強化人間がTSしたら魔法少女が戦う世界でメカ美少女になってました 作:Yura0628
「だから、考え直しなさい…」
「考えましたよ、考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて考えて………狂っちゃう位には」
「っ…」
息を呑む砂原支部長へ笑いかける。
頰が引き攣って上手く笑えてるか分からない、けど、なんか怯えられてる気がする?
まぁ確かに、四肢を失うって普通の人からすれば血の気が引く事だとは思う。だけど、イナズマちゃんは表情も変えず一切気にして無かった。…そう言えば、戦闘に不要なモノはオミットしたって言ってたから、痛みもやっぱり感じないのかな。
やっぱり人の形をしていても、中身はまるで違う。
それを、私はあの
魔法少女なんかじゃ無い、あれは、この世ならざるものだって。
「だからしょうがないんですよね」
この世ならざるものに近付くには、常識も倫理も捨て去って初めてスタートラインに立てる。ううん、それでも足りないかもしれない。だって私はイナズマちゃんの経験して来た事を体験出来ないんだから。
だけどせめてその位は…ね?じゃなかったら
私を焼き焦がしてしまうだろうから。
◇
「……はぁ」
遠ざかって行く背中を眺めながら、私〈砂原ユキ〉はため息を吐く。
ここの支部長になる前から私は、国内外問わず様々な魔法少女と関わって来た。中には反抗して来たり、魔法をチラつかせてくる様な娘も居たには居たけど、恐怖心を感じることは無かった。それなのに…
「何よあのプレッシャー…
あの時、桃色の瞳が輝いて、一瞬美しいと思ったのも束の間…彼女が笑みを浮かべた瞬間に全て消え去った。
完全に狂気に呑まれた人間の目は、昏くなるのでは無くあそこまで輝くものなの?と頭の端で思い、同時にこの少女にメンタルケアを施した方が良いのか思考を巡らせる…ただ狂気に呑まれた瞳の中に確かに理性の光も見えていた事が、私の思考を迷宮に閉じ込めたのだった。
魔法少女は元来、精神的に不安定になる事は少ないはずだ。自らが手に入れた魔法の副次効果によるものか未だに詳細は分かっていないが、仮に100人の魔法少女と一般人を集めた場合、鬱やPTSDなどの割合は明確に減る。
…だからこそ積極的に対魔獣戦に投入しようとする国家もあるから良い話ばかりでは無いけど。
(日本も人のことは言えないけど…ね)
まぁ一旦その話は置いといて、今は八雲の事だ。
…現状センチネル計画のテストパイロットに彼女を行かせる気は毛頭無い。そもそも、魔法少女でなくともS級魔獣に対抗出来るよう設計されているのに八雲が乗ったら意味が無い。
それにまだ若い彼女にやらせる位なら、いっそ私が…
「HEY!何暗い顔してるんデスカ!?」
「ひゃっ!?」
と、暗い気持ちを破壊するように響く明るい声。
そしていきなり後ろから抱き着かれて思わず悲鳴を上げてしまう。おまけに今の声…間違い無い。
「ソフィ!脅かさないでって何度も言ってるでしょ!」
「?脅かしたんじゃ無くて元気付けようとしただけデスヨ?」
私の腰に抱きついたまま首を傾げるプラチナブロンドの少女は、何も分かって無さそうに言うのだった。
「なるほどね、それで日本支部に来たと」
「だけじゃないですケドネ。働きすぎだってSisterに怒られちゃいましタシ」
てへ、とウインクをしながら言ってくるこの少女は、〈ソフィア・タリスマン〉。一見天真爛漫な海外美少女に見えるけど…その正体は彼女の想像が及ぶ存在全てを生み出せる、〈創造の魔法少女〉。
過去半年間の魔獣撃破スコアで定められる魔法少女ランキング、現世界一位だ。
「Yuki〜」
「…まったく」
なんて、
この娘と私が初めて出会ったのは、未だに私が魔法少女として活動していた時だった。瓦礫の中で両親を喪い泣き喚いていた幼い彼女を助けたのがキッカケなのだけど…ここまで懐かれるとは全く思ってなかったわ。
「ふぅ…堪能シマシタ!」
満足気に言い、顔をあげるソフィア。1筋の髪がぴょんと跳ねているのをそっと治すと、彼女は気持ち良さげに目を閉じる。
思わず頭を撫でてしまいそうに手を伸ばす…すると突如、彼女は再び体重を私に預けながら聞いて来た。
「ねぇねぇ、INAZUMAって魔法少女がこの支部に居るって聞いたんですケド…本当デスカ?」
「えぇ、イナズマはウチの支部がA級認定した魔法少女としてこの支部にいるわ。でもどうして急に?」
などと私が問い掛けると、ソフィアは星が閉じ込められた瞳を輝かせ、ずいを顔を近づけて来て言う。
「INAZUMAがメカ美少女だって聞いたノデ、絶対に会わなきゃじゃないデスカ〜!!あ、会うために魅力語った方が良いデスカ?なら…」
「ちょ、あの…」
「先ず見た目デス!切れ長の蒼い瞳に灰色のポニーテール、頭に取り付けられたバイザーゴーグルも最高デスシ、2の腕とか太ももとか露出させつつしっかりMechaっ!って印象が溜まりマセン!!まぁワタシ的には駆動部の機械が露出してるところがもっとよく見たかったんデスケド……それに映像見てもコウ、殴る時に握りしめられたマニュピレーターの造形美に思わず魅入ってしまいまシタシ、後それだけじゃなくてちゃんとパワーを活かしつつしっかり体術で戦ってタリ、腕からビームセイバー伸ばしてタリ!挙げ句の果てに?トドメは腕を変形させてドッカーンッテ!!そして最後には!!返り血を浴びた装甲〜〜〜!!!
「……そ、そうか」
でもHydraに攻撃が当たった後何も見えなくなっちゃったのが残念デシタ。と言うソフィアに頷くことしかできない。今あの娘は病院にいるのだけれど…言える雰囲気じゃないわね。
……後もしかしてだけど、魔法少女が狂うのって私に原因があったりする?
◇
「ッ…ハァッ!!」
「そうだ、踏み込んだ時のエネルギーを逃すな。己の体重を攻撃に有効活用しろ」
「前から思ってた…けどっ!貴方ってデリカシーな…」
「お喋りとは余裕だな」
余計な事を言い始めた品川アリサを
この医療機関で目覚めて一晩が経った今の俺達は、表には片腕を失った治療とそれに付き添う仲間として公表されているが、実際は治療など必要無いため、半ば放棄された病院の地下訓練場にて品川アリサと月宮ハルカの訓練を行っていた。
既に2人には俺に関する事を概ね明かしており、腕の欠損が大した事態じゃないと伝えると不承不承ながらも俺が病床から出るの納得してくれた。
ただ、八雲スズだけには唯一伝えられておらず、所在を聞こうにも今の俺は外部と接触出来ないため、やや困ってはいるが。
「ねぇねぇ!誰か来たよー!」
地面に倒れたアリサへ手を伸ばし引き起こすと、入口の方から月宮ハルカが大声で伝えてくる。訓練終了の指定時間はまだのはずだが、一体誰が?
事前に渡されていた外套を羽織り、入り口方向を注意深く観察する。
その瞬間、
-警告 既知のエネルギー兵器を捕捉 構造解析完了 連邦制式ビームライフルRF-5-
「ア!見つけマシタ!!」
角から現れたプラチナブロンドの少女が