悪夢が参る!   作:海鵜白鷺

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お気に入りがプロローグの時点で5件も…あわわわわはわわわわ
感想も一人の方からいただきました。
ありがとうございます。

ようやくこの小説の本編に行きます。
文字数は適当なので短い話もあれば長くなるときもある…
原作開始前から始まりますので数話は原作キャラが登場しないかも…
なるべく早期の登場を視野に入れなければばばば
では、どうぞ


夢であるように 1

千年の栄華を誇り今なお君臨する帝国がある。

帝都はそんな帝国を代表するひとつの要素だろう。

貴族や庶民といえど帝都に暮す人間は比較的裕福な人間が多い。

帝都には多くの夢を見る若者や荒くれ者たちが軍へと志願するほどだ。

 

だが、それには大きな理由がある。

 

あるものは力を、あるものは欲望を、あるものは金を。

そのすべてを手に入れることのできる場所が帝都にしかないのだ。

言い方を正せば帝都以外に働き口が無い。

周辺の村では農業などで生計を立てるものも多いが、雀の涙も同然だった。

自分たちの生活が苦しい辺境の田舎者にとってみれば、帝国は大きな稼ぎ場と言えるだろう。

 

そんな村のひとつ、帝都から見て北の方角に小さな村があった。

名もない小さな村だ。

だが人々はみな明るく振舞い、苦しさを感じさせない。

生きていることが素晴らしいというように感じさせる。

その村の近くの森で雪の中、三人の若者が狩りをしている最中だった。

獲物は凶暴化した熊である”リズリーグベア”だ。

山に住む動物の中でも加工品や肉は重宝される部類に入り、辺境に住む村人たちにとってはご馳走である。

だが、弱肉強食の自然に生きている両者の間に油断は無く、今この場は生か死かのみが存在する。

リズリーグベアは自身の大きな巨体を武器に腕を振るい、時には木々をなぎ倒して攻撃してくる。

それでも体長が2メートルもあるであろう相手にも臆することなく三人は絶妙なコンビネーションで戦っている。

 

「やぁぁぁぁ!」

「うりゃりゃりゃりゃりゃああああ!」

 

そんな熊の目の前で自分の武器を振るう三人のうちの二人。

一人は青紫の長い髪を纏め邪魔にならないように後ろへとやっている青い瞳と自分の背丈より大きな剣を背負ったのが特徴の女の子。

大きな掛け声とともにその重量を活かしながら、しかし自分が武器に振り回されること無く戦っている。

その女の子と肩を並べて刀身が細い剣二つを巧みに操り獲物を追い込んでいく真っ赤に燃えるような赤色をした短い髪と瞳の男の子。

逆手に持ったり順手に持ち替えたりと手数で攻める戦い方で爆発的な攻撃力がないのを補っている。

二人の息つく暇も無い攻撃は獲物の体力を着々と奪っていく。

だが、獲物がそれを黙って受け続けることはない。

 

「グァァァァァ!」

 

近くにいた二人は大きな咆哮をあげられ、咄嗟に耳をふさぎつつ後ろへと下がってしまう。

その隙を見逃さなかったリズリーグベアは状況が不利だと本能で理解したのか二人が下がった場所とは違うほうへと駆けていこうとする。

 

しかしそれは突如飛来した三本の矢によって叶わぬものとなった。

 

脳天、喉、心臓の部位を的確に突き刺した三本の矢は体力を消耗したリズリーグベアの命を奪い、リズリーグベアはゆっくりとその巨体を地面に倒した。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「まーたトウヤがいいとこどりかよぉ!お前もちょっとは前でて戦えって!」

 

「別にいいだろ?逃げられそうなところだったんだ。それに俺は弓なんだから前に出れるわけないじゃないか」

 

「…二人とも喧嘩…ダメ」

 

獲物を仕留めたあと村への雪道を三人で進んでいる。

三人ともおそろいの防寒具に身を包み、背には各々の武器を背負っている。

仕留めたリズリーグベアは自分たちが乗ってきた荷車に載せ、運んでいる。

そんな中赤髪の少年は、トウヤと呼んだ黒髪と碧眼が特徴の少年に向かって先の戦いを愚痴っていた。

どうやら自分が止めをさせなったのが悔しいようだ。

 

「大体、お前が得意なのは家においてあるあのデカイ折り畳みできる鎌だろ~?それでよかったじゃんか~」

 

…否、どうやら戦い方が気に食わなかったようだ。

それを苦笑いしながらトウヤは言う。

 

「あれは狩りには向かないだろ?あんなの振り回してたらハルとミーナの首を間違えて飛ばしそうだ」

 

「うげっ!?そ、それは勘弁してほしいぜ…」

 

ハルと呼ばれた赤髪の少年はげんなりしたように俯き肩を落とす。

二人の間に挟まれた少女、ミーナは少しオロオロしたように二人の顔を見ながらいう。

 

「…喧嘩ダメ…皆仲良く…それがミーナはいい…」

 

「喧嘩じゃないよミーナ、ちょっとハルで遊んでただけだ」

 

「待て!俺で遊ぶって何だよ?!遊びで首が飛ばされてたまるか!」

 

「いや、それは冗談だから本気にするなって…」

 

「…むぅ…仲間はずれ良くない…ミーナおk「「ごめんなさい」」……冗談…」

 

二人が自分を挟んで言い争いをしているのを仲間はずれにされたと思うミーナの言葉に瞬時に反応してしまう男二人。

それもそうだ、今三人のうち荷車を動かしているのが他ならないミーナであるからだ。

自身よりも大きな武器を軽々振り回すその怪力はハルもトウヤも痛いほど理解している。

そのうち三人は先ほどの狩りの話を織り交ぜながら村へと帰っていくのだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

外は雪が降っている。

もうすっかり日も暮れて夕飯も食べ終わり、トウヤは自分の部屋でベットに寝転んでいた。

天井を見ながら思い出すのはここに来る前のこと。

ここに来る前、すなわち前世で起きたこと。

 

トウヤは転生者である。

 

前世で人を信じることができなくなる出来事を経験し以来人と接することを拒みつつ別世界へ行くことを望んだ。

その結果、自分は前の世界でなんともいえない死に方をして自らを邪神と名乗る存在から特典を3つもらいこの世界へと生まれ変わった。

しかし、齢17の人間が最初から自我を持って生まれたのにはさすがにトウヤ自身も考えが至らなかったとしか言えなかった。

赤ん坊から始めることになった生活は思春期真っ盛りの思考を持ったトウヤにとって拷問に他ならない。

まさか、本当に生まれたときから人生をやり直すとは思っていなかったからだ。

 

「話し合いのときにやっぱり言ったほうが良かったのかなぁ…」

 

そう思わずつぶやいてしまうほどつらかった。

徐々に慣れていったとはいえ最近まで割り切れなかったのだ。

だが、それ以上にトウヤは心配していることがあった。

 

「俺の特典…いつになったら使えるんだろ…」

 

生まれ変わる世界を教えてもらいそこに来る転生者たちを狩るために力の大半を失ったと語った邪神からもらった力。

だが、もらった特典もいまだ使うどころかどうやって使えばいいのかすらもわかっていないのが現状だった。

前世で見てきた二次小説ではすぐに使えたり意識して使えるようになったりある日突然開花したりと様々だったが、トウヤの場合能力の”の”の字も感じることすらできない。

これから自分が巻き込まれるであろう戦いの前にもらった力が使えないのでは意味が無い。

 

「…よく考えりゃ三つとも選んだの独特だよなぁ…もうちょっとメジャーなの無かったのか俺…」

 

どこぞの英雄王だとか、ベクトル使いのあの人だとか考えたらいっぱいあるじゃんと今更後悔するトウヤ。

それでも一つ目と二つ目の特典は人をやめたといっても過言ではないだろう。

不死を持つ主人公たちと戦場を一人で荒らすことのできるような人物ひしめくゲームの力を十全に扱えるのだ。

戦えないと言うことはない。

それでも心配せずにはいられなかった。

 

「”アカメが斬る!”だもんなぁ…いや、確かに好きだったし読んでたけどさ…そこに好んでくる転生者とか絶対あぶねぇ奴らしかいない気がする…」

 

――――――アカメが斬る!

 

腐敗した帝国の闇を葬る殺し屋集団・ナイトレイドの戦いを描いた漫画である。

トウヤ自身前世で彼が引きこもる前にある人物から押し付けられた漫画で、読んでみたらハマってしまったのだ。

その人物からアニメやライトノベルの洗脳ともいえる布教活動に見事つられる形でその世界に脚を踏み入れた彼を見て、件の人物は涙を流して喜んでいたと言う。

 

閑話休題。

 

そんなこともあったと思いながらトウヤはこの村のことを気にかけていた。

自身がこの世界に生まれて世話になった第二の故郷。

しかも生まれた家はその村を仕切る長老に当たる立場で一族もその村を拠点にして農業や狩猟に勤しんでいる。

裕福とは言えないがそれでも村一番の金持ちであることには違いない。

それでいてこの家の人間はみな人柄がよく、村の人間からも慕われている。

村が明るい雰囲気でいられるのもこの家の頭首の人望の厚さによるものだ。

無論、トウヤ自身もそんな自分の両親が好きだった。

 

「…前の世界じゃ、こんなの無かったもんなぁ…」

 

比較するべきではないだろうがどうしても比較してしまうほど、今の生活は心地よかった。

 

前よりも、笑えることができるようになった。

 

前よりも、人を信じていいと思えるようになった。

 

前よりも、生きていると実感できるようになった。

 

携帯電話もパソコンもゲームもゲーセンもない。

娯楽施設だってないし毎日贅沢できているわけでもない。

時には狩りで死にそうになったことも沢山あった。

 

それ以上に周りの人たちが、暖かかった。

 

「…神様、名前も聞いてないし自分で邪神だって言ってたけどさ…俺、今すごく幸せだよ。家族がいて、友達がいて、心配してくれる人がいて…今俺は幸せだと、生きてるんだって初めて思えたよ…だから」

 

”ありがとう”

 

口には出さない。

目の前にいるわけがないし自分のことを見てるとは思っていなかったから。

それでも心の中でつぶやく。

そしてため息をつく。

 

「前々から思ってたけど、独り言とため息は直らないもんだなぁ…」

 

思わず前世から続いていた自分の癖に苦笑するトウヤ。

そうして自分の枕元においてあるランプを消すと、布団にもぐりこの生活に何度しかわからない感謝をしながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――帝都

 

表は栄華を誇る煌びやかな世界

 

誰もが夢をみて成功することを望み憧れる

 

だが 美しい花にはトゲがあるように

 

この場所には 人の形をした醜悪な化け物が多く潜む

 

その毒牙は 恐怖を煽り人々をより絶望させるがごとく

 

平穏というオアシスを 不治の病のごとく蝕む

 

故にトウヤは気づかない 気づけない

 

彼の平穏を 希望を 安らぎを

 

守ることができないということを

 

真の絶望が 彼を悪夢へと誘うことを―――――

 




どうも皆様読んでくれてありがとうございます。

さっそく更新いたしました悪夢が参る!
数話はオリジナル展開で原作前での話を続けます。
主人公たちがタツミとサヨとイエヤスを変えたようにしか見えない…
でも少し意識してました(汗
早速オリキャラ登場してますが、原作前に出てくるオリキャラはみな死ぬでしょう(ガクブル
トウヤ君にはとってもつらい思いをしてもらいます(ゲス顔
話の展開的にね、シカタナイヨネ!

さて、どこかで主人公の設定なりなんなりを入れたいわけですがいかんせん見切り発車のような状態で始まったこの小説。
唐突に消える可能性は十分ありえます。
感想や質問などは随時お待ちしております。
次はいつ更新するかまだ決めておりませんが、また会いましょう。では!
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