「…ァ?」
「あ、起きた?」
起きたら目の前に、目隠し白髪変質不審者。誰こいつ。
って、雲の上の4人のうちの教師っぽい人じゃん。もしや私、こいつに誘拐された?
「ねぇ、今心の中で結構失礼な呼び方でしょー?」
「サァ、一体なんのことやら?で、ここどこですか?」
「…ま、いっか。ここはねー、危険人物を捕らえておく部屋だよー」
確かに私はいま、椅子に縛られてる。服はあの時の血塗れのまま。
「へ?私危険人物認定されてるんですか?」
「そー、で、君秘匿死刑の対象なっちゃったよ☆」
「は?へ?ふぉ?」
ひとくしけい?ヒトクシケイ?ヒトクシケイ…しけい…シケイ…死刑?え?
「マジで言ってます?」
「うん、マジ。なんか上がねー、危険分子だから早いうちに消しといたほうが安全って」
上…。上って、この人の上司のことかな?消すって、物騒すぎるでしょ。
「私なんかやらかしました?」
「まぁ、君が非公認術師で、確かに死亡していたのに心配蘇生もなく生き返り、膨大な呪力を持ってして領域を無意識に展開した。そのせいで上が呪力が制御できていない危険な子供だと判断したからかなぁ」
「ヒコウニンジュツシ?ジュリョク?リョウイキ?なんですかそれ
「え…?」
「え」
「え?」
「えぇ」
「マジ?」
「まじ」
「…」
「…」
「…」
「…」
………………………………(静寂)
「ごめんなさい、ホントに何言ってるか分からないです」
「そっかぁ…。あ、そうだ、君、名前は?」
名前かぁ…うーん…色々調べられたくないんだよなぁ。主に学校とか。
「本名じゃなきゃダメですか?」
「別に偽名でもいいよ、そのうち本名バレるだろうし」
あ、いいんだ。となると…
「天です。偽名ですけど。本名は自分から教える気はないですけど」
「オッケー、天ちゃんね。じゃあ生年月日と家族構成教えて」
「11歳の小学5年生、4月12日生まれ、両親は私が赤子の頃に事故って死んでます。1年前までおばあちゃんに引き取ってもらってました」
「ん?1年前?今はどうしてるの?」
「一年前におばあちゃんは老衰で死んだので、今は一人暮らしです。おばあちゃんは結構裕福な人だったので、お金には困ってません」
「小5で一人暮らしかぁ…すごいね」
「お褒めに預かり光栄です」
「ていうか君さ、小5にしては言葉とか、頭の回転の速さとかすごくない?」
「小5をなめないでください。これでも学校の担任には一万年に一人の神童と言われてましたから」
「その担任流石に過大評価しすぎじゃない?まぁいいや、で、君はどこまで覚えてる?」
「あなた達に質問したところまでです」
「いやぁ、その件はちょっと忘れて欲しいかな」
「一生忘れません」
「ひどいね〜。君は呪術師のこととかは全然知らないってことでいい?」
「流れるように会話を続けないでくださいよ…、ジュジュツシ?なんですそれみたいな状態です」
「おかしいねぇ」
「何がです?」
「だって君、術式持ってるじゃん。しかもその膨大な呪力。呪霊も見えてるでしょ?一般人が突然術師になることは普通無い。ってことは、両親とか、血縁関係の近い人…おばあちゃんとかも術師のはずなんだよ。なのに、君がそのことを知らないっておかしくない?」
「だーかーらー、そのジュツシキ?だとかジュリョクだとかよく分かんないですって。あと、おばあちゃんは祖母じゃないですよ?両親の実家の近所に住むただのおばあちゃんですよ」
「え…そうなの?」
「そーですよ」
「そーなんだぁ…」
「そーなんですよぉ…」
………………………………(再び静寂)
「よし!この五条悟が直々に、呪力とか色々教えてあげよう!」
「やったー(棒) ていうか、あなたの名前五条悟って言うんですね」
「え、言ってなかったっけ?」
「言ってないです」
「そーだっけぇ…」
「そーですよぉ…」
………………………………(またまた静寂)
「て、感じで…」
「ほうほう…」
「で、術式ってのが…」
「ほぉほぉ…」
「で、呪いってのが…」
「へぇぇ…」
「以上!五条悟の馬鹿でもわかる基本術師講座を終わります!」
「わぁぁ」
理解はできた。納得はできん。
だって人の負の感情があの時のスライムみたいになるなんて、まだ信用しきれない人から聞いて納得なんてできるはずないでしょ。
「で、心当たりは?」
「特にないですね。全部初耳です。その呪霊ってのも、あの時のやつ以外みたこと無いですね」
「そっかぁ…」
「そーなんですよぉ…」
………………………………(またまたまた静寂)
今回は会話多めです。
呪力等の説明は省きました。