我思う、故に我在り ~最強の守護者として転生した俺の楽園防衛記~ 作:ミュウツー
《》:鳴き声以外のポケモンの声はこれ使おうかな
島には少しずつ、行き場を失ったポケモンたちが集まり始めていました。
特に、テレパシーに導かれるようにやってきたネイティオやフーディンといったエスパータイプたちは、俺の意図を敏感に汲み取り、「この楽園を隠し通す」という強い意志に共鳴した彼らは、交代で精神を集中させ、認識阻害の霧を維持する術を学んでくれた。
彼ら複数匹の懸命な祈りによって、俺が島を遠く離れても数時間は結界が保たれるようになった。
(……これで、ようやく動けるな)
ただ保護するだけでなく、外敵からこの楽園を物理的に守り抜くための「守護役」をスカウトしに行くことに決めた。この島に、俺の代わりとなって戦えるほどの、誇り高く強大な力を持つポケモンを招き入れるために。
カントーだと戦力になるのはやはり伝説の三鳥、その圧倒的な制圧力が味方になれば、島はまさに「難攻不落の要塞」となる。
彼らは気高く、縄張り意識も強い。しかし、「人間に利用され、狙われる理不尽さ」を共有すれば、単なる主従ではなく、「対等な守護者」としての同盟を結べる可能性がある。
最初に行くのは電磁波で計器を狂わせることができる、機械の天敵、電気タイプのサンダーだ。
カントー地方、無人発電所。
かつて人間たちが捨て去り、今や剥き出しの電線が火花を散らす廃墟。そこが、第一の標的――サンダーの根城だ。
島に残したエスパーポケモンたちの精神連結を感じながら、俺は一瞬でその空間へと転移した。
(……凄まじいな)
一歩踏み出すごとに、大気中の静電気で全身の産毛が逆立つ。伝説名は伊達ではない、圧倒的な電気エネルギーだ。
そして発電所の最深部。巨大な発電機の上に、その鳥はいた。
黄金に輝く鋭利な羽を広げ、周囲の電気を吸い込んでは吐き出す。サンダー。その瞳には、近づく者すべてを焼き尽くさんとする猛々しい敵意が宿っている。
「グルルッ……!!」
挨拶代わりの電撃が放たれた。
俺は動かない。最小限のサイコバリアを展開し、数万ボルトの雷を無造作に弾き飛ばす。
『無意味な争いは好まない。サンダー、お前に提案がある』
テレパシーで直接、脳内に語りかける。
サンダーは羽を逆立て、さらに激しい放電で応えた。
《……人間と同じ臭いのする獣め。我が力を奪いに来たか!》
『人間と同じだと? 侮辱だな。俺もまた、奴らに作られ、奴らから逃げ出した身だ』
俺はあえてバリアを解き、丸腰で一歩前へ出た。
『お前はここで、いつ来るかも分からぬハンターに怯え、錆びた鉄屑に囲まれて生きるのか? それとも、誰にも邪魔されない空の主として、俺と共に来るか』
《空の主だと……? この地上に、人間から逃げ切れる場所などないわ!》
『ある。俺が作った。認識を阻害し、レーダーを欺き、機械の目を逃れる霧の島だ。だが、その島を真に守るには、機械の天敵であるお前の力が必要だ』
サンダーの動きが一瞬、止まった。
その隙を見逃さず、俺は島に繁茂する「オレンのみ」の甘い香りと、潮風の記憶を共有した。廃墟の焦げた匂いしか知らない彼にとって、それはあまりに眩しい光景だったはずだ。
『俺に屈しろとは言わない。対等な守護者として、あの島に巣を構えろ。対価として、お前に最高の修行場と、永遠の安息を約束しよう』
沈黙が流れる。
パチパチと火花が散る音だけが響く中、サンダーは鋭い嘴を閉じ、ゆっくりと俺の目を見据えた。
《……その言葉、偽りならば我が雷でお前の心臓を貫くぞ》
『構わない。だが、その必要はないとすぐに分かるはずだ』
俺は右手を差し出した。
サンダーはその黄金の翼を大きく羽ばたかせ、発電所の屋根を突き破る勢いで咆哮を上げた。承諾の合図だ。
島へ帰還すると、ネイティオたちが必死に維持していた霧が、サンダーの放つ電磁波と混ざり合い、より複雑な「電子の迷彩」へと変質していくのが分かった。
『……助かった。皆、休んでいいぞ』
疲れ切ったエスパーポケモンたちを労い、俺はサンダーを列島の北側にそびえる断崖へと案内した。そこは常に上昇気流が発生し、伝説の鳥が羽を休めるには絶好の場所だ。
『これで一つ、外壁が厚くなったな』
機械の天敵を手に入れた。次は、広大な海域を凍てつかせ、物理的な侵入を拒む「氷の壁」が必要だ。