竜狩りと辺境の街   作:もいもい130

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:( ;´꒳`;):ヒェッすごい勢いでお気に入りと評価が増えてて震えるもいもいです((((;゚Д゚))))
ありがとうございます:(っ'ヮ'c):


第14話

 

街の修理屋の奥、煤けた作業場に場違いな青白い光が満ちていた。

老職人は、オーンスタインが差し出した「楔石の大破片」を覗き込み、手にした槌を床に落とした。

 

「……騎士さん、あんた。こいつが何だか分かってて持ち込んだのか?」

 

「……楔石だ。武具を研ぎ澄まし、限界を超えるための糧となる」

 

「石、だと? 冗談じゃねえ」

 

職人は震える指先で、熱を帯びた結晶の表面をなぞった。

 

「こいつは石じゃねえ。伝説にある『神の火を閉じ込めた雫』……生きた魔力の塊だ。俺の火床(ひどこ)じゃあ、こいつを溶かすどころか、近づけただけで炉が爆ぜちまうぞ」

 

オーンスタインは無言で、背負っていた『竜狩りの槍』を台に置いた。

楔石が近くにあることで、槍はパチパチと共鳴するように、鈍い雷の音を立てている。

だが、その光はどこか頼りない。異世界の理に晒され続け、神代の鉄がこの世界の「脆さ」に少しずつ侵食されているのだ。

 

「……私の槍は、この世界の火では癒えぬ。この石の力を還すための『器』が必要だ」

 

「なら、行く場所は一つしかねえな」

 

職人は顔を上げ、北の雪山、その麓を指差した。

 

「かつてドワーフの巨匠たちが、地底の溶岩をそのまま引き込んで使っていたという『生きた溶岩の炉』だ。今はもう見捨てられた廃墟だが、あそこの熱なら、あるいは……」

 

「……その廃墟、今は小鬼(ゴブリン)の『工房』だ」

 

背後の扉が開き、鉄兜の男――ゴブリンスレイヤーが入ってきた。

その手には、炭鉱で拾ってきたと思わしき、小鬼たちの「新しすぎる」武器が握られていた。

 

「北の雪山。ドワーフの遺跡跡に、大規模な巣がある。奴らはそこにある熱を利用して、粗悪な鉄を叩いている」

 

ゴブリンスレイヤーは、手にした剣をオーンスタインに見せた。

 

「……ただの鉄じゃない。質は悪いが、折れにくい。……奴らが『火』の扱いを覚え始めている」

 

オーンスタインの獅子兜が、僅かに低くなった。

小鬼のような矮小な種族が、神代の火の残滓に触れ、あまつさえそれを利用して武装を強化している。

それは、騎士にとって、そしてこの世界の住人にとっても看過できぬ冒涜であり、脅威であった。

 

「私の槍を直すのが先か、あやつらの工房を潰すのが先か……」

 

「……同じことだ」

 

ゴブリンスレイヤーは淡々と言った。

 

「小鬼を殺す。ついでに、お前の槍も直せばいい」

 

オーンスタインは、台の上の楔石を再び掴み取った。

石は、まるで故郷を呼ぶかのように、北の空に向かって脈動を強めている。

 

彼が打つのではない。槍を、石を、そして失われゆく神代の火を、あるべき場所へ連れて行くだけだ。

それが、この地に残された「最後の四騎士」としての、戦いの一環であった。

 

「……よかろう、狩人よ。雪山の案内、貴公に任せる」

 

「……ああ。防寒の準備をしろ。死ぬぞ」

 

二人の冒険者は、凍てつく北の空を見上げた。

一人は、己の魂とも呼べる槍を修復するために。

一人は、火を手に入れ、調子に乗り始めた害獣を根絶するために。

黄金と灰色の影が、再び街の門を潜り抜けた。

 

 

その内白霊とかも出すかどうか

  • 出せ
  • 出すな
  • 闇霊なら許す
  • 白も闇も出せ
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