原罪 諦囚者 【アキラメニトラワレタモノ】 作:oldsnake
三日後、私の左肩の怪我は完全に治り違和感なく動かせる様になった。あの日から私はメルルとエマを避ける様になった。【危険予知】の魔法が常に反応している二人の近くに行くと警笛の様に【危険予知】の魔法が反応し精神的にキツいからだ。常時警笛鳴りっぱなしは流石に疲れてる。
二人の事を話そうか迷ったのだがメルルとエマの周りの信頼度的に絶対に信じてもらえないので私は黙っていることにした。
あと、ショウコちゃん、クロノちゃん、セラちゃんと連絡先を交換した。何かあったら連絡できる様にだ。
そんなこんなで私は今、懲罰房の【星見ララ】が拘束されている扉の前に立っていた。セラちゃんを襲おうとしたララという子が気になったからだ。何かあってもまぁ私には【危険予知】の魔法がある。
「本当にあの道化野郎と会うのか?魔女化だったか。魔女化してたら危なくね?」
「なんで襲ったのか分からないとまた襲われるし根本から解決した方がいいと思うから。流石にこれから四六時中ずっと一緒にいるのちょっと嫌でしょ。」
「そりゃそうだけど……。奴に私の【魔法】は使えないからな。何かあったら私は逃げるからな。」
「うん、逃げたほうがいいね。魔女化して看守みたいになっていたら守れるかどうかなんて分からないから。」
正直これが一番不安だった。ゴクチョー曰く魔女化した少女は殺人衝動と激しい妄想にとらわれ、完全に魔女化した少女は不死身らしい。私が半分は納得している。
もし対面した時、どの程度の不死身なのか?傷が即座に塞がったりするのか。または切断された腕をピ○コロみたいに生やす事ができるのか?不死身の限度はどこまで?不死身といっても高い再生能力による不死身なのか?
幾ら全国優勝したとはいえ中学生レベルだし限界なんて高が知れている。居合競技の真剣に触って数回やった事があるがガチの実戦は無理だ。
「色々と考えている所悪いが奴の魔法は【偏見操作】。思い込みや決め付けを操作できる。だからマジで気を付けろよ。」
「事実と確定している事だけを信じればいいよ。私の中じゃ人を殺そうとした危険人物【星見ララ】という人物ってだけでそれ以上でもそれ以下でもないから。」
「それができたら苦労はしないんだよなぁ……。やっぱりここにいる奴らは変な奴ばっかだ。」
色々の話している最中、懲罰房の鉄の扉が開いた。
そして出てきたのは疲れ切ってやつれた桃色髪の小さい女の子、ピンク色を基調としなゴスロリのドレス。正直いってこういう服や衣装は憧れがあるが背の高く怖い印象を持たれやすい自分には合わないが。
星見ララは私とセラちゃんを見ると【危険予知】は警笛を上げ始める。そして疲れ切っていて余裕がないのかぎこちない笑顔を浮かべながら話しかけてきた。
「なにかララに様かな?もしかしてご飯持ってきたの〜?」
幼くて間の抜けたような声と一緒に何か奇妙な感覚に陥る。私は【偏見操作】の魔法を受けてしまったのだと確信した。
「【偏見操作】の魔法を使った?」
「え?何のことかな?わかんない?ララ、魔法なんてわかんないよ?」
「そういう事にしとくよ…。なんでセラちゃんを殺そうと思ったの?」
「…っ!?」
顔が強張り冷や汗をかいている。…でもはぐらかしたりしてめんどくさいので本題に入る事にする。
「私に取り押さえられても、『殺させてよ』。なんて言い出したのはなんで?」
「ご、ごめん記憶にないな〜。わかんないよ〜。」
「私の魔法は【看破】。精度は悪いけど嘘を見破れる。」
「えっ………。」
「あ〜。オモロ…w」
ハッタリだ。まぁ、【危険予知】でほんの少しは分から八割嘘で二割本当だ。それに物理的に証明のしようがないし検証しようにも精度が悪いからと言い訳もできるから幾らでも誤魔化しが効く。さて… どう動く?
「あとセ………………。」
【聞くな】【危険】【危険】【危険】
【深追いするな】【危険】【危険】【危険】
【踏み込むな】【危険】【危険】【危険】
【あとセラちゃんにだいたいの事は聞いた】と話そうとした。だがその瞬間、【危険予知】の警笛が一層強くなった。これ以上はダメな気がした。いや絶対ダメだ。これ以上は踏み込んではいけないと【危険予知】が反応している。
「なんでもない……。きっと何かの間違いだよね。」
「おい、どうして襲ったか聞「大丈夫。大丈夫だから。大丈夫。」お、おぉ……。」
「セラちゃんはララちゃんにこれ以上は関わらない方がいい。他の人に話すのもやめた方がいい。お互い約束しよう。よっぽどの事がない限り関わらないし詮索はしないって。」
「う、うん……。わかったよ。」
「しょうがねぇな……。」
これが一番丸く収まる筈だ。あと、セラちゃん。数日は一緒にいた方がいいと思う。殺意とか憎悪とかのマイナスの感情は頑固な油汚れ以上に頑固だ。
「じゃ、じゃあ行くねお腹ぺこぺこだよ〜…。」
「その内ポケットに入っているのは何?」
「ララは何も持ってないよ!?
「左側に重心が不自然に寄ってる。何か隠してるでしょ?例えばナイフとか。」
「ちょ。まっ、待って!グァッ…。」
私はララの片手で胸倉を掴み壁に押し当てる。そしてもう片方の手で胸ポケットを漁るとボロボロの切れ味の悪そうなナイフが出てきた。きっと懲罰房にあった奴を持ってきたのだろう。
「何も悪い事してないよ!ララ!返してよ!」
「はぁ… これは没収しておく。持っていた理由は……。まぁこれ以上は聞かないでおく。
私の左肩ボウガンで撃った事は別にいいけどさ。お前一回マジで頭冷やせ。本当に人殺す気なんか?なぁ?」
私は威圧していい放つ。
怪我は別にメルルに頼めば(油断はできないが)どうにかる。自分が狙われ続けるのなら別にいい。その時は正当防衛で1発物理的に鼻柱をへし折ってやればいいからだ。だが頼まれて巻き込まれた以上は責任もって守しリスクは回避しようと動こうと思う。
「こんなナイフでも首でも太い血管通ってる所狙えば死ぬ。糞でも小便でも浸して斬れば破傷風起こさせれば殺せる。それか冤罪にさせる為の偽証にもなる。色んな使い道がある。だからお前は武器を持つな。」
「分かんないよ〜!そんなの!怖いよ〜!」
【踏み込ませるな】【危険】【危険】【危険】
「コイツ、かs…「セラちゃんは一回黙って。マジでお願い。」…分かった…。」
言いたい事は多分だが分かる。セラちゃんが言ってた道化野郎と今までのララの態度、【危険予知】の反応で察した。セラの【読心】で本性を暴かれたララはセラを殺そうとした。
しかし、普通それぐらいで人を殺そうとするか?
別に本性を暴かれたぐらいで別にどうって事はないのに…。
漫画やアニメで見事ない動機。暴かれたとしてもただ事実を陳列されただけだ。事実や真実は変えようが無い。過去はかえられない。だから受け入れるしかない。それに感情を抱く理由は察することができるが何故そうなるのか分からない。なのに何故あそこまで人を殺そうとするまでになったのか私には分からない。
あぁ… ダメだ。ふとした時に考え込んむ癖はなんとかしないとダメだな…。
私はララを解放する。
「さっきはごめん。…でも君がやった事は下手したら人を殺してた事だ。殺人未遂の事は皆んなに知れ渡っている。人を殺そうとした人物って事で印象は最悪だ。
…だから何かあったら言ってくれ。無理のない範囲で助けになる。」
「え??……わ、分かった……。何かあったら言うね……。」
ララは走ってこの場を去って行った。
「……でだ。セラちゃん……。ちょっとシャワー室で話そうか?」
「怒ってる?」
「うん、私に幾ら口悪くてもいいけどさ。事実を確認したい。」
私とセラちゃんの二人は朝の10時ごろ、懲罰房からシャワー室へと向かった。