超かぐや姫! 〜彩葉の幼馴染のかぐや姫物語〜   作:ソール

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そんな酒寄家の父、酒寄朝久のお話


朝久さんと最高のライブ

 

 

満月の日とは思えない程、もうそんな日は過ぎたのに。今宵の夜も満月が出ていた。月明かりの良い夜だ

 

その真下で、病院の屋上で俺が運ばれ、死体となった俺を月に照らされて晒される

 

 

「「「天橋も長くもがも、高山も高くもがも。月夜見の持てるをち水、い取り来て、君に奉りて、をち得てもしかも、天なるや、日月のごとく、我が思へる、君が日に異に、老ゆらく惜しも・・・・」」」」

 

 

「月読様とおじさんとおばさんは何を言っているの?輝夜?」

 

「パパとママと月読様は、『変若水の長歌』を朗読しているの、詠唱みたいなもの」

 

「この変若水を飲むための儀式だと思って、彩葉」

 

 

「「「我が手元、まかむと思はむ、ますらをは、をち水求め、白髪生ひにたり、白髪生ふる、ことは思はず、をち水は、かにもかくにも求めて行かむ、古ゆ、人の言ひける、老人の、をつといふ水ぞ、名に負ふ、瀧の瀬」」」」

 

 

親父と母さんと月読様は、俺を不老不死にするための儀式として、長歌と言う詠唱を歌う

 

親父も母さんも、この儀式の長歌を知っており、俺を生き返らせるために月読様と詠唱して、俺の儀式を整のえる。この変若水を飲ませるにはこの儀式を行う。月明かりとこの歌、俺を不死にして取り戻す言葉、代償として俺の姿が少し色を変えてしまうが

 

これのみしか、俺を生き返らせるしかない

 

 

「さて、長歌はこれで完了し、月明かりも良い程に照らされている。儀式は完了だ」

 

「あとは・・・・・飲ませるだけですよね?」

 

「うむ、酒寄君。其方が持っているわけだ。其方が飲ませなさい」

 

 

「はい!一花・・・・戻ってきて!!」

 

 

ポン!!ボトボトボトボトボト!!!

 

 

儀式は完了し、あとは俺に変若水を飲ませるだけだ。

 

ちょうど彩葉が変若水を持っていると言うことで、彼女に俺の口に入れて飲ませる。瓶の蓋を取って、俺の口にゆっくりと流し込む。もちろん全部。残さずに

 

 

「これで生き返らせるんですよね?」

 

「可能性は高くした。あとは成功するかは彼次第だ、髪色と肌が白くなれば成功だ」

 

「一花!戻ってきて!」

 

「一花!一緒にハッピーエンドを目指そう!こんなバッドエンドやだよ!!」

 

「八千代は八千年、貴方に会うまで我慢しました。ここで消えるなんて嫌です!お願い戻ってきて!一花!」

 

「一花!まだ高校生活は残っているんだよ!来年だって海にまたみんなで行こうって約束したでしょ!だから戻ってきて!」

 

「一緒にまた美味しい物を食べよう!こんな所で死んでも意味ないよ!一花!戻ってきて!」

 

「先輩!!まだ俺は先輩ともっとみんなで楽しいことをしたいんです!戻ってきて!」

 

「一花!過去を乗り越えたら、未来に生きるのが筋だろう!だから戻れ!!お前の居場所はここだ!」

 

「戻って来い一花!テメエ!俺の妹を泣かして、先に親父の所に行くなんて絶対に許さへんぞ!だから戻ってこい!!こんな所で終わるなんて、俺は認めへんぞ!!」

 

 

「「「「「「「「一花!!!」」」」」」」」

 

 

 

飲ませたが、無論成功するかはわからない

 

確率は上げても成功するかは俺次第になる。みんなは俺の名前を呼んで、戻って来いと大きな声で叫ぶ。まだ俺とやるべき事ややりたいことがまだあると、俺を死なせないと俺の名を呼びかける

 

もう祈るか信じるしか、俺が戻ってくるのを待つしかない。

 

 

 

ピリン!ピリン!

 

 

と、輝夜がくれた腕輪と、朝久さんに貰ったペンダントが小さく光る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?・・・・・ここは?」

 

 

俺は居たことのない『草原』の中心で、白いワイシャツと青いジーパンを着ていて目覚めた

 

辺りは夜だ。それも月明かりの良い満月が輝く程、全体が見える謎の場所。なぜかその場所で俺は目覚めた

 

 

「そうだ。俺が瓦礫に埋められたはず・・・・だからみんなは居ないのか?じゃあここはあの世なのか?」

 

 

思い出した。あの廃墟のホテルで別世界の俺に勝ったけど、別世界の俺が天井が崩壊して巻き込まれそうになったところを、庇って俺が瓦礫の下敷きになった。それで死んだんだと判断する

 

周りには輝夜も彩葉も八千代もみんなも居ない、それでここで俺一人なら

 

 

 

ここはあの世としか言いようがない

 

 

 

三途の川も見えない、こんなよくもわからない、ただ満月がよく見える草原で、一人で居るこの世界を、あの世と呼ばないでどう呼べば良いだろう

 

あの後だ、俺が死んだとしか思えない。にしても

 

 

「生きているみんなは・・・・どうなったのかな?はあ・・・・結局俺は約束を守れずに終わったんだな、俺はここで一人でどうすればいいんだろうな?」

 

 

どうすればいいか分からずに、その場で座り込んだ

 

ここが本当にあの世なのかそれすらも分からない上に、どこにも行けそうにない、この草原しかない、四方を見ても草原しか広がっていないこのどこにも行けそうにない場所で、その場で俯く。

 

そして生きている彩葉達はどうなったのか、それすらも分からない俺は、何もできない

 

結局、俺は輝夜と彩葉と八千代の約束も守れずに死んだ

 

本当に死ぬことになってしまった。嗚呼、こんな無様な姿

 

 

「朝久さんになんて言われるだろうな・・・・・・」

 

 

こんな無様な結末をして、朝久さんが見たらどんなことを言われるのか想像つかない

 

あの人に詫びるために死ぬことを望んでいたけど、まさか本当に事故で叶ってしまうなんて、しかもその本人に会えないまま、俺はここで一人で居る。俺の裁きだろうか、あの人を死なせた罰なのか。今の俺には虚無だけが続いた

 

 

「儚い人生だったな・・・・・ごめんな、彩葉、輝夜、八千代。俺は約束を守れなかったことを、恨んでくれ」

 

 

結局、俺はハッピーエンドは手に入れることはできなかった。

 

17歳で命を落とし、みんなに別れも言えずに終えた無様な人生、ここがどこだか分からないけど、詮索する気もなくなるくらい、暗い気持ちにしかなれず、俺はこのまま俯いたまま

 

 

生涯を終えようと考えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんや?僕の約束を破って、こんな所で俯くまま終わる気なんか?一花?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?え!!?」

 

 

 

突然、俺の後ろで男の声がした

 

こんな謎な所で、俺以外の人が居ることに驚く

 

 

 

いや、驚くのはそこじゃない

 

 

この『声』だ

 

 

 

この声を俺は知っている。いや、今会いたかった人物の声、なんでこんな所に居るのか理解できないが、今ここに一番に会いたかった人が、ここに居る

 

もう会えないはずと思っていたのに、まさかこんな謎の場所で会えるなんて

 

 

そう思って、顔をあげて振り返ると

 

 

俺の後ろに居たのは

 

 

 

 

 

 

 

「朝久さん!?」

 

 

「やあ、一花。大きくなったんやな?もう高校生くらいの年齢か?」

 

 

「どうしてここに!?というか・・・・本物なのか?」

 

 

「ん?まあ・・・・そう言われてもしょうがないやな。僕もここがどこなのかわからへんけどな。また一花に会えて嬉しいわ。もう大きくなったんやな。元気そうで何よりや。ここで君が何をしているのかずっと見ておったからな」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

もうここがどこなのかも、なんでここに朝久さんが会えるかなんてどうでもいい

 

 

 

 

わかるのは、もう会えないと思っていた『酒寄朝久さん』に会えたこと

 

 

 

 

これだけでいい、あとはどうでもいい、どれだけこの人に会いたかったことか、言いたいことも、話したいこともたくさんある。また会えるたんて、なんの奇跡だよ。こんな機会を逃すつもりもねえよ。

 

会いたいのは彩葉や朝日さんや紅葉さんもだろうけど、それでも俺は先に会いたかった。今の状況がどんな感じもわからない、この場所がなんなのかも、俺が死んでいるのか生きているのか、これが夢なのかもわからない

 

それでも俺は

 

 

 

 

「朝久さん!!」

 

 

「うお!?なんや?そんなに僕に会いたかったんか?」

 

 

「当然ですよ!俺はあなたに謝りたいことが!!」

 

 

朝久さんに涙ながら抱き付いた。

 

もうこの人を目の前にして我慢などできない。あの人が目の前に出てきたらこうするのは当然、俺が善意でやったことで殺してしまったこの人に、謝罪できるチャンスなんだ。この人に詫びる機会を、今ここでできるなら、今目の前にできるなら、そうするに決まっている

 

ずっと会いたかった。この人に

 

もう会えたことが嬉しくて、俺は涙が止まらない

 

 

「ごめんなさい!!俺のせいで・・・・・・あんたが・・・・・」

 

「ふう、そう言うと思ったや。もう僕がやったことで僕が死んで、君に罪悪感を与えてしまったな」

 

「そこはいいんです、それで俺は生きているわけですから、でも・・・・そのせいでアンタが死んでしまった、その事をずっと謝りたくて・・・・・・」

 

「ええよ。だってそれで君が生きている。僕はそれだけでいい。ずっとここで君たちのすることを見ていた・・・・」

 

「え!?俺と彩葉がしていたことを!?」

 

「そうや、なんや金髪のこと銀髪の子と楽しくやっていたようやけど、今になって僕が死んだ罪悪感に囚われて、よう苦しんでいたようやな?」

 

「だって!俺は!!」

 

「ええんや、あの時の一花は何も悪いことなんかしてへん。彩葉の大事な楽譜を取りに行っただけや。間違っとらん、あれは本当に事故や・・・・・僕のことはどうでもええ、それで一花が生きていれば、それでええ」

 

「朝久さん!!」

 

 

謝罪はしても、簡単に許された

 

この人の性格をわかっていたけど、こうも簡単に許されるなんて、せめて文句の一つが欲しかったな。でも言わないのがこの人だ。どこまでも優しく甘たれった人。それでも俺の憧れにして大好きな人だった

 

その人を死なせた俺はもっと自分を許せなかった。でも、この人がこんなことを言うから、もう自分を恨むことが馬鹿らしくなってくる。むしろこの人は俺にそんなことはさせない。嗚呼、本当に俺のもう一人の父だ

 

 

 

「僕が死んでからどんなことをしたのか・・・・教えてくれへんか?」

 

 

「はい!もちろん!!」

 

 

 

それから今まで、朝久さんが亡くなってからの話をたくさんした

 

 

 

ツクヨミと言う仮想世界で楽しくやったこと。彩葉が無理して俺が引っ越した東京に追いかけてきた事、話したかったことがこんなにも朝久さんに話せることが、喜びながら今日に至るまで、今まで何をしていたのか全て話す。

 

朝久さんに正直に話す。だから信じられない話だけど

 

 

 

別世界の俺と殺し合ったことも

 

 

 

朝久さんを殺してしまった罪をも話した。どうしてもどう思うのか聞きたいから、そんな楽しくないことも、今日起きたことも全部話す。まず別世界俺が世界の壁を超えて乗り越えてやってくると言う話自体、漫画やアニメのような話だけど。それでも全て話す。今までの事を全て

 

 

「そうなんか・・・・・僕のことをそう思ってくれるんは嬉しいんやけど、確かにここで君のすることを見ていたけど・・・・・・そんなことをしなくても・・・」

 

「そう言われるとわかっていましたよ。それでも俺は・・・・あんたに憧れてましたから」

 

「一花・・・・・・」

 

「己が許せなかった。そのせいで彩葉たちの家庭生活も最悪に変わった」

 

「ああ、しっかりここで見とった。だからと言って殺し合いなんて一番間違っとる!そんなことをして僕が喜ぶと思ったんか?」

 

「いいえ、でもそう言って嬉しいくらい、俺は自分が許せなかったんです。アンタにもっと見て欲しかった。俺のそれからの先を・・・・・・・彩葉だって、朝日さんだって、きっと・・・・」

 

 

後悔の言葉も聞いて欲しくて、朝久さんに己のへの憎しみも話す

 

朝久さんには当然ながら怒られる。当たり前だ、こんなことを本人が喜ぶはずがないのも、それでも俺は己が許せなかったと、本人に話す

 

俺がバカなことをしなければ、彩葉や朝日さんや紅葉さんだって、生活を切り詰めることはなかった。なにもかもが後悔だ。

 

今はこの憎しみを聞いてくれるだけでいい。今自分の心を聞いて欲しいんだ。

 

アンタを殺してしまったこの消えない罪悪感と罪を、それを本人に聞いてくれるだけでいい。それを怒るのも良し、許すも良し、どんなことを言われてもいい

 

 

 

俺はただ、アンタに聞いて欲しいんだ。俺の心を、アンタへの想いを

 

 

 

「それでから・・・・アンタみたくなりたくて、ツクヨミでライバーになって、アンタが作るような曲を何度も作って歌った。でも・・・・アンタみたいに聞いてくれるのは誰も居なかったな。居ても・・・・八千代くらいだから・・・・・」

 

 

 

特に、朝久さんのような音楽が作れなかった事、これが一番悲しかったな

 

あれだけこの人の教えを何度も聞いてきたはずなのに、音楽のことをなんでも話してくれた。作り方さえ教えてくれたこの人に、俺は何も活かせずにこの人みたいな音楽家になれなかった。全然ツクヨミのライバーやリスナーやファンには聞いて貰えなかった

 

 

 

この人になれるはずがないことはわかっている。それでも俺は・・・・・

 

 

 

なりたかったこの人に

 

 

 

結局、俺は彩葉と輝夜と八千代が居ないと何もできない。一人で音楽はできないのだと、最近それがよくわかったんだと実感した。俺はこの人みたいな素晴らしい音楽は作れない。

 

 

その言葉に朝久さんは

 

 

「いや、音楽は素晴らしかったんや」

 

「っ!?」

 

「本当にここに来てから、君が今まで何をしているのか、ここに映像が送られるのか、いつも一花や彩葉が何をしているのか、ずっと見ていたよ」

 

「え!?・・・・本当にここはなんなんだ!?」

 

「ずっとここでお腹も空かずにここで君と彩葉のすることを見とったんやけど。だから言うやけど・・・君の音楽は楽しくなれへん」

 

「・・・・・どうして!?」

 

「君は一つだけ、僕の言うことを守れてへん所がある」

 

「なんです?」

 

 

俺の個人配信の音楽は楽しくなれないと、人気が出ないのも当然だと言われる

 

なぜなのか理由がわからない。どうして俺の音楽は朝久さんのようにみんなを楽しくできずに人気が出ないのか、その理由は俺が朝久さんの教えを一つだけ守っていないと言っている。この人の教えを一つでも欠かさずに活かしていたはずなのに、俺は一つだけ朝久さんの教えを守っていなかったと言われる

 

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかり教えとったろ?『音楽は楽しくやるもんやで』って。一花はライブする時、全然楽しくなさそうや。だから人気が出ずに、僕みたいな音楽家になれないないんや。音楽をする時、君は笑わないから、だからダメや」

 

 

「っ!?」

 

 

音楽は良い、でも歌う時は笑わないで楽しくしていないから、人気が上がらない、朝久さんのような素晴らしい音楽ができていない

 

俺自身に問題があった。俺がライブで楽しくしていないから、俺は朝久さんのような音楽は奏でられないと言われる

 

つまりは音楽を楽しくやっておらず、使命感で真面目にやり過ぎたせいで、皆も自分も楽しくできていないからみんなに聞いて貰えない。原因は俺にあった

 

 

「だから言うたやろ?音楽は楽しくやるもんやでって?」

 

「そうでしたね。俺はいつからこんなに音楽を楽しくやれなくなったんだ?まったく、どこまでも俺は願いは叶うことはなかったな」

 

 

俺はきっとこの人を殺してしまった罪悪感から、楽しさから音楽を使命感としてするようになった

 

だからどんな曲を作っても楽しく歌えていないから人気が出なかった。確かにライブ中、輝夜たちと居ても笑いもしなかった。朝久さんの教えのもっとも重要なことをしっかり活かしていなかった

 

それだけ、俺はもう音楽を悲願のためにやったせいで、俺はあの人になれないまま、個人配信に出した曲もみんなに聞いて貰えないくらい、楽しくない音楽になったんだな

 

輝夜たちのために作った曲はそれなりにできたのに、いや、輝夜たちと歌っているから、良い音楽ができただけだな、一人では何もできなかったわけだ

 

俺がどれだけ努力しても届かないわけだ

 

 

そんなことを思っていると

 

 

 

 

 

「それなら、音楽をまた楽しく歌えるように、今から僕と歌わんか?」

 

 

「え?」

 

 

 

 

これから俺が音楽を楽しく歌えるように、今からここで朝久さんと一緒に歌うと、いつの間にかこの人はマイクを持っていた

 

ここで朝久さんと一緒にデュエットをして、音楽の楽しさをもう一度俺に覚えてもらう算段だろう

 

俺がシンガーソングライターを目指すには、ここで音楽で大事なことを覚えて貰うためにも、ここでやるべきだ。

 

それに、もう一度この人と歌えるなら

 

 

歌いたい!!

 

 

 

「僕と向かうように歌うんや!!」

 

「ええ!派手に歌いましょう!!」

 

「その意気や、行くで!!」

 

「はい!!」

 

 

♬〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♩〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ここには楽器がないのに、BGMga鳴り響く、ギター、ピアノ、ドラム、

 

本当にここがなんなのか、未だにわからないが、それでも俺はこのライブを楽しむ。輝夜と彩葉とヤチヨには悪いけど、今までのライブより最高に楽しい。憧れの人ともう一度歌うことができるんだ。こんな嬉しいことあるかよ

 

あの人を越えようと何度もいろんな曲を歌ってきた、だから必死になり過ぎて楽しめなかったのかも

 

だけど今は

 

 

「「あの日刻んだこの痛みは♬!!未来に生きるための♩!!試練だから♬!!」」

 

 

音楽のテーマとしては、過去を乗り越える事

 

まさしく朝久さんが、俺を未来へと導くための音楽だ。まだここで立ち止まるなと、そして未来で今度は上手く楽しく歌えるように、試練として朝久さんと共に歌えと言うような曲

 

俺もこの試練と言うミュージックライブに楽しさを出せるように、笑顔で歌う。けど、やっぱりこの人は上手すぎる。ピアニストなのに合唱力まで上手くて、俺が浮いてしまう

 

それでも負けずに俺も彼に合わせて歌う

 

 

「「決して消えないこの音は♬!!明日に続くための鍵だから♩!!さあ、開け♬!!未来のドアを♬!!」」

 

 

未来で楽しく歌えるために、この音楽を俺に届けようとしている

 

俺がこの人の全てを奪ったのに、いや、まだ渡せていないものまで俺に渡すつもりなんだ。朝久さんは俺に自身の全てを渡す気だ、そうまでして俺に未来で生きるために期待を乗せているんだ。そこまでされたら受け取るしかないだろ

 

この人の期待を裏切るわけにはいかない。もう朝久さんを殺した罪悪感にとも囚われない

 

そのために歌えと、もうみんなのために歌えと、みんなと楽しく歌えと、ここで過去を置き去りにしろと、歌で俺に歌って言っているんだ

 

 

「「あの日刻んだこの音楽は♬!!未来に生きるための♩!!道だから♬!!」」

 

 

嗚呼、あんたが教えてくれたこの教えを、もう今度こそ無駄にしない

 

 

 

 

だってアンタと歌うのがすげえ楽しいから

 

 

 

 

やっとわかった。音楽を歌うってのがどんなのか、俺は音楽でアンタに償う事ばかりしていた。だがそれは間違いだった。俺が本当にすべき事は、音楽でみんなを楽しませる事だった。輝夜たちの時もそうだった。輝夜たちのためを思って歌ってきた

 

今まで、償うことばかりで楽しめてなかった

 

 

 

でも、今は楽しい。嗚呼、そうだ。俺にとって音楽は

 

 

 

 

 

 

 

楽しむためのものだ

 

 

 

「はあ・・・・はあ・・・・・・はあ・・・・・」

 

「息が切れるまで、歌ったな」

 

「ええ、もう今日は声が出ませんよ・・・」

 

 

本当にもう歌うことができないくらい、今日は声を出し切った。数えきれない歌った

 

楽しいライブだった。今までの中で最高に。もう歌えるのはこれまでだろう。もう二度と朝久さんと歌える日は来ない。そんな感じがするような、感覚をする

 

 

「楽しかったか?一花?」

 

「ええ、アンタと歌えるこのライブを、楽しめないはずがない。アンタの歌声も良いし、やっぱりアンタになりたかった」

 

「その必要はあらへん。今歌声を聞いてわかったことがある」

 

「なんです?」

 

 

 

「楽しく歌っている一花は、僕よりも輝いていたや」

 

 

 

「っ!?」

 

「流石は『僕の唯一無二』。君なら彩葉を託せる」

 

「どうして俺が!?」

 

「桜花くんと友人になって、君が生まれて彩葉と友達になって、僕らの家に来て君の歌声を聴いた時、僕の跡を継いでくれると思ったんや。勝手なことやけど、僕よりも楽しめることができる音楽、それが僕よりも超える『君だけの音楽』や。それを見つけた時、僕の全てをあげようと思ったんや。その音楽はみんなを楽しめる。今の彩葉だって・・・・」

 

「それでも嬉しいですよ、俺は・・・・・」

 

「これからもみんなを楽しめる音楽を作ってほしいんや。僕の娘である彩葉を幸せにする、音楽を」

 

 

まさかそそんなことを言ってくれるなんて、思いもしなかった

 

僕の唯一無二。こんな嬉しいことを言われるなんて、俺はアンタを殺した身なのに、本当にどこまでも優しいを通り越して甘い人。そんなことを言われたらまた涙が流れる

 

俺の音楽は『みんなを楽しめる』。輝夜も彩葉も八千代も、みんなも、そう思ってくれたのかな、俺は勝手に自分の音楽に自信がなかったんだな。嗚呼、もっと早く気づけばよかった

 

 

「だから、もう僕を殺したことでの罪悪感はここに置いて行くんや。一花はみんなを幸せにできる音楽を作れる。僕を殺したその憎しみはもう忘れて、彩葉や、君の家族や仲間を楽しめて幸せにできる音楽を作るんや。これが僕の願いや」

 

「その願い、必ず果たします!!アンタのこの教えは、絶対に無駄にしない!!」

 

「やっと自分の憎しみが消えたやな。別世界の一花もそうやけど、そんなことをしても僕は嬉しくあらへんよ」

 

「殺し合い見てたんですね??それでも俺はアンタに憧れてましたから」

 

「じゃあ別世界の一花にも言ってくれへん?『もう憎しみを置いて、彩葉のために音楽を作ってくれや』と」

 

「ええ、必ず」

 

 

 

みんなを楽しませる幸せの音楽を作ること

 

これが酒寄朝久さんの願い。ああ、この願いを絶対に叶える。俺の生きる理由とこの先の夢と目的が増えた。必ずこの願いを果たすためにやっぱりシンガーソングライターになりたい。それでみんなとまた楽しく歌う。これが俺のこの先の未来だ

 

それと別世界の俺にも言っておこう、こっちの世界の朝久さんの言うことだけど、この人であるなら、あいつでも聞くはず、あいつに言ってやらねえと。彩葉のために音楽を作ってやれと、別世界の俺にも、この先生きていけるために伝えないとな

 

 

でも、俺死んでいるわけだけど、俺これからどうすればここに出れるんだ?

 

 

 

すると

 

 

ブウン!!!

 

 

「っ!?なんだ!?髪の毛が白くなった!?肌まで若干白く!?」

 

「なんや?眼も赤くなっているんやけど?」

 

「え!?一体何がどうなってんだ!?」

 

 

朝日さんと歌い終えると、突然、体と眼が熱くなる。俺の髪の毛と肌が白くなり、眼が赤くなる。

 

なんで俺の体が突然熱くなり、それから髪の毛から黒から白へ、肌まで若干白くなり。朝久さんが俺の眼を見ると、眼が赤くなっていると言われる。なんでそうなるのか俺にもわからないが、今俺に何かの変化が起きて、俺の体が変わるらしい

 

 

すると

 

 

ビュン・・・・・・・・」

 

 

「な!?体が消えてく!?」

 

「どうやら、ここを出ていくんじゃないんか?」

 

「え!?じゃあもう朝久さんと・・・・」

 

「ああ、お別れや」

 

 

俺の体が光になって消えていく

 

朝久さんの言うことだと、この場所から出ていくとのこと。せっかく死んだ朝久さんに会えたと言うのに、その再会も短いのか、朝久の言うことでは俺がここへを出ていくようで、俺の体が光になって消えていく

 

せっかく会えて、まだ伝えたいことがあるのに

 

消える前に心残りが無いよう、伝えたいことを聞く

 

 

 

「一花、行くんや。ここは君の来る居場所じゃああらへん。もう来ることは許さへんよ、これは僕の罰だ。もう僕に会うことを許さない」

 

「朝久さん!俺はまだ!・・・・・」

 

「ええ、もう言うことがあらへんくらい、僕は君に言いたいことを言うた。あと話したい事は彩葉たちに言うんや」

 

「だったらせめて彩葉と朝日さんと紅葉さんに言いたいことを!伝言で伝えますから!」

 

 

「そうやな、彩葉には『一花と幸せにな』と、朝日には『これからも楽しく生きや』と。紅葉には『僕が死んでも、僕は愛している』って、伝えて欲しいな」

 

「はい!!必ず伝えます!!」

 

 

消える前に、自分の家族に言いたいことを伝言したいと、朝久さんに聞いておく

 

別れも言えずに朝久さんは亡くなったんだ。せっかく会えたんだ。せめて今残された家族に伝えたい事を伝言してあげようと言いたいことを聞いておく、心配はあまりしてないようで、これからも幸せに楽しく生きていければいいと、これからの幸せを願い。妻である紅葉さんには、自分が死んでも愛していると、決して消えない愛を伝えようとしていた。自分がもう死んでいるのに、それでも変わらない優しい愛を示す

 

流石は酒寄家の大黒柱だった

 

 

「そうだ、別世界の一花にも伝えて欲しいんや、『死ぬくらいやったら、そっちの彩葉を守ってやって』てな、桜花くんも咲夜くんにも、『夫婦仲良く』と」

 

「ええ、別世界の俺や親父や母さんにまでありがとうございます」

 

「そして・・・・・」

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

「一花、『彩葉の事を頼んだで』」

 

 

「・・・・・・・・はい!あいつは俺が守ります!!これからも!!!」

 

 

 

別世界の俺と親父と母さんにまで、大事な言葉を貰い、そして

 

 

 

 

 

俺を抱きしめて、これからも彩葉を頼むと頼まれる

 

 

 

 

 

ああ、俺にまで大事な言葉を貰った。これでやっと己への憎しみが消えた

 

ああ上等!!その言葉は必ず果たす。俺はあいつをこれからも守る。娘を預けられたからには、絶対に俺がこれからも彩葉を守り続ける。この誓いを未来まで絶対にやり遂げる

 

 

 

「今度こそ、さようならや。もうここに来てはあらへんよ、僕に会うのもな」

 

「はい。本当にありがとうございました!俺はこの先も貴方に憧れ続けます!それでは行ってきます!!!」

 

「ああ、いってらっしゃい。一花」

 

 

 

そう言って、俺の体は光になって消えた

 

結局俺が居たあの場所はなんなのか、俺が死んだのかも、どうして朝久さんが居るのか、彼が本物なのか、何もかもがわからないままだったけど

 

それでもいい、俺はもう過去を受け入れた。未来に生きるためにもう迷うことはしない。俺はあの人に誓いを貰った。未来で生きる理由を手に入れた。俺はこれからも彩葉を守り続け、輝夜と八千代を愛する。

 

 

 

 

俺の生きる理由をあの人がくれたんだ

 

これを大事にして未来へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブウン!!!

 

 

「あ!?一花の髪の毛と肌が!?」

 

「白くなっている!?」

 

ボキ!!バキ!!

 

「へこんで折れた腕と足が戻っていく!?月読様!?」

 

 

「ああ、成功だ。まさか本当にやり遂げるとは・・・・・」

 

 

一方現実世界では

 

俺が月の下で、病院の屋上で横になっていて、彩葉に変若水を飲ませてから数分後、突然俺の髪の毛が白くなり、肌が若干白くなり、折れた腕と足が骨が折れる音をしながらも元に戻っていく。

 

どうやら変若水の効果が的中し

 

 

 

俺は不老不死を果たした

 

 

 

まさか本当に果たすとは月読様も思いもしなかった。数千年前に渡した霊薬が、今になって劣化したにも関わらず、俺の体を白くしただけでなく、ボロボロだった体が治っていく、こんな奇跡、神でも見たことがない瞬間だった

 

成功した証拠に

 

 

ツー!

 

 

 

「っ!・・・・・・ぬう・・・・ここは?」

 

 

 

「一花!?」

 

「一花!?あんたなの!?」

 

「一花!!生きているのですよね?」

 

「「「「「「「「一花!?」」」」」」」」

 

 

 

「そうか・・・・・・俺に何かして生き返らせたのか」

 

「一花!!よかった!生きている!!」

 

「っ!ごめんな。心配かけさせたな?」

 

「当然よ!あんた本当にバカじゃないの!あんな危ないことをして!」

 

「そうだな。お前の言う通りだ。彩葉。もうこれからはあんなことはしない」

 

「もうこれ以上ヤッチョたちを心配かけさせないでください!」

 

「ああ、もうしないって約束する」

 

「よかった・・・・本当に!!」

 

「一花が生きている!奇跡だよ!こんなの!」

 

「うう!!よかった先輩!」

 

「ああ、よく戻ってきてくれた」

 

「たく、心配かけさせんなや!」

 

 

「まったく・・・・本当に困った子や」

 

「あなた!一花が!!」

 

「ああ、戻ってきてくれた!!」

 

「うむ。良くぞ戻った」

 

 

眼から涙が流れつつも、俺は目覚めた

 

なんで病院の屋上に居て、俺の髪の毛が白くて、肌が若干白いのかは知らないし、しかもなんか・・・・眼鏡をしなくても視力が良くなったのか、みんなの顔がしっかりと綺麗に見れる。別世界の俺と殺し合った傷も無い。むしろ綺麗に消えている

 

とりあえずわかることは、俺が目覚めて、みんなが泣いているってことは、俺は死んで何かして生き返ったことだな

 

 

「俺は・・・・・死んでいたのか?」

 

「そうだよ!パパとママが、一花の先祖がずっと大事に持っていた『変若水』って言う飲み物で、それを飲ませて生き返ったんだよ!」

 

「変若水?」

 

「月読様が一花の先祖に仕えてくれたお礼に渡したみたいだけど、今になってそれを使って、一課を『不老不死』にしたの」

 

「不老不死!?道理で俺の体から痛みが何も感じない」

 

「一花を生き返らせるにはこれしかなくて、もう一花はこれ以上成長できない」

 

 

 

「そうか・・・・・・・これが『朝久さんの罰』か・・・・」

 

 

 

「え?」

 

「いや、その・・・・・・信じてくれないかもしれないけど、夢かな?夢の中であの人に会ったんだ。酒寄朝久さんに・・・・」

 

「え!?お父さん!?」

 

「親父が!?」

 

「ええ、信じてくれないとは思うけど・・・・・」

 

 

変若水で俺は不老不死になって生き返った。だから体が白く傷も無い

 

やっぱりあの後で、俺は瓦礫の落石を受けて下敷きになって死んだんだとわかった。病院に居て、親父が手術する時の医療服を着ているってことは、親父が緊急で手術したけど助からず、それで親父と母さんはそれを考慮したのか、親父の三日月眼で未来視で俺が死ぬのをわかっていてか、天人家の家宝とも言える霊薬を使って、不老不死になる化け物になったわけだと、大体見てわかった

 

 

不老不死になってもう死ねずに、この17歳の姿のまま生きていく

 

これが朝久さんの罰、もう二度と死んだあの人に会えなくなる。これが罰だな

 

 

もう未来永劫、あの人に会えない。不老不死になって死ねないから、もう天国にも行けず、あの人には会えない。けどいい、俺はあの人が居なくても、この誓いがある限り、もうあの罪悪感には囚われない。未来でこれからも生きるとはいえ、百年や千年先まで生きるのか、俺も八千代と同じ存在になったわけだ

 

そこは後々話すとはいえ、まずは夢の中で朝久さんに会ったことを話さなきゃ、今は俺にとってそっちが大事だ

 

 

「別世界の俺・・・・・」

 

「っ!よう・・・・・・体はボロボロだけど、顔を見る限り、やっとスッキリしたか?俺?」

 

「ああ、俺は間違っていた。元の世界に戻ったら、彩葉のために生きようと思う」

 

「俺もだ。俺もこれからも彩葉を守る。あの人の約束だ。俺が死んでいる間に夢の中で会ったんだ。信じるか?」

 

「・・・・・本当なのか?」

 

「まあ、聞けよ。みんなもな、特に彩葉と朝日さんと紅葉さんはな」

 

「本当なの?」

 

「一花の言うことや、あり得そうやろ」

 

「死んだ人が不死になって生き返るんやから。そうなんやろうな」

 

 

別世界の俺が居るのもちょうどいい、俺との殺し合いで、ほぼ体全体に包帯巻いているけど、それでも別世界の俺に話をする

 

 

俺はここからは信じられない話をする。

 

 

俺が死んでいる間に、夢の中で朝久さんで再会し、軽いライブをして、俺に生きる希望をくれルような慰めを貰ったと簡単に話した

 

信じてくれるかはわからない、けど、朝日さんと紅葉さんは案外信じてくれた。ただでさえ、死んだ奴が不老不死になって生き返ると言う奇跡を起こしているんだ。そんな夢の中で死んだ人に会えるのも、あり得そうだと、案外俺の話を信じた

 

 

「そんなことを・・・・お父さんが・・・・」

 

「親父なら言いそうやな・・・・・・・・」

 

「・・・・まったく、あの人は・・・・・」

 

 

「それで・・・・これが・・・あの人の伝言だ。彩葉」

 

 

ブウン!!ポン!!

 

 

「っ!?・・・・・これ・・・」

 

「不老不死になったからなのか・・・・俺が見た記憶も他人に見せる力が手に入った」

 

「なんと!?我の力をそこまで進化させたか!?やはり其方は危険な存在だな、我の力でありながらそこまで成長させるとは・・・・」

 

 

俺の話を聞いて。朝久さんの家族は驚きもつつも、俺の話を信じてくれた

 

いかにも朝久さんなら言いそうなことだなと。俺があの人に聞いた言葉を聞いて信じてくれた。彩葉も朝日さんも紅葉さんも、もう11年経っても、あの人の言うようなことをわかっているのか。夢の中で出会った言葉を言ってそうだなと納得してくれた

 

 

更に、一番大事である、あの人の伝言を伝える。けど口に言わずに、俺の手から月光を流す

 

そのまま彩葉の肩にポンと軽く叩くと、俺がその夢の中で見た記憶を彩葉の頭の中で見せる。

 

 

月読様も驚くだろう。不老不死になったのか。感覚で月光を進化していると気づいて、俺が夢の中で見た記憶を、他者にも見せる力を発揮した。それで彩葉の頭の中で流れる。朝久さんの笑顔で言う伝言が彩葉の頭に流れる

 

そして

 

 

「ああ・・・・・ああ・・・・・お父さんがこんなことを・・・言われなくても一花と幸せにやるわよ・・・」

 

「はい、次は朝日さんと紅葉さんですよ」

 

ポン!!ポン!!

 

「っ!?親父!?」

 

「っ!?あなた!?」

 

 

彩葉はしっかりと頭の中で、朝久さんが『一花と幸せに』と言われる光景を眼にする。

 

それだけで涙を流し、父親に言わなくても、俺と元気に過ごすと涙ながら感動をしていた。胸に手を押さえながら

 

今度は朝日さんと紅葉さんの肩をポンと叩き、二人にも俺が見た光景の記憶を二人の頭の中に送る。そしてそれを見た二人も

 

 

「ああ・・・・・わかっとる親父!今も楽しくやっとる!」

 

「っ・・・・・・ぐすん・・・言われなくても私も愛しているわよ。あなた・・・」

 

 

二人も涙を流した。会えないはずだった、別れも言えなかった朝久さんに、まるで自分本人に言われるように、俺の記憶を見て。朝日さんは頭を片手で押さえつつも父親の遺言を守り、紅葉さんは口を押さえて、夫への愛を常に変わらずに出していた

 

 

酒寄家に、大黒柱の朝久さんの最後の遺言をしっかりと俺が届けた

 

 

そして

 

 

「お前もだ。受け取れ。お前も未来に生きるために」

 

ポン!!!

 

「っ!?これは!?」

 

「こっちの世界の朝久さんとはいえ、お前にもメッセージを言っていたぞ」

 

 

 

「ああ・・・・・・くそ!俺は今まで何をしていたんだろうな」

 

「その過ちは、これから変えればいい。俺もお前だ。これから彩葉のために生きよう」

 

「ああ・・・・・・・彩葉のために・・・・ありがとう朝久さん」

 

 

別世界の俺にも、俺の記憶を流した

 

こっちの世界の朝久さんの言葉だけど、別世界とはいえ、朝久さんであるなら、俺であるなら、この人の言葉を聞かずにいられないだろうと、すんなりと受け入れて涙を流している。やっぱりそう言うところは、別世界とはいえ、俺だなと思った

 

 

彩葉のために生きる

 

 

そうだ、俺も別世界の俺も。これであればいい。あの人の頼みと願いを叶えるために、これからも未来で生きるんだ

 

 

 

「一花!もう輝夜と離れないで!」

 

「そうですよ!ヤッチョ達とハッピーエンドを作るんだから!」

 

「ああ、悪かったな。ここ最近は迷惑を掛けた・・・その分の埋め直しはするさ・・・それにしても不老不死になっちゃったけど、やっと・・・・俺の憎しみが消えた」

 

 

 

こうして、長きに渡る、己への憎しみがやっと、俺も別世界も消えた

 

長かったな、11年経ってやっと未来へと繋げられる。俺は不老不死になった化け物だけど、これで朝久さんを殺してしまった罪悪感がやっと消えた

 

ここからは俺は輝夜と八千代と彩葉のために生きていく

 

不老不死になったんだ。死ねない体で楽しく、終わりがない人生を謳歌することになるけど、まあ、いいや。

 

 

 

輝夜と八千代と約束したハッピーエンドを目指すって約束もあるし、残りの人生、終わりのない未来をどこまでも生きていくか

 

 

 

 

ていうかこの年齢で不老不死とか、マジの『永遠の17歳』じゃねえか

 

こんなことになるなんて、俺の人生はやっぱりはちゃめちゃだな

 

 

まあ、楽しいからいっか♫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







朝久「あとは頼んだで、一花、未来で彩葉やみんなと一緒にな、生きていくんや。僕の分まで」
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