アクア『領域展開』 作:初心者
【注】捏造、独自解釈、独自設定
「悟。もし星漿体の少女が同化を拒んだ時はどうする?」
「星漿体のガキが同化を拒んだ時ぃ!?」
星漿体の少女のいる場所に向かう途中、自販機で飲み物を買うため小銭を手の中で玩ぶ五条と夏油は星漿体の少女の処遇について話をしていた
「……。そん時は同化はなし!!」
「クックッいいのかい?」
「同化はなし」という言葉を期待した通り言い放った五条に思わず笑いを漏らす夏油。その言葉に二言はないのか、後悔しないのか。その意思を確認するため更に問いかける
「あぁ?」
「天元様と戦うことになるかもしれないよ?」
「ビビってんの?大丈夫、なんとかなるって。俺達は───最強だ」
─────
そんな五条と夏油の会話を盗み聞いていた者が二人
一人は
───へぇー、あのガキどもいい度胸してんな。まあ実際、同化しなくても問題無え状態だからその選択は間違いじゃねえ
天元から二人のバックアップを依頼された『天与の暴君』伏黒甚爾
そしてもう一人は額に縫い目のある平安時代出身の呪詛師
〈これはこれは面白いことになりそうだ。放っておいても『六眼』五条悟自ら星漿体の同化を阻止してくれるとは。となると下手な小細工は却って邪魔になりそうだな。では───!〉
危機感を覚え、額の縫い目を隠すため帽子を目深に被り咄嗟に近くのコンビニに入って買い物客のフリをする羂索
「あん?」
伏黒甚爾は走る速度を緩め、匂いを嗅ぐ
───気のせいか?死人のような匂いがしたと思ったが……
僅かな死臭のような匂いを感知し、天元から聞いた死体に乗り移る平安時代の術師のことを連想し、警戒を強めるが
ボンッ
「!!」
爆発音が聞こえ、煙が上がるのを見る。場所は───
───星漿体の住んでいるマンションか!
「チッ!」
───あのガキ共しくじったか!?
星漿体。そして五条と夏油に追いつくため慌ててその場を後にする
〈ふぅ、危ない危ない。一応香水で匂いを誤魔化したと思ってたんだけどね。天与呪縛で呪力が無い代わりに五感は鋭いからホントに嫌になるな『術師殺し』禪院甚爾……。呪力無しの猿にも劣る畜生が……。〉
呪力の可能性を信じている羂索。ある意味呪力至上主義者とも言えるこの者にとって呪力皆無の甚爾は自身の主義に真っ向から喧嘩を売っている存在だった
〈いやまあね、ある意味では呪力の可能性の一つとしては考えられるけどさ。天与呪縛が無ければどんな術式や呪力量をしていたか。とかは気になるけどさ。結局どこまで行っても完全なる呪術0なんだから面白くもなんともないじゃないか。あんなのが増えでもしたら溜まったものではないよ……。全く……。〉
一頻り甚爾の文句を頭蓋内で垂れ流したあと、コンビニで酒と匂いが強めのツマミ、除菌用のアルコールなどを購入し、店を出る
〈まあ本気で私を狙われれば誤魔化し切れはしないだろうし、気休めにしかならないとはいえ何も対策しないよりマシだろう〉
甚爾の鼻を誤魔化すためのものだが、どこまで効果があるかは判らない。それでも購入した理由はまだ関わる気があるからだった
〈星漿体には生きることに執着してもらいたいからね。そのためには五条悟と夏油傑は信頼出来る護衛であると信じてもらう必要がある。何度か襲撃イベントを起こしてピンチを演出してあげないと───〉
携帯電話を取り出し、連絡をする
〈「やあ園部さん、ちょっと星漿体について相談があるんだけどね。うん、そうか、九十九由基の協力は得られなかったか。それに『Q』は失敗したみたいだしね。なら次のプランだ。呪詛師の集まる闇サイトがあるんだが、そこで星漿体に懸賞金を掛けるのはどうかな?勿論生死は問わずでね」〉
─────
「でもさー」
ピッという音と共に自販機でコーラを買う五条は夏油に質問する
「呪詛師集団の『Q』は分かるけど、盤星教の方はなんでガキんちょ殺したいわけ?」
「崇拝しているのは『純粋』な天元様だ。星漿体……。つまりは不純物が混ざるのは許せないのさ。だが、盤星教は非術師の集団だ。特段気にする必要はない。警戒すべきはやはり『Q』!!」
「まあ大丈夫でしょ。俺達最強だし、だから天元様も俺達を指名……何?」
なんとも言えない表情で五条を見る夏油に、思わずセリフを中断し質問する
「悟。前から言おうと思っていたんだが、一人称『俺』はやめた方がいい」
「あ゛?」
夏油の指摘に飲み干したコーラの缶を術式で圧縮しながら反応する五条
「特に目上の人の前ではね。天元様に会うかもしれないわけだし、『私』最低でも『僕』にしな。歳下にも怖がられにくい。ほら、雨宮先生も一人称は『僕』だろう?」
「……はっ───」
夏油の指摘を鼻で笑い返答しようとする五条だが
ボンッ
「「!(お?)」」
目の前の建物から爆発音とともに煙が上がるのを見る。臨戦態勢を取る夏油に
「これでガキんちょ死んでたら俺らのせい?……あ」
星漿体との合流予定のマンション。その煙が上がる部屋から星漿体の少女が落下していく。夏油がエイのような呪霊に乗り助けに向かうのを五条は見送った
「悪く思うなよ」
秘密結社『Q』戦闘員コークン。星漿体を殺し、天元との同化を拒む任務の完了を予期し、マスクの下で笑みを浮かべ
「恨むなら天元を恨み……なっ!?」
その笑みが驚愕に変わる
エイのような呪霊に乗る呪術高専の生徒が星漿体を救っていた
「まだ『帳』を張ってないんだ。目立つ真似するのは勘弁してくれ」
───この子が星漿体……。
「その制服。高専の術師だな?ガキを渡せ。殺すぞ」
「聞こえないな。もっと近くで喋ってくれ」
「いやあ、セーフセーフ」
と軽口を叩きながら夏油が星漿体を救助するのを見届けながら片手で印を組みニュートラルの無下限を発動する。直後、十数本のナイフが五条に刺さる手前で止まる
「素晴らしい」
パチパチと拍手をし大物ぶりながら現れる『Q』戦闘員バイエル
「君、五条悟だろ?有名人だ。強いんだってね。噂が本当か確かめさせてくれよ」
「いいけど」
ニュートラルの無下限で止めたナイフをガチャガチャガチャと音を鳴らしながら集めながら五条は提案する
「ルールを決めよう」
「ルール?」
「やり過ぎて怒られたくないからね。泣いて謝れば殺さないでおいてやるよ。これがルールね」
「クソガキが」
[チューしよ。チューしよ。チューしよ]
「ゴメンて!!マジでゴメン!!この件から手を引く!!呪詛師もやめる!!勿論『Q』もだ!!そうだ!!田舎に帰って米を作ろう!!」
夏油が使役する呪霊にキスを強要されながら拘束され、身動きが取れない『Q』戦闘員コークンは半泣きになりながら謝っていた
「……?」
「聞こえてるだろ!!」
「呪詛師に農家が務まるかよ」
「聞こえてんじゃん!!学生風情がナメやがって……!!」
夏油の余りにも舐め腐った態度に
「だが、ここにはバイエルさんが来ている!!『Q』の最高戦力だ!!オマエもそいつらも───」
「ねぇバイエルってこの人?」
「え?」
夏油の携帯電話に写っていたのは笑顔でピースマークをしている五条悟と顔の凹凸が変わり果てた最高戦力バイエルだった
「……この人ですね」
『Q』
最高戦力バイエル