砂漠でほのぼのと買取   作:単眼駄猪介

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どうも、とりあえず書き溜めてたのを解放するマンです。
ちなみに、タイトルの元ネタはとある有名なゲームシリーズの副題です。

そう言えばスパロボでイデオンが新規作画で復活しましたね。
やったぜ。

今回はずっと同じ流れなのも飽きそうだし(主に自分が)、ネタにどん詰まりしそうなので、試験的に一つの掘り出し物を中心に冒険を差し込む開拓を試みていきます。
あんまり長いのも良くないと思ったので尺の都合上、展開が雑な感じが強いかも。
お許しください。

尚、前章の最後のリオ視点を加筆修正しました。




砂漠に眠るアビドス②

拝啓、もしかしたら天国にいるかもしれない父さん母さん。

この度、僕は家兼お店である空きオフィスを失いました。

幸いにも、倉庫や採掘中のある物がある地下へ繋がる出入り口は無事ですが、これをキッカケにちょっととんでもない事になりそうです。

 

「悪いな、買取屋。世話にはなったが、生きるには金が必要だからさ」

 

黒服の秘密基地的な所から帰ってきた直後、狙っていたかのようにガタガタヘルメット団と名乗る少女達に捕まり、ヘルメット団の一人に連れられてカイザーPMCのヘリコプターでどこかに輸送されていた。

 

「一体どこに連れてこうってんだい?」

 

「それはアタシにも分からん。アタシらは依頼されただけだし、アタシ自身も団の代表としてこうして来てるだけだしな」

 

確保される際に俺の頬を殴ってくれた少女を軽く睨みつつ、雑に張られた湿布の冷たさによって、ヒリヒリとした痛みに思わず呻く。

口の中も切ってしまって、血の味がずっと舌の感覚を染める。

怪我をするの、だいぶ久しぶりだな…

そんな雑な感想を抱きつつ。

少し時を置いて、アビドス砂漠に建造されたカイザーの基地にヘリが降り立つ。

補給基地としての面が強いのか、柵と監視塔で囲われた基地には給油機能が充実していた。

そんな光景に密かに疑問を抱きつつ、カイザーの兵士に押されながら歩くとカイザーPMC理事長が俺を出迎えた。

 

「やあやあ、何日ぶりだったかな。買取屋、屍幽カル殿」

 

「…こんな荒っぽい手をわざわざ使ったのはなんなんです?」

 

正直、店が目の前で吹っ飛ばされたの、かなりショックなんだぞ。

違法な店だけど。

 

「なに、これは私達カイザーPMCの計画の一環でもあってね。手荒な真似をしたことは謝罪しよう」

 

そう言うと軽く頭を下げる理事長。

前々からそうだったが、完全に俺の事を下に見ている。

まあそれもそうだ。

此方は対してカイザーに利を与える訳ではなく、不法に居座ってる一端の商人。

顔は知ってても立場は違うし、そんな親しくもないのだから当然だ。

むしろ、戸籍上は存在しない人間なだけに好き放題に体を弄くられたり、殺されないだけマシだ。

 

「それで、俺はこの後どうなるんだ?」

 

「ふむ、すぐにも答えても良いがその前に聞きたい。君はアビドス砂漠の果てに行ったことがあるか?」

 

「アビドス砂漠の果て……?いや、ないが」

 

勿体ぶった話し方に、俺は冷や汗をかく。

まさか、奥に行けば行くほどヤバイのが掘れてしまうのか……?

先の黒服の掘り出し物の鑑定での経験も合わさり、現実味の強いその予測は、夢であって欲しかった。

 

「広大な砂漠になる前は、アビドスは複数の学校と覇権を争う戦国時代だったそうだ。当時の地図では、そのアビドス地区の果てには当然、海がある」

 

我々のヘリでここから一往復、燃料ギリギリだが。

と付け足しつつ、理事長はどこからか地図と航空写真が張られたホワイトボードを引っ張ってきて╳印を指差す。

 

「我々は地理把握のための探索の過程で、頻繁に砂嵐が起きるポイントを発見した。そこを重点的に調べると、なんとアラビア風の古代遺跡があるじゃあないか」

 

そう言うと、懐から数枚の写真を撮り出し俺に見せる。

出入り口らしいアラビア風の遺跡の出口が撮られており、他にも古代の地下都市といった姿を写した写真が俺の目に飛び込む。

 

「ま、まさか……」

 

「そう、君にはそこに向かってもらう。見ての通り地下にある古代遺跡には、多くの金銀財宝が眠り、水没した底には黄金の壺があるというじゃないか。黒服から君の知識の話は聞いているから、是非、現物を前に聞かせて欲しい」

 

「ええ……」

 

大胆と言うべきか、恐れ知らずと言うべきか。

地下にある遺跡ということは、非常に不安定な立地でもある。

何かの拍子で遺跡と共に埋められたらたまったものではない。

 

「ば、爆発物は置いていけよ?地下遺跡って事は、ちょっとした衝撃でも崩れかねないからな?」

 

「なに、それくらい分かっている。仮に何かいたとしても天下のカイザーPMCが守るさ。気を楽に、観光気分で付いてくるがいい」

 

横に広いメタルボディに着せられた服を揺らしながら、理事長は俺が乗ってきたヘリとは別のヘリに乗り込み、俺も兵士に連れられて乗せられる。

 

「俺はペットかいな…」

 

そんな愚痴を叩くが、兵士は特に気にした様子はなくヘルメット団の代表は金を受け取ってウキウキ気分で元のヘリに乗って帰っていく。

ちょっと油断しすぎたかなぁ…

次の店舗は移動式にするかと考えつつ、理事長が言う古代遺跡に想像を膨らませるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Nonomi After...

 

 

そこはまさに地獄という有り様でした。

元々、私は高校に上がる先を決めるために各地を練り歩いて来ました。

親からはハイランダー鉄道学園、もしくはトリニティ総合学園に進学する事を強く薦められましたが、進学校は自分で決めたかったのです。

だから、親を説得して色んな学校を見てきました。

……と言っても、正直に言えば私の進学したい先はアビドス高校しかありえませんでした。

滅びに瀕した、もはや存在すること自体が奇跡的な栄華の残滓。

でも、このアビドス地区が好きなんです。

まだ私が小さかった頃、少ない人数ながら仲良く高校生活を楽しみ、まだ人がいたアビドスの街を守るあの人達の姿や、そんな彼女たちに住民達が食べ物などをお礼に送っていたあの頃が、暖かい思い出として脳裏に焼き付いてるから。

そんな思い出のある学校の近くを歩いていたら、そこから少し遠いところで爆音と建物が倒壊する音が聞こえました。

そこから銃撃戦が始まったのか、発砲音がアビドスの静かな廃墟街に響き渡ります。

普段であれば、関わっても意味はないのでスルーして戦闘区域から離れるところでしたが、私のいる場所はアビドス。

地元の人間として、見過ごすわけにはいきませんでした。

愛銃のミニガンを構えて現場にいくと、殺伐とした風景が私を待ち構えていました。

死屍累々に倒れるヘルメット団やスケバン達。

そんな彼女らを放置して物凄い早さで戦う、ピンクと黒の影。

ダンッ、ダンッというショットガンの銃声が二つの影の間で起き、その度に瓦礫や錆びた車が吹き飛んでいきます。

 

「キシャシャシャシャシャ!!!」

 

「なんなんですかこの人!?」

 

小柄さを有利に使って弾丸を避けるピンクの少女(ホシノ)は、困惑を口に出しながら応戦し続けます。

一方の黒い影は、奇声をあげながらピンクの少女に迫り、銃弾をものともしません。

直撃の筈なのに、むしろより強くなっているように感じるのは何かの間違いであって欲しいのですが……とにかく、ピンクの少女の方はアビドスの制服であるのを確認したので、私は黒い影に向けて援護射撃します。

 

「アビドスの人!援護します!」

 

私の持つミニガンから大量の弾丸が吐き出され、黒い影迫ります。

火力、射程、弾速共に強力な火器ですが、相手は多少の被弾では怯みもせず、むしろ厄介な私に向けて鬼気迫る顔で走ってきました。

 

「ヒャッ……!?」

 

その顔圧に、私は負けてしまいミニガンを手放してしまい、持ち直そうと下を見た隙に黒い影は目の前に来ていました。

 

「ヒヒッ!」

 

「あっ」

 

腹部に気絶しそうなほどの衝撃。

飛びそうになる意識を必死に繋ぎ止めながら、私は急速に離れていく黒い少女を睨むように見つめる。

 

「でぇぇっ!!」

 

「ウヴォォォォ!!」

 

お互いの銃をぶつけあい、格闘戦に入る二人。

それを最後に私の意識は後ろからの衝撃で途切れるのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に目が覚めた時には、ピンクの少女と黒の少女、そして緑色の胸の大きい彼女らの歳上の生徒らしき人が車の中に色々と詰め込んでいました。

完全に状況から置いてきぼりをくらった私は唖然とします。

そんな私に話しかけてくる片目に傷のある犬獣人の方が、心配そうに聞いてきました。

 

「嬢ちゃん、痛むところはないか?」

 

「あ…は、はい。痛みはないですよ」

 

試しに身体のあちこちを動かしてみますが痛みはありません。

ちょっとお腹が痺れる感じがしますけども。

 

「俺は柴。ラーメン屋を営んでるんだが、嬢ちゃんは?」

 

「私は十六夜(イザヨイ)ノノミと申します。助けていただきありがとうございます」

 

「いやいや、俺は仲介に入っただけだ。どうやら、あの二人は誤解で争ってたみたいだからな。今となっては協力して砂漠の果てまで行こうって言うんだから、子供ってのはすげぁなあ」

 

そう言う彼の足元には、ラーメンの器が入った少し昔の出前さんがよく使う物が置かれていました。

中身が空っぽのラーメンの内、一つだけ少し冷めたラーメンが美味しそうな匂いを漂わせていました。

 

「ノノミちゃんも食いな。何をするにしても、まずは腹拵えだ」

 

「あ、ありがとうございます!代金は後程…」

 

「大丈夫だ。これは俺の奢りさ。それに、ここの吹き飛んだ店はウチの常連さんの店でもあるしな。常連さんによく来て酒を酌み交わしてくれる分くらいは、恩返ししたかったからな」

 

そう言うラーメン屋の店主さんから差し出されたラーメンは、冷めても十分に美味しい素晴らしい味でした。

少しして食べ終えた私は、柴さんにお礼を言いつつホシノさん達の所に駆け寄りました。

 

「私も!連れてってください!」

 

これが不思議なアビドス砂漠による、私の、いえ私達のちょっとした冒険の始まりでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





買取屋…何やら陰謀に巻き込まれている。遺跡に関しては、まだ心当たりはない。

カイザーPMC理事長…残念ながら、今回の遺跡は何の成果も得られない未来が待っている。残当。

ホシノ…なんだ黒いコイツ!?それはさておき、買取屋救出には金銭を稼ぐ意味で必要なので奪還作戦開始である。

ツルギ…トリニティの激重感情持ち。恋慕ではなく、大部分は後悔の念からのもの。それはそれとしてなんだこのピンク!?

ユメ…盾を構えてあたふたしてる内に柴大将に収められた、不憫な先輩。情報のすりあわせの後にアビドスの車を持ってきた。

柴大将…常連さんの店の方で爆音が聞こえたので見に来た男気溢れる漢。酒を酌み交わしてお金を落としてくれる友人の買取屋の為に、身体を張る柴大将。そこに痺れるぅ!憧れるぅ!!

ノノミ…たまたま通りかかった中学生ノノミ。この冒険で胆力が鍛えられる……のかもしれない。

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