これは俺が呪術廻戦での最強の炎使いになるまでの物語 作:華々
最初俺は当主からの直々呪霊討伐任務と聞いてワクワクした。どんな強い呪霊を相手にできるのかどんな術式を使う相手なのかワクワクしたが話を聞いてみたら、たかが一級の呪霊を一匹仕留めてこいって。
「拍子抜けだよなぁ〜」
「そんなこと言わないでください燈真様。」
がっかりだ、と言わんばかりの態度を出していると隣のレジャーシートに座る灯里がだらけた態度をして座っている俺を叱ってくる。渋々ただ住まいを整えて灯里に愚痴る。
「だけどさぁ〜次期当主を決めるための試験なんでしょこの任務って。たかが一級呪霊を仕留めてこいって、五歳児のお使いじゃないんだがらもっと厳しいやつかと思ったのに。」
具体的に言えば自然を恐れる心から生まれた自然呪霊とか、伝承が捻れて伝わり呪と化した特級仮想呪霊とかを相手にすると思っていたのに肩透かしもいいところだ。
今回の任務の呪霊も相当特殊な術式でもなけりゃ直ぐに終わっちゃうだろうな。
「修業にならない。」
「しょうがありませんよ。基本的に特級呪霊なんて一人で戦うような相手じゃないですし、次期当主としての資質を見るための試験ですので試験者をみすみす殺してしまうような難易度ではいけないですからね。」
「でもさぁ〜」
納得できずバシバシと車のシートを叩くと灯里が自分の服のポケットに手を突っ込み何かを探すような動作をするとポケットから手を抜き取りお菓子を出してきた。
「燈真様落ち着いてください。ほらお菓子でも食べてください。」
「お菓子!?」
「ええあなたの好きなチョコの物もあるので機嫌を直してください。」
「うん!」
うまうまと食べる燈真。
彼は呪術廻戦の世界に転生した事を自覚して七年、彼は転生した当初の最強の炎使いになるという決意と前世で読んだ呪術廻戦の記憶以外の記憶がおぼろげになっており、なおかつ肉体に精神が引きずられ彼自身は気づいていないが精神が体に引きずられ子供のそれとなっている。
まあそれを気づくものはいないし、世話をしている灯里も子供らしくお菓子を食べ口元をチョコまみれにしている燈真に胸キュンしているぐらいなので特に問題はない。
そんな2人を見た運転手はアクセルを踏み目的地まで急ぐ。
今回の任務地は1年前に起きた土砂崩れの現場だ。
復興の目処も立ち道を覆っていた土砂を取り除く工事が始まったのがつい先月のこと。作業の中真っ昼間でありながら10人もの人数が木に絡み締め憑かれるように死んだ変死体を発見した。
現場には呪霊の物と思われる残穢が見つかっておりなおかつ一級相当の呪力量を持っていることが分かったためちょうど良いと当主候補選抜の試験に使われることになった。
(これ花御の仕業じゃないよな?)
思い出すのは自然呪霊組の一人である顔から枝を突き出しているのがポイントのカチカチボディの花御。花御も確か木を操る描写が多くあった。さすがに一級相当の呪力量しかないってことは違うかもしれないけどもしかしたら呪胎って可能性がある。
今は原作のおよそ3年前。羂索は暗躍しているだろうが恐らく自然呪霊達とはまだコンタクトを取ってないと思う。原作の3年前に接触して行動を共にしていたら腹芸が上手い羂索だろうと漏湖とかに見破られているだろう。
花御がいつ頃生まれたのかは知らないがつい最近生まれ3年間かけて呪胎から成長して原作の姿になった可能性はある。
ここで殺したら未来がどうなるか分からない。
もしかしたら戦力が低下したことを危惧して羂索が宿儺を使っての暗躍をするのを延期するかもしれない。
まあ、やってみてからじゃないとわかんないか。
「やるだけやってみよう。」
「燈真様現地から三百メートル離れた場所に到着しました。ここからは一人で現地にまでお願いします。」
「ん。ありがとう。」
「今回私は燈真様の命が危険に追いやられる一歩手前の状況でないと助けに行けません。どうかお気をつけて。」
「りょ〜かい」
歩きながら灯里に手を振りながらどんな呪霊がいるかなと舌なめずりしていると灯里により帷が降ろされた。
帷により周囲が暗くなり帷の効果で呪霊が視認しやすくなった。
「さて、どこかな。っ!」
(後ろから呪力反応!この呪力は灯里のじゃない。ってなると呪霊!!)
咄嗟に足に呪力を集中させその場から離れる。一拍後先ほどまで俺が立っていた場所を幾本の木のツタがアスファルトを突き破りながら絡まり合い互いの力で圧壊した。
「なるほど、報告書通りの力だな。」
見ると先ほど俺が立っていたその少し後ろにまるで幽霊のように顔をうつむけながら悠然と佇む木の枝が集まりあって生まれたような姿をした呪霊がいた。
顔をこちらに向けたソイツの顔はまるで木の洞のようで暗い穴をこちらに向けギチリッと笑うかのように首を傾げている。
「知性はなさそうだな。杞憂だったか、これで心置きなくぶち殺せる。」
俺は呪力を更に滾らせるとボッ!と炎が吹き上がるように呪力が波打つ。いや実際に俺の身体からは炎が吹き出している。発せられた炎は大気を温めアスファルトをなめるかのように温める。
これが煉城家特有の体質である呪力に炎の性質を持つ、呪力特性。
「小手試しに、えい」
俺は呪力操作で呪力の玉を相手に放つと呪霊は俺の呪力が自身の天敵だと思ったのかアスファルトを突き破り複数のツタを出現させそれを盾にすると自身も後ろに飛び退き俺の呪力いや炎から離れる。
なるほど知性はないけど自分の危険を認識できる程度には知能があるんだ。
感心したように観察する俺を不愉快にでも感じたのかツタを今度は…いくつだ?30ぐらい出すと呪霊はどこから出しているのか耳障りな奇声を上げながらそれを槍のように俺に突き刺そうとしてくる。
「う〜ん。まあいいか、避けなくて。」
俺はそれに回避動作をするわけでもなく正面から受け体中を槍のようなツタに突き刺される。そんな俺を見た呪霊は奇声を上げて何だか分からない喜びの舞を踊っている。がもちろん、
「…あんまし威力もないな。」
効いてるわけ無いんだが。
ボッボボボボボッッッ!!と炎がツタを包み一瞬で灰に変える。そんな様子を見て呪霊は驚愕にか動きを止める。
いろんな角度から攻撃できるし将来宿儺と戦うための練習にでもなるかと思ったけど、期待外れだな。お前が花御じゃないってのももう分かったから、終わらせようか。
その言葉と同時に先ほどまでと比べものにならないほどの業火が辺りを覆う周囲の空気が焼けアスファルトが焼け溶ける。離れた場所の草木も自然発火をするほどの高温。
そんな炎生み出した術式の名は灼煉呪法。
超高熱の炎を生み出しそれを操る術式。だが真の能力は、
灼煉。
その言葉が紡がれると辺りを燃やしていた炎は構えている俺の拳に集まり凝縮していく。炎が本来発さない、ギチギチという音を出しそれに反応した呪霊が一歩二歩と後ずさりをする。
術式の名になっている灼煉。
この術式の真の真価とは炎を自在に操ること、だけじゃない。炎を操り凝縮、圧縮、超圧縮し高熱である炎を更に超高熱化させること。この事を煉城家は灼煉と呼び灼煉呪法を持って生まれた子は呪力操作と同時に最初に学ぶ基礎でありながら熟達した術師が使えば奥義にまでなりうる技術。
これを十全に使うには術式の習熟だけでなく呪力特性の炎の性質が必須。
それを俺はどちらも持ち合わせている。ならばどうなるか、
「呪霊よ、俺の最強への道の糧となれ!」
『灼煉・赫焔衝!』
拳を振るう。その瞬間『轟ッ!』と空気が裂かれるような音が鳴ったかと思うと凝縮した炎が打ち出され空気を焦がしながら呪霊に迫る。
呪霊はどうにか死ぬまいとツルを必死に伸ばし盾にするが灼煉を行った炎には超高熱化だけでなく概念的な重さが加わる、そのため灼煉と化した炎がツルに着弾したかと思うと炎がまるで砲弾のようにツルを引き裂きついに呪霊をも飲み込み胴体を吹き飛ばす。
ドシャッと呪霊の残った体が地面に叩きつけられサアっと胴体と接していた部分から炎が伝うかのように燃え残滓も残らず燃え尽きる。
それを確認すると帷の端に向かう。
「良し終わった。たく、碌な呪霊じゃなかったな。」
そんなことを愚痴っているとキュルル〜と腹が鳴る。
「お腹空いたな。灯里〜!腹減った!」
「お疲れ様でした燈真様。見事なお手前でした。」
見ると灯里の後ろではここまで車を運転していた運転手がパチパチと拍手している。それにふふ〜んと自慢げに胸を張る。
「当主様から下されていた任務も終わったしご飯にでもいきましょうか。燈真様、何が食べたいですか?」
「う〜ん…お寿司がいいな!サーモンが食いたい!」
「わかりましたでは市街地に戻りお寿司屋さんにいきましょう。――さんもご一緒にどうですか?」
「いいんですか?ではご相伴にあずかります」
灯里は運転手も誘い街へと戻ると一緒にお寿司を食べた。
ちなみに、うまうまと頬をパンパンにして口に寿司を詰め込んで幸せそうに食べる燈真を見て鼻血を垂らしながら写真を撮る灯里が居たとか居なかったとか。
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裏話コラム
『灼煉呪法』
超高熱の炎を生み出しそれを自在に操ることのできる術式。
灼煉は生み出した炎を超圧縮し超高熱化、概念的な重さを付与する技術でありこれを灼煉化と言い灼煉化した炎は赤黒く変化する。
呪力操作と術式練度により灼煉の精度が上がり威力も上がる。
灼煉は灼煉呪法における全てであり灼煉化した炎としていないものでは天と地ほどの差がある。
煉城家はこの術式を相伝術式のなかでも高く評価しており大呪縛により四割の確率で灼煉呪法を持った子供が生まれる。
『炎の呪力特性』
呪力が炎の性質を持ち例え術式が使えないような事態があっても呪力特性により相応の戦いをすることができる。
灼煉では術式による炎と呪力特性による炎を加算でき呪力特性を持たないものとは威力が数段差が出る。
煉城家での相伝術式と呪力特性の価値は、
炎の呪力特性>灼煉呪法>他の相伝術式>術式無し+呪力特性>>>術式無し
となっている。勿論呪力特性と灼煉呪法の抱き合わせを持っていればなお良いが灼煉呪法よりも呪力特性があるかどうかが第一に重要視されている。
炎の呪力特性さえあれば他の術式にも効果を乗せることができるため威力の増強を行えるので呪力特性が特に重要である。
呪力特性を持って生まれる確率は9割を超えていてほとんどの場合持って生まれてくるがもし持っていなかった場合、持っている術式を確認するため5歳まで待ちその術式に応じて分家に引き渡される。
ようやく術式出せた…
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