原罪 諦囚者 【アキラメニトラワレタモノ】   作:oldsnake

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過去からの遺言(ダイイング・メッセージ)

 

朝は嫌な事があったが私はクロノちゃんが食べ終わると私達二人は再び牢屋敷の探索を始めた。今度は湖方面ではなく牢屋敷周辺の探索だ。地図に書かれている倉庫やゲストハウスを調べるつもりだ。

 

「剣士殿、流石に疲れたぞ……。我は闇の使徒故に陽の下は流石にキツいのだ……。」

 

「こんな天気じゃ仕方ないかぁ……。木陰で休もう。」

 

30分もたたずして汗はダラダラとなり太陽がギンギンに照らされて体感気温25°はありそうなぐらい暑い。暑いだけならいいが湿気も合わさり地獄だ。私は騎士の様な服とクロノちゃんはゴシックなフリフリなドレスを着させられているから余計に暑い。

これで朝となると……。

 

…昼は想像もしたくない。

 

 

丁度、医務室の裏手の扉が近い。

医務室に入って私は棚を適当に置いてあるビンを2本拝借し水を注いだ。

 

「癒し手殿にビンを借りる事言わなくていいのか剣士殿?」

 

「沢山ビンあるし2本ぐらい構わないでしょ。洗って元に戻しておけばいいし。

…っというか癒し手殿って?」

 

「メルル殿の事だ。癒しの魔法が使えるゆえにそう呼ばせてもらっている。」

 

ふと、私は水色の液体の入ったビンが棚の中に入っているのを見た。私はなんだろうと手に取った。

 

「水色の液体なんだろ?クロノちゃん分かる?」

 

「分からん、癒し手殿に聞くか?でもそもそも薬に詳しいのか?どうだろ?」

 

私は謎の水色の液体の入ったビンを見えやすい所に置いた。

変な所に置いて見つからないとかなったら大変だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水分補給をした私達二人は水筒代わりに水が入ったビンをポケットに入れて医務室を出ていた。暫く歩くと最初の目的地である倉庫へとついた。

私は扉へと手をかけた。しかし立派な錠前で扉は完全に鍵が掛かっていた。

 

「鍵かかってるなこれ。手荒な真似はしたくないし……。

ゲストハウスの方に行く?」

 

「ふふふ…。何を言っている剣士殿?

この様な低級な封印など無意味よ……。ほれ、我に代われ!」

 

クロノちゃんは錠前の鍵穴に手をかざす。黒い影が鍵穴に入り込むとすぐに錠前はカチッと音を立てて外れてしまった。

 

「秘密を守る封印といえど鍵穴の中は暗闇、なれば我の領分と言う訳だ。

我が影の前に鍵穴なぞ無意味である。ふふふ…。

凄いであろう剣士殿。褒めて良いのだぞ? ぞ? ぞ?」

 

「クロノちゃん凄い……。コレで探索も捗るけど〜……。

…でも鍵開けて大丈夫だったの?」

 

「そ、それは〜……。

探索した後、鍵閉めておけば良かろうよ。

表沙汰にならなければもんだ無しと言う訳だ。ふははははは…!」

 

懲罰房って所に送られる可能性はあるがバレなければ問題無し。バレたとしても調べ終わってしまえば後の祭り。三日の拘束は痛いが殺される様な事はないだろう。

私とクロノちゃんは扉を開け、倉庫の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倉庫の中は薄暗く本当に倉庫という感じだった。ダンボールやら木箱が大量に積まれていて中を覗くと缶詰や日用品が詰まっていた。

 

「凄い。まともな飯見つけられるかもしれない…!クロノちゃん!」

 

「まさかこれ程とは……。探すぞ剣士殿!今日はまともか贄が手に入りそうであるな!」

 

二人してハイテンションで気分はアゲアゲ。数日間で食べたあのクソ不味い飯とおさらばできる可能性があるとワクワクが止まらなかった。私はダンボールを開けて缶詰を開けてみた。

 

「モグモグ……。味は普通だな……。普通。でもそれがいい!」

 

「剣士殿!こっちに調味料あったぞ!塩、砂糖、醤油!ここは天国(ヘブン)か!」

 

「ナイス!」

 

私は他に何かないか木箱を持ち上げようとした。他に何かないか急いでいた。

何か指先に何か違和感を感じる。傷、しかし何かの文字の様な物だ。

 

「ん?」

 

「ん?どうしたのだ?」

 

私は蝋燭やマッチの入った木箱から物を全てだし木箱の底を私は見た。

それは消えない様に刃物で刻みつけられた記録だった。

 

 

 


 

【囚人記録 黒部ナノカ】

【囚人名簿をここに残す。】

【桜羽 エマ】【二階堂 ヒロ】【夏目アンアン】

【城ヶ崎ノア】【蓮見レイア】【佐伯ミリア】

【宝生マーゴ】【紫藤アリサ】【橘シェリー】

【遠野ハンナ】【沢渡ココ】【氷上メルル】

 


 

 

 

私は写真を撮り咄嗟に物を詰めてこの木箱を隠す。そして見えない様にダンボールで隠し冷や汗を流す。

二重のショックを受ける。

この記録が真実ならなぜあの二人が?なんであの人が?

 

「ど、どうしたのだ!?剣士殿!その木箱の底に何が書かれていたのだ!?」

 

「これは見ない方が幸せだと思う………。

いや、見るな絶対。それより缶詰を持ってさっさとここから離れよう。」

 

「しかしまだ時間が…。「離れよう。クロノちゃん。」……剣士殿がそこまで言うのなら分かったよ……。」

 

私は内心ひどく取り乱していた。

だが私の記憶は蘇り点と点が結びつき思い出す。

 

私は中学1年と中2年の時、剣道の大会の決勝で二階堂ヒロと当たっている。

中1の時は負けて。

中2の時に私が勝って優勝した。

初見殺し多用し、それに持てる全ての技を出し切って二階堂ヒロに前評判を覆し勝った。

 

 

 

そして私は見ていた。

一年生の時、二階堂ヒロが2年の時。二階堂ヒロと桜羽エマと白い髪の少女が試合のあった体育館裏で楽しそうにいる姿を。

 

それより大問題がある。

 

自分の生き死に関係してる以上これも大問題だがそれよりも個人的な大問題だ。

 

 

 

 

なんで……。

 

 

なんで……。

 

 

行方不明になってるレイア様の名前があるの!?!?

 

 

私はレイア様の大ファンだった。

演劇にも何度も見に行った。

グッズも沢山買った。

 

あの目の離せない魅力、それに中性的な顔、そしてカリスマ。そうかこれが恋なのか。私にもまだ恋心が残っていたのかと認識した瞬間にだった。握手会に参加した時だって笑顔で目が離せなくなって……。嬉しすぎて初めて泣いて……。

 

そんなレイア様がもしかして……。牢屋敷に囚われてそして………。

 

あの二人がもしかして………。レイア様を………。

だとしたら許せない。ファンとして許せない。 

 

だが………。

 

「剣士殿〜?剣士殿?大丈夫か?さっきから考え込んで」

 

「大丈夫。大丈夫。平気へっちゃらだよ。さっさと行こう。」

 

……頭が冷えた。落ち着こう。まだ憶測の段階だ。

早とちりはダメ絶対。コレで何度酷い目にあった事か。 

この後、二人で倉庫周りを調べたが特に気になる物は見つからなかった。

 

 




チサトの考察
・氷上メルルと桜羽エマの名前が何故ある?もしかしてヤバい奴?
・なんでレイア様の名前があるの!?最悪な想像したけどその通りなら本当に許せない。
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