こんな恋姫   作:零戦

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こんな恋姫

 

 

 

 

 突然だが俺は恋姫†無双の世界にいる。何を言って以下略だ。ちなみに転生している。今の名は曹仁、字は子孝だ。そう、あの曹操の従弟になる。

 幼い時に親に洛陽へ連れて行かれ曹操や袁紹がいる塾に入らされた。前世の知識もあり成績は優秀な程だった(漢文は高校生の時以来なので苦労したが)が上には上がいる。それが曹操だ。

 何度か曹操に挑んだが全て惨敗。武も知もで、俺の心はボロボロに砕かれた。そして塾を卒業して実家に戻ると親に曹操の配下になれと言われた。

 

「曹操の配下になるくらいなら俺は家を出る」

 

 親と喧嘩をして親は俺を勘当にして俺は家を出た。そして洛陽に向かい、洛陽郊外の農村に暮らす事にした。

 

「田でも作るか」

 

 僅かだったが持っていたカネで農具や種を購入して米と野菜を作る事にした。前世で農業に興味があったし渡りに船だと思いそうしたのだ。

 農具も鍛冶屋に頼んで備中鍬や千歯こきを作ってもらった。

 

「おめぇの鍬、やり易そうだな?」

「何なら作ってもらうか?」

 

 俺が農作業をしていたのを見た農民が備中鍬を見てそう言ったので鍛冶屋に頼んで備中鍬を生産してもらう。農民達から好評だったのは言うまでもない。

 時折、盗賊達が村に襲いに来るが俺が主導で組織した警備隊によって撃退している。

 

「おめぇさんが作った火薬ってやつは凄いな」

「まぁな」

 

 俺は近くの山で火薬も作っていた。火薬と言っても黒色火薬だがな。

『三国志と言えば火薬だろJK』という電波を受信したので某漂流者の漫画を元に生産していた。結果は上々で調子に乗って簡易ロケットも作ったがまぁいい。

 簡易ロケットはロケット花火を元に作った。火薬を入れる物の中に石や鉛球を入れて殺傷力を強くしている。チートですね分かります。それに簡易手榴弾も……以下略。そしてそうこうしている内に黄巾の乱が勃発した。

 黄巾の乱で農民達も参戦すると思ったが……。

 

「戦? 王平(曹操にバレたら嫌なので改名した曹仁)が作った農具や肥料のおかげで俺達の蓄えも十分あるのに何で戦すんだよ」

「やるだけ無駄無駄」

「さぁて農作業すんべ」

 

 黄巾軍の勧誘を村人達は拒否していた。怒った黄巾軍が五千の兵で村に攻め込んできた。

 

「よし、ロケット放てェ!!」

 

 盗賊対策で生産していたロケットが次々に黄巾軍に向かって飛翔して爆発。数百の死体を残して黄巾軍は撤退、あっという間に撃退した。

 

「死んだ敵兵の死体は腐乱したら病にする菌があるから集めて火葬して埋めようか。武器や鎧は遠慮なく接収して俺達が使おうか」

『分かりました!!』

 

 戦場に横たわる敵兵を集めて火葬して埋めていく。埋めた後は皆で黙祷して慰霊碑を立てた。勿論、何れは噂になる。

 

「黄巾軍を撃退したのは誰かしら?」

「村の皆です。元々盗賊達に襲われていた事もあったので皆の錬度が強かったです」

 

 村を訪れた董卓軍の使者には村長がそう言っていた。俺が予め裏で村長と口を合わせていた。そして黄巾の乱が終わったと思ったら今度は反董卓連合が勃発した。

 

「華雄を助けたいけどなぁ」

 

 元々、恋姫キャラで華雄は好きだった。よく華雄ヒロインの二次小説をパソコンで見てたりしていたからな。でも俺が董卓側に参戦すると曹操にバレるしなぁ。

 

「……せめて遺体は俺が葬ろう。運が良ければ生存してほしいが」

 

 俺はコッソリと連合側の兵士として参戦してちなみに北郷は劉備のところにいた。俺も劉備の兵として関羽の部隊にいる。そして氾水関の戦いが勃発して劉備軍の関羽が華雄を斬り討ち取った。

 

「関羽様、お願い申し上げます」

「何か?」

「華雄殿の遺体を某が葬りたいと思います」

「理由を聞こう」

「は、某は以前華雄殿の隊に御世話になりました。せめての恩返しにと……」

「分かった。ただ討ち取った証拠として華雄の武器は私が貰う」

「はは」

 

 俺は倒れている華雄にせめての施しで傷口に包帯を巻いて回収、荷車に乗せて村の近くの小高い丘に向かう。

 

「……くそ……」

 

 俺は荷車を引きながら泣いていた。いくら原作通りでも好きなキャラが死ぬのは嫌だった。華雄が死んだでから分かる、やっぱり華雄が好きなんだと。そして自分の保身のために華雄を見捨てた自分自身に腹が立つ!!

 

「……済まん……済まん……!!」

 

 俺はその後も泣きながら穴を掘る。ある程度掘り、華雄の遺体を穴に入れる。

 

「……済まん……」

 

 俺は華雄に手を合わせて埋めようとした。

 

「……ぅ……」

「!?」

 

 今、呻き声が……まさか!?

 

「華雄!!」

 

 華雄は生きていた。死んだと思っていたが多分仮死状態だったかもしれんな。その検索は後だ、今は華雄を救うのが先決!!

 

「生きろ華雄!!」

 

 俺は直ぐに華雄を荷車に乗せて村にいる医者の元へ向かった。

 

「奇跡と言うしかないのぅ。本来なら出血で死ぬが多分、御主が包帯を巻いて止血したおかげかもしれんがまぁ生きているから良しとするべきじゃな」

 

 治療した医者は俺にそう言った。その後、数日して華雄が目を覚まして俺に戦況を聞いてきたが既に戦は終わり連合軍は洛陽を占領していた。

 

「董卓様の敵討ちだ!!」

「動くな!! 董卓は劉備軍に拾われているから大丈夫だ!!」

 

 俺は動こうとする華雄を必死に押さえて説得した。取り合えず傷が癒えるまで村で静養する事にしてもらった。

 

「……何故貴様は私に尽くすのだ?」

「……聞きたい?」

「うむ、聞きたい」

「後悔しても知らんよ?」

「構わん」

「……です」

「ん?」

「か、華雄の事が好きだからだ!!」

「……ふぇ!?」

「好きだからせめては俺の手で埋葬しようとしたんだ。好きでもなかった俺はわざわざ連合側に参戦しない!! 何度でも言うぞ、好きだ華雄!!」

「……きゅぅ~」

 

 あ、気絶した。そして華雄は怪我が治っても村に居続けた。華雄曰く「董卓様が生きているなら私が戻る意味はない。それに今の私は死んでいる身だから混乱させたくない」との事だ。

 

「で返事は?」

「……えぇい黙れ黙れ!!」

 

 俺は華雄への好きという想いがあの日以降、溢れたようになった。ぶっちゃけ付き合おうと言っているが華雄はその度に顔を赤くしてはぐらかしている。

 そんなある日、二人の女性が村にやってきた。

 

「あぁ袁術と張勲か」

「少しは驚きはせんかや!?」

「まぁ美羽様、民にとってはそんなものですから」

 

 村に流れてきたのは孫策達に追われた袁術と張勲だった。

 

「蜂蜜水飲みたいのじゃ」

「なら養蜂でもしたらどうだ?」

「養蜂ですか?」

「ミツバチを飼育して蜂蜜を取るんだ」

「蜂蜜水が飲めるならやってみたいのじゃ」

 

 そうして俺が支援して二人での養蜂が始まった。後に大が付く程の養蜂家になる。

 そして村で普通に過ごしていると外では赤壁の戦いが魏の敗北で終わっていた。そして北方の五胡が魏の後ろから侵攻してきた。三カ国は三国同盟を締結五胡を撃退した……が。

 

「華雄、敵は五胡だよな?」

「まぁそうなるな」

「……何で洛陽に向かおうとしてんだよ……」

 

 五胡は三万の別動隊を洛陽に差し向けていた。帝がおわすところを攻撃すれば三カ国も動揺すると踏んだんじゃないのかな?

 

「敵が此方に来るぞ」

「射程圏内に十分に入ったら放て」

 

 そして簡易ロケット弾による虐殺が始まる。混乱したところに華雄が警備隊の騎馬隊で強襲して撃退した。

 

「来ると思うか?」

「来ないだろ」

 

 デスヨネー。そんで五胡を撃退したのは良いが、曹操に俺の居場所がバレた。

 

「さっさと帰って来なさい。貴方にはやる事があるわ」

「あるわけないだろ。さっさと出ていってくれ、ほら回れ右」

 

 しつこいくらい曹操とその部下達が勧誘に来た。しまいには北郷に簡易ロケット等がバレた。

 

「五胡対策で欲しいんです。譲ってくれませんか?」

「一昨日来やがれこの野郎」

 

 あれを大量生産したら三カ国でまた戦が起きるに決まっている。諸葛とかがどう出るか分からんぞ。

 

「てなわけで全部廃棄だ」

「三カ国に使われるより自分らで廃棄した方が良いからのぅ」

 

 村人達も頷いて俺が製作した火薬や武器類は全て破棄した。

 

「それで村長。このままだと皆に迷惑をかけるから村から出ていく」

「……済まん」

「良いよ良いよ」

 

 頭を下げる村長に俺はそう言って身支度を整えてその日の夜中に村を出た。

 

「私も行くぞ」

「華雄……それに美羽と七乃も……」

「私達も村にいるとやがて孫策さん達に見つかりますからね。それなら……と思い御同行させてもらいます」

「宜しく頼むのじゃ」

「……分かった」

「それで何処に行くのですか?」

「東の海を渡ったところに日ノ本という俺の故郷がある。そこに行こうと思う」

「そうか……ところで王平」

「何だ?」

「その……私の真名を受け取って貰えないか?」

「……バッチコイ!!」

「……私の真名は藍だ」

「藍……いい真名じゃないか」

「そ、そうか?」

 

 顔を赤くする華雄――藍だけどやっぱり可愛いなぁもう!!」

 

「く、口に出すな!!」

「ん? 出てたか。それでも可愛いぞ藍」

「うぅ~」

 

 モジモジとする藍……これは御飯三杯はいけるわ。

 

「半刻程時間を取らしましょうか?」

「二刻で良いかな?」

「さ、さっさと行くぞお前ら!!」

「ちょっと待て藍」

 

 ニヤニヤする俺と七乃をや余所に藍は行ってしまう。俺達はその後を追うのであった。

 そして王平達の足取りは船を購入して海に出たところで途絶えた。

 諸説では東の海の先にある島国に行くと伝えられたので日本に向かったと言われているが確定的な証拠はない。

 だがその時期に九州を中心に漢字や養蜂、火薬等が伝わっており王平達が日本に着いて伝えたのではないかと言われている。

 一説では王平は曹操の従弟である曹仁ではないかと言われているが確定的な証拠はない。全ては闇の中である。

 

 

 

 

おまけーね

 

「ところで子どもは何人作る?」

「ななな!?」

「あたふたする藍も可愛いです!!」

「……まだ作るのかや?」

「仲が良い夫婦なんですよ美羽様」

 

 

 

 

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