超かぐや姫! 〜彩葉の幼馴染のかぐや姫物語〜   作:ソール

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新居のお引っ越し

 

 

ヤチヨカップは優勝した、しかし、それでも俺たちは忙しかった。ヤチヨライブに向けての作曲作りも忙しい。

 

それだけでなく

 

 

「冷蔵庫はそっちにお願いします。パソコン等はこっちで設置しますので、テレビも置いといて大丈夫です」

 

「わあ!広いし高いよ!一花!」

 

「まさかこの年齢で、タワマンを借りることになるなんてな」

 

「本当よね。それでもありがとう一花、家具まで新しくしてくれて」

 

「三人で暮らすんだ。お前のアパートに置いてあった冷蔵庫と洗濯機じゃあ、三人使うのは無理があるからな。ヤチヨカップで優勝したことで、収入はまた大きく変わった。高校生が持つ金額じゃねえけどな。親父も母さんもびっくりしてたよ。ゲームやっているだけでこのタワマン借りれるだけの金額を手にするなんて」

 

「そこは私もそう思うわ」

 

 

俺たちは引っ越しをしていた

 

彩葉が一人暮らしするのに限界を迎え、俺とかぐやと暮らすべきだと考え、俺もかぐやも家を出て巣立ちした。学校近くのタワマンを借りた

 

タワマンを借りるだけの金もあるため、俺たちは豪華にタワマンを借りて、そして必要な家具を買い揃えた。

 

彩葉が一人で暮らしいたアパートに置いてあった家具は中古店に売った。あいつの冷蔵庫じゃあ小さいし、洗濯機もかなり中古の奴だし、三人では使えないため、新しく必要な家具も買った

 

あと家に置いてある必要な物は引っ越し屋さんに運んで貰う

 

それくらいの収入が手に入ったから、こんなことができるだけ

 

親父も母さんもびっくりしていたな。冷蔵庫や洗濯機もいろんな家具をポンポン買えるなんて、親父も医者としてかなりの金額を貰えるが、それでも俺たちはまだ高校生だ。こんな金額を手にするのは明らかにおかしい

 

まあ、そのおかげでかぐやのスマホも買えたんだがな

 

 

「ねえ?かぐやの部屋はもちろん一花と一緒でしょ?」

 

「いや、別の部屋を用意しているけど」

 

「ええ!?嫌だ!一花と同じ部屋がいい!!」

 

「何を言ってんの!これ以上あんたと一花を一緒にするわけにはいかないの!だから部屋もお風呂も別よ!」

 

「そんな!?一花もかぐやと常に一緒がいいよね!?」

 

「正直言う、もう勘弁してくれ。俺にはもう刺激が強すぎる。一緒に寝るのも、風呂に入るのも」

 

「なんで!?かぐやなら何をされてもいいのに!」

 

「それが問題なのよ!ていうかやっぱりお風呂も一緒だったのね!?一花のエッチ!!」

 

「な!?仕方ないだろ!一緒に入らないとこいつ泣くし!」

 

「そうやって甘やかすからいけないのよ!とにかく!今日から別の部屋で、一人でお風呂に入って貰うからね!」

 

「そんなああああ!!」

 

「部屋はともかく、風呂はマジで勘弁してくれ」

 

 

別に部屋は一緒でもいい、寝るのは別々で最終的に俺の布団にあいつが入ってくるし。そしてお風呂までも一緒。かぐやを拾って以降、ずっと目を逸らしていたがあいつの裸が目に入るから大変だった

 

この年齢で同い年の女の子の裸を見るのは、なかなかに刺激が強すぎる。しかもあいつ、容赦なしにその裸の状態で抱きついてくるから、本当に恥ずかしさが走る

 

かぐやって意外とスタイルいいからな。お風呂入る時とか、着替える時はあまり見ないように苦労した。それでも裸のまま抱きつかれるから、17歳の思春期にはキツい

 

 

彩葉とも暮らすってことで、いろいろ彼女がかぐやに厳しく対応してくれた

 

 

「ヤチヨのコラボライブがあるんだから、荷解きをして、早く部屋に置くぞ?」

 

 

ヤチヨのコラボライブも控えているため、今日で早く荷物を運び終えて、作曲作りと、それが完成したら練習など、やることはまだたくさんある。

 

今日の内に積荷を運び終えないと、練習する暇もないため、急いで荷物を全て下ろす

 

 

「あ、でも一花!夕飯の買い出しに行かないと!」

 

「ああ、そうだな、二人で行ってきてくれるか?彩葉も頼む。俺はまだ運ばないとならない物があるから、二人とも出れるか?」

 

「うん!行ってくる!今日は肉にしよう!彩葉もいいよね?まだヤチヨカップの優勝祝いをしてないじゃない?」

 

「まあ、いいわね。私は少し後にしても片付けられるし、わかった。行ってくるわ」

 

「ああ、頼む」

 

 

当然、食材も自分たちで買い出しに行かないとならない。こういう時こそかぐやが頼りになる。かぐやはもうほとんどの料理をできるようになった。おかげで食事の時はいろんなものが食えて助かっている

 

案外三人で暮らしてもやっていける

 

親父と母さんはかなり心配していたけど、これなら問題ないだろ。あとはかぐやが変なワガママを言わなければ、さっきみたいに

 

と、残りの荷物を俺は運び続ける

 

すると

 

 

ピピピピピピ!!

 

「ん?親父と母さんか?・・・・・・」

 

 

誰かが電話をかけてきて俺のスマホが鳴った。てっきり親父と母さんか、もしくは朝日さんかと思った

 

 

「っ!?紅葉さん・・・・・」

 

 

まさかの彩葉と朝日さんの母

 

 

酒寄紅葉さんだった

 

 

おそらくだが、あまりにも彩葉が連絡を取らないからなのか、もしくは朝日さんが俺の連絡先を教えて、彩葉の今の具合と今回一緒に同棲することを知ってのことか

 

俺に連絡を取ってきたようだ

 

ピ!

 

「もしもし?紅葉さん?」

 

『久しぶりやね、一花くん、元気にしとったか?』

 

「ええ、おかげさまで。彩葉じゃあ連絡してくれないから、俺に掛けたんですか?」

 

『あの子はもう、私の話を聞いてくれんくなったからな』

 

「中学の反抗期がまだ続いているだけですよ、俺の連絡先は朝日さんから?」

 

『そうや、あの子が彩葉の事が聞きたいなら、一花に聞くべきやってな。あと桜花くんと咲夜にもな』

 

「親父と母さんからも紅葉さんに連絡したのか。じゃあ俺たちが一緒に暮らすことも?」

 

『ええ、教えてもろたわ。あの子、やっぱり無茶したんやね。やっぱり一人暮らしなんてさせるべきやなかったんわ』

 

「無茶するところはあんたと同じですけどね」

 

『なんやて?』

 

「本当のことですから」

 

 

朝日さんだけでなく、親父と母さんも俺に聞くべきだと連絡を何度もしていたようだ。彩葉も彩葉で、マジで連絡とか無視してたんだな

 

それだけこの二人が不器用なのが如実にわかる。母と娘でよく喧嘩する辺りが、どうせまた些細なことで喧嘩をして仲違いをしたんだろう

 

この親子は本当によく似て、頑固者だからな

 

 

「まさか、彩葉を連れ戻すつもりで?」

 

『そんなことができるならとっくにしとるわ。貴方ともう一人の子が一緒に住まんかったらね』

 

「じゃあ一足遅かったですね」

 

『そうやね。でも言うたって、どうせ聞かへんのは知っとるわ』

 

「いつまで喧嘩するつもりで?」

 

『したくてしとるんちゃうわ。いつもこうなるんや』

 

「お互いに問題ありと言わせて貰う。あいつに何か言うことがあるなら、言っておきますが?」

 

『いや、あらへん』

 

「相変わらずですね。そういう所は」

 

『言いたいのは君にや』

 

「俺ですか?なんですか?」

 

 

電話を掛けたのは、俺に用があるからのようだ。紅葉さんが俺に何か用があるのは珍しい。俺はそこまで紅葉さんと関係は無いが

 

何を言われるのだろうか

 

 

『避妊はせぇへんとあかんよ。その年齢で子供を作ったら犯罪やで』

 

「あんたもか!?あんたまでそんなことを言うのか!?」

 

『そらそうやろ。男女が一つ屋根の下で住むやなんて、いつそんなことになってもおかしくないやろ。しかもこの前の配信で子供を作ったとか言っとらんかった?』

 

「しかも配信までしっかり見ているのかよ!?そんなことになりませんから!!親父と母さんみたいなことを言わないでくれます!?」

 

『そうなってもおかしくないやろ。もし作ったら許さへんよ。弁護士のウチが訴訟したるで。それにあの子は随分とあんたのことを・・・・・』

 

「え?なんです?」

 

『いや、なんでもあらへんよ・・・・』

 

 

まさか子供を作るなと言われるとは

 

するかっての!!今日も家を出る前に、親父と母さんに避妊はしろとか言われたけど、いくら男女で暮らすからって、そんなことになって堪るか

 

大体なんでそんなことになると思っているんだ。俺とあいつはそんな関係じゃないし。幼馴染で恋人じゃねえての

 

しかもなんだかんだで見てたんだな、彩葉の配信。ヤチヨカップも含めて配信を見ているのだなと確信する。『配信で子供を作った』とか言って、仲が悪い割にはしっかり娘にバレないよう見ていたんだなと、紅葉さんも母親として娘の心配していたようだ

 

その証拠に

 

 

『苦労をかけることもあるやろうと思うけど、ウチの娘をよろしゅうお願いします』

 

「っ!ええ、任せてください!とは言っても俺もまだ高校生なんで、ここは協力して生活していくってことで」

 

 

娘のことを頼むと言われた

 

もしかしたら本当に連れ戻す気だったかもしれない。無理やり連れ出してでも、実家に戻すつもりだったのだろう。

 

でもやると言い出したからには、最後までやらせようと戻そうとはしなかった。せめて娘を頼むと

 

俺に頼んだ

 

そういう所は母親として、娘のことを信じてやらせるとの決断だった

 

 

『一緒にお風呂もアカンで?』

 

「だからしませんって!?」

 

 

頼むからそういう性的な話はしないで欲しい。おばさんになってから下ネタでも言うようになったのか?マジでそんな話はしないで欲しいし、そんなことにもならないから。健全だから問題ないと、紅葉さんに説明した

 

 

「まったく、問題ないっての」

 

ピピピピピピ!!

 

「ん?今度は誰だ?・・・母さんか」

 

 

今度は母さん

 

引っ越しは順調なのかとか、うまく引っ越しは済んでいるのか、と電話しているのだとわかる。母として子供が巣立ちしたとはいえ、まだ心配なところがあるようだ

 

まあ、高校生で巣立ちは早いにも程があるからな

 

 

「もしもし?母さん?」

 

『あ、一花?引っ越しは順調?』

 

「まあね、とりあえず家具と家庭用品の方はどうにか引っ越し屋さんが運んでくれたからなんとかなった。あとは整頓したり、個人の物を置いたりだな」

 

『かぐやはどうしたの?』

 

「かぐやは彩葉と一緒に夕飯の買い出しに行った」

 

『かぐやと彩葉ちゃんだけじゃなく、あんたも家事とか手伝うのよ』

 

「わかっている」

 

『たまには帰ってきなさいよ。もちろん彩葉ちゃんも連れてね?』

 

「ああ、正月とかもしっかり帰るよ」

 

『あと、流石にもうかぐやと一緒にお風呂入るのはもうやめた方がいいわ。彩葉ちゃんに変に思われるし』

 

「ああ、その彩葉がなんとか止めてくれたから大丈夫」

 

『かぐやとお風呂入れなくて寂しい?』

 

「んなわけあるか!?」

 

『まあ、とにかく三人で元気に生活するのよ?』

 

「ああ、大丈夫だ、母さんも親父も元気でな」

 

『うん、それじゃあ、連絡も忘れずにね」

 

ピ!

 

 

そう言って母親との通話を切る

 

まあ母としての心配の通話だった。息子と娘が巣立ちするのが早くて驚くこともあったからだろう。かぐやが来てから、かなりの人生が変わったと思う

 

そう、こんな人生を送るなんて、俺も彩葉も思っていなかった。

 

かぐやが来てから人生が本当に変わったんだ。そうでなきゃ普通にあの家に居たわけだしな。俺もこんなに早く巣立ちするとは思わなかった。親から離れる日がこんなに早くきて、少し寂しさはあった。大人になれば当たり前なのに

 

 

「さて、こんなものか」

 

 

梱包から出した家具はほとんど置き終えた。あとはかぐやと彩葉の個人用の荷物だけ。それ以外はなんとか済んだ。

 

あとは風呂の準備をしておく。流石にかぐやと彩葉の荷物を整理するわけにはいかない。あいつらのライフスタイルもあるだろうし、あいつらの下着とかも見る羽目になるだろうし。そういえばあいつらと一緒に暮らす以上、洗濯する時あいつらの下着も見ることになるのか。なんとか目を逸らしながら洗濯するか、かぐやに任せよう

 

 

ピピピピピピピピ!!

 

 

「ん?今度は誰だ?・・・・・芦花か?」

 

 

またもスマホが鳴る。今度は芦花だ

 

引っ越しをして、三人で暮らすことになったことは彩葉とかぐやが教えた。唯一の学校での女友達。友達として心配だからと連絡をしたのだろう

 

 

「はい、もしもし」

 

『あ、一花。引っ越ししたんだよね?順調?』

 

「ああ、今お風呂洗ってる」

 

『へえ、場所は教えて貰ったから、忙しいなら今から行って手伝おうか?』

 

「ありがと。でも大丈夫。もう片付くから」

 

『とか言って、芦花は一花と暮らす彩葉とかぐやちゃんが羨ましいから、少し見に行きたかったりして?』

 

『真実!!』

 

「ん?なんだ?先に巣立ちしたのが羨ましかったのか?」

 

『え?まあ・・・・・そうかな』

 

「ていうか真実と一緒だったんだな?」

 

『うん、手伝いに行こうかなって考えているけど、必要ない?』

 

「そうだな、もう家具は置き終えてコンセントに繋いでいるしな。でも夜にヤチヨカップの優勝を祝ってパーティするから、よかったら来るか?」

 

『え!?ご馳走とか出る!?』

 

『ちょ!?真実!?』

 

「ああ、肉が食いたいってかぐやが言っていたから。今連絡すればご馳走を倍買ってくれるかも。夜来るか?」

 

『行きたい!!』

 

『ちょ、いいの?』

 

「いいさ、二人も優勝するために協力してくれたしな。準備して待っているな?」

 

『うん!行く!』

 

『ごめんね。引っ越しで忙しいのに』

「大丈夫だ。ほとんど置き終えているから。それじゃあ待っているぞ」

 

 

 

芦花は真実と居たようで、引っ越しの手伝いをしようかと連絡されるが、ほとんど家具は置き終えたため、問題ないと言うが

 

夜には優勝記念のパーティをする。二人は何度かかぐやにKASSENのやり方を教えてくれたり、優勝するために協力してくれた。そのお礼も兼ねて、彼女たちも夜のパーティに招待する

 

今の内に、かぐやのスマホに夜には芦花と真実も来て、パーティに参加すると連絡すると、『食材多く買っておくね』と、まだ買い物途中だったようで、問題なく追加の食材を買い足せると連絡がきた

 

風呂も入れる準備を終えて、今度は俺の部屋の整理を始める。パソコン関係とギターくらいしかないから、三時間あれば片付く

 

 

ピピピピピピ!!

 

 

「今日は電話掛ける奴が多いな、次はまさか・・

やっぱり朝日さんか、てことは乃依と雷さんも一緒か?」

 

 

本当に今日はいろんな人から電話が来る。今度は朝日さんからだ。おそらくだが乃依と雷さんも居るはず。そんなに俺たちの引っ越しが気になるのだろうか

 

いや、高校生同士で同棲するから、気になって当然かと、俺は電話に出る

 

 

「もしもし」



 

『お?一花か?引っ越しは済んだか?』

 

「ひとまずはですね。まだ整理しないとならないものがありますけど」

 

『部屋は・・・・まさか彩葉と一緒か?』

 

「そんなことはありません」

 

『朝日。揶揄うのはそこまでだ』

 

『先輩は忙しんだから、邪魔しちゃダメだよ?』

 

「雷さんも乃依もやっぱり居たか」

 

 

朝日さんのスマホをスピーカーモードにして、俺との会話を聞いていたらしく、雷さんと乃依の声も聞こえてくる。やっぱり三人一緒だった

 

 

「それで御用は?」

 

『ああ、引っ越し忙しいなら手伝おうかと思って。あと引っ越し先も教えてほしい。暇な時遊びに行くから』

 

「ああ、引っ越しはあと整理だけなんで大丈夫です。新居の場所は・・・・ここです」

 

『タワマン借りたのか!?高校生でタワマン借りるとか、かなり贅沢な奴らだな・・・・』

 

「かぐやが言ったんですよ。ここが良いと。あと単純に三人で暮らせる広さのあるマンションもあまりなかったですし、収益がかなり手に入ったからですけどね」



 

『俺たちに勝ったからもあるしな』

 

『次はいつゲームできますか?リベンジがしたいです!先輩!』

 

「悪い、しばらくは無理かな。ヤチヨとコラボライブもあるし」

 

『そっちも忙しいのか?』

 

「はい、ヤチヨとコラボライブができることになって、彩葉がすっごいやる気になってて、俺と一緒に作曲してますよ?」

 

『あ、そういえば彩葉って、ヤチヨちゃんの大ファンだっけ?』

 

「そうです。憧れのアイドルとライブできるって決まった以上は、ここしばらくはそれに専念するために、配信もしばらく休みにしないとなりませんので」

 

『遊べるのはしばらくは先か。じゃあヤチヨちゃんのライブが終わったら、また連絡させて貰うわ。その時に遊ぼうぜ』

 

「はい、しばらく暇はないので。夏休みの課題もありますしね。では」

 

 

そう言って朝日さんたちの通話を切る

 

連絡をしたのは、引っ越しが忙しくいなら手伝うかと、新居がどこかを聞きたかったからだった。引っ越しはある程度済んだため、手伝いは必要なく、新居を伝えたらかなり驚いていた。それはそうだろうタワマンだしな

 

高校生が高いタワマンを借りるなんて、どんだけ金を持っているんだと言われても否定できない

 

しかし、それでもあまりいい物件がなかった。二人でならともかく、三人ってなると、あまり良いマンションは見つからず、タワマンくらいしか見つからなかった。親父も母さんも驚いていたな、オーバーナイトの収益が良いからって高校生がタワマンを借りるとか、確かに常識的におかしいところはある

 

だけど、ここを借りるしか三人で暮らす方法がない

 

 

「ただいま!!一花!いっぱい買ってきたよ!」

 

「芦花と真実の分も買ってきたわ。二人は?」

 

「お帰り、まだ。もう少しで来ると思うけど、夕飯の支度は俺がするから、二人は部屋の整理をしてくれ。それ以外は全部俺がやったから」

 

「うわ!?いつの間に!?やっぱりあんたが居てくれて助かるわ・・・・・」

 

「ねえ一花?部屋は本当にかぐやと一緒じゃあダメ?」

 

「俺は良いけど、彩葉が許さないぞ?」

 

「ええ!絶対にダメ!!あんたは一花と別!いい加減諦めなさいよ!」

 

「うう!あ!?まさか彩葉が一花と一緒の部屋にするために、かぐやにどけと!?」

 

「な!?そんなわけないでしょ!?私がそんな・・・・・別に・・・・・そんなことないから!!」

 

 

「いいから急げ。早くしないと真実と芦花が来るぞ」

 

 

残念ながら俺とかぐやの部屋は別になる。どうせ寝る時は潜り込んでくると思うが

 

とにかく、部屋の整理をしてくれと頼んだ。机や棚は俺が並べておいた。何かあれば言ってくれれば動かすので、急いで部屋を整理してくれと頼む。芦花と真実が来る前に

 

 

俺は一足先に夕飯の支度をする。五人分用意しないとならないから、今から始めないと間に合わないため、少し急ぐ

 

 

「かぐや・・・言っておくが、俺が夕飯の支度をしている間に自分の物を俺の部屋に入れようとしても、彩葉が見逃さないから気をつけた方がいいぞ?」

 

「ギク!?」

 

「かぐや?」

 

「そ、そんなことしないもん!?」

 

「やれやれ、抜け目がないとはこの事だな」

 

 

かぐやはまだ諦めていないのか、俺が夕飯をしている間に俺の部屋に自分の物を入れようとしている。もう彩葉と一緒に居る以上は、かぐやは俺とあまり一緒に居られないことを学ぶべきだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、ヤチヨカップ優勝を記念して、乾杯!!!」

 

「「「「乾杯!!!!」」」」

 

 

夜になると、芦花と真実がウチに来てくれた。かぐやと彩葉も部屋をなんとか片付けたため、全員夕飯までに揃って優勝記念パーティを始められた

 

ご馳走を目の前に、ヤチヨカップの感想を言いながら食事をする

 

 

「にしても、ここまで長い道のりだったな」

 

「そうね、ほぼかぐやが始まりだけど・・・」

 

「でも彩葉と一花が居たから、ここまでこれたんだよ!ありがとう!二人とも!」

 

「感謝される程じゃないわよ」

 

「だな、それに優勝できて彩葉としても嬉しいだろ?お前の憧れと歌えるんだから・・・」

 

「う!?ま、まあね・・・・・」

 

「二人もありがとうな、俺たちのために色々してくれて・・・・」

 

「いいって、私たちも楽しめたし」

 

「三人がKASSENをしている時は、物凄くヒヤヒヤしたけど、三人が優勝できてよかったよ」

 

 

ここまで、たった一ヶ月だが、長い道のりだった

 

かぐやを拾ってから本当に苦労もあったけど、楽しいことをしてここまで乗り越えた。本当に俺たち三人には、ここまで苦難を乗り越えるだけの力はあったんだな、と改めて思う

 

 

「あんた達って、いつもこうなんだね?」

 

「なんか初めて見るけど、かぐやはわかるとして。一花と彩葉がそんな感じだったなんて・・・・」

 

「ああ、学校じゃああまり話したりしないからな」

 

「幼馴染なのに?」

 

「幼馴染でも。お互いのプライベートがあるように、お互い学校のライフスタイルがあるわけだ」

 

「仲が悪いわけじゃあないけど、学校では幼馴染であることを他のみんなは知らない感じだったしな」

 

「恥ずかしいから、お互い幼馴染であることを隠しているのよね」

 

「茶化す奴も居るしな」

 

「ああ、居そう。幼馴染だからとかで茶化す奴」

 

「だからお互いあまり学校では必要以上には話さないようにしている。あと面倒なこともあるしな」

 

「面倒?」

 

「他の男共が言っているんだが、彩葉は学校では優等生だから男にすげえモテるし、俺と幼馴染であることとか、それに関して関係があるはずないって、めちゃくちゃ言ってくるんだよ」

 

「なにそれ?つまり一花と彩葉の何かしらの関係について、野次を飛ばじてくるってこと?」

 

「ああ、正確には嫉妬。一年の時だが、俺が彩葉に必要なことがあって話しかけた時があったんだ。その時、他の男子から『彩葉に近づくな』とか、明らかに彩葉を狙っている奴がいてな。俺がこいつと何か話したりすると、そんなことを言う奴が多少居るんだよ」

 

「確かに彩葉は優等生だから成績も良いし、モテるのはわかるけど、だからと言って、一花に彩葉に近づくなって言うなんて、そいつ情けないわね」

 

「そういうもんだよ。男ってのは」

 

 

彩葉は学校では優等生で、男子においては誰にとっても憧れだった。告白しようとする奴も居たし、男なんて好きな女が居たら、そんなことを言ったり、したりもするし、女子から野蛮だって言われても仕方がない

 

それだけ彩葉は学校一の美少女な訳だ

 

成績も良いじゃあ仕方がないしな

 

よく俺の陰口言われたりしたこともあった。いじめとかはなかったけど、煙たがられたり、少し浮いていたりと、男子であまり仲のいい奴はいなかった

 

居るとしたら、真実の彼氏くらいで、それ以外に男友達は居ない。ボッチだと言えばボッチだしな。俺は

 

学校では俺は、彩葉と関係があることを隠し続けた。最近はそうでもないかもしれないけど。周りのことを気にして、彩葉と距離を取るのは、俺の弱みだった

 

だから

 

 

「関係ないから」

 

「っ!彩葉・・・・・」

 

「私が誰と過ごすかは私が決めることだし、そんなことを周りが言ってんなら、私が言うわ。『私が一花と一緒に居たいから、邪魔しないでください』って。そこまで私は優等生ぶるつもりないから」

 

「彩葉、お前・・・・・」

 

「うんうん!大丈夫だよ!一花!彩葉と関係が無くなっても!かぐやが居るもん!かぐやたちはこれから結婚するんだもん!心配ないからね?一花?」

 

「な!?」

 

「え!?その話は本当なの!?」

 

「はいはい・・・・わかったから、あんまりこの三人にその話をするなよ?」

 

「だって、一花はかっこいいもん。かぐやだけがそれがわかっているもん。彩葉が学校でモテるなら、一花はかぐやにモテるもん、ほら!こんなにかっこいいもん!」

 

「っ!おい、だからメガネを取るなよ」

 

「あ!?またあんたは!?」

 

「う!?やっぱり確かにかっこいいかも!?」

 

「これが一花がメガネを取った姿!?隠れイケメンにギャップあり!?」

 

「別にイケメンじゃないだろ」

 

 

彩葉は別に他の男子にあれこれ言われようが、俺と一緒に居ることを否定はさせなかった。俺が野次を飛ばされそうになった時は邪魔するなと、こっちから否定の言葉を出して、誰がなんと言おうと俺との関係は崩すことは彩葉はしなかった

 

そんな話をしつつも、かぐやが居るからと、彩葉は居なくてもいいと言う。芦花と真実を目の前にしても、俺と結婚することを諦めないかぐや

 

かぐやは俺の良さを全面的に紹介するように、また俺のメガネを勝手に取る。素顔を見た真実は俺の顔をイケメンだと言う。素顔をイケメンと言われても、俺にはそうは思えない

 

 

「目は悪いの?」

 

「若干くらいに・・・・・」

 

「コンタクトしてみたらどうかな?本当にいい顔をしているよ、一花」

 

「ありがとう、芦花。でも彩葉がやめた方がいいと。なぜかあいつは何度も、コンタクトは眼に悪いからやめた方がいいと言うんだよな」

 

「スマコンだってコンタクトじゃん」

 

「ああ。なのにあいつはコンタクトはやめた方がいいと、何度も眼鏡がいいと言われて、結局彩葉の言葉を鵜呑みにしてコンタクトにしていない」

 

「彩葉?あんたまさか・・・・・」

 

「べ、別に・・・・あんまりコンタクトばかりしていると、目が悪いのは本当だし・・・」

 

「もしかして、他の人に見られないように、眼鏡をさせて素顔を見せないようにしたわけ?顔が良いから?」

 

「彩葉、一花の顔が良いから、もしかして他の女子が狙うかもしれないと、目立たせないために眼鏡を?」

 

「そ、そんなんじゃないから!?」

 

「結局何が言いたいのかわからないけど、眼鏡を返してくれ。かぐや」

 

「はーい」

 

 

眼鏡は普通に返して貰った

 

目が悪いなら、眼鏡じゃなくてコンタクトがいいと言われる。顔が良いからそっちの方が良いと芦花と真実に提案されるが、なんかよくわからないけど、彩葉がよくないと、そこだけなんか止めてくるんだよな、マジでどういう理由なのか、ただ眼が悪くなるだけで良くないとか言って、コンタクトをして普段過ごすのはよくないと言うばかりで根本的な理由を聞いてもあまり答えてくれない

 

まあ、なんだかんだで、俺も言うことを聞いて、眼鏡で過ごしているが

 

芦花と真実が言うには、俺の顔が良いから、他の女が寄り付かせないようにするために、地味目にして眼鏡を掛けさせていると。そんなことはあり得ないし、俺の顔は普通な方だ

 

もうここまでになると、三人の話が俺には全然わからなかった

 

 

「そういえばさ、一花もここで住むんだよね?」

 

「ああ、そうだけど・・・・」

 

「じゃあ男女で一つ屋根の下で住むのか」

 

「まあな、俺も初めは戸惑ったけど・・・」

 

「じゃあトイレとか・・・お風呂も一緒になる可能性が・・・・」

 

「そうならないように、いろいろドアに、男が入っているとかタグが貼り付けてあって、俺が入る際はこのタグを掛けておく、百均で買ってきた」

 

「それでも一緒に入るんじゃない?」

 

「真実、変なことを言うな」

 

「そうよ!変なことを言わないで!そんなことはないから!」

 

「かぐやが一緒に入るんじゃない?」

 

「そうだよ。だって『今まではそうしていた』し」

 

「今まで?」

 

「お、おい!?かぐや!?」

 

「そうよ!!こいつ、かぐやとお風呂入っていたのよ!今まで!?」

 

「は!?一花のエッチ!!!」

 

「仕方がなかったんだ!!芦花!そうじゃないと、こいつ泣くし!!」

 

「だからって一緒に入ることないでしょ!?」

 

「俺が先に入っても、後からかぐやが入ってくるんだよ」

 

「だって、一花と入りたいもん!」

 

「とにかく!お風呂は一人で入りなさい!良いわね?」

 

「え!?やだ!!?」

 

「かぐや、俺も勘弁してくれねえかな。俺も正直お前と一緒に入るの、色々キツイ」

 

「かぐやは何をされてもいいのに!」

 

「かぐやちゃん!そういうことはダメなの!いい?そういうのは一花にも良くないの!」

 

「なんで芦花までそんなことを言うの!?」

 

「「とにかくダメ!!」」

 

「一花、かぐやの裸を何度か見た?意外にHだね?」

 

「茶化すな、真実。俺も一緒に住んでいた以上は、何度かこんなことがあったんだ」

 

 

当然俺は男で、かぐやと彩葉は女

 

その三人がこのマンションで住む。恋人でもない関係でこの三人で住む以上はそれなりの区分がある。トイレとかお風呂とか、必ず誰が入っているのかドアに付いている名前のタグを裏表変えること

 

かぐやはそれを無視して、トイレはともかく、お風呂は後から入ってくることがある

 

何度も断っているが、最終的に泣き出すし、入れるしかなく、なるべくかぐやの裸を見ないようにしている。でもここで住む以上は彩葉が管理してくれる。彼女の前でそのような不純は見逃さないと。もうかぐやも俺と風呂に入ることはできないだろう

 

そこに、なぜ芦花まで強く注意するのか知らないが

 

 

「そういえばヤチヨライブの準備は順調?」

 

「ああ、そこはな。もう一週間も余裕はない。それまでの歌の練習はヤチヨとした」

 

「うん!これでバッチリイケる!!」

 

「まだ緊張するけど、大丈夫!」

 

「確か、一花と彩葉で作曲した曲もあるんだよね?一花はともかく、彩葉は作曲とかもできるんだ」

 

「一応ね・・・・」

 

「だとしても、あとは全力を出すだけだ。あのヤチヨとライブができるんだ。みんなが楽しめるライブパフォーマンスをするぞ?かぐや、彩葉」

 

「うん!!!」

 

「ええ、ヤチヨのライブを絶対に最高なものにする!!!」

 

 

ヤチヨとのライブはもう近い

 

それまでの準備を、今日引っ越す前にいくつか、ツクヨミでヤチヨと練習しながらやった。その中には俺と彩葉で作曲した曲もある

 

朝久さんという音楽家の娘である彩葉も曲は作れる。彩葉も憧れのヤチヨとライブする以上は最高なライブしたいと、未だに緊張が出てしまうが、曲作りに専念する程、彩葉も本気を出した

 

どんなライブになるかはあと数日後の話

 

 

俺たち、オーバーナイトがヤチヨと共に最高なライブを、ツクヨミで夢のように作り上げることを励む

 

 

 

 

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