アクア『領域展開』   作:初心者

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夏油の闇堕ちフラグ折り①
余裕があるうちに会わせる
まだ二人は特級扱いではないとさせていただきます



サボり魔

 

「夜蛾センセーさっきの爆音鳴らしてたバイク乗りの金髪姉ちゃん誰?」

 

夜蛾は眉根を顰め、警戒心を強めながら答える

「……特級術師九十九由基だ……」

 

「へぇあれが噂の『サボり魔』特級術師か」

 

好戦的な笑みを浮かべる五条に

 

「先に言っておくがな、悟、傑。演習であっても、彼女と戦わせるつもりはない。」

 

夜蛾は釘を差した

 

「えー、なんでだよ。せっかくの『特級』だぜ?」

 

五条が不満げに声を上げる。

 

「お前たちを戦わせるなぞしたら、呪術高専の結界が保たん」

 

五条家の麒麟児と特級術師の衝突の影響は地形を変えることが容易く予想出来るため夜蛾は拒否の姿勢を見せる

 

「ちっケチめ」

 

「ほう……なら修繕費を五条家と悟の借金という形なら構わんぞ?傑も参加するなら、連帯責任だ」

 

「……流石にそれは勘弁してほしいですね」

 

夏油は特級との戦闘は流石に被害規模が大きいだろうと予測し回避した

 

「なら家に払わせるから戦おっかな」

 

五条はまだ諦めていなかったが

 

「……お前たちを本気で戦わせた被害額……建物や結界など、下手すれば数十億以上は掛かると思うが?」

 

夜蛾が怪訝な表情を浮かべ、本気でやるのかと暗に問う

 

「……やっぱ止めとく」

 

その額は五条家でも面倒なことになると流石に解った五条は頬を引き攣らせながら渋々矛を納めた

 

「いいじゃんやれば……そして五条家没落。目指せ借金王」

 

煙草の火傷を反転術式で治療し終えた家入が茶々を入れる

 

「っざけんな硝子」

 

「お前ら静かにしろ。授業を始めるぞ!」

 

「「「うーい(ハーイ)」」」

 

 

─────

 

 

薨星宮で天元とその主治医達との面会を終え、高専忌庫から出てきたばかりの九十九由基が、革ジャンを揺らしながら颯爽と歩いてくる。

 

九十九は特級に上がってくるであろう「問題児」たちを見つけ笑みを浮かべ声を掛ける

 

「やあ五条君に、夏油君。どんな女がタイプかな?」

 

「「あ、『サボり魔』特級術師」」

 

「誰が『サボり魔』だ!?……全くこれだから高専は嫌いだ」

 

「……へぇいい術式持ってんじゃん。確かにそんな術式持ってんなら特級だわ」

 

『六眼』で観測した九十九の術式を読み取り、手の内を暴き出し、それを軽々しく口にする五条

 

「『六眼』で術式情報を盗み見して品定めとは。五条家の御曹司は随分品の無い趣味をしているようだ」

 

笑みを消した九十九が不快感を露わにし五条を糾弾する

 

「あ゛?」

 

「悟、今のは君が悪い」

 

夏油が溜息混じりに、五条を諌める

 

「何でだよ。傑。特級術師なら気になるだろ」

 

「はぁ……」

 

「苦労しているようだね。夏油君」

 

想像以上に子供っぽい五条に付き合わされている夏油に九十九は同情する

 

「本当に……」

 

「なっ!?」

 

九十九は溜息を一つつくと教師が生徒に語りかけるようトーンで

 

「いいかい五条君。いくら『六眼』持ちでも相手のプライバシーを覗き見て、本人にそういうことを言うのは非常識なことなんだよ」

 

だから品が無いと言ったんだと説明する

 

「……」

 

黙り込む五条だが、まだ納得いかない顔をしていたので夏油が

 

「その通りだ悟、術式情報が見えてしまうのは仕方がない。『六眼』という特異体質だからな。だがそれを本人の前で吹聴し品評するのは如何なものかなと思うよ」

 

と五条に寄りつつも正しい意見だと賛同する

 

「けっ知るかそんなもん」

 

子供じみた意地で自分の過ちを認めようとしない五条

 

「なら今知っただろう?思ったことをすぐに口にするのはガキっぽいぞ?」

 

九十九は更に五条に指摘する

 

「……うるせーよババア」

 

自尊心を抉られ、居心地の悪くなった五条が吐き捨てる

 

次の瞬間、夏油は風を切る音が聞こえ、同時に凄まじい風圧を感じた

 

「なるほど、これが『無下限呪術』か」

 

そう聞こえ、九十九が五条の顔面に拳を寸止めした状態でいるのを見て、殴りかかった際に起きた衝撃だと後から理解する

 

「……へへっ」

 

五条が引きつった顔で精一杯笑みを浮かべるが背筋に冷たいものを覚えた

 

───無下限使ってなかったら死んでたな

 

術式と呪力の動きからそこに篭められた威力を推測し、戦慄する

 

「ちょっとちょっと何やってるの!?」

 

九十九と共に薨星宮から戻った吾郎が職員室から慌てて出てくる

 

「「雨宮先生」」

 

夏油と九十九がその声に反応する

 

「お前たち!何をしている!?」

 

「夜蛾センまで来やがった」

 

職員室に吾郎といた夜蛾も慌てて注意をしに来た

 

 

経緯を聞いた吾郎は

 

「はぁ、それは五条君が悪いな。女性への態度じゃない。しかし初対面で術式を品評されて注意しなかった僕もその点についてはある意味同罪だな。九十九特級術師。教え子の非礼を詫びる。本当に申し訳無い」

 

と言い、深く頭を下げる

 

「いやちょっと、なんで雨宮先生が謝るんだよ?」

 

五条がいたたまれなくなり、声をあげる

 

「なんでって、生徒が良くない事をして、それを放置した。その結果、別の相手に迷惑をかけたんだから頭を下げるのは当然だろう?」

 

「……その通りだな。九十九特級術師。私からも謝罪する。教育が行き届かず、本当に申し訳無い」

 

夜蛾も同じく九十九に対して頭を下げた

 

今日初めてあった大人と普段から接している身近な大人の二人が自分のせいで頭を下げるという状況に居心地の悪さを感じる五条

 

「いやこちらこそ大人気ない真似をしてしまい申し訳無い。危うくそちらの生徒の顔を粉砕するところだった。」

 

九十九もそれに応じて頭を下げる。

 

「まあそのくらいなら雨宮先生なら簡単に治せていただろうがな」

 

九十九からの評価に頭を上げて、いやそんなことは無いよと謙遜する吾郎から

 

「けっ……防げたんだから良いじゃねえか」

 

五条は顔を背け小さく毒づいた

 

 




演習場使用許可は出ないし出さない

家出て一年未満の五条にはそこそこ効くと思う

ご指摘いただいたので一つ
前話の九十九に対してアクアが動じず、冷静だった理由についてですが、

九十九側が配慮してます。相手は外見4歳児(中身精神年齢30代の医者)ですので呪力込みで威圧したりはしていません
但し九十九も完全に自制出来てるわけではありません。それが言葉や態度の強さに現われています
事前のやりとりで多少毒気を抜かれている+自分の怒りで話が進まない状況を自覚していたので
その程度は配慮出来る冷静さは戻っています。
あとアクアは特級術師の戦闘などは見ていないので特級の危険度に実感は無いです
実践経験の無さからくる無知と
それから天元と伏黒甚爾というベクトルの違う怪物が近くにいることでアクアの感覚が麻痺してます
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