更新タイミングはあんまり考えていない。
頻度的に昼か夕方以降かなぁ
まあ、ストックと仕事を考えると、とりあえず週に最低一話投稿できたら良いなぁ
そんな訳で今週分のノルマは達成である()
今日も今日とて商売。
とはいえ、今回は珍しくカイザーの兵士さんからだった。
「買取のにーちゃん、これ売れるか?たまたま拾ったんだ」
そう言って差し出されたのはプラモデルの箱。
それは、とてもとても懐かしきキットだった。
「五十万ッッ!?そ、そんなに良いのかよ!?」
「キヴォトスじゃ絶対に売られてないキットだからね。こうもなろう」
「そ、そうか……」
態度の豹変に困惑しながらも、振り込まれた五十万円の電子マネーに心なしかホクホク顔で帰るカイザー兵士。
そんな彼が持ってきた品はガンプラのキットだ。
「フルアーマーガンダム……あのジャズ、もう一度聴きたいなぁ…」
サンダーボルト版フルアーマーガンダム。
作中のスペースコロニーを破壊されて難民となった人々の軍志願者の集まりである、ムーア同胞団に配備された火力と装甲、機動力も向上させたまさに敵にとって悪魔のガンダム。
四枚のシールドは防御だけでなく、主戦場のデブリ帯の……って、解説に浸ってないでニッパーと墨入れペンを持ってこなきゃ。
素組だけど、久しぶりにガンプラを組む喜びってのを感じたいんだよ…!!
それからユメちゃん達が来るまで、飯も忘れてガンプラを組んだ。
ユメちゃん達が来る頃には粗方終わっており、実に満足したぜ。
「なんです?コレ」
勿論、店のテーブルの上にそんなのがあれば聞きたくなるのは当然で。
ホシノちゃんが興味津々で眺めていた。
そんなホシノちゃんに釣られてか、ユメちゃんもフルアーマーガンダムを眺め始める。
「カッコいいですね!なんて名前なんですか?」
「フルアーマーガンダム。ジャズが聞こえたら俺が来た合図だ」
「すみません、ちょっと似合わないです」
「今日も辛辣なコメントありがとね、ホシノちゃん!」
確かにカッコつけて意識したイケ声ってやつをしたけれども!
白けたような目付きのホシノちゃんに「うへへ」と誤魔化しつつ、今日の掘り出し物について聞く。
「それで、今日の掘り出し物は?」
「これをお願いしまーす!」
俺の言葉に、ユメちゃんが背負っていたバッグを
下ろして中身を取り出す。
ホシノちゃんも、肩にぶら下げていた袋を下ろして掘り出し物をテーブルの上に置き始める。
その中で、最初に気になった物を手に取った。
「おや、これは黒曜石じゃないか。結構綺麗だな」
俺は鉱石の鑑定士なんかではないから後で専門の人に鑑定してもらうとして……俺は綺麗な漆黒の石に思わず感嘆の声を漏らしてしまう。
「だよね!だよね!私も綺麗だなぁって、拾ったんだ!」
「ユメ先輩、たまに良いもの拾いますからね。大半はスクラップを見つけますけど」
「ひぃん…」
「ククク……当たるも当たらぬも八卦ってやつだよ。これに関しては専門の人に見てもらってから、後で振り込んでおくよ。次は…これだな」
お次は、なんかすごく見覚えのある奴。
無骨ながら巨大で重量感のありそうな……バスター○ードのストラップだった。
モノホンじゃないだけマシか。
「懐かしいなあ…」
「これが何か知ってるんですか?」
「バスター○ードのストラップ。とあるゲームのアイテムなんだけど、まあキヴォトスにはないね……」
「前々から思ってましたが、なんでキヴォトスにない物がここにあるんです?」
「俺も知りたいよ……でもこういうの目的でここに来たのが大きな理由だね」
これはコレクション棚に入れとかなきゃな~と、考えつつ次の掘り出し物へ。
「な、ナイトガンダム物語……!?」
ふぁ、ファミコン!?
だ、だがしかしソフトは円盤!
つまり、これは俺の知らないガンダムだと!!??
「これはホシノちゃんが掘り出したんですよ~!高値で売れるって、断言してたし!」
「い、言わないでくださいユメ先輩!」
と、恥ずかしそうなホシノちゃんと自慢気に話すユメちゃんを蚊帳の外に俺は感謝感激のあまり、思考と感情を天元突破させる。
「フオォォォォォォォォー!!!!!!」
この直後、ホシノちゃんにビンタかまされて壁に張り付く事になったけど元気です。
ちなみに支払い額は二百万。
勿論、二百万分はナイトガンダム物語である。
パッケージを見る限り、全部収録されている…んだろうか。
プレイできる未来を楽しみに想像しつつ、再び大金を手に入れられた喜びのあまりホシノちゃんが変な笑みを浮かべながら帰る二人を見送ったのだった。
見送った後、普段使いしてるスマホにとあるメールを受信していた。
黒服、と名乗ったメールの差出人は日時と場所を指定しており、鑑定と買取を求めているようだった。
行く前に装備を整えておかなければな。
こういうメールは本物か罠か、はたまたただのイタズラか…なんて考えられる頭は俺にはない。
金になるビジネスならやる。
自分を失うことなく、生きるためならそうするしか俺にはないのだ。
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Utaha After...
彼と出会ったのは中学生の頃だった。
まだ工学の道を歩み始めて初心者からようやく中級者に上がりたてだった私は、ひたすら分解と組立に勉強を重ね続ける日々だった。
ロボット作りもまだまだ技術不足で、形を成していない物が多かった。
そんな未完成品達を、たまたま見かけた彼はその用途や目的を一目見ただけで見抜いた。
彼がブラックマーケットで有名な買取屋だと知るのは、初対面からちょっとした後からだったけど、鋭い観察眼は思わず感嘆のため息を吐いてしまった。
他の皆は、大体分からないと言っていたのに。
そんな出会いから早二年程。
彼は機械系で良く掘り出し物を持ってきてくれる、お互いにWin-Winな関係となりつつ、友好を深めていた。
「ウタハちゃーん。これってキヴォトスのゲーム機で使えるかなぁ?」
「ふむ……現行の物に対応しているね。状態も良いしすぐに遊べるだろう」
「おっしゃ!」
見せてきたゲームソフトの円盤を確認し、それから私は彼が持ってきた品、スクラップやジャンクパーツの数々を品定めする。
ロボットの開発は、基本的に互換性や整備性も求められるものであるが、やはりどうしても正規品では性能不足になりがちな側面もある。
かといって非正規品は質の保証がなく、性能自体も安定しない。
しかし非正規品の中にも、かつて正規品だった高品質の部品がある事も、このキヴォトスの技術力の中ではあり得なくない。
そんな訳で、私としてはそんな物を私の手に届く価格で安く売ってくれる買取屋には感謝している。
ちなみに彼のポンチョみたいな外套は一つ下の後輩が私からの頼みで作ってもらったものだ。
「エンジニア部で才覚を示してるって噂で聞いたが、いつの間にか副部長だなんてビックリだったよ、おじさん」
「貴方のおかげですよ。貴方の持ってくる物がなければ、ここまで伸びなかった」
振り替えれば、何度も失敗してガラクタと化した発明品になりかけた物は数多かった。
だからこそ、スクラップ等を優先的に売ってくれた彼には感謝しかない。
「今度、透明マントなんかに挑戦してみようと思うんだ。より高度なステルス性能を求めてね」
「ほう、そりゃあ楽しみだ。でも、実は内蔵を透かせられるとかじゃないよな?」
「ふむ。それは良いアイディアかもしれない」
「うそん」
余計なことを言ってしまった、と言わんばかりの顔に思わず笑みが浮かぶ。
バイザー越しだというのに、私もよく分かるようになったものだ。
「あ、そういえば砂漠でちょっと凄そうなのを見つけてね。アビドスじゃ使えないと思うから此方で提携でもして運用できないか、ちょっとミレニアムの生徒会にアポ取れるようにしてくれないか?」
「何を見つけたんだい?」
なんだか面白そうな予感がする。
だが彼はその詳細を教えてくれることはなかった。
「それは運び込んでからのお楽しみって奴だ」
そう言う彼の表情は、どこかいたずらっ子めいた無邪気さを感じた。
ちなみに今回は大分、小遣いを使ってしまった。
なんでも、よく掘り出し物を探してくれる生徒がいるらしく、実入りが良いらしい。
「ウタハちゃんとは同年代なんだけど、ツンツンなんだ。でもデレもちょっと見えて、やっぱ子供は可愛いもんだねぇ」
そんな生徒の事を朗らかに話す買取屋さんに、少し嫌な感情を抱くのは何故だろうか。
彼に貢献している生徒への嫉妬か、それとも今日も前までのように顔を見せてくれない事への怒りからか?
制御しきれない己の感情に戸惑いつつも、私は楽しそうに話す彼につい最近、発明したものを見せようと話を切って連れ出すのだった。
買取屋…ガノタっぷりを発揮する多方面オタクおじさん。専門家じゃないので、宝石鑑定とかは専門家に聞きに行く。外套の下には、無限大の夢があったりなかったり。
ホシノ…色々と悩んでた自分がバカだった。
ウタハ…まだ有名になる手前の彼女。格安で売ってくれる買取屋には感謝の念が絶えない。
カイザー兵士…この後、砂漠のデカいアイツと戦うことになった。超高額オイルは物凄く美味しかったらしい。南無。
フルアーマーガンダム…漫画もアニメも凄く良い作品。ホシノ並の曇らせとデスメタルが見れるよ!
ナイトガンダム物語…対応機種はキヴォトス製。元はファミコンソフトなので、グラフィックやシステム面の改善が行われているリマスター版。なんでそんな夢みたいな物があるのかって?知らないよ。
黒服…買取屋自体には対して価値も興味もなかったが、見つけたものを知ってそうなので好奇心で呼んだ。