アクア『領域展開』 作:初心者
【注】捏造、独自解釈、独自設定
キリが悪いので今話に繰り越した部分の捏造設定が前話のあとがきに残ってしまった
現在は削除して、今話のあとがきに再掲しました
次の日
吾郎、甚爾、アクアの三人は薨星宮に居た
「───と言うことなんですが、天元様は何か知りませんか?」
《ふむ……確かに君の死の直後。近くに二人ほど居た覚えがあるな。一人は少々離れた所にいたので関係ないと思っていたのだが》
「ってことは個人を特定出来るほど感知出来るわけじゃねえのか」
《生憎だが、結界の起点になる祠周辺でも非術師の個人を特定するのは難しいな。呪術師か呪霊ならば分かりやすいのだが、あの時は雨宮君の呪霊を感知したことと星野アイの出産時の術式に気を取られていたからな……雨宮君の死の直後に死体を移動したならば気づいただろうが、出産時と重なるタイミングで死体を移動したようだな》
「何故リョースケは特定出来たんですか?」
《人を殺した場合、非術師でも一時的に呪力の放出量が増え、残穢を残すことがある。雨宮君を殺したと自覚した後に一時的に呪力が溢れて結界の探知に引っ掛かり、星野アイを刺した後、そして階段から落ちて死んだ際にも呪力を放出しているからな。一度残穢が結界に引っ掛かれば特定するのは難しくない》
「……ニノが幽霊と言っていたが彼女が呪霊を視える可能性は?」
アクアが気になったことを口にする
《視えるか視えないかまでは分からんな。ただ人によっては夢に出る可能性はある》
「夢?」
《ああ、個人に憑く呪霊は稀に夢に出ると云われている》
「夢枕に立つとかそういったオカルトめいた迷信がありますが、アレは呪霊の仕業ということですか……リョースケは呪霊化してニノに憑いているということでしょうか?」
《確定は出来ないな。本人の脳が見せた悪夢と呪霊が見せた悪夢かを特定するのは不可能に近い。タイミング次第では残穢が視える可能性も無くはないが……》
「ったくお前らな、ニノって女は入院中なんだろ?なら退院した後考えれば良いじゃねえか」
甚爾が頭を掻きながら、話を打ち切りに掛かる
───このお人好し共には付き合い切れねえよ
《確かにな。そういえば、そろそろ紹介した物件のリフォームが終わる頃合いだろう?準備はしているのか?》
天元が甚爾の思惑に乗り話を逸らす
「ええ、もう一部の荷物は運び入れてます。甚爾達の部屋もそろそろ完成するぞ。四月頭には引っ越し出来るはずだ。恵くんの幼稚園入園に間に合いそうだな」
「ありがたいが、随分と早えな」
《呪術高専は地鎮祭などの関係で、伝手のある建築業者が多いからな》
「もうすぐ四月か……吾郎、呪術高専って新入生って入るのか?」
「ああ、二人入るらしい」
「二人か、呪術師になれる人は本当に少ないんだな」
《才能の世界だ……入学者0人もザラにある。近年は殉職率も高いからな。反転術式を教えられればいいのだが、アレは本人の感覚がモノを言う類の技術。カリキュラムに加えられないのだ》
と天元が嘆く
「殉職か……」
「……反転術式ってそこまで難しいですか?僕達割と簡単に習得出来ちゃいましたけど」
「……そりゃお前らの術式の影響じゃねえか?」
甚爾が呆れた声で指摘する
「医療系というか、人体干渉系というか、人間相手に干渉するタイプの術式だろ?相手に合わせられるような呪力特性してるんじゃねえのか?」
「……呪力特性?」
《個々人で呪力を練った際の性質が違うのだ。例えば雷や炎、氷などの自然現象を操る術式の場合、呪力自体が電気を帯びたり、熱を持ったり、冷たくなったりと術式の性質に呪力の性質が引っ張られる。君達の場合は相手に干渉するため波長を合わせられるように操りやすく変化させやすい性質の呪力をしているか……。あるいは術式自体に呪力を操作しやすくなるよう補助する術式特性があるかもしれないということだ。領域内包型かつ人体干渉系───というよりは人魂干渉系というべきか───極めて稀有な術式だからな》
「……相手の肉体と魂に干渉出来る……ってことは相手の肉体か魂から間接的に呪力に干渉して操作出来るか?」
《……ある程度相手の呪力を操作することが出来るとは思うが……領域内であれば反転術式を体験させられるかもしれないな……》
「……お前ら今とんでもない話してると自覚してるか?」
「「え?」」
「反転術式の習得なんて御三家でも百年に一人レベルだ。んなもん量産したら呪術界の上層部に目ぇ付けられんぞ?」
「……だが反転術式を習得すれば殉職者が減るだろう?いいことじゃないか?僕が表に出てアクアは裏でこっそり領域展開だけやれば……」
「あのなぁ。京香の時に分かっただろう?施術してる最中にも意識はある。そもそも意識がある状態で領域に招いて体験させねえと反転術式の感覚は掴めないんだろ?」
「いや肉体の施術は僕の担当だし、僕だけが手術室に待機してやれれば……」
「魂はアクア担当だ。魂側が反転術式習得に必要なら意味が無え。それに被施術者が五条悟ならアクアのことに勘づく可能性もある。五条以外、あるいは御三家以外の呪術師と括ればいいかもしれねえが、それはそれで面倒なことになるだろうが。仲間外れにされたってな」
《……『縛り』を結び、他言無用とすれば可能だ。場所は薨星宮を使えばいい》
「……良いのですか?」
《反転術式が使えるようになれば、生存率が上がる。それは歓迎すべきことだ。私の若返りが済めば私が結界術を教えることも出来るようになるかもしれぬ……但し、実行するのは星漿体の同化儀式の後にして欲しい。それならば、傍目からは同化しリセットした私が直々に教えているようにも見せかけられるだろう》
「いや、そこまでしなくても」
《アクア君。君自身はまだ四歳だろう?それに十年以上拘束してしまうことが確定している。……少なくとも高専に入学出来る年齢までは君の存在を隠しておく方が良いだろう。これは君のためではなく私のためだ》
自身の保身のためと言い、天元はアクアを擁護する。そこに秘められた気遣いにアクアは甘えることにする。
「……はい」
───オレが自由に動ければ、殉職者や呪霊に殺される人を減らせるかもしれないのに
無力感に苛まれながら
─────
二〇〇六年四月初旬
二人の少年が呪術高専入学した
「呪術高専入学おめでとう。僕は保健医の雨宮吾郎だ。体調不良や怪我をしたら、保健室に来てくれ。まあ利用することが無いのが一番だけどね」
「灰原雄です!怪我をしたらお世話になります!」
輝く笑顔で元気よく返事をする黒髪の少年と
「……七海建人です。よろしくお願いします」
理知的だが少々神経質そうな金髪の少年
新しい呪術師を迎え呪術高専の新学期が始まる
星漿体の同化儀式まで後一ヶ月と少し
呪術界に『停滞』を齎す重要な儀式。それが既に必要が無くなったと知るものは極僅か
それを知らぬがゆえに動き出す二つの組織
そして
〈さて、今回こそ天元には同化を失敗して貰いたいのだが……。動くのは『盤星教』と『Q』か……。『六眼』『無下限』の五条悟に加え『呪霊操術』の夏油傑が相手になる以上戦力が足りない。あの二人に勝てるとしたら『術師殺し』禪院甚爾と『元星漿体』九十九由基あたりか……。ふむ、一応情報を流しておくか。禪院甚爾には『Q』から星漿体『殺し』を。九十九由基は『盤星教』から星漿体『保護』という名目で動かせば面白いことになるかもしれない。同化の阻止さえ出来れば手段は『殺し』でも『保護』でもどちらでもいい。噂によると九十九由基は星漿体関連で天元に怒鳴り込んだ上に五条悟と一触即発になったらしいからね。敵対してもおかしくはない。ただ、理想は『術師殺し』に五条悟と相討ちで死んでもらうことだな。
……アレは面白くない〉
捏造設定
人を殺した場合、非術師でも一時的に呪力の放出量が増え残穢を残すことがある
正しくは人を殺したと自覚した場合
負の感情や罪悪感で呪力が一時的に溢れる。溢れた呪力が微量の残穢となる
反転術式習得者の希少性
御三家で習得している描写があるのが作中で五条一人だけなので(乙骨もだが)百年に一人扱いに
(少なくとも禅院家には一人もいないので禅院家が基準である甚爾の認識)
夢枕に立つ
呪術廻戦0で夏油が相談に来た親子の娘に憑く呪霊を捕獲した際にその呪霊が夢に干渉していると言及していたシーンから
呪術高専に入り浸っている甚爾を羂索が知らないのは甚爾の呪力が0のため感知できないから接触は仲介人(孔時雨)頼り
まだ呪霊操術持っていないので呪霊との感覚同調が使えず呪術高専や甚爾を四六時中監視が出来ていない
そして甚爾の呪力0は羂索にとっては興味の対象外であること
(近くにいると頭の縫い目や脳液の匂いなど死体を動かしていることがバレる可能性があるという事情もあり苦手意識アリ)
結果近くにいるアクアと吾郎の詳細知らず
九十九については情報収集しているが、術式情報優先のため伝聞のみ
没ネタ
羂索は甚爾か昔のフィジカルギフテッドに呪詛師として狩られかけたエピソード
そのせいで甚爾の居るところに寄りつこうとしなくなった
閉じない領域習得要因
没理由
渋谷事変まで甚爾が定期的に命を狙われ続けそうなので