魔法少女の幼馴染(♂)、悪の魔法少女に改造されてしまう   作:偽りの名つむぎん

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6話 登場! 新たな悪の魔法少女!!

「さて、もう一つのゲートはこの辺だったけど」

 

『何か来るぞ!!』

 

 光の弓矢が僕に襲いかかってくる。それを夜魂で防御するのだが。

 

「消えないな。普通なら触れた時点で消えるんだけど」

 

『なるほど。物理的なものに魔力を乗せておるのか』

 

 ああ、そういう。夜魂は魔奏しか無効化しない。逆に言うと物に魔奏が付与されていると、付与された魔奏だけが無効化され、物だけは残る。

 

 これが攻撃ならば僕の有効打になるだろう。けれど。

 

「まあ無駄なんだけどね。飲み込め」

 

 夜魂に性質を付与してガードするだけ。いくら物理的な弓矢を使用していても、それごと消滅させれば僕には届かない。

 

「流石は滅魔奏者(アンチマギア)って言ったところだね。私も驚いちゃったよ」

 

 僕の前に黒いローブを纏った魔奏者が現れる。おいおいキャラ被りは勘弁してくれよ。ちょっと口調似てるし。

 

「ねえ、君だよね? 小さなゲートから召喚した魔族を駆除していたのは」

 

「それが本当だとしたらどうするつもりだい?」

 

「君には消えてもらおうと思って。魔奏開演(マギアアクト)

 

 少女の姿が変化する。黒とオレンジを基調としたドレスに、蔦が巻きついた大弓を携えた魔奏者に。いや……。

 

『あやつ、妾達と同じじゃ』

 

「なん……だと!?」

 

「驚いてくれて嬉しいよ。私は滅魔奏者(アンチマギア)スピネル・オリアンダー。人類と魔奏者と敵対する魔族側の魔奏者という奴さ」

 

 滅魔奏者……だと!?

 

 そんな、僕のアイデンティティが失われた!? というか悪の魔法少女って一作品につき一人じゃないの!?

 

 いや待て……!

 

「もしかして、同じ日曜日でも30分早いのか!?」

 

『何を言い出すんだお主。お主がやらぬなら妾がやるぞ』

 

「え!? あ、ちょ!?」

 

 ちょっと待ってと言い終わる前に、身体の主導権がヨルに渡った。仕方ないか。

 

「お主の身体にどんな魔族が埋め込まれたか知らんが、格の違いを教えてやろう。魔奏開演(マギアアクト)!!」

 

 僕の姿が変化していく。変身すると蒼崎レイラとしての姿は解除されて、元の白銀アオイの姿に戻るようだ。

 

「そういや、魔奏者っていうのは決め台詞があるらしいのう。ではそれに則って」

 

 あ、ずるい! それは僕が言おうと思ってたのに!!

 

「ふふん。早い者勝ちじゃ。ここから先は妾のメインアクターじゃ! 滅魔奏者(アンチマギア)ラピス・ベラドンナ!!」

 

 クソアアアアアア!!!! 僕が言いたかった決め台詞を先に言われたアアアア!!!

 

「随分と楽しそうだけど、君達の相手はこいつらがやってくれるよ。おいで」

 

 空に巨大なゲートが二つ開く。そこからワイバーン型魔族が二匹現れる。おぉ〜〜でけぇ〜〜。

 

「君達用に作ったんだ。私は君たちに構ってられないからね。じゃあね〜〜」

 

 転移で姿を消しやがった! あ、あれぇ? 向こうのほうが悪の魔法少女ムーブしてねぇ? 僕らの悪の魔法少女力で負けてない?

 

 いや、それよりもあれってアカネの方に向かったよな。アカネは大丈夫だろうか。流石に滅魔奏者相手だとアカネの方がやばいかも?

 

「ふむ。結構強そうな魔族じゃのぅ。魔族も進化しているというわけか」

 

 夜魂を無数の棘に変化させて、ワイバーンを貫こうとする。だが、ワイバーンは高速飛行を始めてそれを回避する。

 

「面白い! さて、そろそろ本気で戦ってやろう」

 

 ヨルが全身の魔力を解放する。さて、ワイバーン型魔族。どれくらいで倒せるだろうか……?

 

 

***

 

 

「ああもう! 敵が多い!! なんでこんなにもいるの!?」

 

 駅前に現れた魔族の対処をしてるんだけど、絶賛私は苦戦していた。

 

 個々では苦戦する要素はない。ただ物量で押されると少し鬱陶しい。この駅前だと気軽に魔奏も使えないし……ううう〜〜どうしよう〜〜!!

 

魔奏詠唱(マギアコール)サファイア・ブリザード」

 

 次の瞬間、私ではない魔奏者の声が響く。というかめっっっちゃ聞き覚えのある声だ。

 

 おかげで魔族は氷漬けにされて足止めされた。やっぱ魔奏の使い方は上手いなあ。

 

「全く帰国早々こんな様子とは、現代最強が聞いて呆れますわね。アカネ」

 

「はいはい。相変わらず口うるさいね、アオバ」

 

 スタリと私の横に立つ青の魔奏者。いつ見てもムカつくくらい綺麗だ。

 

 理想的なモデル体型、ハイヒールも相まって背はより高い。全身のドレスは綺麗な青。そして魔奏者を象徴する武器はレイピア。

 

 魔奏者サファイア・アイリス、本名を竜胆アオバ。少し前から留学していた、私の親戚だ。

 

「ちょっと〜〜アオバっ! あたしのことも忘れないでよねっ!」

 

 二つの緑に輝くチャクラムが駅前を駆け抜ける。

 

 氷漬けにされた魔族達が綺麗に真っ二つにされた。さらにもう一人の魔奏者が降り立つ。

 

「やっほ、アカネ! 元気してた?」

 

「ヒスイちゃん!? ヒスイちゃんも来てたの!?」

 

「そそっ! 二人揃って帰ってきたってわけ!」

 

 もう一人の緑のドレスを着た茶髪のギャルっぽい子は琴葉(ことは)ヒスイ。またの名を魔奏者エメラルド・オーキッドだ。

 

 ヒスイとアオバは留学という名目で、海外にある魔奏者達と訓練していたらしい。確かに見違えるほど強くなっている。

 

「まあ二人がいれば頼もしいよ。ここから先は競争だからね!」

 

「ふん、私は好きなようにやるわ。私の邪魔をしないように」

 

「まーまー、そんなつんけんしなくてもいいじゃん。気楽に行こっ、アオバっ!」

 

 こうして私達は魔族を倒す。一人なら数で圧倒されたけど、三人いればそうならない。

 

 私達は瞬く間に敵を倒したのだが。

 

「あーあ。やっぱこの程度の魔族じゃ相手にならんか」

 

「誰っ!?」

 

 視線の先、駅の上に大きな弓を持った魔奏者がいた。全身が暗い色を基調にしたドレスを着ている。

 

 なんだか……。

 

『僕と君の道が交わることはない』

 

 いや、なんで今あの子の顔を思い出したんだ。

 

「私は滅魔奏者スピネル・コリアンダー。目障りな君達はここでお終いっていうわけ!」

 

「滅魔奏者!? あの子と同じ……!?」

 

「報告にあった卑弥呼と敵対する魔奏者ね。手加減はしないわ」

 

「そーいうことっ! 全力で行くよ!!」

 

 私が驚いている中、三人は激突する。

 

 驚異的なのはあの子、二人の攻撃を同時に受け止めたということ。

 

「うんうん。基本スペックは私の方が上みたい。魔奏者って言ってもこの程度か〜〜。がっかりだ!」

 

 大弓を振り回して二人の攻撃を弾き飛ばし、大弓を構える。大弓から八本のレーザーが射出される!

 

魔奏詠唱(マギアコール)エクスプロージョン!!」

 

魔奏詠唱(マギアコール)テンペスト!!」

 

 私とヒスイちゃんの二人で魔奏を発動してレーザーを弾き飛ばそうとする。けれど、レーザーは魔奏を貫通して、私たちを追ってくる!?

 

「この魔奏……! 並大抵の力では消えないわ……!!」

 

 アオバがレイピアで魔奏を弾くけど、レーザーは軌道を変化させて、しつこく私たちを追ってくるっ!

 

「ちょちょちょ!! めっちゃピンチじゃんやっばぁ〜〜!!」

 

「アハハっ! ほらほらちゃんと逃げなきゃ死んじゃうよ!」

 

「このままじゃ……! アオイっ!!」

 

 ふと私はアオイの名を呼んでしまう。アオイに祈ったところで何も起きやしないのに!

 

 その声と共に空から黒い矢がたくさん降ってきて、レーザーを全て叩き落としていく。

 

「なんだっ!? 何が起きた!?」

 

 黒いローブが私達の前に現れる。もう一人の滅魔奏者。私があの日出会った滅魔奏者が、私の前に立っていた。

 

「あ、あなたはあの時の滅魔奏者(アンチマギア)!?」

 

「これが報告にあった卑弥呼を襲ったという……」

 

「じゃ、じゃあなんであたし達を助けたの!?」

 

 私達はただ困惑するしかなかった。そもそも滅魔奏者って魔奏者の敵じゃないの〜〜!?

 

 私には何が何だか本当によくわからない。

 

 目の前の滅魔奏者は首を少しだけ動かして、後ろを見る。やっぱりあの顔……アオイに似ている!!

 

「この場は僕が預かる。君達は下がっていてくれ」

 

 滅魔奏者が走り出す。あれはアオイなの? アオイが生きていて……魔奏者に? 

 

「一体、私がいない間になにが……?」

 

「ちょちょちょ、何があった感じぃ!?」

 

 二人も驚いている。二人とも確かアオイと接点があったはずだ。

 

 ただ、今は二人の滅魔奏者の戦いを見守るしかできなかった。

 

 

 

 

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