癒月と芦戸の試合が終わって、少し経った。
次の試合は、常闇VS八百万だ。
試合を終えた癒月は、観客席へと戻って来る。
芦戸はまだ、姿を見せていない。
「おーう!お疲れ!バチバチの格闘戦だったな!」
「個人的には、2人とも参考になったよ」
「全身スライム塗れとかエロ───」
「ごめんなさい。舌が滑ったわ」
「すみません。私も手が滑りました」
「癒月も梅雨ちゃんも容赦ねぇ……」
「いや、妥当でしょ」
癒月が帰って早々、峰田は制裁を受けた。
両頬を赤くし、客席で白目を剥いている。
毎度の事ながら、よくやると思う。
なお、左腕と右足についていた酸液は、弱アルカリ性の石鹸で、何度か洗ったところ取れたらしい。
「そんで芦戸は?まだ控え室か?」
「おそらくは。治療も終わった頃でしょうし」
俺がそう尋ねると、癒月は淡々と返した。
案の定というか、何というか。
気合い入れて負けた後は、何時もこれだ。
どうなってるかは、簡単に想像つく。
「じゃあ俺、芦戸の様子ちょっと見てくるわ。俺の試合も次の次だし。言い忘れてたけど、ナイスファイト」
「では、お願いします。試合が終わった直後に行くのは、少し気まずいので。健康上の問題は無い筈ですが」
「そういうとこは、確認済みなのな」
そんなこんなで、俺は観客席を立った。
背後では、次の試合が始まろうとしている。
見たいのは山々だが、今はこっちが優先だ。
そして通路を抜け、俺は控え室に着いた。
そのドアを、慎重にゆっくり上げる。
「あー!!また負けた!!すっごい悔しい!!」
「やっぱ、こうなってたか。荒れてんな」
「切島!!あとちょっとだったのに!!」
「気持ちは分かるけど、声デケェって!」
俺は直様、ドアを閉めて音が漏れないようにした。
この声量だと、他の奴等に普通に迷惑だ。
今回は一段と荒れに荒れてる。
あの新技によっぽど自信があったらしい。
軽く涙ぐんで、悔しそうにしている。
「でもよ。あそこまで追い詰めたじゃねぇか」
「それでも負けは負け!!やっぱり勝ちたかった!!個性抜きのハンデ有りなら多分勝ってたけどさ!!」
「それじゃあ勝った意味ないもんな。もしそれで勝っても、俺なら絶対納得出来ねぇだろうし」
「ほら!!切島もやっぱそう思うじゃん!!」
芦戸はそう言って、机に突っ伏した。
見たままの通り、不貞腐れている。
俺は思わず頭を搔いて、言葉を探す。
こういう時に掛けられる言葉は限られてる。
「昔の自分より成長してるってのは分かってるよ。癒月ちゃんがそれと同じか、それ以上に成長してるってのも。頭では分かってるんだよ。でもさ。悔しいもんは、やっぱり悔しいよ。やれるだけやったから余計に」
そんな折にふと、芦戸はそう零した。
何時もの彼奴らしくない、弱々しい声で。
彼奴がこの場に居ないからこその姿だ。
「癒月ちゃんはさ。出会った時から、強くて、格好良くて、怖くて厳しいけど、根っこは優しくて。私の自慢の友達。今回の勝負も当然悔しいけど、凄いなとも思ったもん。そう思った時点で、まだまだなんだろうけど」
芦戸と癒月の性格は正直、正反対だ。
片や人当たりが良くて、片や我が道を行く。
なのに、2人は妙に馬が合う。
リスペクトし合って、互いを高め合ってる。
片方の暴走を、止める事も多いけど。
負けず嫌いなところは、似てるのかもしれない。
「……何時になったら私、癒月ちゃんに勝てるのかな。何時まで経っても、守って貰ってばっかりなんて、絶対に嫌。あの子が私を守ってくれたみたいに、私もあの子を守りたい。だって、友達だもん。そう思って張り切って頑張ったのに……先は長いなぁ」
俺にとっちゃ、両方ともすげぇ友達だ。
出会い方としては、最悪だったけど。
それでも、漢気のある奴等だと思ってる。
今回の試合だって、負けられないって思った。
友達として、何時か並び立ちたいって。
負けたくないってのは、俺も同じだ。
「だったらよ。また強くなれば良いじゃねぇか。次こそ癒月を負かしてやるぐらい。折れねぇ限り負けはねぇ。それが漢ってもんだ!これで諦める気はないんだろ?」
そんな事を思って、出た言葉がそれだった。
我ながら格好付けた言葉だと思う。
それでも、言わずにはいられなかった。
そうするべきだって、心から思ったから。
少なくとも俺は、情けない自分でいたくない。
「……高校デビューマンのクセに格好付けちゃって」
そう小さく呟くと、芦戸は席を立った。
ついさっきまでの涙はもう見えない。
身体を伸ばしつつ、快活に笑ってみせる。
何時もの、芦戸らしい芦戸だ。
「でも、お陰で元気出た。ありがと。何時もの事だけど、愚痴も聞いて貰ったし。少しスッキリした。お互い守れるヒーローになるんだもんね。ツノ持ち同士!」
「ツノは関係ねぇだろ!そこあんま弄んな!」
張り詰めた空気は消え、控え室は騒がしくなった。
ドアを閉めておいて、改めて正解だったと思う。
まぁこれも何時も通りだ。
そんなこんなで、芦戸はドアの前に移動する。
「んじゃ、そろそろ私は席に戻るよ。次の試合もあと少しで始まりそうだし。私は負けちゃったけど、切島は負けないでよ。漢気見せろってね。それじゃあ頑張れ」
そう言って、芦戸は観客席へと去って行った。
さっきまでの落ち込み様が嘘のようだ。
すっかり静かになった控え室で、俺は頬を搔く。
この分だと、まだ敵いそうにない。
「……うっし。俺も気張るか!」
そして俺もまた、自分に気合を入れた。
Bグループ、第1試合となる常闇君VS八百万さん。
その試合は、開始直後から常闇君が終始圧倒。
八百万さんは終始、何もさせて貰えなかった。
というより、迷いが目に見えて多かった。
考え過ぎるのも、考えものである。
「あちゃー。ヤオモモ、負けちゃったんだ」
「芦戸ちゃん、お帰りー」
「ありゃ、相手が悪いよ」
「怪我の方は大丈夫ですか?」
「うん!問題無し!もうバッチリ!」
そして、第2試合が始まる間際。
そのタイミングで、芦戸さんは帰って来た。
普段の芦戸さんと、変わらない様子で。
この分だと、もう大丈夫らしい。
「次の試合は上鳴とB組の子だっけ?」
「癒月ちゃんと騎馬組んでたよね」
「とはいえ、相性はかなり悪いはずですが」
第2試合は、上鳴君VS拳藤さん。
片や遠距離、片や近距離戦が主体。
況して、以前の私のように時間稼ぎも不可。
拳藤さんが、明確に相性不利だった。
私自身、他人事とは思えない。
「っぶね!!ギリギリセーフ!!」
「開幕速攻は流石に読まれちゃうよね」
拳藤さんは、巨大化させた拳で上鳴君を攻撃。
上鳴君はそれを紙一重で避け、攻防が始まった。
芦戸さん同様、上鳴君に個性を使わせないつもりだ。
実際、それぐらいしか勝ち筋が無い。
「って事で、目潰し!!あと投擲!!」
「ちくしょう!!最近こんなんばっか!!」
「実際、有効な手ですからね」
「仕方ないけど、容赦ない……」
それを分かっているのか、拳藤さんは攻撃に徹した。
開始直後に、自らの拳で破壊したリングの残骸を片っ端から投げつけ、上鳴君に避け続ける事を強制させる。
個性を発動する隙を与えず、確実に距離を詰めた。
上鳴君の個性では、瓦礫を破壊する事が出来ず、加えて無駄撃ちが出来ない点から考えても良い手だ。
初撃もおそらく、この流れを見越しての事だろう。
薄々分かっていたが、彼女は頭が良い。
「よっし!!捕まえた!!」
「こうなりゃいっそこのまま……ッ!!」
「そこはもう……根性ってね……っ!!」
そして拳藤さんは、巨大な手で上鳴君を掴んだ。
咄嗟に上鳴君は電撃を放ち、拳藤さんを行動不能にしようとするも、その動きを止めるには間に合わない。
騎馬戦時の出力を出すには、溜めが要る。
全身を電撃で痺れさせながらも、拳藤さんは掴んだ手を勢いよく振り抜き、そのまま上鳴君を場外にした。
動きが固くなり過ぎていたのが、敗因だろう。
『癒月との戦いを通して慎重な立ち回りを学んだんだろうが、それが仇になったな。開始早々、個性をぶっ放してたら結果は変わってた。今後に期待って所だな』
『彼奴もバーサーカーの被害者って訳ね』
「俺の周りの女子強過ぎ………」
「騎馬戦で個性を見てなかったらヤバかったよ」
こうして、第2試合は拳藤さんの勝利で終わった。
仮にも騎馬戦を共に戦った仲として、拳藤さんが無事勝ち上がった事は、個人的に純粋に嬉しい。
その健闘も含めて、賞賛されるべきだと思う。
個性と戦術を活かした、見事な戦いぶりだった。
それはそれとして、問題が一つ。
「あれれ?上鳴って言ったっけ?彼、拳藤に負けちゃったの!?個性相性考えたら圧倒的に有利なのに!?おかしくない!?おかしくない!?彼、強個性なのに!!」
「誰ですか貴方?何もかもが五月蠅い」
「騎馬戦で爆豪にハチマキ取られた人だ」
「雑魚が粋がってんじゃねぇよ」
「拳藤が居ないからって………」
B組の金髪、物間君が普通に五月蠅かった。
煽りの内容と声量も勿論だが、主に顔が。
もっと言うなら、顔が不衛生だ。
彼も何かしらの病気持ちなのだろうか?
この学校はあまりにも患者が多い。
「とりあえず、唾を飛ばさないで下さい」
「ぐへぇっ!?」
「出たよ。癒月の治療ビンタ」
「うちの物間がごめんな」
「いや、こっちこそ。うちの癒月ちゃんが」
「今の何だったんだ………」
続いて、第3試合となる尾白君VS切島君。
この試合は単純明快。
真正面からの攻撃の打ち合いとなった。
されど、切島君がやや優勢だ。
「くっそ!!なんて硬さだ!!攻撃してるこっちが逆にダメージを受けるだなんて!!」
「おら!!おら!!どうした!?どうした!?そんなんじゃこれっぽちも効かねぇぞ!!」
切島君の個性は極論、硬くなるだけ。
派手さも無ければ、搦め手も無い。
けれど、シンプル故にその伸び代は大きい。
彼の個性は鍛えれば鍛える程、硬くなる。
叩けば叩く程、まるで鋼鉄のように。
その上限はほぼ無いと言って良い。
「こちとら伊達に1年間!!癒月と芦戸のサンドバッグになっちゃいねぇからな!!」
『今の発言、放送して大丈夫か!?』
『訓練方法としては合理的だから良いだろ』
「彼奴、よく1年間生きてたな………」
「ちゃんと加減はしてたって!!」
「そうです。適切な処置もしていましたし」
「「「そういう問題じゃない」」」
そんな訳で、雄英の受験日までの1年間。
私達は訓練がてら、切島君を何度も叩きのめした。
その度に、切島君はどんどん硬くなった。
鉄哲君も十分硬かったが、それ以上だ。
今の彼を正面から倒すのは、私でもかなり厳しい。
尾白君の尻尾の強度では、まず不可能だ。
「だったら、無理にでも崩すまでだ!」
尾白君は尻尾での攻撃から、格闘戦に切り替えた。
手技や足技で、切島君の体勢を崩そうとする。
崩したところを尾で掴んで、場外にする気だ。
意外にも器用な彼の尻尾なら可能だろう。
切島君の攻略法としては、間違っていない。
「生憎、そういう手は慣れっこなんだよ!!」
けれど、それは私達もよく使う手だ。
付け焼き刃では、切島君は決して止まらない。
尾白君の技の全てを、切島君は硬度を更に高める事で無理矢理無効化し、逆にその懐へと飛び込んだ。
ゴリ押しこそ、彼の真骨頂と言っていい。
苦し紛れに尾白君は尻尾で攻撃し、切島君を迎撃しようとするも、それすら押しのけて彼は前に進む。
「癒月直伝!!KOアッパー!!」
『渾身のアッパーが顎に炸裂!!尾白が宙を舞ってリングに倒れ伏した!!清々しいまでのど根性っぷり!!』
『尾白君、行動不能!!切島君、2回戦進出!!』
「おらァア!!勝ったァ!!」
「ナイス!!切島!!」
「教えた覚えはありませんけどね」
そして、いよいよBグループ最終戦。
第4試合、爆豪君VS麗日さん。
実力差は誰の目から見ても歴然。
この組み合わせに会場中がピリついた。
況して、彼は手加減をするタイプではない。
「緑谷君。先程言ってた爆豪君対策とは何だったんだい?」
「ん!本当大したことじゃないけど……かっちゃんは強い!本気の近接戦闘はほとんどスキなしで、動くほど強力になっていく個性だ。空中移動があるけど……兎に角浮かしちゃえば麗日さんは主導権を握れる」
試合を前に緑谷君は飯田君にそう言った。
逆に言えば、それしか勝ち筋が無い。
拳藤さんと上鳴君の試合の時と同じだ。
麗日さんが勝つには、兎に角近づくしかない。
尤もこっちは、数十倍は相手に隙が無いが。
(冷静な爆豪君は強いですから)
スタートの合図と共に麗日さんは駆け出した。
それに対し、爆豪君は大振りな右手で対応する。
かつて緑谷君が見抜いた、爆豪君の癖だ。
それを読んでいた麗日さんは、爆破を寸前で躱す。
「躱されんなら、もう一発撃つだけだァ!!」
「嘘ッ!?うわぁッ!!」
「かっちゃんが続けて左!?」
「人間は学習する生き物です」
爆豪君は続けざまに、左手で爆破を放った。
それをモロに喰らった、麗日さんは地面に転がる。
完全に出鼻を挫かれた形だ。
リング全体に爆破による煙が充満する。
(だったら、上着のブラフで───)
「何する気か知らねぇが関係ねェ!!」
「爆破で煙ごと吹っ飛ばした!?」
(アカン!!本当に隙が無い!!)
その煙を利用し、麗日さんは手を打とうとした。
しかし、爆豪君は先手の爆破で、煙ごと策を潰す。
またしても、麗日さんは地面に転がった。
今度は直撃していないが、それでもキツイだろう。
麗日さんは立ち上がり、我武者羅に突撃する。
そんな状況でも、爆豪君は追撃の手を緩めない。
「よく分かんねぇけど、爆豪めっちゃキレてる」
「彼は元々才能の塊ですからね。普段は直ぐキレるせいで、その才能任せになってましたが、冷静になればこんなものです。これまで何度も痛い目を見てますし」
「この数ヶ月の……経験値の差」
「あの才能マン……飲み込み良過ぎんだろ」
「それ、余計に見てらんないじゃん……」
リングでは複数回に渡って、爆音が響いた。
麗日さんはよく凌いでいるが、それでも一方的だ。
先手先手で、爆豪君は攻撃される前に潰す。
後の先の反対、先の先を体現していた。
相手に何もさせず、小細工を使う暇も与えない。
「俺はもう、二度と油断しねぇぞ丸顔ォ!!」
爆豪君は、地元では負け無しだったのだろう。
それもあって、プライドが肥大化し傲慢になった。
けれど、緑谷君には訓練と障害物競走。
私には騎馬戦で、それぞれ敗北している。
それ故に、彼はもう誰が相手でも見縊らない。
油断しないからこそ、相手を徹底的に潰す。
その姿勢が、戦いっぷりに現れていた。
その傲慢さは、頂点を求める気持ちの裏返しだ。
これもある種の資質なのかもしれない。
「それでも、麗日はまだ諦めてないよ」
「それもまた、資質の一つです」
麗日さんは休む事なく、攻撃を続けた。
彼女の身体は傷つき、ボロボロになっていく。
見方によっては、ヤケにも見えるだろう。
けれど、彼女の目はまだ死んでいない。
無謀な捨て身も、彼女の勝つ為の策だ。
その準備は着々と整っている。
良くも悪くも、緑谷君に影響されたらしい。
自己犠牲病がうつってないといいが。
「そろそろ……か……な。ありがとう爆豪君……油断してくれなくて」
「ちっ……そういう事か」
『流星群!!!?』
『気づけよ』
そして、麗日さんは遂に動いた。
宙に蓄えられた瓦礫が、一斉に落ちる。
その光景はさながら流星群を思わせた。
おそらくは許容量ギリギリだろう。
ダメージ込みで、立つのもやっとだろうに。
その落下に紛れ、彼女も爆豪君へ接近する。
「この隙に爆豪君を浮かせる気か!?」
「そんな捨て身の策を……麗日さん!!」
本人と流星群による挟み撃ち。
今の麗日さんが出せる、最大限の策だ。
顔色からして、既に限界は越えている。
それでも、彼女はこれに全て賭けた。
そして、勝つ為に歩みを進めている。
彼女もまた、ヒーローの資質の持ち主だ。
気持ちだけなら、勝ちも有り得る。
「ですが、気持ちだけでは勝てません」
「何企んでようが、全部潰すだけだ」
「………一撃て……ッ!!」
けれど、爆豪君は流星群を大爆破で粉砕した。
訓練時に見せた、アイテム有りの爆破。
デメリットは当然あるだろうが、アレをアイテム無しで出せない道理は、これっぽちも無い。
こういう時の為に、温存していたのだろう。
無情にも流星群は、塵となって地面に落ちる。
意識こそあるものの、麗日さんはその場で倒れた。
限界を既に超えた彼女は、もう戦えない。
「んのっ……体が言うこと……きかん!!」
「麗日さん………」
「……
「……そうかよ。これで終わりか、麗日」
『麗日さん……行動不能。爆豪君、2回戦進出!!』
これにて、Bグループの試合は全て終わった。
どの試合も文句無しに良い試合だった。
次の試合は、Aグループに戻り2回戦。
因縁ある、緑谷君と轟君の試合だ。
とはいえ、緑谷君の姿は既に無いようだが。
どうやら、麗日さんの様子を見に行ったらしい。
自分の試合を前にしてお節介な事だ。
だからこその、彼なのだろうが。
(それでも貴方は、目を背けたままですか?)
視線の先で、轟君は席を立とうとしていた。
彼は相も変わらず酷い顔をしている。
自分の病を未だ自覚していないらしい。
そんな彼を見て、思わず溜息が出た。
是非とも、
彼以上に、目を逸らしている事だろう。
今直ぐにでも治療してやりたい。
どちらも治し方は、分かっているだろうに。
(全くもって、手の掛かる患者達です)
そしてまたも、口から溜息が零れ落ちた。