魂の寄る辺、生きる寄す処   作:少彦名

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「それでは。行って参ります」

「あの子たちによろしくね」

「ふふ。小童一人落とすことなぞ造作もありません。裏梅、少しの間店を頼みます」

「ああ。若様たちによろしく伝えてくれ」

子供たちから届いた手紙
旅をしてみたいというので、火の国の周辺だけでならと許可を出し、早一ヶ月
なんでも、とある楼閣で今世話になっているらしく、そこの楼主が困っているとか
とにかく、知識量の多い人が必要らしかった

「宿儺?」

「…………誰も、おらんなぁ?」



「しょーがねぇなぁ」

そろそろ裏梅も午後の買い出しだろうし
ちょっと、イチャイチャしますかね


どうやら、この天井には見覚えがある

「…………サクラちゃーん。そんなに見られると恥ずかしいってばよ」

 

「アンタ……意外と綺麗に食べるのね」

 

「? そーかってば?」

 

育ちというものは、隠せない

ナルトは孤児ではあるが、礼儀作法を教えたのは如月

誰にも教えられる前に、公家の娘であった如月の所作を目にしていたのだから、そりゃあね

 

「名前は…ナルトくん、だったかしら。ねぇ、ナルトくん」

 

水晶姫が動いたか

 

「まことに良き大名とは、孤高であるものか否か。この問いに、どう答えますか?」

 

問いかけられたナルトは、すっと居住まいを正した

そして、普段からは全く想像もつかないほど、冷徹な顔を見せたナルトに全員が息を飲む

普段のナルトを知っていればいるほど、その落差に畏れるだろうな

 

「清濁含めて人の臨界をきわめたもの。誰よりも鮮烈に生き諸人を魅せ、全ての臣下の羨望を束ねその道標として立つもの。大名は孤高ではないってばよ。だってその偉思は全ての臣民の志の総算だってば」

 

水晶姫としばらく見つめ合うナルト

なるほど

元から素地はあっただけある

 

「その答えは、忍らしからぬな。ナルト」

 

そう、下の弟が声をかければ身構える上忍師たち

ナルトからはすっかり先ほどの冷徹な表情はなりを潜める

 

「え。悠花??」

 

「お前な。俺の顔を見てすぐに気づけ」

 

えへ、と笑って誤魔化すな

下の弟が立ち上がり、こつり、と頭をこづく

 

「……今のって、裏梅にーちゃんが教えてくれるやつ?」

 

「そうだ。まぁ、火影になりたいと言っていたものな。覚えていては損はないが」

 

話しながら視線がこちらを向き、それを追ったナルトがビシッと指を刺してきた

折るぞ、その指

 

「あ!悠雪と悠月!」

 

「お前、一抜け。悠花と一緒に服選んでこい」

 

「えっ」

 

ナルトを指差し、下の弟がナルトの肩を掴む

 

「なんだ。変化の術でよく女に化けてるだろう」

 

「ノーセンキューだってばよ〜!」

 

「ほら、いくぞ」

 

ぐいぐいと肩を押し、ナルトを奥へと押しやる下の弟

その着ている着物を掴み、嫌がるナルト

 

「悠花!やーめーろーってばぁ!!」

 

「引っ張るのはいいが、それ一枚で一万両するぞ?」

 

「ひょえっっ」

 

悠花が着ている服の値段を言えば、ガチン、と体が固まりそのままドナドナされていく

さぁて

問題はルーキーと呼ばれる九人とその上忍師か

 

「水晶姫。大分騒がしいやつだが、芸さえ仕込めば明日にでも出せるぞ」

 

「本当に、あなた方を育てた乳母とはどういう人なんですか?」

 

「さぁナァ?そこは本人から聞いたらどうだ?」

 

「え?」

 

間もなく、如月も到着する頃合いだろうしな




「いらっしゃいませ」

「、こんにちは。おにぎり弁当二つで」

「合わせて百両だ」

表通りに面した店で、日没からの開店に顔を出す忍者の方々
声をかければ、俺を見て目を泳がせる
まぁ、理由は分かる
宿儺のせいだ

「今日はっ、いないんですね」

「子供たちの方に行ってて。しばらくお休みなんです」

開店するほんの少し前までイチャコラしてたもんだから腰が痛い
そろそろ一旦、中に引っ込むかな

「裏梅。俺、中にいるから」

「はい。お任せください」

奥座敷まで引っ込めば、縁側で一人月見酒をする宿儺
ソッと銚子を持ち上げて、盃に注ぐ

「ん」

「ああ」

四つ腕に四つ目という異形
好奇の目に晒されるのには慣れているようだけど、基本宿儺は店には出ない
店に姿を見せるのは、俺を回収しに来る時くらいである
ただ、2メートルを超える異形の大男に、ほとんどの客は忍であれどギョッとされることがしばしば
宿儺の腕の一本が腰に回る
ほとんどピッタリくっつくくらいに近づいて、空になった盃に酒を注ぐ

「腰は」

「ちょい怠重いって感じ。痛いけど、まぁ、大丈夫」

「反転術式で治さんのか?」

「……これはいーの」

お、ツボついたっぽい
普段、色気がないだのなんだのと言うけどさぁ
俺だって、別にお前とこうなりたくてなったわけだし
少しは、ね
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