超かぐや姫! 〜彩葉の幼馴染のかぐや姫物語〜   作:ソール

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罪悪感

 

 

 

「はあ・・・・・はあ・・・ああ!ああ!!」

 

 

まただ。また『この夢』だ

 

何もない真っ白な空間、そこに俺は居て、両手には『血』が付いている。腕全体に、完全に血塗れの両腕。なんでこんなものが付いているのか

 

 

まるで俺が誰かを殺したかのような

 

 

そのような血の付け方だ、両手全体に血塗れとなると、しかもこれで終わりではない。目の前には

 

 

 

 

『男』が倒れていた。頭から血が流れている

 

 

 

顔を見る限りではもう死んでいる。眼は瞳孔は開いて、もう息もしていない。その頭から流れる血は、俺の両腕にも流れいる

 

 

 

そう、これは。俺が『この人』を殺した夢だ

 

 

「あああああ!!ああああ!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

何度この夢を見たのかわからない

 

でも、これが俺にとって決して忘れてはいけない罪の証。俺はこの人を殺したんだ。俺のせいでこの人は死んだ。俺がこの人を死なせた

 

 

 

そんな、俺と言う。咎人の夢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は!??・・・・・はあ・・・・・はあ」

 

 

またその夢を見て、夜中に目覚めた。

 

あの学園祭から一週間が過ぎた。もう少しでハロウィンを迎える月日に、俺はこの夢を毎日見るばかりで、大して眠れていない。

 

学園祭が終わってから俺の教室の机に置いてあったあの手紙を見て、昔をまた思い出し、そのせいでまたあの夢を見るようになった。昔から見ていたあの夢を見ることになるなんて、それだけは俺は忘れることができないんだろう

 

 

「はあ・・・・はあ・・・・」

 

「一花?大丈夫?」

 

「八千代か?悪い?起こしたか?」

 

「FUSHIと犬DOGEが教えてくれてね」

 

「ああ、家の管理もしてくれているから、家の監視カメラから見たのか、ただ喉が乾いただけだから、気にしないで寝てくれ」

 

「学園祭が終わってから、最近毎日だよね?」

 

「知っていたのか?」

 

「輝夜も彩葉も知っているよ?二人も心配していたよ?夜中に一花が魘されて、夜中に起きるって・・・・何か悪い夢でも見たの?」

 

「そんな所だよ、ごめんな。心配かけて、もう大丈夫だから」

 

「本当に?でも物凄い汗だよ?」

 

「それでも、そう簡単に治るものじゃない。こればかりはな」

 

「パパに診てもらうのは?何かの病気なんじゃない?」

 

「病気か・・・・・どっちかと言うと、『心の病気』だけどな・・・・・」

 

「え?」

 

「なんでもない。とにかくもう寝るよ」

 

「う、うん。何かあったら言ってね?」

 

「ありがとう。でも大丈夫だ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

冷蔵庫からお茶を飲んでいると、八千代も部屋からリビングにやってきた、夜中でありながら

 

理由は俺みたいに飲み物が欲しいわけでなく、俺が心配で様子を見にきたから、ここ最近、俺が悪い夢を見て魘されていることを、リビングにあるタブレットや俺のスマホからFUSHIと犬DOGEが知らせてくれたらしい。知っているのは八千代だけでなく、輝夜も彩葉もらしい。あの二人も知って心配してらしく、体調が悪いなら親父に診てもらった方がいいと八千代に勧められる

 

しかし、医者である親父でも、俺の『これは』は治せないと思い。また寝れば治ると、適当な事を言って自室に戻る

 

 

 

そう、どんな医者でも治せない。例え月読様であろうと

 

 

 

俺のこの『心の病気』は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、あの後はしっかりと寝られた

 

だがもう、魘されて夜中に起きるなんてものを毎日されると、顔に疲れが出ているのか、朝食の時間だと言うのに、俺の顔がいつもより落ち込んでいるような顔をしていた

 

八千代だけでなく、輝夜と彩葉まで、その事について直接話してくる

 

 

「一花?最近大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だ。お前たちにまで心配かけさせて悪いな」

 

「それはいいけど、体調は大丈夫なの?」

 

「それはな。単純に少し疲れが出るだけだ」

 

「ねえ?学校を休むって・・・事は?」

 

「そこまでするつもりはない。休む程じゃあ・・・・・」

 

「でも、せめておじさんに診て貰う方が・・・」

 

「親父に診て貰う程じゃあ・・・・・・」

 

「ところで、夜に魘されていると言うことは、何か悪い夢でも見たのよね?何を見たの?」

 

 

「それは・・・・・・・」

 

 

当然ながら心配されていた

 

学園祭の後で毎日夜に寝ると魘されては、心配をされても当然、ただなんの悪い夢を見て魘されているか、その重要な部分を彩葉に質問される

 

 

それを一番に話すことができない、『特に彩葉には』

 

 

彩葉は知っている。この俺が夜に必ず見る、俺の悪い夢を。正確には親父と母さん、朝日さんと紅葉さんも。俺のこの『昔からの心の病気』を。輝夜や八千代にまで知られたくない

 

だから有耶無耶にして、適当な言い訳をしようと、コップに入ったミルクを飲もうとしたら

 

 

 

『この人殺し!!!』

 

 

「っ!!?」ビク!!!

 

 

バリン!!!

 

 

「一花!?大丈夫!?」

 

「わ、悪い!?コップ落としちまった!?」

 

「掃除機でガラスを吸い取ろ!!あとタオル!?」

 

 

ミルクを飲もうとした瞬間、テレビで天気予報が終わってcmに入った瞬間、ドラマのcmが流れ、登場人物のセリフの言葉に驚き、俺は飲もうとしたミルクが入ったコップを落とした

 

床に落としてコップは割れて、ミルクもこぼしてしまい、急いでコップの破片を拾って、ティッシュかタオルで、こぼしたミルクを拭く

 

 

今のは流石に驚いた。『この人殺し』。ミステリー系ドラマのセリフ。まるで俺に言っているかのようなセリフ

 

 

俺に対して言っている感じで、油断してコップを落としてしまった

 

 

「一花・・・・・あんた・・・まさか」

 

「っ!輝夜・・・・今日もパンにしてくれた?」

 

「う、うん。でも毎日こればかりだよね?なんかちゃんとした物を食べようよ?」

 

「そうだよ一花。最近大して食べてないんだよ!」

 

「大丈夫、本当に最近食欲なくて・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

彩葉に気づかれた。俺がなんの夢を見て、精神的な疲弊を引き起こしているのか

 

それを誤魔化すように、俺は輝夜に昼飯は弁当ではなくパン一つにしてくれたかと聞く。最近はいつもこれだ。朝にはご飯の上に卵焼きだけ。昼はパン一つ。夜はご飯とおかず一つだけ。と言う、食欲の無さで。あまり食べられなくなった

 

最近こればかりだ。今も輝夜と八千代にちゃんとした物を食べるべきだと言われるが、それでも俺は食欲ないからと、それを押し通して、壊したコップを片付けて、パンを一つ取り、そのまま学校へと向かう

 

だが、その登校道で、彩葉に

 

 

「ねえ。一花。あんたは・・・・」

 

「っ・・・・・なんの話だが、知らないけど。お前の勘違いだから・・・」

 

「けど!さっきのあれは・・・・・」

 

 

 

「そんなはずないって、言ってるだろ!!!」

 

「っ!!?」

 

 

 

「あ!ごめん!?そんなつもりじゃあ・・・」

 

「別にいいわよ。でも・・・・大丈夫なんだよね?」

 

「ああ・・・・・・大丈夫」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

彩葉に完全に悟られた

 

俺が最近、なんの夢を見て魘されているのか。そんなことではないと、これ以上聞き出しされたくないが故に、彼女に怒鳴ってしまった

 

そんなことを言うつもりないのに

 

 

もう俺は完全に心は壊れている証拠だった

 

 

俺はあの手紙で、過去を思い出してしまい、もう人としての心も持てていない。彩葉が悟られても当たり前、彩葉はもう知ったんだ。俺が11年前の後悔を思い出してしまったことに

 

 

 

俺が彩葉と朝日さん、紅葉さんの大事な人を奪った事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ?一花?」

 

「何?」

 

「あんた?それ違くない?」

 

「え?・・・・・・あ、ごめん!」

 

「もう三回だよ?」

 

「珍しいね?一花が調理で間違えるなんて・・」

 

「最近元気ないよね?なんかあった?」

 

「いや・・・・そんなことは・・・・・」

 

 

今日は調理実習の授業、彩葉と芦花と真実と班を組んで、調理をしている

 

その授業で三回も俺は調理方法を間違える。芦花が注意してくれなかったら、間違った調理をしてしまう所だった。こんな失敗今までだったらしないのに、今でも調子が出ない

 

真実や芦花にも気づかれる。俺が元気がないことに。

 

学校に居ても、いつものように調子が出ない上に、元気が出ない。完全に心が落ち込んでいることが証明し、普段失敗しないことが失敗する。今の俺は何をして本調子ではない

 

そんなことはないと、芦花と真実に誤魔化すが、隠せそうにない

 

 

更に、ここでアクシデントを起こす。それで、俺が変であると気づく

 

 

ブシャア!!!

 

「ぐう!?」

 

「おわ!?血が飛び出した!?」

 

「大丈夫!?」

 

「この魚!?血を噴き出した!?一花。顔に付いているわよ?」

 

「っ!?・・・・・・」

 

 

調理時間で魚を捌いていると、切り出す場所が悪かったのか、偶然血が溜まっている場所を切ってしまったのか、魚の身から血を噴き出して、俺の顔に血が飛び付き、包丁にもかなりの魚の血が付いている。

 

でも。その顔と包丁に付いている血が、魚ではなく、人の血だと勘違いし。まるで・・・・・誰かを殺してしまったかのような

 

感覚に囚われた俺は

 

 

 

「うわあ!?」

 

 

ガタン!!!

 

 

「「「「「「「「「「「っ!」」」」」」」」」」」」」

 

 

「あ!っ!?・・・・・・」

 

「一花!?」

 

「大丈夫!?」

 

「ごめん、少し驚いてな」

 

「顔を拭くよ?」

 

「ありがとう・・・・」

 

「どうしたの?最近変だよね?」

 

「もしかして、人間の血だと勘違いした?」

 

「ごめん、驚かせて・・・・・」

 

 

人間の血だと勘違いして、俺はその場に一旦倒れた。すぐに立ち直り、彩葉が顔を拭いてくれる

 

ただの人間の血ではない。『あの人』の血だと勘違いした。あの人を殺したかのような感覚に見舞われて。俺は調理実習中に悲鳴を出してしまった

 

もう完全に心には罪悪感に囚われている

 

何もかもがあの人のことを思い出すばかりで、後悔に囚われて、普段失敗しないことが失敗したり、変な勘違いをする。

 

どうしてもあの『11年前に起きた事件』を連想してしまい。今になって後悔し始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは普通の授業でもだ。

 

音楽の授業でだ。音楽の授業でいつもの調子ができず、全然ピアノの演奏ができない

 

 

「くそ!・・・・・・」

 

 

「天人くん。今日は調子が悪いのかしら?無理して演奏しても、良い音楽は出せないわ。他の人に替わりましょ?」

 

 

「っ!・・・・すいません」

 

「じゃあ、私がやります!先生!」

 

 

「じゃあお願いしますね。酒寄さん」

 

 

「どうした?天人?」

「お前?調子でも悪いのか?」

「天人くんなら、ピアノは上手いのに」

「さっきの調理実習もそうだけど、体調でも悪いの?」

 

 

「そ、そういうわけじゃあ・・・・・」

 

 

先生に無理にやっても、良い音楽は奏でられないと判断して、他の人に替わって貰う。ピアノは昔から習っていたものなのに、それなのに、今日に限っては上手く演奏できずに、彩葉に替わられた

 

俺はどうしても集中できない。頭の中ではあの人を殺したことへの罪悪感ばかりに囚われて、日常生活に支障が出ている

 

 

いつまで、こんな過去の罪を抱かないとならないのか、それでも

 

 

俺は忘れることができない。むしろ忘れるわけには

 

 

そんな中、音楽の先生がとんでもない話をして、限界を迎える

 

 

「酒寄さん、ありがとうございました。とても上手いですね」

 

 

「いいえ、私も彼同様、昔からピアノの習い事をしてまして」

 

 

「そうなの。天人くんと一緒にピアノの習い事をしていたのね?道理で二人とも上手いわけだわ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「なんだか酒寄さんの演奏を見ていると、あの有名な人を思い出すわね」

 

 

「っ!?」

 

「えっと・・・・・・それは誰ですか?」

 

 

「あるピアニストなんだけどね、でも亡くなっているの。ある事件がキッカケでね。私はその人のファンだったんだけど・・・」

 

 

「はあ・・・はあ・・・・はあ」

 

「一花?」

 

「どうしたの?大丈夫?」

 

「はあ!・・・・・はあ!・・・・・はあ!」

 

 

音楽の先生が、俺と彩葉の演奏を見ていると、昔に先生がファンだったピアニストに似ていると言われる

 

でも、その人はもう亡くなっていると言われ、ある事件をキッカケが原因だと言われる

 

 

 

その言葉に、俺が限界を迎えて、だんだん胸が苦しくなり、呼吸が出来なくなる

 

 

 

俺と彩葉はその人を知っており、『その事件』をも知っている。むしろ『当事者』である。その話にもう限界を迎えてしまい、だんだん蹲り。汗がどんどん流れて、俺はその場で固まってしまう。その話を聞かされてどんどん罪悪感が激しくなり、何もできないまま胸をキツく苦しめる

 

そんな姿に彩葉

 

 

「一花・・・・先生!すいません!お話の途中ですけど、天人くんが体調が悪そうなので、早退してもいいですか?」

 

 

「あら?そうなの?天人くん?体調が悪いの?」

 

 

「え?・・・あ・・・・そんな・・・」

 

「一花!こんな時に無理しないで!すいません!先生!私、彼の父は医者をしていますので、一花を病院に送りますので、私も早退します!

 

 

「え!?酒寄さんも!?」

 

 

「彼の今の症状説明できるのは『私だけ』なので!教室に戻ってバックを取りに行くよ!一花!」

 

「あ、ちょ!?おい!?」

 

「先生!あとで担任に連絡しますので!私たちは早退します!」

 

「「ちょ!?彩葉!?」」

 

 

彩葉は俺の限界を迎えたことに感づき

 

音楽の先生に早退を頼み、無理矢理俺の腕を引っ張って教室に、バックを取りに一旦戻る。俺は無理しても授業を続けると言ったが聞いてくれず、そのまま彩葉に連れられる

 

行き先は親父の病院だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彩葉!おい!俺は・・・大丈夫だから!」

 

「大丈夫じゃない!あんなのを見て!何が大丈夫だと言うのよ!?」

 

 

俺は親父の病院に向かう街中の道中で、無理に引っ張られる腕を振り払う。学校を早退したのはもう仕方がないとして、わざわざ親父に診て貰う必要はないと拒む

 

しかし、彩葉はそんなことを言っても無駄だと、もう大事ではないことが判明しているため、俺の話など、まともに聞くことはない

 

なぜなら

 

と、俺の胸ぐらを掴んで言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だって!まだ気にしてんでしょ!?あの11年前の事件を!!『私とお兄ちゃんのお父さん』を『あの事故に巻き込んだ』ことを!まだ気にしているんでしょ!!」

 

 

「っ!?それは・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

俺がなんの罪悪感で蝕まれているのか。それは俺が決して己を許さない。例え親父と母さんと彩葉や朝日さんや、あの紅葉さんが慰めても、己を許さない

 

俺の永遠の罪

 

 

 

 

彩葉と朝日さんの父、紅葉さんの旦那

 

 

酒寄・朝久さんをあの事故に巻き込んだことを

 

 

 

 

俺が決して、どんな時間を経っても忘れることはない。そして絶対に己を許してはならない罪。周りがどれだけ俺が悪くないと言われても、俺はそれでも自責が止まることはない

 

彩葉もその事故の当事者でもあるため、11年前の事件の現場に居たため、俺が今でもそれを気にしていることに気づいている

 

そこまで言われると、俺も隠していたことを明かす

 

 

 

「ああ・・・・・・そうだよ。今になって、あの人の亡くなった罪悪感を感じているんだ」

 

「なんでまた?」

 

「学園祭の後、俺の教室の机に、紙で『あの人を殺したお前が。幸福になれると思うな』って誰かが書いたメッセージが置いてあって、それで・・・・・」

 

「え!?誰かあの事件を知っている人が学校に居るの!?」

 

「わからない。でも、そう書かれた紙が俺の教室の机の上に置いてあった」

 

「それで・・・・・・あんたは『また』。苦しんでいるのね?お父さんのことを・・・・」

 

「ああ、文句を言ってくれても構わねえよ。それでも忘れられないんだよ!!どうしても自分のせいにしなきゃ・・・・・俺は・・・・・・」

 

 

彩葉に全てを打ち明かす。また数年ぶりの発作を引き起こしたと泣き言を口にする

 

 

彩葉と朝日さんの父である、朝久さんのことを

 

 

あの事件が今でも忘れらない。心の底から血が滲むように消えない。あの人をあんなことをしてしまったことが、今にも心に来るように蘇る

 

あの事件をどれだけ無くしたいと望むか、数えたことがないくらい、毎日考えていたよ。輝夜たちと出会ってからは、そう考えることは無くなった。輝夜たちと過ごす毎日が楽しいから

 

 

そんな幸福が、俺には許されないと、誰かがあのメッセージを残したことで、それがしてはならないと考えてしまう

 

 

あの憧れた人を失った瞬間に、俺には幸せを得ていいのか、罪悪感を蝕まれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ。だからお前が幸福になる必要はない。ここで『自害』しろ」

 

 

 

「っ!?」

 

「え?誰?」

 

 

 

突然、泣き言を言っていると、道の先で

 

 

 

 

 

般若のお面をしている。黒いワイシャツと、黒いジーパンをしている男が言ってくる

 

 

 

なんでこんなお面をした、不審者だと思われる男が、なぜか俺に幸福になるなと、道先で立ち塞がるように現れる

 

なぜそんなことを言うのかわからないが。まさかこの前学園祭で俺の教室の机の上にあの不吉な紙を置いたり、乃依のメイド喫茶の後ろからあの不吉なことを言ったのも、こいつなのか

 

 

「まさか!?お前なのか!?あの紙を置いたのは?」

 

 

「思い知ったか?これでお前が幸福になるべきではないと、考え直したか?」

 

 

「お前・・・・誰だ?なんで俺の過去を知っている?」

 

 

「これから死ぬお前には・・・・関係のないことだ!!」

シュキン!!

 

 

「な!?く!?」

 

「一花!?」

 

「ぐわ!?くう!!」

 

 

突然お面をした男が、ナイフを取り出して、真っ先に俺に斬り掛かってきた

 

こいつは俺の過去を知っているのか、そしてあの事件に何かしらの恨みがあるのか、ナイフで斬りかかり、その場で倒れてしまい、そのまま奴は倒れた俺をナイフで刺そうとするが、俺は奴の腕を止めて、ナイフがあの少し先で、俺の喉元を刺そうとする

 

 

「なぜお前は・・・・幸せそうなんだ?あれだけのことをしておきながら、なぜ幸福に生きる!自害しようと思わないのか!!」

 

 

「何を言って・・・・・・」

 

「ふん!!」

 

バコン!!!

 

 

「ぐう!?」

 

カラン!カラン!!

 

 

「彩葉!」

 

「大丈夫?一花?」

 

「ああ、助かった」

 

「貴方は誰!ナイフを持って斬りかかるなんて!警察を呼びますよ!」

 

 

「呼んだら困るのは、そいつだぞ?」

 

 

「え?」

 

 

彩葉が俺を助けようと、持っているバックを大きく振りかぶって、お面の男の頭をハンマーで殴るように打ち付けた

 

その勢いで横に吹っ飛び、その打撃でお面が取れる。顔は下を向いてて見えないが、俺から距離を離すことができた

 

 

俺を立ち上がらせ、殺そうとするなら、ナイフを持っていることで、銃刀法違反で警察を呼ぶと、彩葉がスマホに110番の画面を見せて脅す

 

 

しかし、警察に通報すれば困るのは、俺だと言う。

 

なぜ

 

 

 

「彩葉・・・・お前は・・・・そいつに恨みはないのか?そいつのせいで、お前の家族は奪われたんだぞ?」

 

 

 

「え?・・・・・・・・」

 

「は?・・・・・・・・」

 

 

そのお面をしていた男が、ゆっくり地面から立ち上がり、下に向いていた顔を見せた

 

お面をしていた男の正体が分かった。しかし

 

 

 

信じられなかった

 

 

 

どうなっているのか、俺にも、彩葉にもわからない。目の前の現実が初めて理解できないことを俺たちは目撃する

 

いくらなんでもこれは信じられない。確かに警察に通報しても、信じない

 

そのお面をした男は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一花?」

 

「俺?」

 

 

 

 

「お前があの人に何をしたのか、忘れたとは言わせない」

 

ジャラン!!

 

 

「そのペンダントは!?」

 

 

「お前も・・・『俺』も死ぬべきなんだ。あの人のために・・・・・・」

 

 

信じられない話。お面をしていた男は、俺と同じ瓜二つかのような、同じ顔と声がする、俺の双子ではないかと思われる

 

 

俺と同じ顔をしていた

 

 

 

 

 

 

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