ラーイエローの神楽坂   作:ラララララクダ

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第5話 時械巫女

神楽坂 LP 4000   Z-ONE LP 4000

 

デュエルが開始され、俺はデッキからカードを5枚引き抜く。

 

【抹殺の指名者】

【光征竜-スペクトル】

【光征竜-スペクトル】

【無限泡影】

【巌征竜-レドックス】

 

手札を確認し、俺は悪くないと判断した。満足げに展開ルートを考える途中、突如としてZ-ONEが宣言した。

 

『先攻は私がもらいます。ドロー!』

 

巨大なデッキホルダーから機械腕がカードを引き抜く。

 

(おい、遊戯王アニメ特有の「言ったもん勝ち」先攻かよ!)

 

思わず心の中でツッコミを入れるが、あいつは止まらない。

 

『私は【時械巫女】を特殊召喚。このカードは自分フィールドにカードが存在しない場合、特殊召喚できる』

 

 

【時械巫女】レベル1 ATK0

 

 

虚空に巨大なカードが現れ、そこからモンスターが実体化した。

俺は一瞬驚いたが、すぐに状況を分析する。

 

(時械巫女……フィールドにモンスターがいない時じゃなく、『カード』がない時か。サーチ効果付きのOCG版じゃなく、やっぱりアニメ版の効果か)

 

『私は2体分のリリースにできる【時械巫女】をリリースし…』

 

「おい、そこまでだ! 俺は手札から罠カード【無限泡影】を発動! エンドフェイズまで【時械巫女】の効果を無効にする!」

 

俺は急いでプレイマットへカードを叩きつけた。

すると、俺の背後の何もない空間に亀裂が走り、そこからボロボロになった【サイバー・ドラゴン・インフィニティ】が出現。

【時械巫女】にビームを放ち、そのまま霧のように消えていった。

 

『なっ!? 手札から罠カードだと!?』

 

驚愕するZ-ONEに、俺は「お前がそれを言うかよ」と毒づく。

無限泡影を温存する手もあったが、アニメ版の『時械神』は耐性が盛り盛りだ。召喚される前に芽を摘むのが正解だと判断した。

 

『…私はカードを2枚伏せ、ターンエンド』

 

Z-ONEはこれ以上の展開手段がないのか、ターンを渡した。

手札誘発罠がデッキに多いZ-ONEが2枚も伏せた。セット したカードはたぶん「あれ」だろうな。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

引いたカードは【レッド・リブート】。

よし、これであいつの伏せが何であれ、安心して展開できる。

ドローした瞬間、案の定Z-ONEが動いた。

 

『私は永続罠【虚無械アイン】を発動』

 

「その発動にチェーン! LPを半分払い、手札からカウンター罠【レッド・リブート】を発動!

【虚無械アイン】の発動を無効にし、そのままセットする。

その後、お前はデッキから罠をセットできるが、このターンの終了時までお前は罠カードを発動できない。もちろん、手札からもだ!」

 

 

神楽坂

LP4000→2000

 

 

『またも手札から罠を……しかも罠の使用を完全に封じるとは。私は【レッド・リブート】の効果でデッキから【無限光アイン・ソフ・オウル】をセットする』

 

「一見、意味のないタイミングで【虚無械アイン】を発動、そして今セットしたのは【無限光アイン・ソフ・オウル】。

残りの伏せカードは【無限械アイン・ソフ】だろ? 【虚無械アイン】を使って、それをコストに【無限械アイン・ソフ】を。

そこから『時械神』をずらーっと並べて、ガチガチに守りを固める戦略ってやつだ」

 

なんかテンション上がってドヤ顔で言っちゃったけど、これ外してたらクッソ恥ずかしいやつでは?

 

『それを知ったところで何が変わるというのです? 貴方は次のターン、多数の『時械神』の攻撃を受ける運命。

果たして半分になったLPで耐えられますか?』

 

「それはどうかな?俺は手札から【光征竜-スペクトル】の効果を発動!

こいつと手札の【巌征竜-レドックス】を墓地へ送り、デッキから『征竜』モンスター2体を手札に加える。

俺が手札に加えるのは【焔征竜-ブラスター】と【水征竜-ストリーム】」

 

俺はデッキからカードを抜き取り、手作業でシャッフルする。

 

(手動だとイマイチ締まらねーな)

 

「さらに手札に加えた【水征竜-ストリーム】の効果発動!

こいつと【焔征竜-ブラスター】を捨てて、デッキから【瀑征竜-タイダル】を特殊召喚! 現れろ、タイダル!」

 

プレイマットにカードを置くと、床に亀裂が入り、そこから大量の水が噴き出した。

水柱の中から、青いクリスタルのような皮膚を持つ巨大な竜が姿を現す。

「あ、カードが濡れる!」と一瞬焦ったが、ソピアの力か、透明な膜が俺とカードを守っていた。

 

 

【瀑征竜-タイダル】レベル 7 ATK 2600

 

 

対面に立つZ-ONEは、タイダルを凝視して『なるほど、自然を司る竜ですか』と呟く。

 

「言っておくが、ストリームの効果で出したタイダルはこのターン攻撃できない。

だが、まだ行くぞ! 墓地の【焔征竜-ブラスター】の効果発動! 墓地のスペクトルとストリームを除外し、こいつを特殊召喚!」

 

今度は床から噴火のように火柱が立ち、マグマの皮膚を持つ赤い巨竜が降臨した。

 

 

【焔征竜-ブラスター】レベル 7 ATK 2800

 

 

俺は二体の征竜を見上げ、ふと思う。

 

(……待てよ。ここで『オッドアイズ・リベリオン』出して、さらに『オーバーロード』に繋げれば、このデュエル終わるんじゃね?)

 

だが、それではここに来た目的が果たせないし、出番を待っているソピアや、隣で応援しているラドリーががっかりするだろう。

 

「しょうがないな」

 

俺は小さく呟き、バトルフェイズを宣言した。

 

「バトルだ! 【焔征竜-ブラスター】で【時械巫女】を攻撃! 神楽坂・ファイヤー!!」

 

『くっ……!』

 

 

Z-ONE

LP4000→1200

 

 

ダメージに苦悶の表情を浮かべるZ-ONE。だが、すぐに体勢を立て直し、俺を睨む。

 

『先ほどの言葉はハッタリですか? 貴方のバトルフェイズは終わりましたが、私のLPはまだ残っていますよ』

 

「いや、うちの神様は召喚条件が厳しくてね」

 

俺はZ-ONEに向かってビシッと指を突きつけ、言い放った。

 

「見せてやるよ、あんたの知らない『異世界の召喚法』ってやつを!

俺はレベル7の【焔征竜-ブラスター】と【瀑征竜-タイダル】で、オーバーレイネットワークを構築!!」

 

二体の竜が赤と青の光となって、虚空に現れた銀河の渦へと吸い込まれていく。

 

『オーバーレイネットワークだと!?』

 

「エクシーズ召喚! 現れろ!【No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク】!!」

 

その渦の中で、巨大なエイ型の宇宙戦艦が姿を現したのだった。

 




主人公は勘違いしていますが、『時械神』の耐性はOCG版とアニメ版で特に違いはありません。

主人公が【虚無械アイン】の発動を「意味がない」と言ったのは、【時械巫女】を見て【虚無械アイン】もアニメ版と判断したからです。

【虚無械アイン】(アニメ)
『自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
レベル10以上のモンスター1体をリリース無しでアドバンス召喚する事ができる。
自分フィールド上のモンスターの攻撃力は全て0になる。 』
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