【完結】REAPPEARANCE   作:土地_0000

27 / 48
第二十七話【A good believer would have known 】

第二十七話【A good believer would have known】

 

 

 ――ウィィィィン……ガタンッ。

 

 修復装置の蓋が開き、マイルがゆっくりと目を覚ました。

 

ジーヴァス:「おぉ、目を覚ましたな! 待ってな、今開けてやるゼ!」

 

 聞き慣れた声と共に、装置の蓋が完全に開く。

 そこは、メダロット用の修復設備が整った医療施設だった。

 

 自然にスラフシステムで回復するのを待っている時間はない。

 そこでジーヴァスは、避難によって無人となっていた施設の設備を利用し、マイルの修復を早めていた。

 

マイル:「なるほどぉ。考えたなぁ」

 

 マイルは修復された頭部を確かめる。

 

ジーヴァス:「まぁな。つか早くシャインのところに戻ろうゼ! ひょっとしたらデュオカイザーの始末に手こずってるかも知れないゼ!」

 

 二機はそのまま医療施設を後にした。

 

 

 

 

ローラ:「……ん?」

 

ディスト:「どうしたのローラ?」

 

 シャインを探していたローラが、不意に足を止めた。

 

ローラ:「アレを見てみろ」

 

 ローラがワンダとディストを物陰へ誘導し、前方を指す。

 医療施設から出てきたのは、マイルとジーヴァスだった。

 

ワンダ:「あ! アイツら……」

 

ローラ:「……気付かれぬように追うぞ」

 

 三機は距離を取りながら、マイルとジーヴァスの後を追い始めた。

 

 

 

 

 一方、シャインとデュオカイザー。

 

シャイン:「クククク……限界。その通りだね。君の生きる術はもう無いも同然だ」

 

 シャインの背後に並ぶ八本の柱『オクトバーン』から、炎が噴き出した。

 その攻撃がデュオカイザーへ向かう。

 

 だが、その直前。

 デュオカイザーは背部のハッチを開いた。

 肩部から伸びる触手が内部へ入り込み、隠されていた何かを引き抜く。

 

シャイン:「……!?」

 

 純白の珠。白メダリア。

 ラヴドから託され、シャインたちが探し続けていたもの。

 

シャイン:「 神 ぃ ! ! 」

 

 シャインの目が見開かれる。

 デュオカイザーは白メダリアを掲げた。

 

デュオ:「遅いのよ……。信仰心が足りないわね」

 

 そして。

 白メダリアをビルの外へ放り投げた。

 

シャイン:「 か ぁ ー ー ー み ぃ ぃ ぃ ぃ ぃ ー ー ー ー ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」

 

 シャインは迷うことなく屋上から飛び出した。

 落下していく白メダリアだけを追い、そのまま空中へ飛び込む。

 デュオカイザーが手すりから下を覗き込む。

 

デュオ:「ぁ~ら。素敵なダィブねぃ♪……でもぁたしはここから……ね・ら・ぃ・ぅ・ちぃ~♪」

 

 無防備なシャインの背中へ向け、デュオカイザーが攻撃を開始した。

 ミサイルとレーザーが次々と放たれる。

 シャインは回避しない。

 

シャイン:「……ク、クク……神……!!」

 

 白メダリアだけを見つめ、落下しながら手を伸ばす。

 そして。

 その手が、ついに白メダリアを掴んだ。

 デュオカイザーがさらに追撃しようとした、その時。

 

 ――パンッ!!

 

デュオ:「ッ!?」

 

 右腕に弾丸が命中し、狙いが逸れた。

 デュオカイザーが地上へ視線を向ける。

 ビルの真下には、マイルとジーヴァスが立っていた。

 

ジーヴァス:「そうはさせないゼ」

 

デュオ:「ビルの真下から頂上のぁたしを撃つなんて、やるじゃなぃのさ……」

 

 だが。

 

ワンダ:「あんた達には……」

 

ディスト:「白メダリアは……」

 

ローラ:「渡さぬ!!」

 

ジーヴァス:「!?」

 

マイル:「おっとぉ……!」

 

 背後から現れたワンダたちが攻撃を仕掛ける。

 マイルとジーヴァスは咄嗟に飛び退いた。

 

デュオ:「ょくゃったゎょん!! それでゎ……レーーーザァーーー!!!」

 

 デュオカイザーの左腕からレーザーが放たれる。

 白メダリアを手にしたシャインへ、一直線に伸びる光。

 

 その瞬間。

 シャインの背後で、オクトバーンの炎が一斉に噴き上がった。

 

 急加速。

 シャインはレーザーをかわす。

 

シャイン:「クククク……これで全ては揃った。後は神様が再臨なさるのに相応しい場を準備するのみ……」

 

 シャインは白メダリアを握りしめる。

 そして、オクトバーンの炎を背後へ集中させた。

 

 ――ゴォォォォォォォォォォッ!!

 

 シャインの身体が一気に加速する。

 そのまま空を駆け、メダロポリスから遠ざかっていった。

 

ローラ:「……しまった! ディスト、ワンダ、追うぞ!!」

 

ディスト:「分かった!」

 

 ディストが3PMCシステムを起動し、車両形態へ変形する。

 ローラとワンダを乗せ、シャインを追おうとした。

 だが。

 

マイル:「おっとぉ!」

 

ジーヴァス:「行かせないゼ!」

 

 マイルとジーヴァスが進路を塞ぐ。

 

ローラ:「……邪魔をするか」

 

 シャインを追うためには、まず二機を突破しなければならなかった。

 その様子を屋上から見下ろし、デュオカイザーが舌打ちする。

 

デュオ:「チッ……! ャバィゎねぃ……」

 

 シャインは逃げた。

 白メダリアも奪われた。

 そして、この場にはすぐに追いつける者がいない。

 デュオカイザーが次の手を考えようとした、その時だった。

 

『……私に…………任せろ……』

 

デュオ:「え?」

 

 声は、さらに上から聞こえた。

 デュオカイザーが空を見上げる。

 そこには白い龍の姿があった。

 

 カヲス。

 その脚部の周囲に、ゴーストが集まっていく。

 

カヲス:「『ゴースト・ブースター』……」

 

 ゴーストが巨大な推進装置のような形へ変わる。

 次の瞬間。

 カヲスが猛烈な勢いで加速した。

 シャインが消えていった方向へ、そのまま一直線に飛んでいく。

 

デュオ:「カヲス!? なんでここに……!? っていぅか……こんな大都市に来てたんなら、 絶 対 誰かにみられてるゎょねぃ……」

 

 デュオカイザーの表情が引きつる。

 カヲスは、公式には二年前の決戦で死亡したことになっている。

 その本人が、これだけ多くのメダロットがいるメダロポリスへ現れた。

 

 この事実が広まれば、二年前の公式発表そのものが疑われる。

 エデンとラヴドが行った戦後の情報操作まで明るみに出れば、世間に大きな混乱を招きかねない。

 

デュオ:「シャインはカヲスに任せて、下の二人はぁの子達に任せて……。……ぁたしは一仕事しなきゃいけなぃゎねぃ……」

 

 デュオカイザーは端末を取り出した。

 そして、戦場とは別の仕事を始めた。

 

 

第二十七話【A good believer would have known】終わり

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。