アクア『領域展開』 作:初心者
【注】捏造、独自解釈、独自設定
前話に載せた部分に少し加筆修正
廃病院にて
二〇一〇年三月末
呪術高専薨星宮にて
月末恒例となった天元の魂と肉体の若返り施術
肉体側の若返り施術が終了した。
その外見は神秘性を帯びた白髪の幼女
呪力が存在せず、アイが死に、アクアとルビーがアイと吾郎を殺した相手に復讐を決意することになる世界線で同じ外見を持つ少女が存在していた。
その少女の名は───
『ツクヨミ』
──────
二〇一一年三月
未曾有の震災が起こる。その影響により、かつてないほど呪霊が活性化する
呪術師にとって地獄のように忙しい年が再び始まった
そんな呪霊の活性化の最中でも全国の病院での呪霊発生数は激減していた。要因はアクア、吾郎、九十九、天元、そして与幸吉が協力して実現した『予防療法』が順調であったから
但し、それはあくまでも人の手が入った病院のみ、全国には既に廃業した病院もある。
二〇一一年初秋
そんな廃病院の一つに忍び込んだ男がいた。
心霊スポットと呼ばれる場所に侵入し、何かを探す眼元には濃い隈が出来ている金髪の二十代の男性。
名を
彼の瞳には、かつて星野アイが持っていたような、眩いばかりに輝く『星』ではない。代わりにあるのは、すべてを吸い込み、冷たく、黒い『星』であった。
「……ここには、いないか」
廃病院に入って一時間弱、急に暗さが増したため持ち込んだ懐中電灯で暗い廊下を照らしながら独り言を呟く
そんなカミキヒカルに声をかける者がいた
「ねえ君。ホームレスかなんか?悪いことは言わないからここから出ていった方が良いよ?」
カミキヒカルから見たその男は一言で言えばイタイ人であった。外見は白髪頭で190センチはあり、178センチのカミキより一回り大きい。上下ともに真っ黒な服に身を包み、目隠しとして包帯を使っている。
───心霊スポットであるこの廃病院にこんな格好をして現れるなどまともな神経をしているとは思えない。それに何より───
「……失礼な人だな。僕はただ、探し物をしているだけだよ」
なんかガタイが良くてイタくて失礼な人に声をかけられた。しかもよりにもよってホームレス扱いされ、内心かなり頭にきたカミキは突き放すように吐き捨てる。
そのガタイが良くてイタくて失礼な人の名は五条悟。現在二十一歳。呪術高専非常勤講師である特級術師。現代における対術師『最強』の呪術師である。
五条は、目隠し用の包帯の下にある『六眼』で男を射抜いた。
───なんだ、こいつ。呪力は一般人並み。だが、『呪霊操術』持ち?使えないのに宝の持ち腐れだな。それになんか『術式』が歪んで見える。天与呪縛ってわけでもなさそうだが『縛り』か?それに、こいつの顔、なんか既視感があるような……気のせいかな?
「探し物? こんな廃病院で?」
「ああ、ここは僕が生まれたところらしくてね。ひょっとしたら僕の親の手がかりが見つかるんじゃないかと思って探しているんだよ。もういいかい?邪魔しないでくれよ」
もちろん嘘である。元舞台役者であり、嘘を真実として振る舞うプロであった男は初対面の相手に対しても躊躇いなく嘘をつく
「あっそ、どうでもいいけど。君、そっち行ったら死ぬよ?」
後は何を言われても無視を決めこもうとしたが、流石に死を仄めかされるという無視し切れない言葉に思わず反応し、立ち止まって振り返る
「は?何を言って───?」
その瞬間。全身の毛が逆立つような寒気を感じた。
廊下の奥から、ズルリと何かを引きずった音がする。
そちらに目を向けるとそこにはいつの間にか廊下を塞ぐほどの肉塊があった
等級としては二級にあたる『呪霊』
昔あった白のナース服を纒うブクブクと太った。というよりもはや膨張したといっていい肉塊が、壁を擦りながらこちらへ這ってくる。
近づいてくる呪霊を視て、神木の全身から血の気が引く感覚。
と同時に心に湧く昏い歓喜
───見つけた……!幽霊だ……!
«お身体のォ調子ィはいか……がァ?»
呪霊の身体の何処かから女性らしい声が聞こえた。
その声は外見と合わない優しい声で、それがかえって不気味さと生理的嫌悪を増幅させていた。
「あーあ、言わんこっちゃない。にしても随分肉感的な看護婦だことで」
と軽口を言いながら、五条は人差し指を呪霊の頭に向ける
「術式反転『赫』」
指先から極小に圧縮した『赫』を放つ五条。
その極小の『赫』は呪霊の頭に当たると弾け、頭の部分だけを潰す。
ザフッと言う音と共に、二級呪霊はあっさり祓除される。
最近、五条は如何に極小の威力に制御した『赫』で呪霊をピンポイントで頭だけ潰すかという倒し方にハマっている。
きっかけは吾郎がポツリと言った言葉
「五条君の術式ってどのくらい規模が小さく出来るの?」
である。
「どういうこと?」と五条が質問すると
「例えばさ、目に見えない程圧縮出来れば何処から攻撃されたか認識出来ないんじゃない?極小の爆弾みたいなものなんだし、もし乱戦とか人混みでも相手の口内とか体内で術式発動出来れば、被害を最小限で抑えられるかもと思ってね」
と言う返答があった
五条の術式の欠点は規模。『蒼』『赫』『茈』どれも戦闘でまともに使えばどれも地形が変わる代物。打撃に混ぜて使える『蒼』はともかく、他二つは完全に過剰火力である。
その調整のため現在五条は『赫』の術式の規模を出来る限り小さく、それでいて最低限の威力の出るギリギリのラインを見極めながら発動することを心掛けていた。
行く行くは『茈』も極小で発動しようと画策している
───目指せフリーザ様のデスビームってね。全くゴロ先……、っと雨宮先生も無茶言ってくれるよ
同僚になったことで呼び方を変えようとしているが油断すると前の呼び方が出てしまうため、心中でも訂正している五条。無下限呪術を使ったことが無い吾郎の無茶振りも新鮮な刺激と楽しみながら日常的に研鑽を積む『最強』。そんな『最強』の遊びは
「な……、何が……」
一般人であるカミキから見るとまるで理解し難いものだった。間近に来た異形の人間のような化け物の頭がいきなり弾け飛び、そのまま崩れ、溶けたように消えていった。
───せっかく見つけたのに……。いや、この人がいるならもっと……
「視えた?なら、帰った方が良い。今なら引き返せる……。あら、手遅れか」
五条はカミキを(邪魔なので)逃がそうとするが
病院全体が揺れ始める
───さっきの呪霊を祓ったのを察知されたかな?この病院の主が動き出したみたいだね。あーあ、民間人を逃しそこねたか
「地震か!!床が!?壁も!?建物が崩れる!!」
振動とともに壁と床にヒビが入るのを見て、パニックを起こし、叫ぶカミキ。
この廃病院に眠る大物呪霊を先程の攻撃で起こしてしまった五条は
───ッチ、うるせーな。
「はいはい、落ち着いて日本人なら地震には慣れてるでしょ?あ、金髪だし海外出身?」
内心悪態をつきながら煽っていた。社会人三年目になってもまだクソガキ気質が抜け切っていない五条に対して、この状況で余裕なぞありはしないカミキは
「日本人だよ!こんな廃病院で地震が起きたら誰でも怖いわ!!なんでアンタはそんな余裕なんだよ!!」
と怒鳴り散らすが、五条に
「だってこの振動、地震じゃないし」
と返され
「は!?」
何を言っているんだこのキ○○○野郎と言いたげな表情で五条を睨みつける。更に
───コイツも実は幽霊か?この地震を起こしてるのはひょっとしてコイツが!?
などと五条に対してこの状況ではある意味当然の
「さっき自分で地震って言ったじゃないか!?地震じゃないってどういうことだ……。まさかあんた……が……。う、うおわああああああぁぁぁ!?」
「おっと、来たね」
振動が近づいてきた。床と壁をブチ抜いて現れたのはデカいワームのような呪霊。その口からは唾液が垂れ、リノリウムでできた床をも溶かしていた。
蠕動する胴体は医者が見たらまるで小腸のようだなと評するであろう有機的な形状をしており、瓦礫すら喰い尽くし消化しているような有様だった。
───病院全体が結界化している。病院を掘り進んで来た。にしては病院自体に損傷が少なかったから、結界内を自由に動き回れる呪霊。振動は自前。で、掘り進むのも獲物を恐怖させるための演出。育てたエサを祓われたから怒ったかな。そこそこの知能がある。特級に片足突っ込んだ一級呪霊ってとこか……。まあ、雑魚だな。
「『赫』」
またも一撃で頭にあたる部分をあっさり消し飛ばした五条。
彼にとっては先程の二級呪霊も今の半特級呪霊も等しく同レベルの雑魚でしかない
結界化が解かれ、元の廃病院に戻る。呪霊が掘り進んだはずの壁や床も元の姿に戻っていた。
「え?え!?な、なにが?」
「祓ったんだよ。これに懲りたら心霊スポットには寄り付かないようにね。って探し物してたんだっけ?『帳』も解除されたし、今なら危ないのはいないから好きに探しなよ。じゃあね〜」
と手を振り、窓から外に出ていく五条
それを呆けた顔で見つめるカミキ
───アレが探し物だったのに……。ぶっ壊すだけぶっ壊してサヨナラ?
呪霊を探しにここまで来たが、五条に祓われ徒労に終わったカミキ。だが、まだ奥まで探索していないと考え直し、病院の奥に進もうとするが
「あっと依頼を忘れるところだった」
と言って五条が戻ってくる。
思わず身構えるカミキ。だが五条はカミキを意に返さず、術式を行使し、廃病院の屋上近くへ飛び上がる
『依頼』とは『予防療法』に使う天元の結界の触媒であるマークの設置である。廃病院である此処にも設置することで、この場に溜まる呪力を引き抜き利用する。そのためにはこの病院に刻まれている○○病院という建物名の看板自体にマーキングをする必要があった。
───まさか表札を利用するとはね。
屋上近くにある○○病院という看板まで飛び上がり、『依頼』を遂行した五条は地面に着地し、今度こそ帰るために補助監督(一年目の伊地知)を待たせている車に向かって歩き出す
(廃病院の屋上に)五条が飛び上がり、あっさりと着地し、悠々と帰っていく五条を目撃してしまったカミキは
───最近見た中でも飛び切りの悪夢だったということにしたいな
と現実逃避気味に病院の探索を再開する
もはや何の為にやっているのか判らなくなってきていたが、とりあえず気が紛れるなら何でもいいや……と半ばヤケを起こしながら廃病院の地下に降り、霊安室に辿り着くカミキ
そこに合ったのは───
若返り天元の外見=【推しの子】のツクヨミ
カミキヒカルに声をかけるキャラを3パターン書いて遅れました
五条か羂索か灰原で迷った
五条との接触によって作中で呪霊操術持ちと確定させるという発想が出て来てあの時暴露しなきゃ良かったかなと少し後悔
でもアクアが呪霊操術を持っていると明かした時点で
カミキヒカルも同じ術式持ちではという予測されそうだったので先に読者に開示しといた方が書きやすかったんですよね。(チート術式だし)
後、自分でもネタバラシしたくてしょうがなかった
以下没案
そんなカミキヒカルに声をかける者がいた
〈やあ、最近心霊スポットをあちこち探索しているみたいだけど何かお探しかい?〉
名は羂索。『最悪の呪詛師』である。
カミキ強化イベント?
「君!大丈夫かい?ここは危ないから帰った方が良いよ!」
名は灰原雄。現在二〇歳。準一級術師であり、現在呪術高専を卒業し、東京医薬大学看護学科に通う大学生である。
灰原の場合は最初の二級呪霊祓って、病院にマーキングして終わり
後遺症が無いか呪術高専にカミキを連れて行くルート
五条の場合は『六眼』で診れるので問題無しと放置
感想評価ここすき誤字報告ありがとうございます