翌週の月曜日、その放課後。
SHRが終わって星之宮先生が退室すると、一之瀬帆波が1年Bクラスの教壇に立った。
日曜日にクラスのグループチャットで根回し済みのため混乱は然程起こらず、出入口の扉を占めると彼女が口火を切る。
話すのは当然、休日に神崎を交えて語った5月の支給ポイントについてだ。
説明の最中に名前が出て自分に視線が集まったため、前に出てクラスメイト達を見渡してみたが、多少疑問の色は見えるものの一之瀬に対する反発や否定の気配は感じられない。
善性と社交性によるカリスマと存在感――さっぱりとした一之瀬の振舞いからそういった意識は感じられず、一之瀬帆波の生来の気質だろう、と感心する。
こればかりは、如何に渉といえど真似しようとして真似できるものではなかった。
しかし、ポイント減少の査定は監視カメラによる生活態度である――その結論にはさすがに動揺が強く、本当なのかと問う者や考えすぎではないかと楽観的な反論を出す者が出てきた。
監視カメラという硬質な存在は、若干15歳の少年少女には聊か重かったようだ。
「星之宮先生も生徒会長も、『この学校は実力主義』、或いは『実力で生徒を測る』と言っていました。実力主義とは結果を出した者が評価されるべきという考えで、私たちがこれまで享受してきた民主主義や弱者救済を是とする考えとは対極に位置するものです。受け入れるのは簡単ではないでしょう」
真意を問う声と視線に応え、一之瀬に視線で促された渉が口を開いた。
弱者救済とは言うが、それは現代に生まれ育った者だからこそ斯くあるべしと教え込まれるもの。
逆に紀元前の中国で興った儒教においては子供が死にやすいという背景からか、親や年長者への孝行は時として国家への忠誠より優先されるべきもの、という教えもある。
親への孝行を絶対的な倫理道徳として、親や年長者への反抗や口答えは許されるべきでない、とされていたのだ。
主義や考え方などは人や背景によって優先されるべきものは異なるのだから是非を問うても意味などない、というのが渉の考えだった。
ちなみに、物心つくまえに両親が亡くなり教会に併設された養護施設で育った渉は基督教色の強い空気で育ったためか、『人は神のもと平等』という教えの下、縦ではなく横社会の個人主義を見せる時がある。
閑話休題。
「学校の実力主義に照らし合わせると、5月頭に支給されるポイントという我々への評価は4月中の結果から算出されるのでしょう。そう考えれば、何が査定対象になるかはおのずと限られてきます。無論、全くの的外れという可能性はありますが」
「でも、私としては十分考えられることだと思っているよ。だから、とりあえず5月まででいいから、みんなしっかりした態度で授業を受けてほしい。それからのことは、またその時考えよう。……みんな、どうかな?」
一之瀬の呼びかけに反発する者はいなかった。
もともと真面目な生徒が多いクラスのため、今までとあまり変わらないから、という理由もあるだろうが、呼びかけたのが一之瀬であるというのも大きな要因だろう。
それほどまでに、このクラスの中心に一之瀬帆波という少女は立っていた。
そして解散を告げられ、Bクラス一同は思い思いの放課後を過ごすことになる。
渉もまた、水泳部の体験入部のために教室を後にしようとしたのだが……。
「廻屋くん、今日はありがとう」
隣の席の一之瀬に頭を下げられ、渉は片付けの手を止めて彼女に向き直った。
「でも私が話して良かったの? ほとんど廻屋くんの考えだったのに」
「一之瀬さんが話したから、クラスの皆も素直に聞いたんですよ。私ではこうまでスムーズにはいかなかったでしょう」
「そんなことないよ! 廻屋くんが凄い人だってみんな分かってるもん。私がやるよりきっと上手くできたと思うな」
まただ、と渉は一之瀬のまっすぐな瞳に視線を合わせ、思索にふける。
彼女の青い瞳に虚飾は見えず、本気で渉の方がクラスメイトを上手く纏められたと疑っていない。
あまりに低い自己肯定感――それはきっと、彼女の根底に自分自身を否定する経験が根差しているからで……。
「め、廻屋くん……? あんまりじっと見られると……」
「……ああ、すみません、不躾でしたね。私は部活があるので、もう行きます」
「あ、うん。がんばってね」
照れたように視線を逸らす一之瀬に、渉は一言非礼を詫びると席を立つ。
傍から見て美男美女が見つめ合うというのは絵になる光景だったが、両者の内心には甘酸っぱさには程遠い温度差があった。
人の心は観察対象だ。それが噂を生み、都市伝説が作られていくのだから--そう割り切っていた渉だが、善良な彼女の心を暴くというのはどうにも釈然としないものがあった。
= = =
4月半ば、体育の授業。
1年Bクラスの面々は体力テストを行った体育館や運動場ではなく、屋内プールに来ていた。
「この季節に水泳、しかも男女混合か……」
「まあ、いいじゃんいいじゃん! 女子の水着なんて早々拝めるもんじゃないんだしさ!」
神崎をはじめ季節外れの水泳の授業に首を傾げる生徒もいたが、そんな違和感は男女混合の水泳に沸く男子生徒の若いリビドーに押し流されてしまっていた。
男子更衣室は夏場かと思うような熱気と興奮で満ちており、騒がしいのが苦手な神崎は苦い顔だ。
「廻屋は何か知らないか? 水泳部だろ?」
「さて、私も知りませんが、授業である以上真剣にやるしかないでしょう」
「休むつもりはないさ、どこでポイントが減らされるか分かったものじゃないからな。……しかし廻屋、お前の身体――」
部活で慣れているということもあり手早く着替え終わった渉を頭から爪先まで一瞥した神崎は――
「――白いし、細いな」
驚き、憐み、納得の感情を乗せて呟いた。
体力テストでは一部の種目で運動神経は光るものを見せていたが、持久走などは惨憺たるありさまで、体力そのものは乏しいと言わざるを得なかった。
そんな渉の身体は血色がいいとは言えず、最近の部活動でようやく薄っすらと付き始めた筋肉が僅かに主張するに留まっている。
幼少期の貧困生活とインドアな趣味への傾倒が悪いサイクルを作っていたことに疑いはないが、入ったばかりとはいえ水泳部だというのに日焼けもしていないというのは体質という他ないだろう。
体力と筋肉は、廻屋渉にとって珍しく頭を悩ませる学生らしい悩みと言えた。
「言ったでしょう、筋肉が付きにくいって。将来的に民俗学を志すとなるとフィールドワークが多くなりますから、体力付けたいんですけどね」
「いや、卑下したわけじゃない。無駄な肉のない良いスタイルだと思う。……なるほど、先を考えて運動部に、か」
着替え終わった神崎がロッカーを占め、渉の言葉に納得したように頷きながら彼と共にプールサイドに移動する。
都市伝説やオカルトが絡まなければ基本的に物静かで相性が良いのか居心地が良いのか、あの休日の話し合い以降、神崎はなんだかんだ渉と行動を共にすることが多かった。
「廻屋、学力だけでなく体力を問われる試験もあると思うか?」
「実力を総合的な力と捉えるなら、無い方が不自然でしょう」
実際年間スケジュールには体育祭が存在しており、クラス対抗戦が存在するなら体育祭は単なる運動会にはならないだろう。
柔軟体操をしながらそんなことを駄弁っていると柴田颯をはじめとする他の男子が姿を見せる。
立派な施設に高揚したのか、柴田が高いテンションで絡んできた。
「おー、凄えなこのプール! なあ廻屋は水泳部だろ、いつもここで泳いでるのか?」
「大抵は。ここ以外にレジャー施設を伴った大きな遊泳施設があるそうです。柴田さん、泳ぎは?」
「任せろ! 俊足の柴田様は水中でも速いぜぇ!」
腕を組み大げさに、しかし明るく笑う柴田。
自信ありげな彼は中学からサッカーを続けていると公言して憚らず、高育でもサッカー部に所属している。
見れば大腿部や脹脛の筋肉が発達しており、脚力に相当な自信があるのが伺えた。
「にゃはは、自信ありそうだね、柴田くん」
不意に渉と柴田の間に高い朗らかな声が挟まれる。
2人と神崎が振り返れば、いつのまにプールサイドに来たのか一之瀬が来ていた。
「やっほー」
「い、一之瀬!?」
「早いですね、一之瀬さん」
「着替えの早さは結構自信あるんだよね、私。うわあ、凄いプール!」
ここにいるということは当然彼女もスクール水着を纏っているのだが、制服の上からでも分かるほどの豊満なスタイルを隠し通せるはずもなく、はしゃぎように合わせて胸が物理的に弾んでいた。
近くにいた神崎はすぐに目を逸らし、さらに近くにいた柴田は先ほどまでの元気は何処に行ったのか口を閉ざし、顔を赤くして目を泳がせている。
後ろにいた男子たちも似たような反応で、中には前かがみになっているものもいる始末。
渉はといえば……。
「うわ、廻屋くん肌白っ! おまけに細身でスタイルいいし、羨ましいなぁ」
「もうちょっと筋肉付けたいんですけどね。部活初めて少しは付きましたが」
「あ、ほんとだ。腹筋ちょっと割れてる」
「まあ、この調子だともう少し付いたところで止まりそうな感じですが」
「うーん、この色白細身でムキムキだと違和感凄そう……」
何事もなかったかのように雑談に興じていた。
天然さを発揮した一之瀬に細い指で腹筋を突かれており、水着の一之瀬という爆弾に対する動じなさへの戦慄と彼女と気楽に話していることへの羨望交じりの視線を一身に受けていた。
なお、スタイルに関しては『一之瀬が言う!?』という内心をほぼ全ての男子が共有していたことを明記しておく。
「い、一之瀬さん、こっちこっち!」
「あーれー、廻屋くんまたねー」
そうこうしているうちに他の女子も準備ができたのか姿を見せ、淡い緑髪の女生徒・
あらゆる意味で目に毒な光景だったためか、残念半分安堵半分な1年Bクラス男子一同であった。
「よし、欠席者・見学者共に無し。今年のBクラスは優秀だな」
ほどなく全員が集合して整列し、出欠を数えた体育教師・東山先生が満足そうに頷いた。
丈の長い海パンの上にジャージを羽織っている筋骨隆々の彼は水泳部の顧問でもあり、所属部員である渉も当然面識がある。
「さっそくだが、お前たちが泳げるかどうかチェックしたい。準備運動が終わったらプールに入ってもらうぞ」
「先生、あの、俺泳げないんですけど……」
「安心しろ、夏までには泳げるようにしてやる。泳げるようになれば必ず役に立つからな」
違和感のある言い回し。
外部から隔絶されたこの学校でカナヅチを克服する利点とは、どんなものか。
夏までにはというからには直近でなにかあるわけではないだろうと記憶しつつ、渉は神崎と組んで柔軟体操を始めた。
「おう廻屋、調子はどうだ?」
「悪くはないですよ、東山先生」
「そうか。今日は競泳もするから、そのつもりでな」
一言二言軽口を交えて顧問でもある教師は渉と言葉を交わすと、他の生徒の見回りに戻っていく。
競泳と聞いたのか、隣で体操している柴田が目を輝かせた。
「廻屋、どうせなら勝負しようぜ」
「柴田さんが、私と?」
「ああ。陸上なら流石にやらないけど、泳ぎなら勝負できるだろ? お前水泳部なんだし」
「まあ、いいですけど」
「やった! 勝った方は昼飯奢りな!」
スッペッシャルー、スッペッシャルーと鼻歌交じりに念入りに体操を再開した柴田。
スペシャル定食は基本安価な学食で唯一1,000ポイント以上する最も高価なメニューで、肉や魚をふんだんに使った豪華な逸品だ。
ポイント減少がどのくらいになるか分からない今、余計な出費は押さえたいというのが現状であるというのに勝負をしている渉と柴田に、神崎は若干白い目を向けながら声を潜めた。
「廻屋、いいのか賭けなんか受けて」
「まあいいじゃないですか。これも青春ですよ」
「自信はあるのか? 柴田の身体能力はお前も知っているだろう」
「……」
柔軟体操を終えた渉は立ち上がり、伸びをしながら柴田、そしてプールの方へ視線を向ける。
そして目を閉じて自身の内側に意識を向けると、ゆっくりと目を開けた。
「五分五分ですかね」
「柴田相手にか」
「ま、なんとかなるでしょう」
= = =
そして水泳の授業が始まり、Bクラスの面々は順番にプールに入る。
屋内プールの水温は適温であり、一同は時折はしゃぎながらも順当にカリキュラムを消化していった。
「よし、じゃあ50m競泳を始めるぞ。男女20人ずつだから、5人×4回で最後に決勝をやるぞ。男女で1位を取った2人には5,000ポイントのボーナスが出るから、そのつもりでな。逆にタイムが一番遅かった奴は補修な」
競争という形とはいえ、授業でまさかの
男子予選、女子予選、男子決勝、女子決勝の順番で行うことになり、Bクラスの面々はそれぞれ5人グループを作った。
個人的な勝負を約束していたということもあり、渉は柴田と同じ第3グループとなった。
同グループの他3人は運動が得意とは言い難く、決勝争いは渉たちになりそうだ。
「そういえば柴田さん、なぜ私と勝負を?」
「ん? 俺なりにお前と仲良くなりたくてな。ほら、3年間同じクラスだし。……迷惑だったか?」
男子予選の最中、飛び込み台で順番を待っている際の雑談で柴田に不安そうに聞かれ、苦笑する渉。
明るく活発な柴田に(趣味さえ絡まなければ)陰気で物静かな渉と、一見して対極に位置している2人だが、渉の方は柴田を嫌ってはいなかった。
大型犬を思わせる人懐っこさと愛嬌があって女子からの人気も高く、ムードメーカー的立ち位置にいる彼は優れた直感を発揮することがあり、渉に絡んだのも深く考えてのことではないのだろう。
……とはいえ。
「いえいえ。……一之瀬さんに良い所見せられるといいですね」
「い、一之瀬は関係……なくもないけど」
おもむろにプールサイドの一之瀬を見れば、よく通る声で第1グループの応援をしている。
隣席で何かと彼女と関わることの多い渉には、柴田が時折一之瀬に視線を送っていることに気付いていた。
朗らかなクラスのアイドルは2人の視線に気づいたのかこちらに手を振ってきて、柴田は赤面するのだった。
「……実際どうなんだろうな。一之瀬って付き合ってる奴いるのかな」
「まだ4月ですし、環境変わったばかりでそれはないのでは?」
「いや、同じサッカー部にDクラスの平田っていうのがいるんだけどさ。同じクラスの女子と交際し始めたっていうし」
1年Dクラスの平田洋介。
彼の爽やかな外見と好青年ぶりはBクラスにも舞い込んでおり、渉も遠めにしか見ていないが、確かに噂に違わぬ印象だった。
女性受けの高そうな甘いルックスに惹かれた女子の方から交際を申し込んだのかとも思ったが、勘繰りの域を出ないため渉は思考を打ち切った。
「気になるなら一之瀬さんに確かめてみましょうか?」
「いやー……それはいいや」
「……へたれてますねえ」
「ん、なに?」
「いえ、別に」
そうこうしているうちに第2グループの競泳が終わり(なお、勝者は神崎だった)、渉たちの番になった。
飛び込み台の上に立ち、大きく息を吸い、吐く。
意識を絞り、自分と水面とゴールを見据え――
「男子第3グループ、よーい――――スタート!」
東山の合図とともに台を蹴り、手の先から水面に着水し、勢いのまま伸びていく。
水面に浮上すると右手で水を搔き、バタ足も交えて進んでいく。
渉と柴田は他の3人とどんどん差を広げていく。
渉のバタ足が生む水しぶきはざっと見て柴田の半分以下に納まっており、ストロークの力強さも柴田の方が強い。
しかし、現実は柴田がわずかにリードしているだけ。
違和感のある光景にプールサイドのクラスメイトが目を見張る中、一之瀬は思わず言葉を漏らした。
「――まるで、水が廻屋くんを勝手に運んでいるみたい」
水の抵抗は諸々の条件により多少変動するが、空気の約800倍と言われる。
そのため速く泳ぐためには力強さより、水の抵抗を受けないためのフォームの方が重要とされるのだ。
水平に一直線に伸びた姿勢、適切な角度で手を入水させる効率的なストローク、そして小さな幅の素早いキック、軸が乱れない息継ぎ。
廻屋渉は体力こそ乏しいが、運動神経は光るものがある。
如何に余計な力を抜き、どれだけ効率的なフォームを追求・維持できるかが大事な水泳は、渉の現状に非常にマッチしている運動と言えるだろう。
抵抗をはねのける肉体強度は柴田に大きく劣っており、結果として渉は僅かに柴田のリードを許していた。
しかし、それが逆に柴田の焦りを誘った。
「(くそ、引き離せねえ……!)」
残り10m。
隣のレーンの横目で見える位置にいる渉の姿に柴田の内心に焦燥が滲む。
焦燥は余計な力を生み、何とか引き離そうとさらに力を込めて水を蹴るが、効果は薄い。
そして――。
「(ッ、しまっ……!)」
息継ぎの際に身体の軸が乱れ、柴田のスピードが落ちる。
フォームが崩れない渉は残り5mで逆転、トップに躍り出た。
何とか巻き返しを図ろうとする柴田だったが、渉はスピードを落とさずそのまま壁にタッチ。
ゴールの瞬間、東山がストップウォッチを止め、喜色を込めた声を上げる。
「記録更新だな、廻屋! もっと体力は必要だが、夏なら大会狙えるぞ!」
「ゼェ、ハー……どうも。先生の指導の賜物です」
「くっそー! 負けたー!」
息も絶え絶えで返礼する渉の隣のレーンで、柴田が悔しさを露にする。
デッドヒートの末の逆転劇にプールサイドのクラスメイトは高揚を隠せず、拍手で2人を称えていた。
「お疲れ! 2人とも凄いデッドヒートだったね!」
「ああ。手に汗握るいい勝負だった」
「ありがとうございます。柴田さん、お昼楽しみにしてますね」
「げ。分かってるよ、男に二言はねえ」
興奮したように手を叩きながらプールサイドに戻った渉と柴田を労う一之瀬と神崎。
最初は浮世離れした雰囲気から遠巻きに様子を窺われることが多かった渉だが、この半月ほどでクラスに馴染むことができたと実感できる一幕だった。
= = =
しかし、上手くいくことばかりではないのが世の常。
「白波さん、頑張って!」
男子の予選が滞りなく終わり、女子の予選が始まった。
先に競泳を終えた一之瀬がプールサイドから友人に声援を送ると、送られた白波は照れたように赤面しながら手を挙げる。
しかし、飛び込み台の上に立つ彼女は傍から見て分かるほど緊張で強張っており……。
「白波さん!?」
「いけない……!」
プールの中ほど、25m地点で急に動きを鈍らせた白波の身体が沈んでいく。
藻掻きながらも浮かび上がる様子のない彼女の様子にギャラリーが悲鳴を上げる中、渉は躊躇なく走り、プールに飛び込んだ。
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