発火系個性の俺のヒーローアカデミア   作:孤狼 龍

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前回のあらすじ

火群紅煉が雄英高校ヒーロー科に入る為に入試を受けたよ!
入試成績トップで入学出来たよ!!


第2話『火群と個性把握テスト』

 これは、雄英高校入学試験、実技終了直後、結果をまとめてる際の雄英高校の教師陣の会話。

 

「実技総合成績出ました」

 

 スクリーンにデカデカと映し出される個々の実技総合成績。

 受験生全員の実技順位について発表されていた。

 

救助(レスキュー)ポイント0で2位とはなぁ!!」

「[1P][2P]の仮想(ヴィラン)は標的を捕捉し近寄ってくる。後半 他が鈍っていく中派手な“個性”で寄せ付け迎撃し続けたタフネスの賜物だ」

 

 笑みを浮かべながら仮想(ヴィラン)を迎撃していく爆豪の映像を見ながら

 

「対照的に(ヴィラン)ポイント0で8位……でも0Pointをぶっ壊すとは」

「しかし、自分の体が耐えきれないほどの威力。まるで発現したての幼児そのものだ」

 

 0ポイントに向かって跳び殴って粉砕する緑谷の映像が映し出される。

 

「だが、それよりも異質なのは“彼”だろうね」

(ヴィラン)ポイント71、救助(レスキュー)ポイント79……炎の個性持ちだったらしいな」

「でも炎系の個性で近接って居ませんよね?どういう仕組みなのかしら…」

 

 画面には腕から炎を噴射して跳び上がり、炎を足に纏って0Pointを両断する紅煉の姿。

 

「……なんかあるな。あいつ」

 

 くたびれた黒いシャツを着て包帯のような長い布を首に巻きつけた男が見ながらそう呟いた。

 

────────────────────────

 

 雄英高校に入学が決まり、今日が登校日……つまり入学式だ。そして紅煉は制服に腕を通し、“誰も居ない”部屋に向かって言った。

 

「……いってきます」

 

 扉が閉まる音の後に流れるのは静寂……紅煉は、一人暮らしだった。

 

────────────────────────

 

 雄英高校ヒーロー科。その入学式にやってきた紅煉は、1年A組の前に立っていた。

 

「ここが俺の通うクラスか……つか扉デカすぎんだろ……バリアフリーか?」

 

 扉を開けて中に入るとそこには言い合いをしてる二人の男子生徒がいた。1人は金髪のツンツンヘアー。もう1人はたしか入試の際に緑髪の少年に注意してた眼鏡だ。そう思っていると眼鏡をかけた少年がやってきた。

 

「やぁ!俺は聡明中学出身の飯田天哉!君の名前を教えてくれ!」

 

「煉獄中学出身の火群紅煉だ。よろしく飯田」

 

「よろしく、火群君!それと、俺はあの時間違っていたと理解した!気付かせてくれた君には礼が言いたい!ありがとう!!」

 

 飯田はそう言いながら手を握り握手してきた。

 

「いや、俺も熱くなって言い過ぎた。すまない」

 

「気にしないでくれたまえ!あの入試の時の俺は恥ずべき行いをしていた。反省してるよ」

 

 飯田と紅煉が話してると、そこに近づく者が一人いた。

 

「てめぇが火群紅煉か」

 

「……そうだが、お前は?」

 

 さっき飯田と言い合っていたツンツンヘアーの少年が紅煉に話し掛けてきた。

 

「俺は折寺中の爆豪勝己っていうもんだ……てめぇが入試トップだったんだってな……覚えておけ、俺はいずれNO.1ヒーロー、オールマイトを超えるヒーローになる男だ。てめぇもぶっ殺す」

 

「君はそれしか言えないのか!?」

 

 爆豪が紅煉に対して宣戦布告紛いの発言をすると飯田はそんな爆豪を叱る。紅煉はというと、少し考える素振りを見せてから爆豪に言う。

 

「……いい目標だと思うぜ…俺はな……ただ、ヒーローに有るまじき暴言を吐き散らかすのはやめような?あと入試1位と言われてるが、(ヴィラン)ポイントは2位の君より下なはずだよ?というか救助(レスキュー)ポイント0で2位になるってすごいね。どうやったらなれるの?周り見てない系?」

 

「吐き散らかしてねえぇぇだろうがァ!後俺が助けなくても何とかできるだろうが!!殺すぞクソが!!」

 

「ほら吐き散らかしてる。つか協調性ゼロなタイプかお前」

 

 紅煉が爆豪にそう言うと爆豪はやはり噛み付くように叫ぶ。それを見て間違ってないと言う紅煉。

 

「ちっ!!だがてめぇの言う通りだ……入試の時は俺も言われた気分になった……実際その通りだ。俺もてめぇらをモブ共と思って下に見てた……だが今は違ぇ……いずれ俺がNO.1になるための踏み台になってもらうぞ……お前もその1人だ!」

 

「……そ、そうか(それって根本的には何も変わってなくないか?)」

 

 紅煉と爆豪が会話してると入試の時の緑髪の少年がやって来ていた。その少年に向かって飯田が歩き始め挨拶をする。

 

「ん?やぁ!俺は聡明中…「大丈夫!話は聞いてたから!僕は緑谷!よろしく!飯田君!」」

 

「ん?そうか、緑谷君!君はあの実技試験の構造・・気づいていたのだな!?俺は気づけなかったよ、悔しいが君の方が1枚上手だった!」

 

 そう言って悔しがる飯田。緑髪の少年、緑谷は気づいてなかったようだが、何かしら人を助ける行動をしたということだろうと紅煉は思った。

 そして次の紅煉の一言はクラスを驚かせた。

 

「いや普通に考えて気付くんじゃないのか?ヒーローの本質は人命優先だろ……(ヴィラン)を倒しました。はいおしまいで済むのなら犠牲者を考えたりしないし…つーか犠牲無くして得るものは何も無いと俺は思って普通に他の受験生も助けたりしてたが?」

 

「「「「えっ…」」」」

 

「……え?」

 

「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け……ここはヒーロー科だぞ」

 

 クラスのほぼ全員が目を点にしてる中、廊下から声が響き渡る。そこには寝巻きに身を包んだ髭面にゼリー飲料を飲む人が居た。

 

【なんかいるーーーっ!?】

 

 その人は寝袋から出ると教室に入ってくる。

 

「はい。静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね」

「A組担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

[やっぱり担任の先生か…にしてもなんかくたびれてるな、プロヒーローなんだよな?]

 

 担任と名乗ったその男は、黒い服にくたびれた姿勢を見せてる。とてもじゃないがプロヒーローには見えないと紅煉は思った。

 

「早速だが、体操服コレ着てグラウンドに出ろ」

 

「あ、先生。一つよろしいでしょうか?」

 

「…なんだ、火群」

 

「どのグラウンドでしょうか?この学校はグラウンドが沢山ありますし」

 

「…合理的な質問だ。全員、グラウンドαに来い」

 

 相澤先生は紅煉の質問に合理的だと賞賛するとそのまま場所を伝えた。

 

────────────────────────

 

『個性把握テストォ!?』

 

 全員が驚き、素っ頓狂な声を上げる。

 

「えぇ、入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるんなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ。」

 

 麗日がそう抗議するが、バッサリ切り捨てられる。

 

「雄英は"自由"が売り文句、そしてそれは“先生側”もまた然り」

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ?“個性”禁止の体力テスト」

「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合意的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」

 

 すると、爆豪を見る相澤先生。

 

「爆豪、中学の時、ソフトボール投げ何mだった?」

 

「67m」

 

「じゃあ“個性”を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいい。早よ」

 

 そう言うと爆豪にボールを渡す相澤先生。

 

「思いっきりな」

 

「んじゃまぁ(球威に爆風を乗せるー!!)死ねぇ!」

 

[……………死ね?]

 

 爆豪は暴言と共に爆風を乗せて球を放つ。

 しばらくすると相澤先生の持つ端末から音が鳴り、そこには『705.2m』と表示されていた。

 

「まずは自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

 どうやらこのテストは、自分の『最大限』を知るためのものらしい。紅煉達の個性を最大限まで使っての記録を取ってるようだ。

 

 

「すげええ!!705mってマジかよ!?」

 

「何だこれ!!すっげー面白そう・・・・!!」

 

「"個性"思いっきり使えるんだ!流石ヒーロー科!!」

 

 それを聞いた直後、相澤先生から底知れぬ迫力が漏れ出した。

 

「面白そう…か。君達は3年間、そんな心積りで過ごす気なのかい?よし。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し……除籍処分としよう」

 

『はぁぁぁっ!?』

 

 相澤先生からそんな言葉が出てくると皆が驚く。

 

「生徒の如何は先生おれたちの"自由"」

「ようこそ!これが雄英高校ヒーロー科だ!」

 

 相澤先生のその言葉に、クラス中のほとんどから困惑と抗議の意見が出る。理不尽すぎる、との声も。

 

「自然災害、大事故、身勝手な(ヴィラン)たち。日本は理不尽にまみれている」

「そういう理不尽ピンチを覆していくのがヒーロー」

「放課後喫茶店で談笑したかったならご愁傷さま。これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」

「“Plus ultra(さらに向こうへ)”さ。全力で乗り越えて来い」

 

[洗礼と言うには重すぎる……これが最高峰!やるしかない!]

 

[もっと行けんな]

 

「さてデモンストレーションは終わり、こっからが本番だ」

 

 皆は一気にやる気を出して第1種目をやる準備をする。

 

【第1種目】 50m走

 

 まずは50m走。紅煉の中学の時成績は8秒3である。

 

[50m走か……個性を使っていいのなら]

 

『17番、火群紅煉。18番、緑谷出久。位置ニツイテ、ヨーイ、ドンッ!!』

 

「“血厨(けつず)”」

 

 紅煉は踏み込みと同時に腕から炎を噴射して地面を蹴り進んで加速してゴールする。

 

『火群紅煉!記録、3秒85!』

 

「なんと?!」

 

「3秒代2人目ってマジか!!?」

 

『緑谷出久!記録、7秒02!』

 

 一瞬でクラスメイトはどよめく。緑谷は紅煉から3秒近く遅れて到着した。

 

【第2種目】 握力

 

「540kg!?あんたゴリラかよ!?いや、タコか!!」

 

「タコって、エロいよね」

 

 腕を複数持つ人が手を増やして握力計を握り、540kgという記録を出して大騒ぎになっているこの種目。紅煉はというと……。

 

「(炎の圧力も利用して)“刀厨(たうず)”」

 

『記録203kg』

 

 まずまずの結果に頷く紅煉。他にも、万力を体から出して『1.2t』の記録を出した人もいた。

 

「それありなんだ」

 

 紅煉は普通にずるだろそれと思っていた。

 

【第3種目】 立ち幅跳び

 

「入試の時にやった奴を」

 

 紅煉は腕から炎を噴き出して跳躍する。

 

「っとと」

 

 着地時の体制が少し前のめりでバランスを崩すが、砂を飛び越える結果となった。なお爆豪も似たスタイルだったので睨まれていた。

 

「……解せぬ」

 

 ただ似ていただけなのに解せなかった紅煉がそこにいた。

 

【第4種目】 反復横跳び

 

「コレは炎の噴射を上手く調整して……」

 

 血厨を使って噴射を利用して反復横跳び。結果は…

 

『記録108回』

 

「なんか煩悩の数になった……なんでさ」

 

 紅煉はどこか納得いってないようだった。

 

【第5種目】 上体起こし

 

 上体起こしで紅煉は炎を纏い身体能力を強化して行った結果は……。

 

『記録69回』

 

「70の壁超えたかった!!クソ!」

 

【それは悔しい】

 

 紅煉の嘆きに共感する生徒たちが、そこにいた。

 

【第6種目】 長座体前屈

 

「炎で伸ばすか…“灼厨(くわず)”」

 

 これは炎を操作して前に伸ばしていく……その結果は。

 

『記録“4m”』

 

「……まぁまぁかな?」

 

 ほんのり誇らしげな紅煉であった。

 

【第7種目】 ソフトボール投げ

 

 麗日がボールに働く重力加速度を無くして…

 

「(ピピッ)…無限だ。」

 

『すげえええ!』

 

 無限を叩き出し、全員が驚いた。

 

「次は俺か……“刀厨”」

 

 紅煉が立つと、腕に炎を纏ってボールを投げる瞬間に爆炎を放ち飛距離を稼ぐ。

 

「……682m」

 

「まずまずか……」

 

 すると、相澤先生が話し掛けてくる。

 

「火群、次は本気を出して投げろ。今の手加減してたろ」

 

「……バレてました?」

 

「当たり前だ。涼しい顔しやがって」

 

『えっ?えぇぇぇっ!?手加減してアレ!?』

 

 相澤先生にそう言われると皆が驚いた声を上げる。爆豪はマジかこいつまだ上があるのかという目で見てくる。

 

「本気出さなきゃ除籍処分だ。力を見せずにこの先やっていけると思うな」

 

「了解です……さて、本気でやりますかね……“灼厨”」

 

 紅煉はそう言うとボールを持って炎を集中させて行く。その様子をほかのクラスメイトはずっと見てる。

 

「ふぅ……ぶっ飛べオルァ!!!」

 

 紅煉は炎を纏わせたボールを高く投げ飛ばす。炎の推進力と勢いによりどんどん高く上がっていき、やがて落ちていく。その結果は…

 

『(ピピッ)……“712m”』

 

「っし」

 

「……ほう」

 

『はぁぁぁぁぁっ!?』

 

 紅煉の放ったボールは爆豪を超えた。その一連の動きに皆が驚く。

 その後、緑谷が相澤先生に色々言われたり、やっと個性を使って記録を出して指を負傷するも動けるよう調整?していたり、爆豪がそれにキレて緑谷を爆破しようとして個性を消されて捕縛されたり、相澤先生がプロヒーローの抹消ヒーロー:イレイザーヘッドであることが判明した。

 

【第8種目】 持久走

 

 持久走は素の身体能力で行って普通の結果だった。

_____________________________________________

 

「んじゃパパッと結果発表。…あ、ちなみに除籍は嘘な。君達の最大限を引き出すための…"合理的虚偽"」

 

「「「はぁぁぁぁあ!?」」」

 

 飯田、麗日、緑谷と小さい人が絶叫する。

 

「あんなもの嘘に決まってるじゃない。少し考えれば分かりますわ。」

 

「いや、あながち嘘じゃないかもしれないぜ」

 

『えっ?』

 

 紅煉のそのセリフにクラスメイトが注目してくる。誰よりも注目してきたのは先程のポニーテールの女子だ。

 

「確かに俺らのやる気は出すつもりだったろうが、実際に成績が悪い、やる気も見せない。そんな事をしてるならここに居る意味は無いって判断したらその人は除籍処分だったろうね、さっきまでの俺みたいな奴とか」

 

「……!」

 

【え?マジ?】

 

 その言葉に反応する相澤先生。それを見たクラスメイトはマジかよという雰囲気を見せる。

 

「そうですよね?相澤先生」

 

「……お前、分かってて手加減してたのか?」

 

「本気を出したところは出しましたけどね」

 

 相澤先生が紅煉を睨むと紅煉は少しニコっとしながら話す。

 

「……個性把握テストはこれにてお終りだ。教室にカリキュラムなどの書類があるから目を通しておけ」

 

 こうして個性把握テストが終わった。因みに紅煉の記録は9位だった。最後の持久走で大幅に点数ダウンしたらしい。

_____________________________________________

 

「よっ」

 

 そして放課後、帰り支度して帰ろうとすると声を掛けられた。見るとそこには入試の時に助けたイヤホンジャックのような耳たぶをした少女が居た。

 

「あ、入試の時の」

 

「そっ、ウチは耳郎響香。火群紅煉だっけ?3年間よろしくね。それとあん時は助けてくれてありがと」

 

「気にすんな、俺は普通のことをしたまでだ」

 

 耳郎と名乗った少女と軽く雑談を交わして紅煉は帰路に着いた。冒頭でも言ったと思うが紅煉は一人暮らしなので食材を買って帰って行った。




第2話完了!
第3話もお楽しみに!

リメイク版と比べるとかなーり記録を考えました。そこも踏まえて見てください。
ちなみに第1話から紅煉が扱う
刀厨(たうず)血厨(けつず)灼厨(くわず)に関してですが、後々どんなのか明らかになりますので、お楽しみに!
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