なんでも話せるダウナー系の美少女と、「試しに付き合ってみる?」ってなって付き合ってみたら最高のパートナーすぎた   作:オリウス

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バレてないと思った?

 午後の授業が終わり、放課後。机に突っ伏す栞の肩を揺する。

 

「おい、起きろ」

「あれ、琢磨? もう放課後か」

 

 栞はぐっと伸びをすると、欠伸を噛み殺す。

 

「なんで欠伸しないんだよ」

「琢磨の前で大口開けるのが恥ずかしい」

「お前そんなこと言うタイプだったっけ。てか今までも何度も見てきたし」

「恋人に見せるのが恥ずかしいの」

 

 そういうものなのか。俺は苦笑すると頬を掻く。栞は帰り支度を済ませると立ち上がった。

 

「行こっか」

 

 そう言って手を差し出してくる。

 

「ふーラブラブだねぇ」

 

 翼が横から茶々を入れる。正直学校で手を繋ぐのは恥ずかしいのだが。だが、栞は「どうしたの?」と小首を傾げている。

 俺は溜め息を吐くと、栞と手を繋いだ。

 わかってきたのだが、栞は俺と手を繋ぐとご機嫌になる。目は眠そうだが、鼻歌を歌っている。

 

「今日もデートしよっか」

 

 栞が俺の顔を覗き込んでくる。

 

「お前やけに積極的だな」

「だって琢磨はもう私のものだし」

「お前のものになった覚えはないが」

「誰にも渡さない」

 

 栞って意外と独占欲が強かったんだな。付き合い出してから、栞の意外な一面を見る機会が増えた。あれだけ長い付き合いだったのに、まだまだ俺は栞の素顔を知らなかったわけだ。

 

「で、どこ行くんだよ」

「琢磨の部屋」

「俺の部屋かよ」

「ダメ?」

「別にダメじゃないが」

 

 栞を俺の部屋に呼ぶのはいつものことだ。そこに特別な意味はない。だが、栞の目がいつも以上に鋭いのが気になる。

 

「じゃあ行くか」

 

 俺はそう言って栞を引っ張って歩く。栞は俺にぴったりくっついて身を寄せてくる。

 

「琢磨とくっついてると、疲労が回復するんだよね」

「なんじゃそりゃ」

「私に必要なのは琢磨成分だったんだ」

 

 わけのわからないことを言いつつ、微笑む。俺と付き合い出してから栞はよく笑うようになった。前までは笑っても口の端を少し緩めるだけで、大爆笑とかはなかったのだが。いや、今でも別に大爆笑しているわけではないけど。ただ、笑顔を見る機会が増えたと感じる。

 家に着いた俺たちは玄関のドアを開けて中に入る。母さんの靴がない。どうやらどこかに出掛けているらしい。

 俺は栞を自分の部屋に招き入れると、制服を脱ぐ。栞はベッドに腰掛ける。

 

「お前さ、男の部屋に来てすぐベッドに座るのやめろよな」

「なんで?」

「誘ってるみたいになるだろ」

「誘ってるんだけど?」

 

 真顔でそんなことを言う栞。

 

「むしろ、いつ手を出してくれるのかなって思ってる」

「お前な」

 

 俺は溜め息を吐くと、その場に座る。

 

「言っただろ。そう簡単に体の関係になっちまったら上手くいかなかったとき後悔するって」

「後悔、するかな? 琢磨と寝たら、いい思い出になると思うけど」

「お前はもう少し貞操観念を持て」

 

 栞のおでこにチョップする。

 

「私と琢磨はさ、きっと上手くいくよ。だって今までだって上手くいってるし」

「それは友達の時の話だろ。恋愛になったら変わることは多いって聞くぞ」

「でも今のところ上手く付き合えているよね? そんな先のことを気にしてやりたいことを我慢するのって、なんか変」

「それはだな」

 

 俺は頭を掻く。栞の言うことも一理ある。確かに先のことに不安になりすぎてそういう行為をまったくしないっていうのも問題だ。セックスレスは夫婦の離婚の原因になると聞くし。

 だが、それとこれとは話が別だ。俺にとって栞は大事な人間だ。そういう体目的みたいなのは俺としてはしたくない。ちゃんと栞と向き合って、この恋愛を上手くしたいという思いがある。

 

「それにさ、バレてないと思った? 私と手繋ぐだけで、勃ってるでしょ」

「う……」

 

 その突込みは想定外だった。まさか見抜かれていたとは。

 

「恥ずかしいことじゃないよ。童貞だったらそうなって仕方ないもん」

「童貞で悪かったな」

「むしろ嬉しいかな。私とするのが初めてっていうのがすごく嬉しい」

 

 栞の下ネタトークに釣られて、会話がだんだんそっち方向に誘導されていってる。

 

「そんな話ばっかりしてないでさ、他の話しようぜ」

「嫌。もっとそういう話がしたい」

 

 拒否された。まさかの返事に動揺していると、栞が俺の肩を掴んだ。そしてそっと力を加えてくる。

 俺の体は電源が切れた機械みたいに簡単に栞に押し倒された。

 

「琢磨のここ、テント張ってる」

「そりゃこんなことされたらそうなるって」

 

 栞がそっと顔を近づけてくる。そっとキスをされる。二回目のキスで栞は俺の口内に舌をねじ込んできた。舌を絡めとられ、唾液の交換を行う。

 栞が口を話すと、うっとりとした目で俺を見てくる。

 

「ズボンのここ、染みができてる。我慢汁ってやつだよね、これ?」

 

 栞に指摘され、俺は恥ずかしさで顔を背けた。

 

「こんなになってるのに我慢するの?」

「するよ」

「意思が固いね」

「当たり前だろ。お前のことが大事なんだ」

「嬉しいよ。そこまで私のこと考えてくれてるの。でも……」

 

 栞は怪しく目を光らせると、舌なめずりした。

 

「私は今、琢磨としたい」

 

 こんな誘惑抗えるわけがない。普通女子ってセックスを忌避するものだと思っていたが。栞の甘い誘惑は俺の脳を蕩けさせる。

 

 

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