fate two stay night   作:tootot

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第四話 この小説のジャンル

 ドイルは船の中にある死体が何者かのへの意思表示であるという事を理解した。だからこういう派手な死体を作った。

 

 しかし、問題はどうやってこの怪死体を作ったという点。まるで魔法を使われたような怪死体。

 

 ドイルは死体を確認した後、集まっている乗客を見る。この中に犯人がいる!などという陳腐な台詞を言うつもりはない。

 

 この死体が何かしらのメッセージを持っている事を理解したからだ。

 

ドイルは乗客を確認した。どれも怪しい動きをした人物はいない。

 

 このえぐれた怪死体を見ると、恐ろしい物を感じた。左鋤骨から甲骨の胴体まで完全にえぐれているのだ。何かの衝撃をあったかのような怪死体。死体はがらんと寝そべる形でだらっと体が物のようになっている。

 

ドイル「まるで欠けた月みたいだな」

 

 

 

 

 

 夕食は行われたが何人かは見当たらない。それも当然だ。何故なら目の前で死が起きたのだ。しかも体全体がえぐれたような怪死体。

 

 夕食はどんよりとしたムードだった。まるでミステリー小説のクローズドサークルのような不気味さが実際に行われている。

 

 ドイルは夕食の豚肉を食うがどこが解せぬ顔だった。

 

ドイル(まさか実際にこんなミステリー小説さながらの事が起きるとはな。しかし、どこか私の書いたミステリー小説とは少しばかり何かが違うような?)

 

 ドイルは運ばれてきたスイカを見た。ドイルはスイカがあまり好きではなかった。スイカにはタネがあまりにも多すぎる。タネが無ければいいのだがなと。

 

「まるで魔術師が現れたようですな」

 

 隣にいる英国人の中年男性が語りかけてきた。

 

「おやミスターシャーロックホームズ、いやアーサーコナンドイル氏」

 

ドイル「からかうのはやめてくれ。ミスターワトソンくん」

 

「おやおや、からかうのはやめてもらいたい」

 

ドイル「魔術などこの世に存在しない。あるのはトリックだけ」

 

「おやおやまるでミステリー小説さながらの探偵ですな。期待してますぞ」

 

 中年の名も知れぬ英国人男性は肩に手を置くと大きなトランクと共に廊下に出ていった。

 

ドイル「ふん、歴史小説を書いたら自分も歴史人物になれるのか。まあいい探偵気分で船の中を歩くか」

 

 ドイルは夕食を終わると船の中を探索した。ミステリー小説の探偵のような足取りで船の中を探索した。

 

ドイル「ミステリー小説ならここにトリックがあるんだが」

 

 どの場所を探してもトリックは見当たらなかった。ミステリー小説ではお決まりの展開にも関わらず。しかし、簡単な話だがこれはミステリー小説ではない。

 

ドイル「こういう時は必ず電線が切れてるのがお決まりだが」

 

 ドイルは電話の電線を見たが切れていない。この手の話には珍しくそうだ。

 

電話も通常通り掛けられる。

 

ドイルは苦悶の表情になった。普通ならこの手の話にはトリックがあるはずだ。それがないのだ。

 

ドイルは諦めて部屋に行こうとする時ある事を思い出した。

 

 

 

 

 

 ある男が船の廊下で読書をしていた。シャーロックホームズの話である。

 

ドイル「おやおや、そんな私の小説は面白いかね」

 

 ドイルは自分の作品が読まれているのをよそに、男は小説を置いた。その男は先ほど食堂で話した男である。

 

「まさか、作者さんと、一緒になれるとはねえ」

 

ドイル「僕の歴史小説も読んで欲しいものだね。特にシャーロックホームズ以外の」

 

「悪いですけどシャーロックホームズ以外はそこまで興味ないんですよ。まあ暇があったら

あの死体をシャーロックホームズさながらに死体の謎を解決してほしいものですね」

 

ドイル「ああ、暇があるかはわからないが、あの死体だが、どうやって殺されたのかはわからなかった」

 

ドイル「だがあの死体をどうやって運んだかはわかった」

 

男は怪訝な表情でドイルを見つめた。

 

ドイル「あの死体はあそこでは殺されていない。皮膚の焼けた跡がその証拠だ。あれは死後推定時間を隠すためのトリックだ。だから実際はあの船では殺されていない」

 

「まさか私が犯人だと?」

 

ドイル「うむ、そうだ。あの死体は船に入る前にすでに殺されていた。そしてそれを運んだのは君だろう。その大きなトランクがその証拠だ。中身を見ていいか?まあ何も入っていないだろうが」

 

 ドイルは大きなトランクを指差した。まるで人一人は簡単に入れる大きいトランクだった。

 

「何故私が犯人だと?探偵気取りか?あそこで死体を出す意図はなんだ?」

 

ドイル「メッセージさ。だから電話の電線が破壊されていないのが証拠だ。ミステリーならクローズドサークルにするんだがな。大方あの身元不明の怪死体を使って仲間に対するメッセージか脅迫だろう。どこにいるかわからない人間に向かってな」

 

ドイル「例えば、この謎の怪死体と新聞を使ってメッセージをな」

 

「....!何故私が犯人だと?」

 

ドイル「いや、それは勘だ。あと大きなトランクがその証拠だ」

 

「なんじゃそりゃ」

 

ドイル「しかし、一つ聞きたいんだがそのトランクの中身を見せて貰えないか?そうすれば私は君に謝って私の書く歴史小説を君にあげよう」

 

「断る。歴史小説も断る」

 

ドイル「何故だ?」

 

「答えは簡単だ」

 

 男は銃をドイルに向けて出した。

 

ドイル「…!」

 

「流石、名探偵を書くミステリー小説家さん、だけどちょっと半分正解だったな」

 

ドイル「やはり、犯人」

 

「いい線は言ってたけど私は犯人じゃないよ。そしてあの死体も、あれは運ばれてきたもんじゃない。船に乗っていた乗客だ。名前はダディー。日本行きの船に乗る男だった」

 

ドイル「何が目的だ?」

 

「あの死体が新聞を使って場所のわからないやつにメッセージを伝えるのは正解だ。だけどそれ以外は全て不正解だ」

 

ドイル「ここで私を殺したらお前の正体が」

 

「いい」

 

 ドイルは男に銃口を斜め上に向けられた。銃を放てば下半身の金的から前立腺にかけてスライドして間違いなく致命傷は免れない。

 

ドイル「魔法でも使う気か?」

 

「お、これでようやくもう一問正解だよ。その通り魔法だよ」

 

ドイル「それは比喩表現か?」

 

「君が読んでいるのはミステリー小説なんかじゃない。ファンタジー小説なのさ」

 

 その瞬間、船には銃声が鳴り響いた。

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