砂漠でほのぼのと買取   作:単眼駄猪介

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黒服挟みつつ、ちゃんとホシノとユメの話もやるだよ

黒服はロリコンだの、マザコンだのと、どこかの
赤い彗星みたいな奴ですね
なので厄ネタ系は彼に持ってきてもらいます()



聞こえるか?砂漠の声が③

 

アビドス砂漠のど真ん中。

壊れた機械やパトロールのカイザー兵士達の小隊を通り過ぎて、ハマーを走らせて三十分。

砂地に落とした小石のように、ポツンと置かれた岩山に掘られたトンネルに入っていく。

 

「本日はここまで来て下さり、ありがとうございます。買取屋、屍幽カル(・・・・)さん」

 

車から降りた俺を出迎えてくれたのは、全身黒ずくめで顔が亀裂が入って人の顔に見える、まさに怪人といった容姿。

彼に名乗った覚えはないのだが、こういった輩は大抵知らぬ内にこちらの事を調べているものだろうし気にしない。

だが、そんな見た目に反して丁寧な口調なのは性格か、それとも外向けか。

その真意はさておき、俺も挨拶を返さなければ木っ端とはいえ、ビジネスマンとして恥だ。

 

「どうも。まあ、ビジネスの話となりゃね。鑑定してくれるだけでも金をくれるってのなら乗らん訳にもね」

 

屍幽(シユウ)カル。

それが俺の、キヴォトスでの名前。

あの灰色のカードを使った結果、自身の名前を失ったからこそ、こんな中二病めいた名前を使える。

最初の一回で失ったのはなんだったか……分かりやすいものじゃないから、今でも分からない。

まあ、それはさておき。

 

「それで、見てほしいのはこれか?」

 

「ええ。他にもいくつかありますが、まずはこれを」

 

そう言って黒服は、ブルーシートに覆われた中身を光の元にさらけ出す。

俺の目に、まず飛び込んで来たのは長く太い円柱。

実にご立派な柱の根本には、小さくとも立派で綺麗な丸い玉。

 

「ネオアームスト○ングサイク○ンジェットアームスト○ング砲じゃないか。完成度たけぇーな」

 

「ネオアームスト○ングサイク○ンジェットアームスト○ング砲……ですか?」

 

「よく噛まないで一発で言えたね?」

 

俺としてはそっちの方が驚きなんですが。

コイツ、中身は機械だったりする?

 

「玉にとてつもない量の神秘が込められておりまして、大変貴重かつ研究したいものですが、どうでしょう?」

 

と、黒服は言うが断然こんなのは埋めとくに限る。

形が卑猥なのはそうだが、コイツは媒体によっては厄ネタなんだよ。

 

「やめとけ。勝手に自我芽生えてキヴォトスが破壊されるなんて嫌すぎる。こんな卑猥な奴にさ」

 

「……それもそうですね」

 

意外と彼?も不快感を感じるのか、ささっとブルーシートを被せて何かのスイッチを起動させる。

 

「な、なにを?」

 

「埋没させるための爆薬の起動装置です。ああ、勿論この場でやりはしませんよ。私も巻き込まれますし、鑑定する際の契約にも反します」

 

「うんまあ、そうだね」

 

ちょっとビビったが、それをおくびにも出さずに次のものへ黒服に導かれる。

しかし、黒服は契約というものが好きだなぁ。

本当に契約に関して、絶対とも言える従順さで彼が用意する契約書にはしっかり目を通さなければならないと危機感を覚えた。

それにしても、足元が暗いな。

コケないようにもっと明かりがほしいが、電気をケチって光源減らしてるんだろうか。

 

「次は此方です」

 

そう言われて意識を足元から、黒服の方へ向ける。

そして目の前を見ると、そこには長方形の環を構成する黒曜石らしきブロックだった。

そう、ブロックなのだ。

 

「何故か爆破で破壊できず残っているのですが、何か意味があるのか買取屋の貴方に教えてもらいたかったのですが……何か心当たりでも?」

 

「心当たりも何もネザーゲートやん。この世界じゃ厄ネタになりかねないから埋没させてよ畜生が!」

 

Minecraftとか、泣かせやがって!!

割とすぐに飽きてしまったけど、懐かしすぎてやりたくなってきたじゃないかぁ!!

 

「火は絶対につけるなよ?付けたが最後、ダイヤのピッケルでもないと壊せないぞ!?」

 

「は、はぁ…」

 

困惑気味の黒服にさっさとスイッチを起動させて次へ。

もう嫌な予感しかしないが、アダムだろうがエ○マブレードだろうが、∀ガンダムだろうが驚かねぇぞ!!

 

「スゥゥゥ……」

 

「……屍幽カル?どうしました?まるで何かを諦めたかのような顔をして」

 

「すぐに埋め直して。お願い」

 

だってそうしなきゃ、キヴォトスが絶対に滅ぶ。

というかやり直しである。

視界に見える、やられメカみたいな顔の巨大なロボットの頭が鎮座しており、その迫力は凄まじいと同時に畏怖を抱かせる。

原作を知ってるからこその感想と言えよう。

とにかく俺はこれに関わりたくないし、起動させたくもない。

 

「クックックッ……しかし、まだ全貌も掴めておりません。先程のネオアームスト○ングサイク○ンジェットアームスト○ング砲よりも、遥かに高い神秘を秘めておりまして……」

 

「その分、コイツは危険だッちゅーの!コイツの因果に捕らわれたら最後、皆星になるんだよ!厄災だわ!」

 

「物理的に星に?なんと興味深い神秘でしょうか」

 

「比喩だわボケナス!アンタも含めて因果地平の彼方に消し飛ばされて、新世界が生まれるから駄目!!絶対!!」

 

もうやだぁ!

この人怖いぃぃぃ!!

 

「ちなみに名前は?」

 

「言わん!言いたくない!言ったら最後、本格的に巻き込まれる予感しかしない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、しっかり爆破して再び埋めてもらったので一先ずは安心だ。

嫌だよ、あんなの掘り起こされるの。

 

「あ!買取屋のおじさーん!」

 

「おー、ユメちゃんか!一人で今日はどうしたんだぁ?」

 

再びハマーで店まで移動していたら店先にユメちゃんが待っていたようで、此方に駆け寄ってくる。

速度を減速させて停車させると同時に、ユメちゃんが少し興奮気味で鑑定をせがんできた。

マイペースな子が、こんなにもはしゃいでいるのだからよっぽど自信があるのだろう。

ハマーを車庫に入れて、早速鑑定を始める。

とはいえ、品はそんなに多くなかった。

金属スクラップが少しと電子パーツっぽい何か。

特徴的なのが二つ。

そのうちの一つを、彼女は俺に見せた。

 

「これ!絶対に買取屋さんのコレクションになると思うんだ!」

 

そう言って大切に包帯でグルグル巻きにされていたのは、少しボロっちい石の仮面。

んー、これはアレですね。

 

「今日は厄日だわ…!」

 

「ええっ!?」

 

手触りは完全に石。

なんなら少しヒビもあるのに、崩れるような脆さは一切感じない。

つまり、これはモノホンである可能性が高いという訳だ、ジョジョォォォ!

 

「これ、付けてないよね?」

 

念のために確認しよう。

一応、今はまだ日中なのでその可能性はないだろうが……

 

「付けてないですよ?」

 

「ほっ……」

 

良かった。

急に作画が変わってバトル漫画になるんじゃないかと、不安だったんだ。

 

「これね、付けると吸血鬼になってお日様の下で歩けなくなるし、ハイテンションになると脳ミソに指突っ込んでグリグリしてウリィィ!するヤベェ奴になるから、着けちゃダメだよ?」

 

「ひぇ……そんな怖いのがなんで校庭にあったの……?」

 

俺が聞きたいよ。

 

「ユメせんぱーい!」

 

と、そこにホシノちゃんがやって来た。

 

「ホシノちゃん?」

 

「水筒!コンパス!忘れてます!」

 

「あ」

 

ホシノちゃんが手に持つ、ユメちゃんの水筒とコンパス。

砂漠化により、必需品となっている水筒とコンパスを忘れるなんて、本当にこの子は目から離せない。

いつか本当にポックリと死んでしまうのではないだろうか。

 

「あちゃー…」

 

思わず俺は手を額に当て、ユメちゃんは少しばかり怒った顔のホシノちゃんに謝り倒し、店内はちょっと騒がしくなった。

 

 

 

 

尚、もう一つは幸いにも厄ネタではなかった。

鳥の化石っぽいので、専門家に調べてもらおうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kurohuku After...

 

 

 

 

 

 

 

彼を見つけたのは、本当にたまたまでした。

ヘイロー持たず、大人でもないのにカードを持ち、ガムシャラにその日を生きるだけの遭難者。

 

大した神秘は持たず、特筆すべき点といったものもない故に、彼への興味はさほどありませんでした。

なんなら何度も撃たれて銃創を作る日々とも言い換えれましょうか。

担当地域が違うのも相まって、すぐに彼を観察することはなくなりました。

それからしばらくして、次に彼を見た時には、外套を纏い、買取屋として商売をして裏社会に生きる商人になっていました。

そして、アビドスに店を構えた時、私の目的の障害になる可能性と利用できる可能性を考え始めました。

幸いにも、私の目的である小鳥遊ホシノとは親しく、人質に取れば契約してくれる可能性も出てきました。

しかし、それはかなりリスキーな方法でもあります。

彼が所持を確認できる装備を見る限り、逃走に重きを置いた実に清々しいまでの妨害アイテムの数々。

左目が不自由な筈なのに、彼のサバイバリティは高い。

故にこの策は最終手段でしょう。

 

「クックックッ。しかし、今回の鑑定は中々に興味深い。完全にアレらを【厄災】と表現し断言するとは。彼の知識に興味が出てきました」

 

勿論、最優先は小鳥遊ホシノの確保。

ですが、少しばかり寄り道をしてみるのも良いでしょう。

彼のために、色々と掘ってみましょう。

アビドスには、私にも思いのよらないものが眠っているそうですから……

 

 

 

 

 

 




買取屋…本名公開されたが、基本的に【買取屋】で呼ばれている。黒服の厄ネタ度合いに積極的に見に行かなければならないと、ある意味警戒心を強めている。

黒服…大人のマネーパワー全開にする、大人げない黒服おじさん。結果としてヤバイもの掘り出してくるヤバイ奴になった。

ホシノ…もはや先輩介護の枠。鳥類に何させてんだ。

ユメ…おやおや。元々、忘れ物もやらかすのに前方不注意も入るとかホシノおじさんが可哀想ですね。

NAS砲…Q、なんであるんです? A、エリザベ○の代わりにスタンバってました

ネザーゲート…映画版だと普通に厄ネタである。

伝説巨神…この作品を思い付いた時にやりたかった。名作で怪作、エヴァの原点にして原液なので是非視聴をお勧めするぜ。(ただの宣伝)

石仮面…DIOの生みの親。ユメ先輩が着けてしまっていたら、恐らく次の日には太陽に焼かれて灰になる。
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