原罪 諦囚者 【アキラメニトラワレタモノ】 作:oldsnake
あのメッセージを見た私は暫く何も手に付か無かった。
レイア様がここに来ている。そして現在の牢屋敷に居ないとなると最悪な想像はつくが冷静に考えてみれば……。まだ確定した訳じゃない。
あのメッセージにしても確証はない。【黒部ナノカ】はどう言う人物なのかすら分かってない以上は突っ走らない方がいいと私は思った。
そんな事もあり昼近くになると倉庫でパクった缶詰を二人で食べて腹を満たした。空の缶詰は穴掘って埋めておいた。クロノちゃんは「皆んなに言うべきだ。」と言うが誰だったか…。
ミ…… ミナだったか。ミオだったか。アイツに見つかったら面倒な事になりそうだからやめた方がいいと思い二人だけの秘密にした。
ミオのグループが固まってまともな飯をグループで回しす為に占領している。
…でも缶詰を食べて行く理由も無くなった。
色々とあったが私はラウンジのソファに座り刀を少し抜いて確認しようとしていた。もしいざと言う時に切羽詰まったら洒落にならい。
私はポケットの中に入っていたハンカチを口に咥え刀を見た。
「(刃に欠けは無し、サビもない……。刀の研ぎなんて出来ないから助かったけど……。
手入れとかされていない刀がここまで綺麗な物なのか?)」
正直ありがたい。
ボロボロで抜けないなら鞘ごと振り回せばいいか。ぐらいは考えていた。まぁ、抜けると言っても流石に使う事なんてないだろう。本当の最終手段だ。私にその覚悟はない。
謎は多いけどまぁ、使えるって事は分かったし。少し休んでから湖の方行って久しぶりに素振りでもしてみようか……。
「君、君。素振りする前にお願いあんだけど聞いてくれる?」
?
「話さなくていいよ。分かるから。」
私は急いで刀を鞘に納め、ハッ…!とかあのした方向へと視線を向ける。
白髪で目を閉じている少女がいた。胡散臭い。
誰だったっけ?
「【瀬戸内セラ】、信用とか絆とかほざく胡散臭い根暗共よりマシだからお願いあんだけどさ。」
「話しかけてきていきなりお願い?」
「私これからシャワー室に【星見ララ】っていう道化野郎に呼ばれてるの。危なくなったら取り押さえてくんない?」
口悪いなぁ〜…。ミオより悪い。
っと言うかどうしても私なんだ?
「だって君、この中で一番物理的に強いでしょ?あと、牢屋敷の中で一番マシだからね。」
さっきから思ってる事全部聞かれている。
心を読むと言う事は……。もしかして【読心】?
「まぁ、色々条件あんだけど…。
エマとかメルルとかグループは絆とかさ。信頼…?とかさ。
排水溝の汚水みたいなゲロ以下のクソほど役にも立たない事ほざいてたりさ。」
信頼とかそう言うの嫌いなのか?
「
ミオのグループは【魔法】で集めただけの寄せ集めでゴミの集まり。
なら少数のグループのアンタの所の方がマシじゃん。君の【魔法】で私の身の安全を守ってくれよ〜。」
まぁ、いいけど…。
なんで私の魔法の事分かってんの…。ってそれも【読心】したのか……。
「まぁね。言っておくが利用するだけだからな〜。私にいい思いさせた方がいいぞ〜。
私の【魔法】を開示してさ〜。有る事無い事言いふらせばどうなるかな?
……私の言ってる事は分かるよね〜。
「脅すなら守ってやらないが?」
「魔女裁判起こったら死ぬよ。」
「【死なば諸共】。とか【肉を斬らせて骨を断つ】とか知ってるか?
もしやったら道連れにする。」
その時は、その時で相応の対応をするまでだか?
最悪の場合は道連れにするまでだ。
「ま、マジかよ。それを本心で平然と言う?キッショ……。
戦国とか江戸時代のサムライか?生まれる時代間違ったんじゃないの?」
「中学の剣道の先生とか同級生にも沢山言われたよ。
殺す気で地稽古してたから周りからハブられた。だから先生との稽古が殆どだけど。」
まぁ、先生にもドン引きされてた。あと2年の時に先生を越したんだが。
「分かった分かった。後が怖いから裏切らないよ。これでいい?」
「いいけど…。その【星見ララ】の【魔法】は?」
「いや、知らん」
「分かった。まぁなる様になるしかないか。
そこの所は行き当たりばったりでなんとかする。」
「それでいいのかよ。」
分からないなら仕方なくないか?
「知らないならそうするしかないでしょ。変に探りを入れて気付かれたり準備するより全然いい。」
そもそも準備する時間もないだろ。
「シャワー室の扉の前で待機して。なんか起こったら飛び出してね。
音が聞こえにくいシャワー室でも君なら関係ないでしょ。」
了解
「君、よく私の事信じて助けようとしたね。ほんと意味わかんない奴だよ。」
「助けを求められたら助けるは当たり前の事でしょ?
そこに信頼とか絆とけは無い。それが当たり前だから。」
「それ本気で言ってんの怖いって……。
普通そう言うのは建前とか信頼させる為の方便だろ?まぁ… いいや。頼んだよ。チサト君」
すると彼女は私の前のソファへ座った。
あと、言っておくがもし殺し合いになった時。
いや……。そんな事にはならないと思うが……。
もしかしたら無様に泣き叫んだり命乞いするかもしれない。
幾ら勇猛果敢な言葉を本心から言ってたとしても、私は実家が道場で剣道嗜んでるだけの馬鹿な木偶の坊だ。実際にその場面になった時の事はその時になった時しか分からない。
……だから大きな期待はしないで欲しい。
「分かったよ〜。私は君に期待も信頼も傷も無い。Win-Winな関係ってだけ。
私は君の味方になる。君は私の身の安全を守る。それだけの関係だ。」
「うん、それでいい。で、いつやるのそれ?」
「今から」
は?
今はから?
「だから今からお願い。私だって前もっていいたかったよ〜。
…でもついさっき突然『お話したいからシャワー浴びる所に来て!』って言われたもんだから……。
そしたらちょうど良く私を守ってくれそうな君がいたもんでね。頼むよ〜。」
「ならしゃーないか。分かったよ。
危なかったら足命を優先してよね…。保証はないからな。」
「……分かった分かった。じゃこれからもよろしくね〜。」
私とセラはシャワー室の前にいた。
私は人にあんまり興味はない。関わってる人しかあんまり記憶にない。
…だから顔と名前が一致しない。
「あぁ、ピンク髪のクロノとか言う奴と同じぐらいのちびっ子だよ。
じゃ、後はお願いね。」
手を見ると扉に手を掛けた手は少し震えていた。
そりゃ、そうだ。危険を感じた奴にあえて会いに行くんだから。
私はセラがシャワー室に入るのを見守った。
その瞬間、私の【魔法】が発動する。
【危険】【危険】【危険】【危険】【危険】
【危険】【危険】【危険】【危険】【危険】
【危険】【危険】【危険】【危険】【危険】
【危険】【危険】【危険】【危険】【危険】
「これはダメだ!!」
私はすぐ様、ドアを蹴破った。
見えたのはピンク髪の少女がセラにボウガンを向けている光景。
私はセラを脇に押した。
「ナイッ… キャッ!」
「だ、誰!?」
ボウガンから矢が放たれスローに見える。
そしてボウガンの矢は私の左肩に突き刺さっていた。
根性だせ私!2射目は撃たせてたまるか!
ここで怯めば死ぬ!死にたくない!
「あぁァァァァァァ!!クソ痛ェェェ!クソッ!」
超痛い。でも死にたくない!
ボウガンを撃った少女に根性で近づき右手でビンタ。そこまで力はないらしく床に倒れ込むの隙を見逃さずにがむしゃらに抑えつける。
「早く誰でもいいから呼べ!誰でもいいから!早く!」
「離して!コイツを殺させてよ!」
「黙れこの野郎が…!ふざけんなよマジで…!この!」
根性で動いたお陰でアドレナリンが出て私は動けてるだけだ。
早くしないと持たないからな!
「分かった!呼ぶ!」
この後、牢屋敷の少女達と看守やゴクチョーが押し寄せた。
襲った彼女は看守に縄で縛られてどこかへ連れて行かれた。
私は左肩に矢を受けた事により医務室で休む事になった。
【星見ララ】は懲罰房へ行く事になった。三日後に戻るらしい。
ゴクチョー曰く「未遂ですし懲罰房送りでもいいですよね…。」らしい。
なんか少し困惑していた。