fate two stay night   作:tootot

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第七話 蒼き狼

 我の眠りを妨げる者は誰ぞ?。我が世界の半分を支配し、そして多くの種をばら撒いた我が王の眠りを妨げる者は誰ぞ?。

 

「ついに始まるぞ今宵第二次聖杯戦争が」

 

 こいつらを何を言って居る?戦争、こんな少人数でやるものか

 

 

「今回は令呪を使う。それによって50年前のような事件は二度と起こさない」

 

 くだらぬ。真の英霊、悪鬼というものはそんな鎖など簡単に破壊できる。この者どもを殺戮し、女男区別無く凌辱する事は容易い。しかし、その様な事をしても我の気には興味が起きない。

 

「夢が叶うという聖杯。その言葉に我々は満ち足りています」

 

 夢が叶う?夢が欲しいのなら剝ぎ取れ、破壊しろ。奪い取れ!。喰らえ。虐殺しろ。夢を神頼むにするな。どのような手を使ってももぎ取り強奪するのが真の夢よ。

 

 神をも凌辱して奪い取る事こそ人間の真の夢、理想。剝ぎ取って破壊して強奪する。

 

 

 

 しかし、このようなちんけな貴様らを今この場で虐殺する事などくだらぬ。ほど赤子を捻り殺すくらい簡単であろう。しかし、こやつらは全く持って興味が注がれぬ。

 

 こやつらを見ていると虫唾が走る。しかし、虫唾が走り過ぎてもはや興味すら湧かない。どうでもいい羽虫と一緒だ。

 

「さあ、世界の半分を支配した。偉大なる蒼き狼よ。今こそ我に力を貸してくれ」

 

 こやつらが召喚の媒体として使っているものは小さき木の種子か.....くだらぬな。そこまでして我を使いたいか。

 

 

 

 

 ドイルは流れるままに船の中にいた。あの一連の謎の怪事件の正体を探るために冬木の土地に向かう。50年前の神隠し事件。政府の人間も言っていた。冬木には何かがある。

 

 ドイルは波風に乗られて外を見る。外は一面海。前回と違い船での怪事件は無い。ドイルは手すりに黄昏ながらある事を考えた。

 

 アーサーコナンドイルの職業は医者である。そして小説は副業。そして自分が本来作りたいのは重厚な歴史小説。圧倒的なまでの時代考証と人間関係。ドイルは何故、英国文学史に残ると思っている自分の歴史小説が売れないのか謎であった。

 

 そして暇つぶしで書いたシャーロックホームズという推理小説が売れる。その内容をドイルは卑下していた。

 

天才ホームズは某国の国王様にも頼りにされて、秘密結社と戦ったり、美少女に求婚されたり、内心くだらぬ小説だと思っていた。

 

 しかし、シャーロックホームズシリーズは飛ぶように売れ、出版社のストランドマガジンが急成長するまでに至っていた。事実、今までの歴史小説はまったく売れなかったがシャーロックホームズが売れてからは生活に余裕ができ、こうやって異国の地まで遊ぶ事ができるほどの富を有した。だが心は満たされない。

 

 ドイルの描きたいモノは重厚な歴史小説である。今、ドイルが想像している次の歴史小説は17世紀フランスでフォンテーヌブローの勅令に端を発するカルヴァン派の弾圧と彼らの亡命についての話である。

 

 しかし、このような歴史小説は売れる訳がない。世の中には重厚なシニカル溢れる内容よりも楽観的で軽いエンタメが売れるのが世の常なのである。

 

 ドイルは散々にホームズを書けと言ってくる編集者どもにうんざりであった。そして書く気なんてさらさら無いからあえて原稿料1000ポンドを要求しても、出版社は書かせてきた。控え目に言ってウンザリであった。

 

 そして今に至る訳だ。

 

 

ドイル「ああ、うんざりだ。世の中全てが」

 

 もし、日本から消えてもまた本国でホームズを書く羽目になると思うと非常に心は憂く。

 

 ドイルが謎の怪事件を追うのも言わば一種の現実逃避に近かった。しかし、このような怪事件の正体を探る事が嫌っているホームズと同じ位置にいる事をドイルは知らないのである。

 

 長旅もようやく終わり、陸地が見えてきたのである。朝方な為、霧が濃くあまりよく見えないが、長い海の旅路が終わる時だった。

 

 

 そしてこの瞬間が長いファンタジー小説の始まりでもあった。




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