アクア『領域展開』 作:初心者
原作キャラにオリ設定入れるので注意
本作は関係ないですが
『ジャンケットバンク』アニメ化!!!
めっちゃ楽しみ!!
「きみのなまえなんてよむの?」
「星野アクアマリン……」
「あくあまりん?」
「長いからアクアでいいよ」
「じゃアクアってよぶね」
「……君の名前は?」
「ふしぐろ……めぐみ」
お互いに自己紹介を済ますと
コンコンとノックする音が聞こえる
既に開いていた病室の扉をノックし入口に佇んでいたのはガタイの良い口元に傷のある男だった
その男は雨宮吾郎の記憶にあった
家族という『呪い』を背負っていた人物───
──────
B小町のドームライブは大盛況のうちに幕を閉じた
翌日
アイとルビーはマンションには戻らず斎藤家で夜を明かし
朝一番に病院に向かおうとしていたが
「駄目よ」
ミヤコがストップをかける
「「……なんで?」」
瞳の星を黒く染めたアイとルビーからの殺気立った問いかけに怯みながら
「ご……午前中アクアは検査よ……ルビーが脳腫瘍じゃないかって聞いたからMRI検査するらしいわ……もちろんそれ以外の可能性も考慮してね」
「えっ!?」
「あっ!?」
アイは聞いておらず驚き、ルビーは自分の迂闊な発言を思い返した
「まあせっかくの機会だし悪い所が無いか検査してもらうのもありじゃないかしら?」
「エム……?検査って保護者の立会い必要ないの?」
「昨日保護者として同意してきたわよ?だから私が立会うから。それに……アクアはあなた達がいない方が大人しいんじゃないかしら?」
むしろ貴方達が騒いで邪魔しそうよねとミヤコは釘を差した
───万が一アクアに何か異常があったら……先に私が聞いて伝える形にしないと……今の二人はちょっと……ね。目の前で家族が倒れたのだから無理も無いけど、二人を落ち着ける意味でも少し距離を取らせてアクアは静かに休ませてあげないと
ミヤコはまだアクアが睡眠不足で倒れたと思っていた
「そもそもルビーは幼稚園、アイは仕事あるでしょ?」
「「休む!」」
「駄・目!」
───────
「全くあの子達は……心配なのは分かるけど……」
アクアに会えず不機嫌な二人を宥め説得し、それぞれを送り届けたあとアクアの病室に向かっていたミヤコは
───「検査結果が出たらしいからちょっと医者と話して来る。母さんと一緒にこの部屋で待ってろ。っと……危ねえ」
アクアの隣の病室から出てきたガタイのいい男にぶつかりそうになった
「きゃっ!?っと…すみません」
転びそうになり片腕で支えてもらうミヤコ
想像以上の『力』を感じ、思わず相手を見ると
「いや……悪いな」
そこには異質な雰囲気を纏った口元に傷のある男がいた
───ナニ?この男?本当に人間?
芸能界に関わり、人を見る目を養っていたミヤコに
───ヤバい!絶対にヤバい!絶対に関わっちゃいけない!この男には!!
かつてないほどの危険信号が鳴り響いていた
「……いえこちらこそ申し訳ありませんでした。助けていただきありがとうございます。失礼いたします。」
と精一杯取り繕いアクアの病室に入っていった
「……?ああ」
大して気にせずその男───
ミヤコは病室でアクアの寝顔を見ながら息を潜めていた
───熱は下がってる。検査結果次第だけど早めに退院出来そうね……あの男には二度と関わりたくないし……
医者の元に向かっていた伏黒甚爾はふと前日の息子との会話を思い出す
「昨日入った隣のやつの家族か……あ、下の名前なんて読むか聞くの忘れた……後でいいか」
……ミヤコの願いは叶いそうに無かった
──────
伏黒甚爾は妻の容態を聞きに主治医を訪れていた
「結論から申し上げます。貴方の奥様の病名ですが、退形成性星細胞腫と思われます」
「たい……けいせい?」
「グレード3、IDH野生型なのでグレード4……最悪に近い……悪性の脳腫瘍です……手術は患部の場所が悪く……。もって2ヶ月ほどかと」
「は……?2ヶ月……?金なら幾らでも出せる……!アイツを助ける方法は無いのか!?」
「……残念ですが……発見が遅く……ここまで進行しているとホスピス治療で苦痛を和らげるくらいしか……」
その診断は禪院を抜け家族と一緒に暮らすことを選んだ
伏黒甚爾にとって『死刑宣告』のように思えた
──────
目を覚ましたアクアはMRI検査を受けるため
待合室で座っていた
────ミヤコさんなんか怯えてたけど何かあったのか
そういえば隣の病室を妙に気にする素振りをしていた
────隣……確か看護師が『伏黒』さんって呼んでたな……伏黒……ね。あんまりない苗字だけど……まあ、あの後輩じゃないだろうな……いや家族の可能性は……あるのか?
雨宮吾郎の記憶にある伏黒は一人だけ大学の学科違い後輩だけであった
───って、今の俺が気にしても仕方ないか……元気かなアイツら
大学時代につるんでいた医学部外の二人のことを思い出しかけたところで
「星野……愛久愛海くん」
「……はい」
自分の名前を呼ばれ思考を中断する
────アイがつけてくれたとはいえこの名前はちょっとなあ
名前を呼ばれるたびに地味にダメージを負う
その奥に
────ん?
フラフラと歩く口元にキズのある男が見えた
────似てる?
かつての悪友に似た男が憔悴しきった表情をしていた
思わず声をかけようとするも
「アクアマリンくーん」
「……はい」
今の
──────
伏黒甚爾は病院の屋上にいた
(「奥様の病名ですが、退形成性星細胞腫です」)
医者から聞いた妻の病名
「……そういや退形せい…なんとかってどこかで聞いたような……医者で?……雨宮!」
携帯を取り出し電話帳の一番上にある昔の馴染に電話をかけるが
「おかけになった電話番号は電波の届かないところか(ブチッ)」
「クソッ雨宮のやつドコほっつき歩いてんだ!?……番号変えたか?確かアイツの職場は宮崎の……」
雨宮の職場の病院に電話し呼び出そうとするが
「もしもしそこの病院に雨宮って医者がいたはずだが?
フルネームは……『雨宮吾郎』だ……そう……はあ?4年前から行方不明だと!?チッ(ブチッ)」
───あの野郎……行方不明だと?肝心な時に役に立たねえ……!あのたらしのことだ……女にでも刺されたか?
ヒモ体質の自分を棚に上げ歳上の悪友を内心ディスる甚爾
「……アイツは確か大学が一緒で……雨宮の後輩だったな……聞いてみるか」
屋上から妻の病室に戻り
「あらおかえり……遅かったわね?」
「……ああ……なあ雨宮の連絡先知らねぇか?ちょっと相談したいことがあるんだが……」
「雨宮……雨宮先輩?貴方の方が詳しくない?最近までちょこちょこ会ってるって言ってなかった?」
「あ……やべ……」
「……甚爾くん?まさかとは思うけど?雨宮先輩を口実にして遊び(ギャンブル)に行ってた……とかじゃないでしょうね?」
「……」
「図星か」
「い……いや宮崎の病院に電話したら……何年も前に行方が分からなくなってて……な。心配させないように探してたんだ。」
「……なら今更私に連絡先を聞くのは不自然よねぇ…?」
「…………」
「ん?って雨宮先輩が行方不明?何年も前から!?
ただでさえ酷い頭痛が悪化しそうなこと聞かせないでよ……」
「……悪い」
「……この程度の軽口で貴方が謝るってことは私は相当重症な訳だ……」
「っ!?」
「何年の付き合いだと思ってるの?お見通しよ」
と哀しげに笑う
「一応これでも看護師ですから……私に何かあったら……恵のことお願いね……って……あれ?恵は!?」
「……ああ?……隣か?」
「ご迷惑かけてないでしょうね?」
「……俺が行くから大人しくしとけ」
─────
MRI検査が終わりアクアは病室に戻っていた
「検査結果聞いてくるわね」
とミヤコは逃げるように部屋を出ていった
───急いでるのか?まあ仕事放り出して来てくれてるからな……にしてもあの時……俺は一体何をしたんだ?……それにさっきから気持ち悪い変なのが窓の外飛んでるんだけど何だアレ?
アクアは知らない
ソレは…蠅頭───呪霊と呼ばれるもの
身近な人の『死』を切っ掛けに見えるようになるものもいる『呪い』
アクアの場合目の前でアイの死を実感したこと
そしてそれを阻止しようとする強い感情で脳に負荷が掛かった結果
僅かに脳が変化し呪力が出力出来るようになり術式が起動
生得領域を展開するに至った
副作用として今まで見えなかったものが見えるようになってしまった
病院とは人の生き死にを日夜見届ける呪いの溜まり場である
呪力に目覚めたばかりで何も知らないアクアは眠っている内に襲われていてもおかしくはなかった
だがこの病院は平和であった
少し前に運ばれて来た隣の患者の旦那
今アクアの病室に入ってきた子の父親が夜な夜な病院周辺の呪霊を始末していたからである
「ねえ」
「ん?」
ツンツン頭の自分と同じくらいの子が話しかけてきていた
「きみのなまえなんてよむの?」
──────
コンコンと音を立て伏黒恵が開けていたアクアの病室の扉をノックし入口に佇んでいたガタイの良い口元に傷のある男
かつて雨宮吾郎だった頃の悪友
───禪院甚爾
「おい」
「あ……おやじ……となりのこのなまえきけたよ」
「そうか……おい坊主、世話掛けたな」
「あ……いえ」
アクアは甚爾の顔をまじまじと見つめる
───あんのギャンブル狂いの禪院……甚爾が結婚して息子がいるとは……しかも苗字が伏黒って婿入りしたのか?結婚したら嫁さんの苗字にも変えられるって話題ふったら結構食い付いてたな。そのせいか?そういや伏黒からもなんか連絡来てたような……アイの件があってそれどころじゃなかったからなあ……死んじまったし……
二人の近況は報告をされていたが忙しくあまり気にかけていられなかった死んだ自分
「?俺の顔になんかついてんのか?」
「いや……別にそういうわけじゃないよ」
─────伏黒……男の趣味悪いんじゃないか?ヒモ体質だぞこの男
アクアは前世の自分を棚に上げ後輩の男の趣味を嘆いた
「星野アクアです……貴方はめぐみ君のお父さんですね?伏黒……」
「伏黒甚爾だ……隣の部屋はコイツの母親でな…まあ短い間だろうが仲良くしてやってくれ…」
「……奥さんどこか悪いんですか?」
「退形せい……何とかって脳の……何でもねぇ……邪魔したな……いくぞ」
甚爾は恵を連れて出ていった
「脳…まさか退形成性星細胞腫か?」
『退形成性星細胞腫』それはさりなを死なせた病気の名前だった
──────
「ねえおやじ……あのこボクみたいにアレがみえてるみたい」
「ああ……お前と同じ……『持ってる』側だな……」
──────
その頃苺プロでは
「B小町を脱退したい!?本気か!?
───ニノ!」
壱護は思わず電話に向かって怒鳴ってしまった
「ハイ……ドームライブで燃え尽きてしまったのでB小町を脱退させてください」
原作改変ポイント
恵の母親の苗字が『伏黒』
甚爾は禪院から籍を抜くのに時間がかかっており、最近やっと婿入りしたばかりだった
ママ黒(名前どうしよう)
吾郎の大学の学部学科違いの後輩(看護科)で甚爾より2、3歳上の看護師
大学時代に競馬場で吾郎や甚爾と出会う
趣味は競馬(かなりの目利き)競馬にハマる切っ掛けであり最推しの馬はオグリキャ○プ
吾郎、ママ黒、パパ黒は競馬仲間(吾郎の大学時代)
内心で互いにディスり合う程度の仲
しばらく疎遠だったが甚爾と再会して付き合いはじめた
甚爾が妻に頭が上がらない理由の一つは
競馬の予想だけは妻に頼ると当たるから
因みに現地で甚爾の鼻や耳の良さで馬の情報を収集することで予想の精度が更に上がる
今作での死因(まだ死んでない)をさりなと同じ退形成性星細胞腫に設定
津美紀はママ黒の親戚(従兄妹あたり)で苗字が同じ女性の娘の予定
ママ黒が生きているため恵君の口調が柔らかい(でも父親はおやじ呼び)
リョースケ死亡、アイ生存によりニノB小町脱退
時系列は呪術廻戦に寄せたのでスマホまだ普及したてくらいなんですよね
現時点設定年齢(暫定)
パパ黒29歳
ママ黒31歳
吾郎34歳
吾郎と甚爾は5歳差を想定
パパ黒もうちょい若いかもしれませんが子供の五条や直哉と会った時点で20歳くらいかなと考えこの辺りに
懐玉・玉折の6〜8ヶ月前くらい