「はあ、はあ、はあ」
遠坂永人から始まった聖杯戦争。そして殺し合い。ずっと殺し合いに反対であったにも関わらず、再度始まった。
遠坂啓二はずっと反対であった。その理由は簡単で殺し合いをする事への倫理的影響である。
別に英霊を使えばいいだけの話、わざわざ殺し合いする意図などさっぱりである。
それに50年前に起きた聖杯戦争の影響。その聖杯戦争の影響によって英霊が暴走し、関係の無い人間まで虐殺した。あの忌まわしき事故。
我が今は亡き遠坂永人の孫、遠坂啓二はそれに断固として反対の意思を表明していた。
御三家はその聖杯戦争の意見の衝突から事実上関係性は破綻した。そして遠坂啓二は
追ってくる黒いフードを被った謎の男を家々が連なる住宅街で戦いを繰り広げていた。
遠坂啓二は魔術を発動させた。銀の槍が相手を貫こうとせん、
(ち、魔術回路がイカれそうだ)
外した。相手は黒いフードを被り軽快な動きで翻弄する。銀の槍は相手の遥か頭上に過ぎ去っていった。銀の槍が洋風の家の屋根に激突する。
「なるほど弱いな。これが遠坂家か」
啓二「ぬっ?、貴様、何者だ。我が魔術を簡単に捌こうとは」
「この程度の一工程、猿でも避けられる」
黒いフードの男はそう言うとフードを脱いだ。
啓二「お前は....」
ドイル「殺人事件か」
船の中で一人ドイルは思った。英国人などを乗せた日本行きの船は、まるでミステリー小説が如き様相であった。
「殺人事件」
ドイルが見ている光景は体から胴体が破裂し、まるで缶が爆発した時のような死体の具合なのである。
ドイル「どういうことだ、こんな死体はありえない」
ミステリー小説さながらの異質な死体に船の乗客たちは恐れおののいた。ドイルは探偵ではないものの、死体の異質さを理解した。
ドイル(刺殺でも圧殺でもない。この死体は一体なんだ)
ドイルの本業は医者である。その中でも当然解剖学はある程度学んでおり死体がどのように殺されるかはある程度熟知していた。しかし、この死体はあまりにも異質だった。まるで内部から爆弾が爆発破裂したかのような状態だった。まるで缶が爆発した時のような内部からの破裂しているかに思えた。
死体があった場所は密室でもなく廊下である。しかも、周りにあるのはとても良くて刺殺か殴できるレベルのちんけな物であった。まるで”魔法”を使わたかのような異質さであった。
ドイル「どいてくれ、私が死体を確認する。私は医者だ」
「あなたは?」
ドイル「私はアーサーコナンドイル。医者だ」
「アーサーコナンドイル?あのシャーロックホームズの作者の?」
周りの英国人がどよめいた。何故ならシャーロックホームズの作者であり、そして今現在、ミステリー小説さながらの状況になっているのだ。
ドイル(こういう反応には慣れている。私をシャーロックホームズだと思い込むような奴らは、しかし、今このような状況では)
英国人たちはドイルに対してざわめいていた。何が起きたのかと。まるで劇のことにミステリー劇が起きたのだと。
ドイル(やれやれ、しかしだ。やはりこの死体はおかしい)
ドイルは死体を見つめた。死体は胴体は爆殺されている。しかしの中身のモツはどこにも見当たらない。胴体の一部分は辛うじて残って上半身と下半身を繋げてるが。缶が爆発破裂したかのような見た目。
30代の中年男性。髪の毛はオールバックで、顔の様相は苦悶の表情だった。
ポケットを探ると、
ドイル「ち、誰かが先に抜き取ったか」
ポケットはまだ暖かさ残っていた。誰かが先に取ったのだ。
しかし、この死体、明らかに異質だった。ただ殺すだけならまだしもこんな奇天烈な殺し方どうやって出来る。
体の中にグリゼリンでも入れたのか?
そしてこのあえて目立つような死体。
ドイル「まるで誰かに暗示する為」
ドイルはこの瞬間気づいた。これはこの船の中にいる誰かの意思表示であることを。