砂漠でほのぼのと買取   作:単眼駄猪介

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ストックにちょっと余裕ができたので投稿。

つい先日、怖くて見てなかった評価バー類が赤くてビックリ。感謝……感謝ッッ…!!

そして今話の後半は完全にイチャイチャなので、嫌な人は前半だけ読んで飛ばしてくれて構いません。
あれ、前回と同じじゃね……?



うちの倉庫に拡張機能も石もないよ②

それを見つけたのは偶々だった。

 

ブラックマーケットのとある露店で並べられていたソレが、俺のキヴォトスでの人生を決めた。

 

「それがコレ、水色フィギュアちゃん!」

 

セーラー服を着た水色の前髪ぱっつんヘアーみたいな少女のフィギュアを、ホシノちゃんとユメちゃんの前に置く。

台座の裏にはメイド・イン・ジャパンとあり、俺の故郷の産物であることが確認できるが彼女たちには関係ない話だろう。

 

「おじさんの故郷にあったフィギュアでね。これが今の仕事をするキッカケになったのさ」

 

「…まさか、アビドス砂漠で取れたと?」

 

ホシノちゃんの疑問混じりの考察は大当たりである。

 

「そのまさかよ。おじさんもビックリだったなぁ。まさか、なんもない砂漠にこんなのが眠ってたなんてさ」

 

そう言いながら俺はフィギュアの頭に軽く被っていた埃を息を吹き掛けて散らす。

思ってたより埃が多かったせいで、吹き飛ばした埃がホシノちゃんとユメちゃんにも行ってしまい、二人はむせる。

ホシノちゃんからジト目を向けられつつ、俺はそんな視線を無視して元の棚に戻す。

 

「さて、今日の掘り出し物は?」

 

一触即発な雰囲気をいかにも怪しい商人、といった演技と声で切り替える。

胡散臭い?気持ち悪い?んなの上等だ。

そもそもキヴォトスのそこらの生徒には真っ当に関わってはいけない。

かといって、大人もロクな奴がいないのが多々あるのでやっぱ俺の居場所じゃないよ、キヴォトス。

 

「私のイチオシ!」

 

そんな俺の憂鬱を知らないユメちゃんは、元気な声で袋から彼女の言うイチオシを俺に見せつける。

 

「おー、これはこれは……」

 

彼女が取り出したのは一つのUSBメモリ。

まあ、それにしてはかなり大きいサイズでまるで変身アイテムだ。

実際、USBに入れられた装飾は【E】と入った白色のやつだし。

 

「地獄を楽しみな!」

 

「貴方を地獄に送りましょうか?」

 

「ん~辛辣ゥ」

 

一瞬、例の「私の方が~」で言い返そうかと思ったが腹にパンチかキックくらいそうなので自重した。

いや、ホントあの返しは迫力もあって面白すぎるんよ。

ホシノちゃんには恐らく、完全にアウトだが。

というか、エターナルメモリってなんかヤバイ機能持ってなかったっけ?

……駄目だ。

大道克己のイメージが強くて能力が思い出せない。

とりあえず、ガイアメモリ自体が危険な物なのでさっさとしまいこんでおくに限る。

 

「エターナルは落とし物に入れて……次はこれかい?しかし、よく分けてきたね」

 

ホシノちゃんから差し出された掘り出し物を手に取りながら、問いかける。

 

「ガラクタやジャンクパーツと一緒に運ぶのもアレですし、今日は分けて持ってきましたよ。それに分けること事態はそんなに難しくないですし」

 

そういうこったぁ!と、言わんばかりにユメちゃんも首肯しており、彼女の後ろには確かにジャンクパーツやガラクタで纏められた麻袋がある。

それから視線を外して手に持つソレに視線を戻し、記憶の中にある該当物を思い起こす。

 

「あー、これは……」

 

中に砂が詰まっており、それを取り除くと本来の機能を取り戻した望遠鏡となった。

 

「かなりクラシックな望遠鏡だな。アビドスの校章もあるし、かつての生徒が使ってたのかもな」

 

「アビドス砂祭りで使われてたのもね!」

 

「あー、昔にあったっていうお祭りですか?」

 

「うんうん!せめて私が卒業するまでには復活させたいなぁ……」

 

そんな夢を抱くユメちゃんに、ホシノちゃんはため息をつきつつ次の物品を俺に渡す。

確かに現実的ではないが、夢がないよりはマシだろう。

勿論、身の丈に合わない夢、もとい欲望はいけないが。

おっと、そんな事を考えたせいか手元にある物が一つのメダルである事に気付く。

 

「タカメダル……」

 

玩具のような軽さやプラスチックの手触りは一切感じない。

まるで石のように硬い鉱石と金属が使われているメダルは、玩具のタカメダルと確実に違うことを示していた。

 

「これは……コアじゃないよな…?」

 

「えっと、どういうことなの?買取屋さん?」

 

おっと、二人が置いてけぼりをくらって困惑している。

そんな二人に、手に持っているメダルがどんなものか説明していく。

 

「これはね、オーメダルっていう錬金術の産物でね。十個のオーメダルの内、一つを抜き取ることで【満たされたい】という欲望を発生させて怪人【グリード】が生まれるんだけど、これはその力の一部となる、所謂ヤバイメダルの一つだね。満たされない欲望を満たし続けようとするヤバい怪人」

 

「ひぃん!?」

 

「嘘でしょ……??」

 

身を竦めるユメちゃんと、動揺を隠せないホシノちゃん。

そんな厄ネタみたいなのがなんであるんだって、そりゃ怖くなる――

 

「じゃあユメ先輩の胸の谷間に入ったのは……」

 

「ひぃん!怖いよぉ!ホシノちゃーん!」

 

……アンクの名誉の為にも、俺は5分ほどかけて誤解を解くのに時間をかけるのだった。

ファンとして、そしてグリードという怪人の怒りを買うことへのリスクを考えると、これは必要なことなのだ。

 

 

 

 

五分後、誤解を解いた後に俺はホシノちゃんが見つけたらしいビデオボックスを開封していた。

中身は円盤で、恐らくDVDだろうか。

しかし、俺の目を引いたのはパッケージに描かれたキャラクター達だった。

 

「ミッキーマウ○かぁ……」

 

黒い体表に赤いパンツ、黄色い靴を履いた世界のネズミ。

俺がキヴォトスに来る前は、トチ狂ったポリコレに染まってつまらないものばかりを作っていたが、どうなったんだろうか。

やはり倒産したんだろうか。

それはさておき、幸いにもDVDプレイヤーとテレビなら断捨離とばかりに売りにきた、卒業を控えた生徒や獣人のおじさん、おばさんからの物が多めにあるので状態が良いものを選んで、即席の観賞会を開くことにした。

しかし、在庫は沢山あっても売り捌くには修理をしないといけないのもあって、金がかかるなぁ。

テレビの画面を見ながら、在庫の事に頭を抱えたくなる。

が、そんな俺の憂鬱を吹き飛ばすかのように、ユメちゃんの笑い声とホシノちゃんの堪えた笑いが三人しかいない店内を賑やかす。

 

「……今考える事じゃあねぁよな」

 

笑顔の二人を見て、俺は心がなんだか潤うような感覚に陥る。

不快さはなく、心地良い。

多分、これがやりがいってヤツなんだろうか。

しばしの間、俺は余韻に浸るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Wakamo After...

 

 

 

あの人に最初に出会ったブラックマーケットで、彼の顔を見て最初に感じたのは運命でした。

ですが、今思えばそれら表面上かつ薄っぺらいもので、一時の熱というものである事に気付いたのは彼が顔に火傷を負ってからでした。

裏切られ、追い出され、当時は自分の生まれ持つ力しか頼りにならなかった中で、彼は宛もなく彷徨う私を拾ってくださいました。

…懐かしさが込み上げてくるのと同時に、羞恥心も感じるファーストコンタクトでありましたね。

 

初めての異性に衝動的になり、ですが彼からの交渉に警戒心が働き、思考が混乱を極めていた私は最終的に大人しく彼の依頼を受けました。

彼の護衛依頼をちょくちょく受けながら、彼もまたブラックマーケットで武力で金を稼ぐ傭兵として、ヘイローがないにも関わらず戦っていた。

そんな彼に、より惚れてしまった。

逞しく、傷だらけの体。

ですが惜しみ無く自分の全力をぶつけるその姿を、誰が非難できましょうか?

 

そんな彼がトリニティに向かい、その後大火傷を負ってミレニアムで療養し、商人になってから彼とはあまり出会えていません。

連絡はよく取り合いますが、やはりそれだけ。

この胸のトキメキと、彼との交友が途絶えてしまうのではという懸念と不安が私の心の中を乱して苛立ちが収まらない日々。

ですが、つい先日に彼からブラックマーケットで商売をすると伝えられ、護衛依頼も出されました。

勿論、私はコンマ一秒もかけずに了承の返信を送り、久しぶりに一緒に夕食をどうかと問いかけました。

彼から「OK」の一言を貰えた時、私のテンションは天元突破いたしました。

そして今、私は彼の腕に抱き付きながら警護を行っております。

 

「……ワカモちゃん」

 

「はい♪」

 

「お店開けないよ……」

 

そう言う彼の視線の先には、恨めしそうに此方を見るロボットや獣人。

中には不良生徒もおり、今にも銃を向けてきそうです。

 

「お、怒ってる?前に会ってから全然会えてないことに…?」

 

「怒ってはいません。でも、今日はしっかり私に構って欲しいです」

 

「分かった、分かったから一旦腕は離して!」

 

声に焦りが見えますが、大丈夫です。

私が指名手配されている狐坂ワカモであることは、彼らも理解しています。

過去の事例から手を出そうものなら、徹底的に潰されることも。

フフ…こういう時は、犯罪者としての私は便利ですね。

都市部で彼と一緒に平穏な生活、なんて事ができないのは時に恨めしくもありますが。

 

「はぁ……それで、どこに行く?」

 

露店の道具を片付け終えたカル様は、そう私に聞く。

この為に取っておいた整理券を私は彼に一枚、手渡して説明する。

 

「今晩の夕食兼宿泊地ですわ」

 

「お、おう……おじさん、スーツ持ってこなきゃ」

 

「そう言ってお逃げにならないでください、あなた様。そもそも私服で構わないお店ですので」

 

整理券には【超人気!高級風レストラン!】と宣伝が書き込まれており、イラストにはスーツやドレスを着た人々のイラストがありますが、視察した所、正装である必要性はなかったです。

まあ、あくまで【高級風】とありますし、気負う必要はありませんのですが、男性というのは見栄を張りたがりという、彼の言葉の信憑性が確実なものになりつつあります。

場所はD.U.地区なので、治安が良い変わりに私のような犯罪者にはあまりにも居心地が悪い場所ですが、素顔バレはしてないので大丈夫です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は高級風レストランに変わり、私とカル様と豪華な食事を楽しみました。

普通に美味しかったですし、今度一人で来てみても良いかもしれません。

 

「あの、ワカモちゃん」

 

「はい♪」

 

「なんで一緒に風呂入ってるの……??」

 

宿泊施設としても兼ねているレストランには、都市部に関わらず露天風呂が部屋ごとにありました。

そこから見る景色は確かに良く、露天風呂にした経営者の判断の良さが光っていると言わざるを得ません。

 

「あの、ワカモちゃん?」

 

おっと、私としたことがカル様を放置してしまいました。

それだけ、彼と一緒に見る景色が良かったという事でしょう。

 

「どうしました?あなた様?」

 

「いや、どうもこうも、まだ青春真っ只中の乙女がこんな気色悪いおじさんと風呂入るのアカンでしょ」

 

そう言う彼の顔は、確かに普通の人が見れば醜く見ていて気持ちの良いものではありません。

未だ頭部の広範囲を染めた、赤黒く残る火傷の跡と左の目の濁った瞳は、深夜に出会えば幽霊や化け物として逃げ出される不気味さです。

ですが、私はそんな表面的なものでこの恋心を振り回される柔なものではありません。

 

「そんなこと、私には一つの障害にもならないですあなた様。何故、その傷を負ったのかまでは存じませんが、それ相応の理由があったのでしょう?」

 

「それはそうだけどね……」

 

自分を卑下する笑いに、私は少しばかり声に力が入ってしまう。

 

「そんなに卑下なさらないでください!あなた様に食べ物や居場所を与えてくれた時から、どれだけ経っていると思いで?あなた様を好きなこの感情は、嘘ではありません!」

 

「ッ…」

 

ああ、そんな顔をなさらないで。

苦虫を噛み潰したような顔は、自分にその資格はないと思っているのは理解しています。

 

「……あなた様が資格を持たないのなら、本来犯罪者の私にだって、あなた様を好く資格などありません」

 

「…うん」

 

やはり、まだあなた様は故郷に帰りたいのですね。

あの頃のように、元の世界に帰るために蛮勇とも取れる勢いで戦っていた輝きが、まだ残っている。

それを話してくれた時の諦めの悪そうな、平凡な顔に似合わない不敵な笑みを浮かべたあの頃の面影が。

……正直、彼の望みを私の望みで塗り潰してしまう事に罪悪感がないわけではありません。

でも、それでも私は彼と共に生きたいのです。

私は秘部を隠すバスタオルを外し、私は唖然とする彼に正面から抱き付く。

羞恥心を無視して私は胸元に彼の顔を寄せて、私は彼に囁くように私の想いを彼にぶつけました。

 

「私は、あなた様であればどれだけ滅茶苦茶にされても構いません。あなた様と共にいれば破壊衝動のままに生きるこの生活も、絶対に変えられると、確信しております」

 

「…ズルいな、その言葉は」

 

実際、一時期彼のストーカーと化して彼と関わる生徒に執拗に攻撃したりしていましたが、その度に歳上として私を叱って手を焼いてくれたのは、今では良い思い出です。

だからこそ、彼は「ズルい」と。

実績があるからこそ、未だ問題児として名を馳せる私を自分なら矯正できてしまうと理解しているから。

 

「戻れないぞ?君も、俺も元の関係には」

 

「私が望んでいる未来です。後はあなた様次第」

 

彼の固い手が私の背中に触れ、そして臀部にへと移る。

遂に初めてを捧げる……そんな人生の到達点に達しようとする、その瞬間でした。

 

「ルームサービスの提供に参りました~」

 

「「!!??」」

 

淫靡な雰囲気が空気を読まない、いやそんなもの知らぬと言わんばかりのルームサービスの事務的な声が飛んできた来た事で、お互いにギクシャクしながら浴衣を纏い、ルームサービスが持ってきた間食類を貰います。

彼だけはいつもの外套を浴衣の上に羽織って、でしたが。

彼の背に隠れて見えなかったルームサービスに殺気を飛ばしつつ、私はやけに火照った身体を冷ますべく窓を開けて外気を取り入れました。

 

「はは、おじさんウッカリしてたよ…」

 

ホッとしたような、ガッカリしているような、そんな複雑な感情を混ぜ込んだ声でした。

ですが、次の瞬間には真面目な雰囲気で話を切り出しました。

 

「ワカモ、君の想いはしっかりと受け取った。今までは

、兄や親を慕う延長線状にある好意やアプローチだと思ってたけど、ここまでされたらね…」

 

「……申し訳ありません」

 

なんとなしに彼に謝ってしまう。

覚悟を決めた上でのあの行為でしたのに。

 

「いや、謝らなくて良いよ。でも、おじさん……いや、俺も君の想いにしっかり答えるために少し時間が欲しい。まだ君は子供だし、俺と一緒に生きると決めるにはまだ早いんだ。だから、一度落ち着こう。次に会う時は、絶対に君の告白に答えを出すから」

 

「……はい!」

 

とりあえず、今はこれで良しとしましょう。

一旦落ち着こう、とあなた様はおっしゃいますが、私の決意が変わることなんてありません。

 

あなた様の隣にずっと、末長く居たい。

助けられて、あなた様と共に過ごした時間を経て得たこの気持ちが変わるなんて、絶対にあり得ないのです。

 

 

 

 




買取屋…危うく手を出しかけたが、ワカモの告白に対して深く受け止めている。女の子でも獣は獣だと、分からされた。そして、しつこいくらいに主張される、故郷への帰還の未練。

ワカモ…あとちょっとの所で寸止め。コミュ関係での暴力的な行為等は買取屋が根気よくしつけ…もとい矯正したので原作よりは少し丸い。尚、致すと無事に懐妊して、ユメが死ぬ少し前にアビドスのイベントがあるリゾート地に居を構える√に入る。将来的に子沢山になる。

ユメ&ホシノ…最初期のミッキーマウ○アニメを満喫した。つまり、フリー素材ミッ○ー()

水色フィギュア…一体、どこの確率操作AIちゃんなんですかねぇ?

E(エターナル)メモリ…ガイアメモリの王様みたいなヤツ。Eメモリ以前に作られたメモリを半永久的に停止させられるが、低確率で使用者を爆死させるヤバイメモリ。でもエターナルカッコいいよ…

タカメダル…幸いにもアンク入りではない。ちなみに映画のアレは内容はともかく、脚本家のあの言い種は本当にないと思ってるのでやっぱり認められない()

ルームサービス…今回の立役者のロボット。ちなみに彼の到着が遅れてたらワカモ√に入るところだった。

ミッキーマウ○…モ ザ イ ク 貫 通 鼠。
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