃を加えようとしたが、全く利かずに逆にホーリエから電撃のような攻撃を受けた。

 

「ぎゃぁぁぁ!?」

 

その衝撃で霊夢は吹き飛ばされてしまう。

しかし、直ぐに体勢を立て直し持ちこたえた。

 

「くっ、くっそ…!」

 

思わず、悪態が出てしまう。

それを見た真紅も再び動き出す。

 

「…あとは私が決める!」

 

そう言って真紅は前に出る。

そして、掌から薔薇の花弁を周囲に散りばめながら霊夢へと近づく。

しかし、その花弁は何故か弾幕に変化はしなかった。

それを見た霊夢は真紅に言い放った。

 

「…何よ? それを弾幕にする力は無いの? 私はまだまだ動けるわよ!」

 

身構え攻めに入る。

 

「時間ギリギリだけど、まだいけるわ! 神霊「夢想封印」!」

 

再び霊夢から放たれ光弾が真紅目掛けて襲う。

 

「…それが、貴女の最後の足掻きなのね…」

 

「足掻きかどうか、それはブレイクさせてから言いなさい!」

 

弾幕の攻撃が激しさを増す。

 

真紅は、ただその攻撃を避けているようであったが、

 

次の瞬間、ステッキで何発かの弾を弾いてきた。

 

「弾幕を弾いた…?」

 

そして、それを弾きながら霊夢に向かって突撃してきた。

 

「そんなの…、避けられる訳無いでしょ!?」

 

霊夢の言うとおり、真紅は全ての弾幕を避けきれず、被弾してしまう。

 

「ぐぁっ…!」

 

激痛に顔を歪めながらも、真紅は止まらない。

弾幕を避け、弾きながら霊夢へと間合いを詰める。

 

「な、何を考えてるのあんた!」

 

霊夢がそう叫んだ時には、真紅は目の前に接近しており、ステッキっ打撃を与えようとしていた。

 

「うわぁっ!?」

 

霊夢はとっさに避け、同時に御札を真紅へ投げつけた。

真紅も、間一髪それを避けたが、先程受けたダメージでボロボロになっていた。

 

「…もう限界なんでしょ? 潔く降参しなさい、さもなければ本当に…」

 

霊夢はそう告げたが、真紅はボロボロの姿になりながらも不敵な笑みを浮かべていた。

 

「・・・それは、こっちの台詞ね。辺りを見てみなさい」

 

「・・・・!?」

 

真紅に言われて、霊夢は周囲を見回す。

そこには、真紅が先程散りばめた花弁が浮遊していた。

 

「追い詰められたのは・・・・お前よ」

 

パチンッ!! っと指を鳴らした瞬間、それは光弾へと変化した。

 

「・・・っ!? しまった!」

 

霊夢が気付いた時には、無数の弾幕が襲いかかっていた。

 

「大丈夫よ、それには殺傷能力は無いしちゃんと避けれる余地は残したわ、ただし…、ハードルは高いわよ…」

 

真紅の弾幕が次々と霊夢へと降り注ぐ。

 

「くっ! このっ…!」

 

霊夢は、その濃密な段幕を見事に避けていたが、その間に真紅の姿を見失ってしまう。

 

「ど、何処に・・・・・っ!?」

 

霊夢が見たのは上からの数発光弾であった。

 

「そんなの…、余裕よ!」

 

完全にそれに集中していた。

それを避けた瞬間であった…。

 

「・・・・動くな」

 

「なっ!?」

 

それは、下から霊夢の喉元にステッキを突き付けた真紅であった。

 

「御祓い棒と御札を仕舞いなさい、人間」

 

真紅は、ゆっくりと霊夢の視界へと浮き上がって来た。

 

「今、お前の命運は私が握っている…。抵抗はしない方が賢明よ」

 

「くっ・・・!」

 

何とかこの状況を打開しようとしている霊夢を真紅は見逃さない。

 

「もし、抵抗しようとするなら…」

 

真紅の表情が冷徹なものへと変わる。

 

「このまま突かれて喉を潰されるか、私のショットで吹き飛ばされたいか、お前が選べ…」

 

それは冗談でも何でもなく、本気で仕留めようとしている事は、霊夢には怖いほど伝わっていた。

その状況に霊夢は観念せざるを得なくなり、目を閉じ俯きながら告げる。

 

「・・・私の・・・、負けよ・・・」

 

悔しさに歯軋りしながら、御祓い棒を持った手を下ろした。

 

「…それでいいわ、賢明な判断よ」

 

そう言って、真紅もステッキを下ろした。

 

「さあ、地上に降りましょう。 終わったんだから…」

 

「・・・・っ」

 

真紅に促され、霊夢も地上に降りた。

 

「さあ、約束よ。契約を・・・」

 

「…分かったわ、約束したんだから仕方無い・・・」

 

「うっ・・・・」

 

真紅はふらふらと霊夢に寄たれ掛かった。

 

「・・・っ!? 真紅!?」

 

霊夢は慌てて真紅の身体を抱えた。

 

「…やっぱり契約してない状態で力を使うのは無理があったわ…」

 

「無茶し過ぎよ、そんなに私に封印されるのが怖かったの?」

 

「そんな訳無いでしょ、貴女の実力、しっかりと見ておきたかったのよ・・・」

 

「ふーん、あんたも素直じゃないわね」

 

「…お互い様でしょ?」

 

そう言うと、2人は微笑んだ。

 

「それと、言っておくけど私はまだ本気では無かったのよ?」

 

「また強がりを…」

 

霊夢の言葉に真紅は呆れた表情をした。

 

「本当よ、私の究極奥義は使わなかったんだから、あれを使ったらあんたに勝ち目は無いわ。あんただけじゃない、他のヤツらもね…」

 

「…では、わざと負けたと言うの?」

 

真紅は眉を顰めて聞いた。

 

「そうじゃないわ、さっきのはスペルカードルールに従ったまでよ。 悔しいけど、あれは私の負けよ」

 

「そう…、律儀なのね貴女って…」

 

悔しそうだが、どこか晴れ晴れとした霊夢の表情に真紅は笑みを浮かべた。

 

「さあ、契約してあげるから、どうするの?」

 

霊夢が尋ねると、真紅は霊夢から少し離れ左手を差し伸べた。

 

「それじゃ・・・、誓いなさい、この薔薇の指輪に。 私のローザミスティカ護ると・・・」

 

「これって…」

 

「この指輪にキスをするのよ」

 

「・・・・っ!」

 

霊夢は、ゆっくりと真紅の指輪にキスをした。

 

「・・・っ! 何!?」

 

その瞬間、赤い光が真紅を覆う。

 

「いい子ね、霊夢・・・」

 

「・・・・・熱いっ!?」

 

その熱さに霊夢の表情は苦悶に満ちていた。

しかし、それは直ぐに終わった。

 

「…もう、いいの?」

 

「ええ、左手をご覧なさい」

 

真紅にそう言われて、霊夢は左手を確認する。

 

「これは・・・!」

 

左手薬指に真紅と同じデザインの指輪がはめられていた。

 

「それが、契約の証。 これで私は貴女から力を得られるわ」

 

「そう言えば・・・」

 

先程の戦いの後の弱々しかった真紅は、元の状態へと戻っていた。

しかし、服はボロボロのままであったが。

 

「私の力を使ったから、平気でいられるの?」

 

「そうね、アリスゲームの時も貴女から随時力を供給させてもらうわ」

 

「何だかなぁ…、服は大丈夫なの?」

 

「服はホーリエが直してくれるわ、一晩あれば元通りなのだわ」

 

「その人口精霊って便利ね、私も欲しいわ」

 

「流石に、そう言う訳にはいかないわね」

 

「でしょうね…、ちょっと羨ましい」

 

人口精霊がいれば、身の回りの事をやってくれそうで、真紅が羨ましく思えた。

 

「それより霊夢」

 

「…何よ?」

 

「紅茶を入れてちょうだい」

 

「・・・はぁ?」

 

「聞こえなかったの? 紅茶を入れなさいと言ったのよ」

 

「な、何で私がそんな事しなきゃいけないのよ!?」

 

「下僕が主に紅茶を入れるのは当たり前でしょ? そんな事も知らないの?」

 

「知るわけ無いでしょ! 大体ね、私はあんたに力を与えてやってるのよ? 下僕って表現はおかしいんじゃないの!?」

 

「貴女はまだ自分の立場が分かっていないようね。力を供給するのは下僕として当然の事、本当に頭が悪いわね」

 

「うるさいわね! 何であんたに一々指図されなきゃならないのよ!」

 

「うるさい下僕ね、文句ばかり垂れずに早く紅茶を入れなさい」

 

「うちに紅茶なんて無いのよ! 緑茶だけよ!」

 

「紅茶が無いなんて、何て貧乏臭い神社なのかしら? それで良く生きて来られたわね? レディとして恥ずかしくないの?」

 

「私は紅茶なんて無くたって生きていけるの! 女を捨ててるかのような発言は止めなさい!」

 

「どうでもいいから、何とかしなさい」

 

「無いものは無いのよ! 欲しかったら紅魔館にでも行ってきなさいよ!」

 

「その紅魔館には、美味しい紅茶があるの? なら、さっさと取りに行きなさい」

 

「はぁ!? 何で私が行かなきゃならないのよ!?」

 

「主に紅茶を用意するのは当然でしょ? 全く、口の聞き方を知らない下僕ね…」

 

真紅の素っ気ない口調に霊夢は増々ヒートアップする。

 

「さっきから言わせておけば…、いいわ!人間様の恐ろしさを教えて…」

 

「・・・触るなっ!」

 

霊夢が掴もうとした瞬間、真紅は長い髪を鞭のように振り回し、霊夢にクリーンヒットした。

 

「ぐっ!いたたた…」

 

「もういいでしょ? 私は縁側にいるから、さっさと紅茶を用意してきなさい」

 

「ち、ちょっと待ちなさい! 私は用意しないわよ? 話を聞けぇぇ!!」

 

「うるさい下僕ね、怒鳴ってばかりいたら疲れちゃうわよ」

 

「誰のせいよ!? やっぱりあんたは封印してやるわ!」

 

「それだけ元気があれば大丈夫そうね、早くしなさい」

 

「しないって言ってるでしょう! 真紅、話を聞きなさい!」

 

「・・・そうやって叫んでると、マヌケに見えるわよ?」

 

「マヌケ!? このぉぉ・・・、うああああああああああ!!!」

 

 

霊夢の絶叫が周辺に木霊した。

 

 

 

―――――――――――――

 

その様子を陰から見ていた者がいた。

 

「霊夢さん、相当荒れてるわね・・・」

 

「こ、怖すぎるわ・・・」

 

「でも、あの霊夢さんをあれだけ振り回すなんて・・・、何者なのかしら?」

 

「ねぇ2人とも、隙があったらあの真紅って名前の妖怪か妖精か分からないけど、悪戯してみない?」

 

「ええ!? 本気で言ってるの?」

 

「そうよ! さっきだって霊夢さんに弾幕ごっこで勝ったのよ?」

 

「だからよ! そんな強い相手に一泡吹かせれば自慢になるじゃない!?」

 

「・・・それも、そうよね!」

 

「その前に、一回休みにされそうな気が・・・」

 

「ルナ、ビビり過ぎよ!」

 

「そうよ、ルナだってあれがどういう人物が知りたいでしょ?」

 

「そ、それは気になるけど・・・、スターは怖くないの?」

 

「怖くないって言ったら嘘にかるけど・・・やっぱり気になるわ」

 

「そ、そう・・・?」

 

「それでサニー、何かいい作戦でもあるの?」

 

「まだ何も考えてない」

 

「「ズベッ!!」」

 

2人は思わずずっこけてしまう。

 

「大丈夫よ、これから考えるから。 あっと驚く作戦をね・・・!」

 

「とりあえず、作戦はサニーに任せるわ」

 

「ええ、任せなさい!」

 

「・・・本当に大丈夫かな・・・?」

 

そうして、乗り気の2人と不安を抱える1人は、森の中へ消えて行った。

 




真紅と霊夢編は一旦終了です。

最後に出てきた3人は…、更にストーリーが複雑になりそうな予感ですw
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