アクア『領域展開』 作:初心者
ちなみに天元は
あの親指みたいな顔した形態ではありません
空性結界を利用してモニター越しに話をしているような形を想定してます
天元からアイの術式を聞いた後
アクアはあまりの衝撃に呆然としていたところを甚爾に運ばれ呪術高専を後にした
そして
「おはようアクア?起きた?」
「……アイ?」
アイに抱っこされていた
「今日は伏黒さんが居ないから、補助監督さんが迎えに来てくれるけど大丈夫?」
「今何時?」
「朝の7時」
「えっとここは?」
「斎藤社長の家」
───天元とか呪術高専とか……あれは夢?
「今日から稽古のために呪術高専に通うんでしょ?結構遠いし、早く朝食べないと間に合わないよ?」
「あ、はい」
───夢じゃないのか
いつの間にか帰ってきていたアクア
促されるまま朝食を食べ、身支度を整え
「……行ってきます」
呪術高専に向かう
「「「行ってらっしゃい」」」
アイ、壱護、ミヤコはアクアを見送る
「アクアは大丈夫なのか?昨日から上の空だし。まだ入院してた方が良かったんじゃ?」
壱護がアイに尋ねる
「……うーん……熱は無かったけど、普段一緒に入りたがらないお風呂にもぼうっとしたまま一緒に入るし、ルビーがお化け怖いって抱き着いてたときも背中擦るだけでノーリアクションだったし。おかげで久しぶりに一緒に寝れたけど……正直心配。」
アイは普段と違うアクアに心配しながらも入院中は出来なかった世話を焼いていた……というか堪能していた
「それにしてもあんないい物件を紹介してもらえるとはな……後が怖いが」
「ホントにね、1階2階はテナントで3階から事務所。上はレッスンや稽古に使用可能なフロアがあって更に上は社宅用マンションになってるビル一棟。バブルの時に建てられたから古いけどリフォーム代まで出してくれるなんてね」
「前のマンションの部屋の修繕費も……ねえ社長?本当に呪術高専のこと信用して大丈夫なのかな?待遇良過ぎて逆に不安なんだけど」
「って言ってもな。呪いの掛かったってメガネ越しにあんなもの見せられたら信じる他ないだろう……地鎮祭とか神事の重要性が理解出来たぜ……」
アクア、甚爾と別れたあと壱護達呪霊が視えない組は呪具を使い呪霊を実際に見ることで夜蛾の解説を信じざるを得なくなっていた
なおルビーは
───お化けが本当にいる!
と呪霊を見て怯えてしまい前日はベッドでアイとアクアに囲まれてようやく眠れた。(朝が早いため起こさないようにアクアだけアイが抱っこし連れ出した)
壱護は
「あんなもんがいると分かった以上、アクア越しとはいえ保護してもらえるのはありがたい。呪霊退治に実績のある伏黒さんも警護に協力してくれるそうだからな」
とポジティブにとらえていた
───正直そっちの方が不安なのだけどね
甚爾に良い印象を持っていないミヤコは懐疑的だった
───あの第一印象は呪霊なんてものが視える上特殊な生まれ育ちのせいかもしれない。けど他の呪術師、強面な夜蛾さんすらあそこまでヤバい雰囲気は感じなかった……
一体自分は甚爾の何が恐ろしかったのか自問するミヤコ
「アクア大丈夫かな」
───呪力とか呪霊とか術式とかは本当だった。じゃあ、あの時見た雨宮センセは一体何だったんだろう……アクアの術式の効果?
アイはアクアの術式に助けられたことを実感しつつ、アクアの術式の中に雨宮吾郎が現れたことの疑問が解消されず
───アクアが呪術に詳しくなったら聞いてみよ。アクアは頭良いからすぐに分かるようになるよね……でも呪術師にはなって欲しくないかな
自分の息子に少々親バカ気味な評価をしつつ危ないことはして欲しくないアイ
「さてお仕事お仕事」
───アクアが将来危ないことしなくていいように頑張って稼ぎますか!
と気合いを新たにしていた
心ここにあらずなアクアは補助監督に車で送ってもらい、呪術高専に到着し、夜蛾に連れられるがまま自分で呪術高専忌庫に向かい薨星宮に来ていた
《……大丈夫か?》
「あ、ハイ」
《駄目そうだな》
空性結界で作られた空間で天元から呪力や結界術の手解きを受ける間もアクアは上の空であった
ただそんな状態でも呪力の流れは洗練され
結界術も上達していった
元々の地頭の良さに加え、すでに呪力の操作は夜蛾が一目置くほど上手く
結界術も領域展開により既に感覚を掴んでいて、天元という結界術の第一人者の指導もあり、あっさりと基礎を習得
更に大昔に居たという『心霊施術』の使い手を知る天元が術式の使用法をレクチャーしていた
最も使用者により術式の細部は異なるため、あくまでもこういうことが出来たという具体例を上げていく形であったが
なお負の感情が呪力に変換されるため、浮かび上がるはずのアイに対する罪悪感や自身に対する怒りや困惑が消費されていき呆然とした状態から脱却するのが遅れていた
昼近くなり
「おい大丈夫か?」
「あ、はい」
「駄目だこりゃ。ったく依頼品のお届けだ」
「……依頼品?
……そういえば甚爾。今まで居なかったが何処行ってたんだ?」
「お前の依頼で宮崎行ってたんだよ!」
甚爾は前日、呆然自失したアクアを家族の元に送り届けると妻を病院に戻し、その足で飛行機に乗り、宮崎に向かっていた。そして宮崎で依頼されたモノを回収し、朝一番で戻って来ていた
なお恵は着いていき、日帰り旅行にはしゃいでいた
「ったく……ホラ
───雨宮吾郎の死体フルセットだ」
甚爾は格納型呪霊からほぼ白骨化した死体を取り出す
白衣やメガネ、ケータイ、財布
名札と一緒にある『さりな』の形見のキーホルダー
───良かった。失くしてなくて……懐かしいな
自分の死体と思い出の品を見て、呆然とした状態から復帰したアクアは
「ありがとう甚爾」
「んで練習に使うとか言ってたが実際どうする気だ?その死体」
「ああ、死体を生きてた頃の肉体まで戻せるならば天元様の肉体を若返らせるのも可能になると思ってな」
「……は?」
印を組む───薬王菩薩印
───『領域展開』───『陰陽施寮』
「……おい、アクア。俺まで領域に巻き込むんじゃねえよ」
「あ、すまん。って言っても俺の領域は無害だろ?」
背後の雨宮とアクアがシンクロしながら答える
「倒れたら運んでくれ。とりあえず目一杯やってみる」
自身の死体に術式で干渉していく
呪力を自覚し、操作を覚え、結界術の基礎を習得、更に自身の術式の使用法をレクチャーされたアクアの領域は前々日の伏黒京香の治療時とは比べ物にならない程洗練されていた
生前の自分を思い浮かべながら雨宮吾郎の死体に干渉すると死体の骨の損傷が癒え、空っぽの内臓が、筋肉が戻り、皮膚に覆われていく
雨宮吾郎の死体はみるみるうちに
アクアの洗練された術式は、ほぼ0から脳の復元すら可能にしていた
もっとも肉体のみに
非常識な巻き戻りに甚爾は呆れた顔をしながら
───もう天元治せるんじゃねえか?というか昨日の今日でこれか……京香を慌てて治す必要無かっただろ……もし再発したらコイツに責任取って治療させるか
と思いながら術式を行使されている雨宮の死体に目をやると
「おい」
「ん?」
「お前の背後の雨宮がその死体に吸い込まれてるぞ」
「え?」
肉体に干渉していたアクアの背後に居た雨宮吾郎がアクアから離れ、
「「ええ?」」
甚爾とアクアは困惑した声を上げる
その声に反応したかのように
甚爾は警戒し呪具を取り出し臨戦態勢を取る
「アクア下がってろ」
「あ、あ、あ」
その台詞に反応を返したのは
アクアではなく目の前の雨宮の死体だった
何年も使っていなかった喉の調子を確かめるように声を上げる
「あ、あ゛あ、あーうウン、ゴホッゴホッゴホン
ンンッ……甚爾、
掠れた声ではあるものの雨宮吾郎の声で喋る起き上がった死体に甚爾は困惑したまま呪具を構え警戒し
「甚爾、大丈夫だ」
後ろのアクアの声にも
「説明しろ」
目の前の状況に警戒を解かなかった
アクアは
「……見たままだ
「ハァ……アホか!非常識にも程があるだろ!!?」
余りにもあんまりな光景に『
雨宮吾郎───復活
常識人なツッコミを入れる甚爾
なお原作渋谷にて他人の肉体で似たようなことになる模様
甚爾と恵は経費で宮崎の高級ホテルに泊まってます
奥さんは退院したら私も連れてけ、旅行中の恵の様子が見たいからカメラで撮影してこいと言って送り出しました
恵くんのはしゃぎ具合は甚爾がカメラで撮影済み。後に五条や釘崎そして虎杖に弄られる模様
アイは道具越しや結界越しなら呪霊は見えます。あくまで自力では知覚出来ないだけ
アクアが薬王菩薩印
吾郎が薬上菩薩印
印の形は同じですが表記分けします
薬王薬上菩薩印は二人揃った時の表記