強化人間がTSしたら魔法少女が戦う世界でメカ美少女になってました   作:Yura0628

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EP.12 鋼鉄の兵士

 

 

 

 

「説明しても良いが…先ずお前は俺の敵か味方か、どちらだ」

 

「質問の意図が不明。友軍同士で争う理由は当機の中に現在存在していない」

 

「なら良い。今データを送る」

 

言って俺は、この世界についてこれまで蓄積して来たデータをファルコン4に送信する。口頭で説明するよりも余程早く済むはずだ。そして、ファルコン4の言動に違和感を覚えたのか、見ていたプロフェッサーは首を傾げた。

 

「ふむ…?おかしいね、何で聖神体に私の意識干渉が機能していないのかな?」

 

「そもそも干渉出来ていなかったのだろう。俺達の意識構造は生物のそれとは根幹から異なるからな」

 

「何…?」

 

この反応、ファルコン4へ精神的解析は出来なかったと見て良いだろう。外科的アプローチは行ったんだろうが、それで分かる事など高が知れている。だからこそ精神干渉…恐らく機械化魔獣へ行ったものと同等の処置を行い、カプセル内で動力供給をした。

 

…外部電源の受容機構を利用したのは賞賛に値するかもしれないな。

 

ただ、アイアンソルジャー相手には無意味だ。ハッキングやウイルス、その他機体内に標準状態と異なる状況が発生した場合、それらは全て自動で体外に排出される。

 

故に、()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…凡その状況は把握した。先程同様の情報が得られているため、信憑性は高いと判断する。得られた情報から総合的に判断すると、この人型実態は敵対的存在と認識して構わないか」

 

「あぁ、脅威度は9。恐れる敵ではない」

 

「了解した—————ふぅ、とんでも無いことになったね」

 

ファルコン4の声音に、有機的特徴が戻って来た。感情抑制機構が停止したか…長時間の稼働は意識領域に影響を及ぼす、妥当な判断だろう。

 

無論、側から見ていた人間は困惑に包まれるだろうが。

 

「…すまない、私は今人生で1番困惑しているかもしれない。研究者として自身で解き明かしたくはあるが…君達は一体何者だい?」

 

「ん?僕達が何者か?そうだなぁ…」

 

「鋼鉄の兵士。最も端的に表すならな」

 

「あ、ちょっと!」

 

抗議の視線を向けてくるファルコン4を無視し、俺はプロフェッサーに視線を合わせる。既に奴の中で精神干渉が全く効果を発揮していない事は分かっているはずだ。となると、取り得る選択肢は限られる。

 

…俺達2人へ戦闘を挑んできても可笑しくは無い。

 

「鋼鉄の兵士…か。そっちの君を解剖した時に、私が抱いた感想と全く同じだねぇ」

 

「え、待って僕解剖されたの!?」

 

「殆どの場所にメスが入らなかったら、全然解剖とは言えないけどね。まぁ、君を発見した状況、材質、言動、どれを取ってもイレギュラーだ。片方だけなら確信は得られなかったけど、両方を並べて観察していると分かる…君達、魔法少女じゃないでしょ」

 

流石に辿り着くか。魔力がない時点で気づきそうなものではあるが、高練度の魔法少女は魔力の使用効率が極めて高く外部から検出出来ない事もある。それと勘違いしたのだろう。

 

今となっては好都合だ。仮に俺達が魔法少女とは異なる存在だと周知されたら全てが無駄になっていた。加えて、こちらにプロフェッサーを殺害する必要性が生まれた訳だが…

 

「んー、どうしようねぇ…ハッキリ言ってこのままだと私は君達に殺されるし、どうせなら研究成果を試してから死ぬとしようかな」

 

言葉の後、プロフェッサーは懐からアンプルを取り出し、そのまま口に含んで噛み砕く。

 

…すると途端に、プロフェッサーの体から大量の魔力が放たれた。何らかのアクションを起こすとは思っていたが、強化薬の類を摂取したか。

 

-警告 目標内包エネルギー量上昇中-

 

極めて濃度の高い魔力で、付近の植物が急速に色を失っていく。既に魔力のある環境に適応していた植物故に、それを与えられ過ぎた結果だろう。

 

「へぇ………ねぇイーグル1。あれって僕がやっても良いんだよね」

 

「構わないが…魔法攻撃に対する順応は不完全では?」

 

 

 

「大丈夫大丈夫、だって僕——————強いから」

 

 

 

聴覚センサーがその言葉を拾うのと同時に、俺の目の前からファルコン4が消えた。

 

 

…瞬間、ファルコン4の拳とプロフェッサーの拳が激突した事による巨大な衝撃が放たれ、炸裂音と共に周辺の地面がひび割れる。枯れた植物は例外なく吹き飛ばされ、半径30m程が一瞬にして荒地と化した。

 

「むっ!流石のパワーだねぇ!今の私が拮抗するのすら精一杯とは!」

 

「そっちこそ、よく分からない力使ってるにしても生身で僕に抗えるのは凄いと思うよ」

 

「それは光栄だ!」

 

叫び返しつつも力比べは不利と判断したか、プロフェッサーは飛び退きアンプルを取り出そうとして…やめた。

 

代わりに取り出したのは、右腕を覆うガントレット。見たところかなりの魔力を内包している…C.I.Sの様な機構を内蔵している可能性もあるか。

 

ただ、ファルコン4の目にはそうは映っていない様だ。

 

「即対策してくるじゃん!?」

 

「はははっ!!発明品は使わないとね!特に武器は!!」

 

言って再び拳を振りかぶるプロフェッサー。ファルコン4は腕をクロスさせてそれを防ぐが、インパクトと同時に紫の光が迸り、灰色の人型を後方へと吹き飛ばす。

 

轟音。

 

吹き飛ばされたファルコン4は山肌へ思い切り激突して周囲の地形を変えてしまった。あれがぶつかったのが特殊装甲材などであったなら傷も付いただろうが、生憎ファルコン4がぶつかったのは所詮土。

 

ただ、地中にめり込んだ事で直ぐには出て来れないだろう。

 

「…中々の威力だな」

 

「そうかい?これでも君が栄町で多用していたモノより大分威力は落ちると思うんだけどねぇ」

 

「いや、魔力という要素を加味しても、俺達の技術に準ずる段階にまで至っているのは素直に賞賛出来る」

 

「なら研究の甲斐があったというモノだ」

 

プロフェッサーは答えながらも視線をファルコン4の方向から外さない。

 

俺へ攻撃はして来ない、か。2人同時に相手すれば即終わってしまうのが分かっているのだろう。それに…「直ぐに」出て来れないとは言ったが、この「直ぐに」は、()()()()()()()()()()()()

 

—————山が割れた。

 

かつてこの地が白神山地と呼ばれていた時に起こっていたなら、国際的に大きな注目を集めていたであろう現象。

 

それを起こした人型は、静かに俺の横へ降り立つ。

 

「いやぁびっくりしたぁ…久しぶりにまともに攻撃喰らった気がするよ」

 

「なら良い教訓になったな。彼我の戦力差がどれだけあろうとこれは実戦。何かが起こってからでは遅い」

 

「そうだね…」

 

特に、魔法が存在するこの世界では俺の二の舞になる可能性がある。ただこの程度、言われなくても分かってはいるだろうが。

 

「見たところ損傷は一切なし。とんでも無い防御力だねぇ…流石に少しショックだよ」

 

「抜かせ、口元の笑みが隠せていないぞ」

 

「おっとこれはこれは…」

 

自分の発明品を試せるのがそれだけ嬉しいのか、ニヤニヤとした笑みを浮かべつつ再びプロフェッサーはガントレットを構える。

 

「本当はもっと試したいんだけど、生憎多くはラボに置いてきてしまってねぇ。このガントレットだけでも性能限界まで試させてくれよ?」

 

「良いよ、やろう。代わりに、僕も本気を出す」

 

「おい待て、エクスクルーシブユニットを使う気か。万が一地面に着弾したらどうなるのか分かっているんだろうな」

 

「当たり前だよ、と言うか君も一回使ってるじゃん」

 

「あれは非常事態だったからだ。それに標準の調整は怠らなかった」

 

なら僕だって。と言いながら、ファルコン4は右腕を構えた。

 

途端に右腕が割れ、展開された装甲の隙間から蒼白い燐光が漏れ出てくる。そして先端に集約されるエネルギーは、莫大。

 

ここまで来ると、止める方が危険だ。まぁ、推定射線軸上200km以内に物体が存在しない以上、無理に止める必要も無いか。

 

「これは……なるほど、通りで一切余裕が崩れない訳だ」

 

「まぁ切り札はこれだけじゃ無いんだけどね。でも今僕が使える最大火力ではある」

 

「良いねぇ…!こちらも心置き無く全力を出せるッ!」

 

…流石にこのままは不味いか。

 

-対爆機構作動 カウンターショック準備良し-

 

腰を落とし、俺は眼前で構え合う2人の様子を視界に捉える。両者を中心にエネルギーの奔流が渦巻きそして———————

 

 

 

 

烈虚拳(アームドノヴァ)!!」  「C.I.S インパルス」

 

 

 

 

 

 

 

 

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