カナリィ?....もう私のことなんて覚えてないでしょ 作:はんぺんの素揚げ
結構いけるもんなんだね。
この大会の形式はマルバツその他で、枠の中に立って正解だった人が残っていくってシステムぽい。
現在は2問目が終わったところで、だいたい最初にいた人の4割くらいが減っていた。
なんか一人だけズルしてるみたいだけど、記念受験みたいなものだし、いいよね。なにせ聞いてきたから。というか問題がちょっとね....
さっきに至っては好きなタイプだったし、簡単なのかも。
と思ってたらまたあの時に話しかけてきたちょっと太ったメガネかけてきてる人が話しかけてきた。
なんとなく苦手なんだよね...こういう人。
あっこらジュペッタおにびの準備しないの!
「ほう、オタクなかなかやりますな。たまたまのマグレだとは思いますが互いに頑張りましょうぞ!」
あ戻ってった。
本当になんだったんだろう。やっぱり私もあの人好きじゃないかも...
気分が落ち込んで来たところで次の問題が来た。
『さ〜て、次はぼくのパートナーに関する問題!カナ友は分かるかな〜!?』
『でんきうおポケモンのシビルドンなんだけど、この子の大好物、みんな分かるか〜?...わかったら持ってこーい!!』
と言われると周りの人々は一目散に飛び出していった。
「...速いね。というか」
進化、してたんだ。私が見た時はまだ手のひらに収まるくらいちっちゃかったのに...時間の流れというものはなんとも残酷だ。
「ジジ」
私も進化してるって?..ありがとね。
好きな食べ物ねー...うーんと立ち止まって考えていると横からつんつんとつつかれた。またあのメガネだろうか。
気分は進まないけど振り返るとそこには全く違う属性の子がいた。びっくり。
背は低め、だけどなんか大きな装飾ある帽子を被っている。これがあれか。自分を持っている、ってやつ
「どうした、動かないのか?」
どうやら心配してくれていたらしい。ありがとねと返し、
「動きたいんだけど、なにを持ってくるかなんだよね...」
と悩んでいることを告げた。
「確かにあまり知らないにわカナ友には難しい問題。悩むのも仕方ない。」
なんだこの人。優しいと思ったけど急ににわかって言ってきたね。
あはは...と苦笑いしか出ない私を他所に、抱えているジュペッタを見てきた。
「そのジュペッタ...大分懐いてる」
と今度はジュペッタをつんつんしてきた。小柄な身体も相まって犬に興味津々な子供に見えてちょっとかわいいかも。
「...ジュ、ジ..」
ほら、ジュペッタも強く出れなくてちょっと面白い。もしかして面食い?
「こんなに懐いてるなんて、珍しい。攻撃もしてこないし...」
更につんつんしている。いやまあさっきおにびしようとしてたけどね...
ある程度して満足したのか、私と向かい合う形に姿勢を直し
「決めた。あたしがレクチャーしたげる」
と。
いいの?大会なのに...と聞くと
「ポケモンから見て悪い人ではないのは確か。後は...あの厄介ファンに勝って欲しくないから、」
との事。誰のことだろう。十中八九あの人だね。
「ずっと気になってた。その髪、染めた?」
「ああこれ?地毛だよ。元から」
確かにカナリィのファンならそう思うだろう。ターコイズブルーな私の髪色。
昔二人で有名になった時、どっちも真ん中で配色混ぜておそろにしよーよ!なんて言っていたのを思い出す。私はもう逃げちゃったけど、あの子はそれをまだ覚えててくれてたんだと少し嬉しくなった。
「最近はカナリィのファンが増えた。でもそれ以上にめんどくさいのも増えた。」
どうやら苦労人気質の様だ。話を聞く限り兄妹関係でもいつも困っているらしく、カナリィの配信を見るのが癒しなのだと。
「ちなみに、メルはなんだと思う。シビルドンの好物」
このこの名前はムク、と言うらしい。一緒に歩いている時に自己紹介をされたので私も名乗った。
「なんだろ...ハートスイーツとか?」
まだ私の記憶の中にはシビシラスの記憶しかないのであの時あげて喜んでたものを挙げた。でも違うらしい。
「不正解。あのシビルドンの牙、見たか?噛みごたえがあるのが好きなんだ。」
柔らかいと噛み締める感触が味わえない、とのこと。
歩いていると前からまた見たことある人が歩いていた。
「ふん。これで今回のクイズも吾輩の勝利...」
とか言ってたけどなるべく関わらないように私たちは気配を消しながら歩いた。
やっぱりムクちゃんもあの人苦手なんだね...
「ここ。このカフェのミアレガレットをシビルドンは好んでる。」
なるほどね...
紹介されたのは普通の喫茶店に見えるけど....
「すごいミアレガレットを、ふたつ。」
ムクちゃんが私の分も注文してくれた。
お礼も兼ねてここでちょっとお茶しない?奢るからさと言うと
「集合まで時間はある...いいよ、あたしも話してみたかった。」
と了承を貰えた。
ここからは時間が来るまで女子会だ。
何があっただとか困っただとか、カナリィのこんな所が好きだとか、色んなことを話した。
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とある工務店にて
「カナリィ!カナリィ!!おるか!?」
戸をたたくおじいさんがいた。
「うっさいなぁ!ぼくいま練習してんだけど!?」
ゲームに夢中な少女はイラつきを抑えることをせず怒りのまま叫ぶ。
「...あー、ごめん、じーちゃんきたから一旦切るね。バイバイ」
「それで、vc切ってまで言うことがあったんだろうね?」
「何を言う!カナリィにしか関係がないと言っても過言では無い!」
「メルが来おった!カルトクイズ大会に!!」
「___え」
目を見開いた少女は少しの沈黙の後、呟く。
「じーちゃん。それ、嘘だったら許さないから。」
必要以上にマニーを下げる必要があるかって?苦手なだけです