老爺が目を覚ますと鶴と同い年の青年になっていました。
立場が変われど男が目指すのは鶴の幸せです。
鶴のために友とその父親を利用して世界を変えることにしました。
青年は努力を重ねながら時を待ち、やがて鶴が渡ってきました。
赤く美しい小さな鶴です。
しかしどこかが違う。
男が足を見るとかかった罠が前よりも深く食い込みぐずぐずになっています。
男の影響か世界の影響か、やってきた鶴は瓜二つの別人でした。
しかし脳を焼かれている男にそんなことは関係ありません。
スパダリムーブをかましながら鶴に近づくと、素早く鶴に必要な治療を開始します。
ついでに友と仲良くしたり、自分が物語に食い込みつつシナリオから外れないように作戦を練っていきます。
しかし、鶴の成長を封印した恐ろしい物の怪を前にしてその作戦を捨てることにします。
男は鶴の父でした。
娘を生贄にするような真似はどうしてもできませんでした。
男は物の怪になってしまいました。
男はシナリオを自ら壊してしまいました。
男は鶴のトラウマを掘り起こしてしまいました。
それでも男はできることをするしかありませんでした。
短く長い時間が経ちました。
まえ鶴と一緒だった期間よりずっと短く、しかし半分くらいの時間が流れました。
物語は動き出しました。
男は鶴の背にしがみついて戦いました。
鶴は幼い身体のままでしたがすっかり大きく成長しています。
ただ世界の過酷さに鶴が少し荒んでしまっていたことは男の気がかりです。
あと食材が少ないことも、自然が少ないことも、のんびりできる時間が少ないことも、娘にふさわしい婿がいないことも、鶴が命を懸けて戦わないといけないことも、何もかもが娘の選択肢を奪っているようで男は世界に怒っていました。
そんなことを心の奥底で
男は誠実ではありませんでした。
ズルで得た知識で他人を動かすのはもう慣れっこです。
決戦で男は友に世界を託し、泣いている鶴のそばに居ることにしました。
成長した娘はそれを許してくれました。
そして友は彼のなすべきことをしました。
書き換わった世界で、男はもう一度鶴に駆け寄ります。
二度目だと思っている男は混乱しつつも、食事を与え手厚く看病しました。
鶴の傷はすぐにすっかり良くなり、鶴は男をすっかり気に入ります。
鶴は治った両足で男を掴むと力強く羽ばたき鶴の国に連れて行ってしまいました。
そこで鶴は男と
めでたし。めでたし。