超かぐや姫! 〜彩葉の幼馴染のかぐや姫物語〜   作:ソール

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一花のバットエンド 

 

 

 

その後、瓦礫で埋もれた俺はみんなの手で掘り起こされ、体がほとんどペシャンコになったり、腕と足が片方を折れたりなど、体は完全にボロボロとなっていた。全身血だらけで。急いで病院に運んで手術に入らないと、このままでは死んでしまうと医者である親父が判断する

 

運の良いことに近くに緊急病院があり、そこへ運ぼうと紅葉さんの車で急いで重症となった俺を運ぶ

 

急いで心臓マッサージするなど、脈の動きもほとんど無くなっており、息もしてないと。親父は焦りながら応急処置を、紅葉さんの車の中で始める

 

 

救急車を呼んでも良かったが、廃墟のホテルはかなりの山奥で、救急車のような少し大きなバンでは通れない道にある場所であるため、紅葉さんの小さい車くらいなら通れるため、紅葉さんの車で病院へ送る。更にもう一つ理由があって、場所が場所なだけに廃墟のホテルで殺し合いしていたなど、病院の医者達に説明するわけにもいかず、適当にキャンプをしていたら落石があって息子がやられたと親父が嘘をつく。急いで手術に入り、医者で教授である親父がその緊急病院の人に声を掛け、自分も入ると、親父は息子の命を助けようと、親父も手術に加わる

 

 

そして俺が手術している部屋の、廊下のベンチで待っている。俺が無事かどうか確認のためだ

 

 

一応、別世界の俺も付いて来ている。瓦礫に埋もれた時は手伝いもせずに呆然していたが。彩葉が無理矢理連れ出す。ここまでのことをしでかしたからと言うのもある。責任のために別世界の俺も病院へと連れて行く。別世界の俺も、殺し合いでかなり斬り傷を得たため、他の医者に治療させられている。手術される程ではない

 

その間のみんなはただ廊下で待っている

 

親父が手術を成功させると信じて、俺の命が無事であると信じて

 

 

待つのみだった

 

 

「ママ、大丈夫だよね?」

 

「パパは成功するよね?」

 

「大丈夫、信じましょう。輝夜と八千代がここで信じなきゃ」

 

「なんで・・・・こうなるのよ・・・・」

 

「決闘が無事に終わったのに、あんな落石事故が起こるなんて・・・・」

 

「先輩・・・・頼むから生きてて・・・」

 

「こんな結末になるなんて・・・・・」

 

「くそ・・・・なんであいつばかり!!こんな酷い目に遭うんや!!!」

 

「朝日!大声を出しても無駄や。桜花くんの手術が成功することを祈るしかない」

 

 

「・・・・・・・一花」

 

 

廊下では輝夜達は俺の無事を祈って待っている

 

こんな不運になるなど、嘆くことしか何もできない。あの残酷な殺し合いが無事に終わったと思えば、廃墟のホテルの脆さで天井が崩れて巻き込まれて下敷きになる。そんな不運があるのかと誰もが信じられない。しかし、起きた以上はもうどうにもできない

 

親父が手術を緊急で行い、親父の病院ではないけど。親父の階級によりすぐにでも手術の準備を夜中であるのに手配してくれて、今その真っ最中だ

 

その始まって、一時間が経つと

 

 

ブウン!

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「っ!パパ!!」

 

「パパ。一花は?」

 

「あなた。一花は?」

 

「おじさん、手術は?」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

「パパ?」

 

「あなた?・・・・・まさか!?」

 

 

手術室から親父が出てきた

 

出てきたのに気づいた輝夜達が、俺が無事かどうかを聞く

 

 

 

 

しかし、親父は何も喋らない

 

 

それどころか『悲しい顔をしていた』

 

 

 

母さんはそれだけの表情を見て、何も喋らないだけで、手術がどうなったのか。結果が分かった

 

 

その結果は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタポタポタ

 

 

 

「すまん・・・・・救えなかった・・・・・」

 

 

 

「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」

 

 

 

 

残念ながら俺は救えず、手術は失敗し、俺が死亡したと

 

 

 

 

親父は涙ながら告げる。親父は息子である俺を救えなかった

 

その言葉に誰もが衝撃を受けて口を開けてはいるが、喋る事はできない

 

 

そんな中で輝夜は

 

 

 

「嘘だよね?パパ。嘘だよって言って・・・・・嘘だって言って!!!」

 

「そんな・・・・・そんな・・・・・・そんな!!!」

 

「ああ・・・・あああああああ・・・一花!!私の子が!!!」

 

 

 

「・・・・・・・・あの馬鹿。何勝手にお父さんの所に行ってんのよ。ああああ・・・・・あああああ・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「やだよ・・・・やだ・・・・・一緒にハッピーエンドにしようって言ったのに、これじゃあ・・・・バットエンドだよ!!やだ・・・・やだ・・・・一花あああああああああああああああああああああああ!!!」

 

「そんな・・・なんで・・・・なんでこんな・・・八千年も待ったのに・・・・せっかく会えて・・・現実でも生きれるのに・・・・一緒になれたのに・・・・こんなのあんまりです・・・・ああああ・・・・あああ・・あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

輝夜が親父に嘘だと言って欲しかったが、親父は首を横に振り、残念ながら俺は死んだ事は本当だと。思い知らされる

 

輝夜はこんな残酷な結末を受け入れずに、泣き叫んだ

 

彩葉も、俺が父親と同じ天国へ先に逝ったことに文句を言いつつも嘆いた

 

八千代は、俺に再会するために八千年待った。にも関わらずたった一ヶ月で俺が死んだ。そんな現実に絶望して涙が流れるのが止まらなかった

 

 

こんな結末になるなんて、受け入れずに病院であろうと嘆いた

 

 

あの笑顔でいつも誰にでも振る舞う母さんですら、息子の死を受け入れずに泣き叫ぶ。こんな不運で俺が死ぬなんて信じられない。人間の命はこんな簡単なに死に、あんな起こることが低いことで亡くなるなんて。誰がこんな不運を予想したのだろうか

 

 

「なんで・・・・なんで・・・・・なんでなのよ!!!」

 

「嘘だ・・・・そんな・・・・・・一花が死ぬなんて・・・・」

 

「そんな・・・・先輩・・・・先輩・・・・一花先輩!!!」

 

「く!なぜ・・・・あいつに・・・・そこまでの不運が起こる!!」

 

 

「ふざけんなや・・・・・なんで・・・・・・こんな結末ねえやろ!!!!!」

 

「はあ・・・・・・・あのお馬鹿!・・・・勝手に旦那の所に行くなや」

 

 

朝日さんでも嘆いた。

 

こんな結末はあり得ないと。誰もが俺の死を信じられない。元々あんなことをすること自体が悪かったのかもしれない。もしくはあんな人気がないからと言って。建物が崩れそうな廃墟のホテルであんなことをしなければ、こんなことにならずに済んだもしれない

 

しかし、どう後悔しても無駄

 

 

 

俺は・・・・・・・・17歳で死亡した

 

 

 

「こっちの世界の俺が・・・・・死んだのか?」

 

 

「・・・・別世界の一花・・・・」

 

 

「俺は・・・・・間違っていたのか・・・・」

 

 

廊下の反対の方から別世界の俺が、全身ほぼ包帯で巻かれた状態で出てくる

 

俺のとの決闘でかなり負傷していたが、みんなの嘆きを聞いて出てきた。まさかとは思うが、こんなことになるのは。別世界の俺が後悔する。自身の死を望んでいたが、みんなの悲しみを見て、自分が自殺することが間違いだと。本当に大事いしている者がいると気付かされる

 

別世界の一花が出てくると

 

彩葉が近づき

 

 

「ねえ!これがあんたの望み!?こんなの誰が喜ぶのよ!!!」

 

 

「・・・・・・・・そうだな、俺は間違えた」

 

 

「気づくのが遅いのよ!!勝手にお父さんを殺した罪悪から、変なことで自分を殺そうとしないでよ!!私がどれだけ・・・ここまで来たのか・・・・私はただ・・・・一花と居たいだけなのに・・・」

 

 

「・・・・・・・・・すまない」

 

 

彩葉は別世界の俺に文句を言った。その言葉に別世界の俺は何も言えない

 

やっと別世界の俺が間違いを認めた。気づいた時には俺が死んでいるが、やっと別世界の俺は彩葉の言葉だけは否定できないのか、もう受け入れるしかない。むしろ俺が死んでみんなが悲しむ光景を見て、もう自分がやってきたことの過ちに気づいた

 

俺が死んでも意味はない。これだけ俺の死で悲しむみんなが居るんだから、だから死んで償うものなんて存在しない

 

 

「先生、息子さんを霊安室に移動させました」

 

 

「ああ・・・・・とりあえず行こう。一花の所に」

 

 

手術室から、俺を霊安室に移動された

 

病院で亡くなった人は一時そのような部屋に移動させられる。その場所で、眼を閉じて安眠する俺の姿があった

 

右手は潰れ、左足は捥ぎれているなど。全身には切り傷があるなど、まさしく死体になった俺の姿だった。その部屋に入り、輝夜と八千代が早歩きで死体になった俺に近づく

 

 

「ああ・・・・・一花・・・お願いだよ・・・起きて・・・・一緒にハッピーエンドを作ろうって約束したじゃん・・・・お願いだから・・・・・」

 

「一花・・・・・八千年待ったのに・・・・こんな簡単に現実で・・・・・死んでしまうなんて・・・・なぜ・・・・どうして・・・・・・」

 

 

「一花・・・・・・うう・・・うう」

 

「なんでこんな綺麗な顔で寝ているのに・・・これが死んでいる顔なのよ・・・」

 

「先輩・・・・寝てないで・・起きてくださいよ・・・・」

 

「一花・・・・今まで楽しかったぞ・・・・」

 

「お前・・・・なんで親父みたいにこんな簡単に死ぬんや・・・・」

 

 

「一花・・・・・・ああ・・・・・ああああああああ」

 

 

実際に俺が死んでいる姿を見て、更に号泣する

 

ただ眠っているような顔をしているが、これが人が死んでいる顔だ。さっきまで元気だったのに、一瞬で死者になる。人間の死は予想以上に脆いものだった。人間の死を目前として、みんな泣き崩れる。大切な友人にして家族だった。大事な家族である俺が死んだ姿は美しさもなく、ただ虚しさだけが残る

 

 

 

これが、俺の生涯を終えた、俺のバットエンドならぬ、デットエンドだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うむ。一花が亡くなってしまったか・・・・・」

 

 

「っ!月読様・・・・・」

 

「まさかこうなるとはな。まさか我の未来視でも予知できぬ未来を一花が作るとは、これが彼の運命と言ったところか・・・・」

 

「月読様!!月読様の神の力でなんとか一花を生き返す力はありませんか!?」

 

「我は蘇りの神ではない。流石に不可能だ」

 

 

月読様も霊安室に入ってくる

 

神である月読様は俺の死を悲しまない。むしろこうなることを予感していたかのような発言。あの決闘を始め時から、分かっていたのだろうか。しかし、月読様の未来視でも確認できず、どうやらこうなる未来は流石に予感はしていても、未来視では確認できなかった

 

それだけ、未来視では確認できない未来を俺は完成させるのかもしれない。月読様でも先を見通せない未来が

 

そして八千代が月読様に俺を生き返らせるよう懇願する。神なら人知を超えた力があるから可能なのかもしれないが、しかし、月読様は月の神様であり、人を生き返らせる力はない

 

それに

 

 

「姉上から・・・・・このまま天人一花を殺したままにしておけと言われた」

 

 

「な!?どうして!?」

 

「姉上って・・・・・太陽の女神アマテラス様ですか?」

 

「うむ、その他の別天神からも、一花は危険だからと何かあって命を落とした場合は何がなんでも助けるなと、高天原の神々が決断なされた」

 

「神々が!?」

 

「なぜ先輩が!?」

 

「一花は我の力を予想以上に使いこなしている。別世界ではなく、こちらの一花がな。別世界の一花も月光を発動させたにも関わらず、こっちの世界の一花の月光はそれすら砕く破壊力を示した」

 

「確かに別世界のイチカの月光を浴びた刀を、一花も月光で壊した」

 

「その破壊力は月人たちだけでなく、神々にも有効な破壊力を示した。そんな神にも抗えることのできる一花を、我が神々は危険視することを判断した」

 

「な!?一花は神々に反抗するような人じゃありません!」

 

「うむ、我もそう言った。そして天人一花は人間、百年としか生きられない。そんな短な生き物を死なせる必要ないと、我も姉上に告げた。だが『そういう心配はしていなかった』」

 

「え?どういうことです?」

 

「もっと違うことを心配していた。姉上は。このままでは『一花が永遠の者になる』と」

 

「一花が・・・・・永遠の者?」

 

 

月読様以外の神々は、俺の力の絶大さを恐れて、俺は死なせるべきだと判断された

 

こっちの俺と、別世界の俺との力は全然異なるようで、俺の方はもっと危険な力を成長させて、月人だけでなく、神々にも翻る力に成長したと、日本の神々の住処に居る高天原の神々は警告しているとのこと。このまま死なせるべきだと、他の神々が言うが、当然ながら八千代と輝夜が俺がそんなことはしないと、神々の敵になることはしないと言う

 

 

 

だが、心配しているのはそこではない。

 

そんな神々の敵になる危険な俺が『永遠の者』になることを月読の姉、アマテラスは恐れている

 

 

 

なんなのだろうか、永遠の者とは?それに俺がなることを恐れている。今死んだことで、それになろうとしている。神々は俺の何を恐れるのだろうか

 

その答えを知るのは

 

俺の

 

 

 

 

『両親』にあった

 

 

 

 

「桜花よ、咲夜よ、一花が亡くなったわけだが、当然ながら。親である其方達は子を死なせるつもりもなく、其方達は『禁断の方法で生き返らそうとする』のだろう?」

 

 

 

「・・・・・・・あなた。やっぱり月読様は・・・・」

 

「ああ、月読様はこの事を予想した上で、地球に『まだ』残って監視しているのですか?」

 

「うむ、我が『一万年前に其方の先祖に渡した』とはいえ、我以外の神々は『それ』を一花に使うことを恐れている。もしくは取り上げるよう、姉に頼まれている」

 

「やっぱり・・・・・・・」

 

「まさかよりにもよって・・・・一花に使うとはな。眷属が我に使えたお礼とは言え、この現になるまで使わずに置いておき、神々の脅威になるかもしれぬ子に飲ませようとは」

 

「なんの話です?」

 

「パパ?ママ?」

 

「もしかして一花を生き返らせる方法があるの?」

 

 

 

「ええ、あるわ。輝夜、八千代、私とあなたはこうなるのではないかと思って、『私たち一家の家宝』を使うわ」

 

「それは人を生き返らせる。しかし代償として『不老不死になってしまう』。一花が望むとは思えないが、それでも俺は父親だ。手術で治せなかった息子を、そのまま死なせるつもりはない」

 

 

 

天人家には家宝があった。それで俺を生き返らせる

 

月読様が自分に仕えた天人家の先祖に渡した物、今までそれを使う天人家はいない。代償として人間でなくなるからだ。そんなリスクを問われるようなものを、今までの天人家は使うことはなかった。だが、今神々に恐れている俺をそれに使おうと、親父と母さんは家からそれも持ってきたいた

 

それはなんだろうか?不老不死が問われる、そんなフェニックスの涙のような物があるのだろうか、月読様は俺の先祖に何を渡したのか

 

 

それは

 

 

 

 

 

 

「その名は『変若水』と言う霊薬だ」

 

 

 

 

 

「な!?あの霊薬を一花の一族に渡していたのですか!?月読様!?」

 

「うむ、しかし、不老不死に望みがない一族であるが故に、誰も手を出さないのだがな」

 

「なんですか?変若水って?」

 

「知っている!?それって不老不死になれるって言う幻の霊薬ですよね!?」

 

「「「「「「「不老不死!?」」」」」」」」

 

「ええ、私たちの先祖達が使わずに取っといてあるのだけど、それをこの子に使いたいの」

 

「代償として、髪の毛と肌が白くなってしまうけどな」

 

 

八千代と乃依は知っている。この伝説の霊薬を

 

 

変若水、それは月読様を信仰する者、もしくはその仕えた者のみが与えられる霊薬

 

飲めば不老不死になれる、代償として髪の毛と肌が白くなる。大昔の天人家の先祖に月読様は渡していた。長く月読様に仕えるためであろう、しかし、誠実に生きようとする俺たちの一族は不老不死など求めず、人間として子孫に託す事を、これからの未来のために繋げることを選択したため、変若水は使うことは先祖代々実行する者はいなかった

 

 

だが、今回の不運で事故で死亡した俺を生き返らせたいと、親父と母さんはその一族の決意と禁忌を破る

 

 

こんなところで、唯一の子孫であるのと、一人息子を失う悲しみに耐えきれず、俺を不老不死になると言う、長き命を伸ばして生き返らせようと、大昔に先祖に渡された霊薬を、数千年経ったこの未来でやっと使用する。神々に恐る力を持つ俺に

 

 

「それで変若水は?」

 

「咲夜が・・・・」

 

「はい、私が持っています」

 

「ふむ、こんな事もあろうかと持っておったか」

 

 

母さんのバックから、少し古い木箱から小さいガラス瓶を出す。中に赤い液体が入っている

 

東京から天人家の刀だけでなく、変若水もしっかりと持ってきていた。親父の三日月眼でこうなることがわかっていてのことだろうか、それとも念のためだろうか、刀だけでなく、霊薬も持ってきている

 

それを月読様に見せるが、阻止されそうと見せるだけで、母さんは渡そうしない

 

 

「月読様は、私の息子に変若水を使用することを止めるために、今も地球に、私たちの元に居るのですか?」

 

「っ!?そうなのですか!?月読様!?」

 

「ん?まあ・・・・・姉上や他の神々にはな・・・・」

 

「お願いです!月読様!代償はなんなりとヤッチョが払います!!どうかこの霊薬を一花に!!」

 

「輝夜も代償を払います!!どうか一花に!」

 

「お願いします!!月読様!彼は友人なんです!助けてください!」

 

「大事な先輩なんです!お願いします!!」

 

 

「ふむ、皆もこう申すか・・・・・・彼が不老不死になることがどういうなのか、それは理解しているのか?」

 

 

「そ、それは・・・・・・・・」

 

 

「言っておくが、其方達はこれを飲んでも不老不死になれない。なれるのは天人家の者だけだ。しかも少量しか入っていない、一人しか飲めない。其方達は百年のみしか生きられない。過ぎれば其方達は死に彼だけ残る。彼を消えることのない孤独に、この世に残すのか?」

 

 

「それは私と八千代がこの地球に残り続けます!輝夜と八千代は月人ですので!」

 

「はい!八千代と輝夜は月人で一花が不老不死になっても、千年先まで共にあります!月人に寿命は存在しませんので!」

 

 

「なるほど、彼が不老不死になった際は、それからの生涯は彼のために捧げると?」

 

 

「「はい、未来永劫!一花と共に人生を捧げます!!」」

 

 

「うむ、月姫二人はもう一花のために、生涯を捧げるつもりか」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

みんなが月読様に変若水を使用させて欲しい許可を求める

 

使用すれば俺が不老不死になり、皆と同じく歳を重ねて死ねなくなり、孤独に生きさせるのかと月読様は皆に問いかける。その問題は輝夜と八千代がそれからも俺に寄り添うと、常に側に居てくれると約束する

 

輝夜と八千代は人間ではなく、月人と言う長き寿命を持つ存在、俺が不老不死になっても長きに生きられると、これからもこの地球で俺と共に生きると、二人は神を前に誓った

 

その言葉を聞いた、彩葉が

 

 

驚く行動に出る

 

 

「っ!!」

 

ガ!!!

 

「あ!彩葉ちゃん!?」

 

「彩葉!?」

 

 

「ん?酒寄君?」

 

 

「店長・・・・いいえ。月読様、私は神である貴方様がこれを一花に飲ませるなと言っても、私はこれを彼に強引にでも飲ませます!!」

 

 

「ほう、其方にしては・・・・大きく出たな?」

 

 

彩葉が母さんから木箱に入っていた変若水を無理矢理奪う

 

神の命令により、神々にも脅威になる俺を不老不死になることを恐れているとはいえ、そんなことなど知ったことがないように、この変若水を俺に無理に飲ませるとな、暴挙に出る

 

 

「なぜそこまでする?彼に?酒寄君は確か・・・・・彼とは幼馴染。幼馴染を助けたいのか?」

 

 

「それだけじゃあありません!」

 

 

「む?なんだ?」

 

 

 

 

「お母さんも!お兄ちゃんも!輝夜も八千代も!みんなも!聞いて!!私は一花の事が大好き!!」

 

 

 

「・・・・・知っとるわ」

 

「ああ、俺も気づいているわ」

 

「やっぱり・・・・・」

 

「うん、そうだろうと思ったよ・・・・」

 

「知っているわよ。そんな事」

 

「いつも高校でも一緒に居たもんね」

 

「彩葉先輩も、やっぱり先輩のことを・・・」

 

「幼馴染なら、尚更だな」

 

 

「彩葉ちゃん・・・・・」

 

「想いを今言うのか」

 

 

彩葉がここまでする理由は一つのみ

 

 

俺を愛しているから

 

 

輝夜も八千代も、紅葉さんも朝日さんも、誰もが知っている。彩葉が本当は俺のことが大好きだと。みんなが知っていること、ただ直接彼女の言葉から言うことはなかった。幼馴染だ。小さき時から今にまで過ごせば、この先も共に居たいと思うのが恋だ。その幼馴染の恋を彩葉はしていたんだ

 

そのために今までも

 

 

「ほう、酒寄君。彼を愛しているが故に、愛する彼を助けるために、我の許可があろうとなかろうと飲ませると?」

 

「はい!私は一花とこれからも居たいから、無理してここから東京の高校に通いました、本当は一花と一緒に居たかった!そのためにあの安アパートを借りたり、店長のカフェで毎日バイトしたり、ツクヨミで一かと一緒に遊びたくて、一花の居るあの東京の高校に行きたかった!!私だって輝夜と八千代に負けないくらい、一花のことが大好き!!ここまで無理したのに、ここで死なせるなんて私にはできない!!彼を化け物にしてでも!生きて欲しい!!私の側に居て欲しい!!」

 

 

「「彩葉・・・・・」」

 

 

彩葉の告白は俺へのかなりの想いだった

 

京都出身の彼女がなんで、無理して俺の通う東京の高校に入学し、東京の安アパートを借りてまで暮らすのか。

 

 

それは俺と共に居たいから

 

 

それだけのために高校を俺の通う高校に合わせた。朝久さんの死から忘れようと東京に引っ越した俺を追いかけるために、かなりの無理してでも、彩葉はどんな無茶もした。全ては俺と居たいがために、正直輝夜と八千代は驚いている。彩葉が普段俺にそんな想いがあったなんて。一緒に住んでいるだけのことはあるなと思う程、彼女も俺への想いはしっかりと強くあった

 

 

その強い想いに対して、月読様は

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうかそうか・・・・・あ、言っておくが、我はそれを一花に飲ませるつもりだから、飲ませないなどと。我は其方の敵になったりしないため、安心すると良い」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「え!?」」」」」」」

 

「よ、よろしいのですか?」

 

「神々に一花を不老不死にしてはならないと言われているんじゃあ・・・・」

 

 

「言われているな。しかし、我は眷属を見捨てる程、愚かな神になるつもりはない。それに我は姉上とは仲が悪い、太陽と月が別れるように、我もあまりに姉と犬猿の中であるため、姉の言うことを聞くつもりはない。それに神々の中でも我の味方が居る。それは我が弟である『スサノオ』だ。スサノオは人間を守ってきた英雄神。そのスサノオすら人の味方、我は人の行く末を見守る月の神。一花に変若水を飲ませないつもりなど、毛頭ない」

 

 

「月読様!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

 

「それに、神々に脅威たる一花を不老不死にし、我の眷属として迎えれば事なきこと。神々に脅威たる者を敵に回すより、恩を売って味方に付ければ安心すること。姉上は人間に恐ろしいと勘違いをしているのだろうか?一花のことをよくも知らないからそんなくだらん事が言えるのだろうか?我は一花を見捨てるつもりはない」

 

 

散焦らすつもりはないが、月読様は俺に変若水を飲ませるつもりで何度も皆に問いかけていた

 

むしろ不老不死にさせて、神々に脅威になる者を排除するより味方につけた方が有利であると、最初から月読様は俺を見捨てるつもりなどなかった。神々に抗議されるだろうが、元々は姉とは犬猿の仲らしく。太陽と月が共になれないように、太陽の神も月の神も、姉弟ながら仲が悪いようで、眷属を見捨てる命令を姉に言われようが、他の神々に言われようが無視するつもりだった

 

それに月読様にも味方する神々も居る。それが英雄神スサノオ。月読様の弟である

 

人を守ってきた英雄神すら、俺を助けると反対してくれた。その弟に倣って、月読様も眷属である俺を見捨てることはしなかった

 

 

これで、俺を助けることができる

 

 

だが

 

 

「しかし、酒寄君。数千年経ったせいで、その霊薬の効果は薄くなっているな・・・・」

 

「え!?じゃあこのまま飲ませても、一花は・・・・」

 

「うむ、生き返ることができない可能性が高い」

 

「そんな!?」

 

「どれ?」

 

ポン!!

 

「ふむ・・・・・やはりな。劣化しておる。これでは無理だな」

 

「どうすればいいのですか!?」

 

 

月読様は大昔に渡したその変若水が、中身の液体の濃さがあまりに薄いと、このままでは俺を生き返らせることが不可能と言われる。

 

開封は一度もしてないはず、蓋も開けていない。それでも数千年経ち過ぎたせいで、その液体も経年劣化してしまったのかもしれない。その証拠に月読様は蓋だけ開けて見ると、液体の色が薄くなっていることに気づく。まさしく炭酸ジュースを蓋をせずに放置した結果。炭酸が全て抜けたような感じだ

 

とにかく、このままでは俺を生き返らせるのは不可能

 

それでもその効果を増幅する方法は

 

 

 

 

 

「血だ。『天人家の生きた血』を多く混ぜればなんとなる」

 

 

 

 

 

「一花の一家の血!?」

 

「うむ、そうすれば効果は大きくなるはずだ。あとは成功するかは彼次第だ」

 

「天人家の生きた血・・・・」

 

「ってことは・・・・」

 

 

その方法は『天人家の生きた血』。それが必要だった

 

それを多く摂取して混ぜれば効果は多くなるはずだと、そうすれば俺を助ける確率が上がると告げる。しかし、天人家の生きた血。そんなものを持つ人は一人だけだった

 

 

 

「あなた!!」

 

「「パパ!!」」

 

「「「「「おじさん!!!」」」」」」

 

「桜花くん!」

 

 

「うむ、桜花よ。其方だ。其方だけが。息子を救えるぞ?」

 

 

 

「はい。俺は医者でありながら、息子を手術で救えなかった。なら、俺の血で息子を助けるだけだ!!」

 

 

 

それは親父だった。現天人家当主。天人桜花のみ

 

そんな特殊な血族の子孫であり、天人家の血を代々受け継いだ生きた人間なら、俺を救える。父であり、医者であるのに、息子である俺を救えなかった。だが、それ以外の方法で救える方法があり、それに必要不可欠であるのが自分であるなら、やるしかないと、躊躇いは一切なかった

 

左手の内から血を流そうと、親父は別の部屋からメスを持ってくる。それで手の中心に刺して、血を流し込もうとする

 

 

 

「彩葉ちゃん。いいかい?」

 

「はい!いつでも!」

 

「月読様!やりますよ!」

 

「うむ、その手で息子を救って見せよ」

 

「「頑張って!!パパ!!」」

 

「お願い!貴方!」

 

 

「ああ!!一花!必ず助けるからな!!」

 

 

そして親父は自分の手で、自分の手にメスを差し込む

 

今天人家の生きた人間は親父のみ。その親父の流れる血を流し込めば変若水の効果は拡大に上がる。少しでも俺が生き返るようにと、親父は息子を救うために、己の手に狂気を差し込む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし

 

 

ガバ!!ザシュ!!!

 

 

「え!?」

 

「嘘・・・・・」

 

「「え!?」」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

 

「なんで・・・・・・『別世界の一花』!?・・・」

 

「これは・・・ケジメだ。俺はこいつやこっちの彩葉の想いを聞いてわかった。お前がどんなふうに思っていたのか、俺はわかっていなかった。こうなったのも俺のせい、なら、せめて償うことくらいはさせて欲しい。あんたらの話はわからないが。俺も天人家の生きた人間だ」

 

 

親父の手にメスが差し込むことはなかった。その手を退けて、代わりにメスに手の平を刺された人が居た。

 

それは

 

 

 

 

別世界の俺だ

 

 

 

 

やっと自分の過ちに気付いたのか、こんなことを引き起こした原因として、償いをしたいと、親父の手を無理に退けて、代わりに別世界の俺が手にメスが刺さる。別世界とは俺だ。生きた天人家の人間。条件としては一致している。話はあまりにわかっていなかったが、それでもその条件に自分は見合っていると。自ら手を差し込んで刺された

 

 

 

「俺はお前のことを何も考えていなかった。お前の父親を殺してしまった罪悪感に囚われて、周りが見えていなかった。こっちの世界のこいつの言う通りだ、そしてお前がそんなにもこっちの世界の俺を想っていたなんて、なら、俺ができることの全てを君に捧げるだけだ」

 

「別世界の一花・・・・・・」

 

「彩葉のために。ああ、これからは彩葉のために生きる。あっちの世界のお前も、俺のことを待っていると思うか?」

 

「思うよ。自分の世界に戻ったら迎えに行ってあげて?」

 

「ああ、約束する。これが俺の償いだ」

 

「もう十分だ。別世界の一花よ」

 

「よし」

 

「別世界の一花・・・・・」

 

「親父、母さん。こっちの世界のとはいえ、迷惑をかけた。償いはこれで。こっちの世界の俺を救ってやってくれ」

 

「ああ・・・・・」

 

「ありがとう。別世界とはいえ・・・・・私の息子・・・・・」

 

 

別世界の俺はもう過去に囚われていない。彩葉のために生きると、今度は良い方法で償う

 

過去は過去であり、その亡くなった父である朝久さんの約束を守るために、彩葉のために生きると新たな償いを建てる。こっちの彩葉が言う。きっとあっちの彩葉も別世界の俺を待っていると、自分の世界に戻ったたら迎えに行って欲しいと、絶対に別世界の彩葉も別世界の俺を会いたがっていると、彩葉に頼まれる

 

十分に瓶の中に、別世界の俺の血はかなり流れ込んだ。月読様が次の指示をする

 

 

「これで十分に混ざった。今日も満月が出ている。この病院に屋上はあるな?桜花?」

 

「はい、あります」

 

「よし、彼を屋上へ、そして満月の月光を浴びて変若水を飲ませる。あとは・・・・生き返ると成功すると信じるのみだ。移動するぞ」

 

「はい!一花。待っててね?」

 

「もう少しだから、少し体を動かすよ?」

 

「絶対にあんたを生き返らせるんだから!!」

 

 

条件はこれで揃った。あとは俺を病院の屋上に移動する

 

今日も満月が出ている。その月光に当てられた状態で飲ませることで、俺が生き返ると、月読様は告げ、みんなで俺をこの病院の屋上へと運ぶ

 

果たして、俺は生き返るのだろうか、条件は揃って、それなりに効果も強くした。成功するかしないかは

 

 

 

 

 

俺次第である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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