アクア『領域展開』   作:初心者

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【注】捏造、独自解釈、独自設定

ファンパレ新ストーリー
東堂が安定の東堂過ぎる


懐玉③

 

二〇〇六年五月

 

薨星宮

 

アクア、吾郎、甚爾そして九十九は天元から呼び出され、事情を聞いた

 

「は?星漿体の少女の素性が漏れた?」

 

《……うむ》

 

苦渋を含んだ声で天元が肯定する

 

「……リークした犯人は?」

 

青筋を立てた九十九が天元に問う

 

《……同化時期は呪術界の関係者ならばある程度目処はつく。だが、その少女が星漿体に指定されていることを知っているものは限られるはず……》

 

「……上層部の誰か。か?」

 

《おそらく違う……。とりあえず夜蛾君を通して五条くんと夏油くんに星漿体の保護の任務を手配してある》

 

「五条は分かるが。ゲトウ?」

 

面識のない甚爾が「誰だそれ」といった表情で質問する

 

「呪霊操術を使う。五条君と一緒に行動している一般出身の術師だ」

 

面識があり、保健医として交流のある吾郎が答える

 

「呪霊操術か。死ぬと面倒なことになりそうなやつだな」

 

「二人とも既に特級クラスの実力はあると思うよ。まだ練度不足で手数不足な発展途上ではあるけどね。まあそんじょそこらの呪詛師じゃ相手にならないんじゃないかな」

 

九十九が二人の実力を保証する……注釈付きだったが

 

「で、天元。本当に心当たりは無いのか?」

 

九十九は誤魔化したら承知しないと威圧感を纏って問いかける

 

《……一人心当たりがある。名は羂索。死体に乗り移る術式を持つ平安時代から生きている呪術師だ》

 

「「……は?」」

 

「天元以外にも千年以上生きている呪術師がいるということか……そいつが星漿体を狙って情報をリークしたと?何故だ?」

 

九十九がとりあえず威圧感を引っ込め、代わりに困惑しながら天元に根拠を聞く

 

《……あの子は私の『進化』を起こさせようと画策していた。そのために五〇〇年前の星漿体同化時には『六眼』持ちを皆殺しにしたほどだ。赤子すら殺す徹底ぶりでな》

 

「「なっ!?」」

 

元は産婦人科医である吾郎とアクアは赤子すら手にかけたという羂索の行為に驚きと嫌悪感を示す

 

《幸い『六眼』は天元()と星漿体と因果律で結ばれている。結局別の者に『六眼』が継承され、星漿体を殺される事無く私は同化することが出来た。『進化』もせずにすんでいる》

 

「今回もソイツが絡んでると?」

 

《ほぼ確定だろう。だが、あの子の望み通り『進化』することは無くなった。永遠にな》

 

「永遠?これから五〇〇年ごとに心霊施術持ちでも現れるのか?」

 

九十九がそんな都合の良いことが起こるわけが無いという否定的なニュアンスを込めて問いかける

 

《いや、アクア君の施術のおかげで魂の輪郭を捉えることが出来るようになった。今ならば、魂と肉体の輪郭に結界を張り擬似的に『不老』になることも可能だ》

 

「な!?星漿体は必要無くなるということか!?」

 

九十九が信じられないと言わんばかりに確認を取る

 

《うむ、もう星漿体との同化は必要無い。元々老化による『進化』とは『呪霊化』に近いのだ。基本的に呪霊は祓われない限り『不死』だ。老化により、肉体を保つことが出来なくなり、魂のみで存在維持するように『進化』。謂わば『生霊化』だな。残念ながら施術前の私では出来なかっただろうが、アクア君達の術式で魂のみの状態になり、更に星漿体の魂を引き剥がしたことで元の私の魂の輪郭を捉えられた。本当にありがとう》

 

「いえ、そちらは副産物のようなものですので……。それよりも星漿体の保護したあとって具体的にどうするんです?同化したことにして死亡を偽装しますか?」

 

吾郎が保護したあとのことを口にする

 

《そうなるだろうな。無論死を偽装したあとのことについては本人の希望を出来る限り叶えてやりたいところだが……》

 

「いっそのこと『進化』の内容『生霊化』でしたっけ。そのことを暴露してしまうのはどうでしょうか?」

 

「……情報操作で偽の着地点を作るのか」

 

アクアの提案に甚爾が意図をくむ

 

「そう、星漿体は必要無くなった。それは天元様が結界術で『不老』になったり、俺が術式で若返らせたわけでも無く『進化』した結果だと告知するんですよ。怪しまれたら、『心霊施術』持ちの雨宮吾郎が『進化』を補助したことにする形で」

 

《『進化』したと情報を流すことで『進化』を狙う奴等(羂索と『Q』)星漿体を狙う奴等(盤星教)の狙いが既に達成されていると誤認させる訳か》

 

「ええ、表向きは『進化』はしたが問題無かった。実際は若返った上で『不老化』ですが、結果としてはどちらも天元様の結界は保たれることになります」

 

「元々星漿体同化の目的は、天元の結界の維持及び暴走の阻止。それが呪術界の上層部の総意だ。それが保たれるのなら既に『進化』が始まっていて手遅れだった。あるいは星漿体が同化を拒否したとしても問題無いわけか」

 

「それに若返った後。表に出ることがあっても、結界術で若い頃の姿を再現しているとか、姿が変化していても不思議は無いと思わせることも出来ますから──」

 

電子音が二つ鳴り響き議論が中断する

 

甚爾と九十九の携帯にメールが届いた

 

薨星宮は地下深く本来電波は通じない。だが、天元の治療の設備用に電気と通信インフラを整備していたことでメールのやりとりくらいなら出来るようになっていた。

 

 

 

「孔っつう昔馴染みの仲介人から連絡が来た。秘密結社『Q』から星漿体殺害の依頼だとさ」

 

「私も昔の馴染みを通じて依頼が来た。盤星教『時の器の会』から星漿体保護のな」

 

《……ふむ、既に動き始めているか》

 

「俺は受けねえ。金は足りてるし、裏事情知ってるからな」

 

「私も受けない。カルトは嫌いだ。それに保護ならこちらでやるだろう?なら、こちらに参加した方が最後まで見届けられる」

 

───今の天元と袂を分かつような真似はしたくない。それに盤星教は今一信用出来ん。保護したあとで殺すことも考えられる

 

甚爾に続き九十九も依頼を断ることを表明する

 

「それより私は五条君と夏油君のバックアップに回ろう。厄介な奴が裏にいるみたいだからね」

 

《待て九十九由基。君には高専に残って私達の護衛を頼みたい。羂索がこちらを狙ってくる可能性がある。夜蛾君には保護が出来次第、星漿体は薨星宮に匿うと連絡しておく。九十九由基の代わりに伏黒甚爾》

 

「あ?」

 

《すまないが、君が五条君と夏油君のバックアップに向かってくれ。もしも羂索が全力を出した場合、あの二人では対処しきれない可能性がある》

 





捏造設定
魂の輪郭
原作での天元は半分ほど呪霊化するまで魂の輪郭を捉えられず、あんな姿になってしまったが、今作の天元はアクアの領域のおかげではっきり輪郭が分かるようになったので結界術を使い擬似的に不老化が可能になっている
アクアの施術が終わった後も歳を取らなくなる
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