我思う、故に我在り ~最強の守護者として転生した俺の楽園防衛記~ 作:ミュウツー
だれか続き描きたいって人いないかな
サンダーを仲間に加え、島の防衛線は厚みを増した。次は、海からの侵入を拒む「氷の壁」――フリーザーだ。
カントー地方の果て、双子島。その永久凍土が眠る最深部へ転送した俺を待っていたのは、静寂ではなく、無機質な機械音と怒号だった。
「逃がすな! 氷漬けにされる前に電磁波を叩き込め!」
「レアコイル、電磁砲準備! Rの栄光のために!」
洞窟の広場で、数えきれないほどのロケット団員がフリーザーを包囲していた。
中央で舞うフリーザーは、まさに芸術品のような美しさだ。鋭い吹雪を巻き起こし、襲いかかるゴルバットやレアコイルを次々と凍土へ変えていく。
(……流石だな。だが、数が多い)
幹部級こそいないが、ロケット団は「伝説」の恐ろしさを熟知していた。一匹が倒れれば二匹が、二匹が倒れれば四匹が、死を恐れぬ機械のように波状攻撃を仕掛ける。
俺は岩影で気配を消し、静観した。
ここで俺が姿を現せば、ロケット団に「ミュウツー生存」の決定的な証拠を与えてしまう。フリーザーが自力で切り抜けるなら、それに越したことはない。
だが、戦況は残酷だった。
絶え間ない攻撃に、フリーザーの優雅な羽ばたきにわずかな翳りが見える。そこを、ロケット団は見逃さなかった。
「今だ! 岩なだれッ!」
複数のゴローニャが一斉に放った巨岩が、疲弊したフリーザーの翼を直撃した。
悲鳴のような鳴き声。体勢を崩し、膝をつく氷の鳥。
「よし! 捕獲ネット、出力最大! 逃がすな!」
一斉に放たれる高電圧のネットと、毒の霧。
……やむを得ない。俺の平穏よりも、同胞の命が先だ。
『そこまでだ、愚かな人間ども』
一瞬。
フリーザーの目の前に、紫の光を帯びた俺が音もなく降り立つ。
ロケット団が放ったネットも、岩石も、毒霧も――すべてが俺の展開した「サイコフィールド」に触れた瞬間、分子レベルで粉砕され、虚空へと消えた。
「な、なんだ!? 紫色の……ポケモン……!?」
「データにないぞ! 怯むな、構わず撃て!」
『消えろと言っている』
俺は右手を軽く一閃した。
物理的な衝撃波ではない。空間そのものを歪めるサイコキネシスが、洞窟内のロケット団員とそのポケモンたちを、ゴミでも払うかのように壁際まで吹き飛ばした。
「クルアァッ……!」
背後で、態勢を立て直したフリーザーが鋭く鳴いた。
助太刀は不要と言わんばかりの誇り高さ。だが、その瞳には俺への確かな信頼――あるいは「共闘」の意志が宿っている。
『……合わせろ、フリーザー。一気に終わらせる』
俺がサイコキネシスで敵を一箇所に凝縮させ、動きを封じる。
そこへ、フリーザーが渾身の「絶対零度」を叩き込んだ。
洞窟内は一瞬で白銀の世界へと変わり、ロケット団の兵器も、モンスターボールも、すべてが氷の彫刻と化した。命までは奪っていないが、彼らが解凍される頃には、俺たちはもうここにはいない。
静寂が戻った洞窟で、フリーザーは深く、静かに息を吐いた。
彼女は俺の姿をじっと見つめ、テレパシーを介さずとも伝わる「問い」を投げかけてきた。
『一匹の力には、限界がある。お前も今、それを実感したはずだ』
俺はサンダーの時と同じように、楽園のビジョンを見せた。
『俺の島へ来い。そこにはサンダーもいる。お前が海を凍てつかせ、サンダーが空の機械を狂わせ、俺が人の認識を捻じ曲げる。三つの力が合わされば、二度とあのような無粋な連中に屈することはない』
フリーザーは、自らの傷ついた羽を一度見つめ、それから静かに頭(こうべ)を垂れた。
数の暴力に晒された直後の彼女にとって、俺の提案は「屈服」ではなく「賢明な選択」だった。
《……よかろう。その楽園とやら、我が氷で守ってやろうではないか》
島へ帰還すると、北の崖に陣取っていたサンダーが、空から舞い降りるフリーザーを見て「フン」と鼻を鳴らした。相性は最悪だろうが、共通の敵を持つ者同士、奇妙な緊張感が島に漂い始める。
残る三鳥は、あと一匹……
七島(ナナシマ)の果て、ともしび山。
最も気性が荒く、最も情熱的な守護者――ファイヤー。
火は原初の恐怖の1つ。奴を仲間に加えれば、防衛網が完成する。
だが、ファイヤーの住まう地はロケット団の活動も活発なエリアだ。