アクア『領域展開』 作:初心者
ニノ脱退の続報と
ママ黒元気な
お見舞い回
ママ黒の名前どうしよう
原作(28巻巻末の人気投票)にも伏黒恵の母としか表記無いんですよね……とりあえず地の文では伏黒母で表記します
本日の芸能ニュース
トップ記事はこちらアイドルグループB小町からニノ……本名新野冬子さんが脱退すると発表されました
ドームライブを成功させたアイドルグループB小町
飛ぶ鳥落とす勢いだったB小町からまさかの脱退者が───
本人のコメントではドームライブという目標が実現したことで燃え尽きてしまった。とのことです
ニノさんはB小町創設メンバーであり───
そんなニュースが
休んででもアクアの見舞いに行くと言っていた
アイとルビーの耳に入った
「え!?ニノが?ママ?知ってた?」
「……ううん……知らない……ミヤコさん?」
「……私も初耳よ……そういえば壱護、昨日から帰って来て無いわね。てっきりライブの後始末や事後報告がてら仕事仲間や付き合いのあるスポンサーと飲み歩いているのかと……」
「斎藤社長なら当然知ってるよね?聞きに行こう!」
「そうね」
「わ……私も……!」
「「ルビーは幼稚園!」」
「あうう……」
ルビーをミヤコとともに幼稚園に送るとアイは
「社長に聞いてくる!」
と事務所の社長室に直行する
ミヤコも経緯を聞きたかったが
───午後はアクアの様子を見に行かなくちゃいけないし……それにニノ脱退となればリスケが必要か……はぁ……
溜まった仕事を片付けることを優先せざるをえなかった
アイは壱護を見つけると詰め寄り
「斎藤社長!ニノが辞めるって本当!?」
アイは名前を間違えずに壱護の名前を呼ぶ
「……ああ……」
壱護はそれに反応しない……出来ないほど憔悴していた
「何で!?」
「ドームライブまで行ったから燃え尽きた……だとさ。」
「燃え尽きたって……私のせい?」
───アイはドームライブで現地のルビーと病室に眠るアクアに届けと最高のパフォーマンスを魅せた
アイ本人ですら再現できる自信は無いと語るほど凄まじい圧巻のパフォーマンス
もはやB小町というアイドルグループではなくアイ単体でドームを支配してしまっていた
後年『伝説』と語り継がれるほどに
のちにソフト化されたライブ映像は女性アイドル部門映像ソフトランキングで歴代一位
その熱は伝播していく───未来が変わるほど
だが現時点ではアイドルグループB小町がドームライブを大成功させたという扱いである
そのパフォーマンスを知るものはライブに参加したものだけであった───
「それは……分からん」
壱護から見てもアイのパフォーマンスは常軌を逸していた
そのパフォーマンスを後ろで見る羽目になったメンバーの衝撃は果たして如何ほどのものだったか図る術をもたない
ゆえに否定もできず
曖昧な答えを返す
「私ニノに聞いてくる」
「止せ!」
「何で!?」
「なんて聞くつもりだ?バカ正直に『辞めるのは私のせい?』とでも聞くつもりか!?」
「だってこのままじゃニノは!」
「もう手遅れだ!」
「手遅れって……」
「……もう芸能ニュースとして流れちまった以上手遅れだ。」
「なんで……流したの?」
「……俺は許可してない……ニノが……自分で勝手にリークしてたんだ。オレはあとから本人から電話で知らされたんだ……今なんとかスケジュールをニノの脱退を前提に組み直してる……それしかもう無いんだ───」
「そんな」
「……そんな訳で午後のお前の仕事はリスケになる。だからお前はアクアの『アクアのお見舞いに行ってくる!ミヤコさーん!午後のアクアのお見舞い私も行くからー!あとルビーも……』見舞いに……。」
午後の仕事がリスケになる話を聞いた途端ミヤコのもとに向かうアイに
───まあそちらを優先した方がいい……本当はしばらく休ませてやりたいが
ライブ前からアイのスケジュールは
入院した息子に丸2日お見舞いにすらいけないほどに埋まっており、更にライブの評判は想像以上で
アイには仕事のオファーが溢れている状態だった
───そういえばアイツ名前間違えずに言うようになったな
アイの呼び方の変化に今更気づいたが
───まあ良いことだな
睡眠不足の頭ではそれ以上の感想は浮かばなかった
「ミヤコさん!ルビー幼稚園早退させて良い?私達だけお見舞い行ったらルビー拗ねちゃう」
「仕方ないわね」
出来れば『あの男』がいる病院には近づきたくないミヤコだったが、そんなに頻繁に会うことは無いだろうと楽観視していた
───それよりアクアがまた熱を出したって聞いて、いてもたってもいられないアイとルビーを宥めるのが先か……MRI検査の結果は昨日聞いて異常なしって聞いてるとはいえ今朝の発熱で退院が少し延びるみたいだし
「アイ」
「ん?」
「変装用の眼鏡とマスクとニット帽用意しときなさい」
「……重装備……」
「病院に罹りに来た患者の振り……出来るでしょ?個室とはいえそこに行くまでどれほどの人の目に触れると思ってるの?騒がれたらお見舞い行けなくなるわよ?」
それを聞いたアイは
「すぐに用意する!」
───大袈裟かもしれないけどアクアが入院してからアイのオーラ?カリスマ?みたいなものが強化されているように感じるのよね
それは決して気のせいでは無かった
──────
あれから一晩明け
伏黒母は見違えるほど元気になっていた
そして明るい表情で甲斐甲斐しく世話をする甚爾
「ねえ、夢に金髪の子と雨宮先輩が出てきて治療してくれたって言ったら信じる?」
「信じるさ」
「……そう夢じゃないのね」
「おかあさんきんぱつのこってアクアのこと?」
「アクア?」
「うん、となりのこ、きのうなまえきいた」
「へーひょっとして?」
「ああそうだ、恵、今から母さん連れて隣の部屋のあ……アクアに挨拶しに行くぞ」
「おやじ……なんかニコニコしてやさしくてきもちわるい」
「なっ!?」
「プフッ!フフフフッククッククク」
「……我慢しねぇで思いっきり笑えばいいだろ」
「アハッアハハハハハハハッアーハハハハハハッヒヒヒッククッアハハハハハハハお腹がっお腹が痛いっアハハハハハハハ」
────いくらなんでも笑い過ぎだろ!?そんなツボることかよ!?
「おかあさんげんきになったね」
恵くんニッコリ
「……元気のベクトル違わねーかコレ」
お父さんゲンナリ
───まあ笑える元気を取り戻したと考えるか
「アハハハハハハハッ」
伏黒母は笑いの発作が収まると
車椅子に乗り隣の病室に顔を出していた
「っていうことがあったんですよ?騒がしくしてごめんなさい?あー笑い死ぬかと思った……プフ」
───そのままくたば……らなくて良かったな
甚爾は内心悪態をつきかけ踏みとどまる
「死ぬなんて軽々しく言うもんじゃねえよ……」
「……どうしたの?本当に気持ち悪いわよ?変なものでも食べた?ギャンブル負けすぎておかしくなった?ギャンブルは競馬以外ダメよ?そういえば近々有馬記念ね?そんなに楽しみなのかしら?ちなみに私のオススメの馬券は……」
「だーもうちったあ大人しくしとけよまだ車椅子なんだからよ……後で教えろ(ボソッ)」
「もちろんよ(ボソッ)……それに雨宮先輩に三途の川から送り返してもらったんだからね。」
「洒落にならねえ」
「洒落じゃないわよ?」
「雨宮のやつがうかばれねえよ」
「お供え物しなきゃね」
「何を」
「ピーマン」
「嫌がらせじゃねえか……3つでいいか?」
「それを俺に聞くのか?」
青筋を浮かべたアクアが声をかけると
「「何のことかなアクアマリンくん」」
「……」
「こんなに可愛くなっちゃって中身が先輩だとわかるといじり甲斐があるわよね」
「お元気になられたようでなによりです」
「あら距離を取られちゃってオバサン悲しいわ」
「アクアおかあさんいじめんな」
「……」
「ククッ」
「甚爾!」
─────
仕事をある程度片付けアイとルビーをつれて病院に来たミヤコは目の前で繰り広げられる光景に
───どういう状況?
あのヤバい雰囲気を纏っていた男とその家族といつの間にか仲良くなっているアクアを見て
ミヤコは病室の入口で途方にくれていた
隣の男と関わっちゃいけないと忠告してなかった昨日の自分に
───いや子供同士で仲良くなるのは分かるけど親の方と仲良くなりすぎじゃない?
まるで十年来の付き合いかのように会話をしているアクア達
『あの男』も昨日とは見違えるほど穏やかな雰囲気を纏っている
───別人かと思ったわ
とはいえ昨日の感覚を忘れてはいない
和らいでいるものの危険信号はまだ鳴り響いていた
警戒を解く訳にはいかないと竦みそうになる自分に気合いを入れ───
「「アクアッ」」
声を掛けようとするミヤコの横を後ろから業を煮やしたアイとルビーがアクアに駆け寄っていく
「ご家族の方?」
伏黒がアクアに聞く
「あー妹と……義姉です」
「へー」
病院という場所の関係上マスクを取らずに自己紹介するアイ
「星野アイです。アクアの……義姉です」
「アクアの妹のルビーです」
───顔立ちは似てるな
アイドルに興味が無く歳の離れた親戚の多い甚爾は特に気にも止めず
───よく見ると雨宮先輩の好きそうな顔立ちね……にしても歳離れすぎてないかしら?あちらが母親……にしては年齢がアイさんとの方が近いみたいだし、複雑なご家庭かしら
同じくアイドルに興味が無い伏黒母は吾郎の趣味を思い出しつつ、入口に佇むミヤコの様子を見て家庭環境を心配していた
「アクアまた熱出たって聞いたけど大丈夫なの?」
「え?ああうん朝に計ったときは結構高かったけど昼過ぎにはもう下がってたよ」
とりあえずアクアの容態を聞き安堵する
「それでえーと貴女たちは?」
アイの質問に
「隣の病室の伏黒と申します。アクア君には夫婦共々大変お世話になりまして」
───一体いつどんな世話したのよ
声をかけるタイミングを外されたミヤコは社交辞令とは思えないほど丁寧な挨拶に疑問を浮かべ入口に立ちすくんでいた───そこに
「───星野アクア君の保護者の方ですか?」
「ひゃい!?」
背後からカタギとは思えないほどドスの効いた声が響く
「あ、驚かせてしまって申し訳ない」
そこにいたのは……
丸刈りで強面の黒ずくめの男───『東京都立呪術高等専門学校』教員───夜蛾正道
「星野アクア君に少々聞きたいことがありまして……お時間よろしいでしょうか?」
「ああ?誰だお前?」
「お前は禪院……伏黒甚爾か」
「!……高専関係者か?」
あえて呪術師という言葉を使わずに仄めかす甚爾に
───ほうそういう気遣いが出来る男とは思えなかったが
夜蛾は甚爾に対する評価を少し上げる
「そうだ、伏黒甚爾、とそちらの星野アクア君───君たちを連れてきてほしいと頼まれた。希望するならご家族の皆さんも一緒でいいとのことだ」
アクアは不信感を露わにしながら
「……誰からです」
「……向こうで紹介する」
甚爾は鼻で笑いながら
「話にならねえな」
拒否の姿勢を見せる
だが夜蛾は構わず
「……では星野アクア君
君が一昨日の昼間と昨日の深夜何をしたのかについて
詳しい話をしたいので場所を移さないか?」
その言葉に
「「!!」」
アクアと甚爾は警戒し
「「「!?」」」
心当たりのあるアイ、ルビー、そして伏黒母は驚愕し、
「「?」」
ミヤコと恵は何のことか分からず困惑していた
夜蛾はまだ学長ではない
サングラスもしていない
懐玉・玉折の時と同じ格好
伏黒母は一応治療を受けた当事者であり、呪術のこともそういうものがあることをなんとなく察してます(甚爾からも多少聞いている)
アクアの回復が早いのは領域2回で力の使い方に慣れ始め、無意識に反転術式を使っているから
伏黒母即日転院予定でしたが変更
テンポアップのため色々纏めることにしたので
不自然な所があるかも
次回呪術高専訪問(予定)
3日連続投稿
誤字報告ありがとうございます
貸しと借りがごっちゃになってた
流石にキツかったので2日に1話投稿に戻します
時間は変わらず18時の予定で